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0079.決戦前夜
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「そうか。気持ちは分かるが、全滅したら何にもならないよ。いざとなったら父ちゃんの力も借りようぜ。とりあえず、ティアラは明日、俺を世界の主のところまで連れて行ってくれたら、その後は父ちゃんと一緒にいてくれ。それが、一番安全だ。」
「分かったわ。」
それから、健は火の精を見た。
「お前は、火種さえあれば最強なんだがな。この氷の城はどこもかしこも氷しかないのが残念だ。雪だるまと戦った後に火種の材料を集める余裕もなかったしな。」
皆、非常に強いのだが、冷静に分析すると、明日の戦力になってくれそうなのがいない。やはり、俺が頑張らないと駄目か。
「今日も色々あって皆疲れてるだろうし、まずは寝て明日の本番に備えよう。見張り番は交代でやろう。最初は任せていいか。」
健は火の精に聞いた。
「いいよ。そもそもオイラは寝なくても平気だし。」
「有難いが、一応、順番制にしよう。2時間ほどしたら起こしてくれ。次の見張りは、俺がやる。ティアラは、その後を頼む。さあ、寝よう。」
そう言って健は横になった。雪山の山頂で寝たとはいえ、その後も色々あってクタクタだ。健は、何か大事なことを忘れている気もしたが、疲れでそのまま眠ってしまった。
ドカン、ドカンという激しい音と振動で健は目を覚ました。
「健、起きたか。良かった。健達が寝た後に黒い仮面が来やがって。声をかけてもなかなか起きないからどうしようかと思ってたら、ティアラの父ちゃんが黒い仮面に攻撃をしかけてさ。今やり合ってるよ。」
確かに素早く動き回る黒い仮面と黒い毛むくじゃらの巨体がやり合っている。健はすぐさま魔法の短剣を握り締め、超感覚で飛び回る黒い仮面を捉えると、魔法の短剣から光の刃を伸ばして一刀両断した。
「ぐわっ。」
真っ二つになった黒い仮面の男は地面に落ちた。だが、手応えがおかしい。超感覚では黒い仮面の男は、この部屋からもういなくなっているようだ。黒い毛むくじゃらも攻撃をやめて、その場で立っている。健が警戒しながら、地面に落ちた黒っぽい何かを見に行ってみると、そこには真っ二つになった人形が落ちていた。
「また逃げられたか。しかも今度は余裕を持って逃げられた。人を小馬鹿にするこんな物まで置いて行きやがって。」
腹が立った健は人形の片割れを蹴り上げた。だが、蹴り上げた瞬間に健の頭の中で最高の考えが閃いた。
「コイツは火種に使えるな。しかもこんなに大きいのが二つもある。明日は、お前に大活躍してもらえるぞ。」
「オイラ、メチャクチャ頑張るよ。でも、もう夜が少し明けてきてるから明日じゃなくて、今日だね。」
確かに外の猛吹雪の夜空が少し明るくなってきている。
「そうだな。もう今日の話だな。ところで、今のドタバタは、この世界の主に聞こえてないかな。」
「ここは、儀式の部屋からかなり離れているから大丈夫だと思うわ。」
「そうか。ならよかった。」
「分かったわ。」
それから、健は火の精を見た。
「お前は、火種さえあれば最強なんだがな。この氷の城はどこもかしこも氷しかないのが残念だ。雪だるまと戦った後に火種の材料を集める余裕もなかったしな。」
皆、非常に強いのだが、冷静に分析すると、明日の戦力になってくれそうなのがいない。やはり、俺が頑張らないと駄目か。
「今日も色々あって皆疲れてるだろうし、まずは寝て明日の本番に備えよう。見張り番は交代でやろう。最初は任せていいか。」
健は火の精に聞いた。
「いいよ。そもそもオイラは寝なくても平気だし。」
「有難いが、一応、順番制にしよう。2時間ほどしたら起こしてくれ。次の見張りは、俺がやる。ティアラは、その後を頼む。さあ、寝よう。」
そう言って健は横になった。雪山の山頂で寝たとはいえ、その後も色々あってクタクタだ。健は、何か大事なことを忘れている気もしたが、疲れでそのまま眠ってしまった。
ドカン、ドカンという激しい音と振動で健は目を覚ました。
「健、起きたか。良かった。健達が寝た後に黒い仮面が来やがって。声をかけてもなかなか起きないからどうしようかと思ってたら、ティアラの父ちゃんが黒い仮面に攻撃をしかけてさ。今やり合ってるよ。」
確かに素早く動き回る黒い仮面と黒い毛むくじゃらの巨体がやり合っている。健はすぐさま魔法の短剣を握り締め、超感覚で飛び回る黒い仮面を捉えると、魔法の短剣から光の刃を伸ばして一刀両断した。
「ぐわっ。」
真っ二つになった黒い仮面の男は地面に落ちた。だが、手応えがおかしい。超感覚では黒い仮面の男は、この部屋からもういなくなっているようだ。黒い毛むくじゃらも攻撃をやめて、その場で立っている。健が警戒しながら、地面に落ちた黒っぽい何かを見に行ってみると、そこには真っ二つになった人形が落ちていた。
「また逃げられたか。しかも今度は余裕を持って逃げられた。人を小馬鹿にするこんな物まで置いて行きやがって。」
腹が立った健は人形の片割れを蹴り上げた。だが、蹴り上げた瞬間に健の頭の中で最高の考えが閃いた。
「コイツは火種に使えるな。しかもこんなに大きいのが二つもある。明日は、お前に大活躍してもらえるぞ。」
「オイラ、メチャクチャ頑張るよ。でも、もう夜が少し明けてきてるから明日じゃなくて、今日だね。」
確かに外の猛吹雪の夜空が少し明るくなってきている。
「そうだな。もう今日の話だな。ところで、今のドタバタは、この世界の主に聞こえてないかな。」
「ここは、儀式の部屋からかなり離れているから大丈夫だと思うわ。」
「そうか。ならよかった。」
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