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0123.死神もどき
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「ククク。」
死神もどきの後ろで老婆が怪しく笑う。片手を斬り落とされたもう一人の老婆もニヤニヤして見ている。
「チビ助。」
「なーに。」
「お前は、アイツはどの位強いと思う。」
「うーん、そうだなあ。死神っぽいけど死のオーラを感じないからまあまあかな。本物の死神の仲間だったら龍の一族ともやり合える位の強さがあるんだけど。まあでも、弱くはないと思うよ。」
「そうか、分かった。すまんが、アイツの相手を頼んでいいか。何か俺はまだ、宝石の部屋の疲れがとれてないみたいだ。」
「うん、いいよ。」
「サンキュー。俺は岩石ゴーレムの後ろで少し休ませてもらうよ。」
健は岩石ゴーレムの傍に行って腰を下ろした。
「この場所で、俺を守れ。」
岩石ゴーレムは健を死神もどき達から隠す位置に移動し、仁王立ちして守備体制に入る。
「お婆ちゃん達、死にたくなかったらどこか行ってね。」
龍の言葉を聞いた老婆達はケラケラ笑っている。
「よーし、それじゃあいっちゃうよ。」
龍は死神もどきに向かって豪炎を吐き出した。死神もどきは予備動作もなく横に避け、後ろに立っていた老婆達は悲鳴を出す暇もなく燃え落ちた。死神もどきはそのままスーッと龍に向かって来る。
龍はその場から飛翔して空中から死神もどきを狙う作戦に出る。大鎌を構えた死神もどきも浮遊して龍を追いかけていく。死神もどきが左右にフェイントをかけながら龍に向かっていくのを見て健は慌てて龍に声をかける。
「おい、チビ助。お前のその凶悪な炎を俺の方には吐くなよ。」
「あっ、そうだね。すっかり忘れてた。あはは。」
「おいおい、頼むぜ。」
龍はその場からさらに上方高く飛翔する。追いかける死神もどきは自然と龍の真下の位置になった。そのタイミングを見逃さず、龍はさっきとは桁違いの豪炎を真下に吐き出した。大量の炎が真下に向かって流れ落ちる様はさながら豪炎の滝のようであった。豪炎に飲み込まれた死神もどきはなすすべなく燃え尽くされる。
龍はそのまま健の元まで飛んでいき、ストンっと着地した。
「どう。うまくやったでしょ。」
「ああ、この部屋の天井の高さをうまく利用するなんて賢いな。相変わらず、お前の炎はハンパないしな。さすがとしか言いようがない。」
「ふふふ。」
褒められた龍は、可愛いお目々をクルクルさせて喜ぶ。
「まだ一つ気になっているのは、あの老婆達がチビ助に飲ませたのがただの眠り薬なのかってことだ。まあ、今のところ何も変化はないし、気にし過ぎかもしれないけどな。」
「そうだよ。すごい美味しかったよ。」
健は的外れの龍の返事はスルーして、しばらくこの場で休息をとることを提案した。
「やっぱり、疲れが酷いわ。俺にもここで一休みさせてくれ。とりあえず、岩石ゴーレムに見張りをさせておこう。」
「オッケー。いいよ。この部屋はすごい広いから僕は少し見て回るね。」
「分かった。気を付けろよ。」
死神もどきの後ろで老婆が怪しく笑う。片手を斬り落とされたもう一人の老婆もニヤニヤして見ている。
「チビ助。」
「なーに。」
「お前は、アイツはどの位強いと思う。」
「うーん、そうだなあ。死神っぽいけど死のオーラを感じないからまあまあかな。本物の死神の仲間だったら龍の一族ともやり合える位の強さがあるんだけど。まあでも、弱くはないと思うよ。」
「そうか、分かった。すまんが、アイツの相手を頼んでいいか。何か俺はまだ、宝石の部屋の疲れがとれてないみたいだ。」
「うん、いいよ。」
「サンキュー。俺は岩石ゴーレムの後ろで少し休ませてもらうよ。」
健は岩石ゴーレムの傍に行って腰を下ろした。
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「よーし、それじゃあいっちゃうよ。」
龍は死神もどきに向かって豪炎を吐き出した。死神もどきは予備動作もなく横に避け、後ろに立っていた老婆達は悲鳴を出す暇もなく燃え落ちた。死神もどきはそのままスーッと龍に向かって来る。
龍はその場から飛翔して空中から死神もどきを狙う作戦に出る。大鎌を構えた死神もどきも浮遊して龍を追いかけていく。死神もどきが左右にフェイントをかけながら龍に向かっていくのを見て健は慌てて龍に声をかける。
「おい、チビ助。お前のその凶悪な炎を俺の方には吐くなよ。」
「あっ、そうだね。すっかり忘れてた。あはは。」
「おいおい、頼むぜ。」
龍はその場からさらに上方高く飛翔する。追いかける死神もどきは自然と龍の真下の位置になった。そのタイミングを見逃さず、龍はさっきとは桁違いの豪炎を真下に吐き出した。大量の炎が真下に向かって流れ落ちる様はさながら豪炎の滝のようであった。豪炎に飲み込まれた死神もどきはなすすべなく燃え尽くされる。
龍はそのまま健の元まで飛んでいき、ストンっと着地した。
「どう。うまくやったでしょ。」
「ああ、この部屋の天井の高さをうまく利用するなんて賢いな。相変わらず、お前の炎はハンパないしな。さすがとしか言いようがない。」
「ふふふ。」
褒められた龍は、可愛いお目々をクルクルさせて喜ぶ。
「まだ一つ気になっているのは、あの老婆達がチビ助に飲ませたのがただの眠り薬なのかってことだ。まあ、今のところ何も変化はないし、気にし過ぎかもしれないけどな。」
「そうだよ。すごい美味しかったよ。」
健は的外れの龍の返事はスルーして、しばらくこの場で休息をとることを提案した。
「やっぱり、疲れが酷いわ。俺にもここで一休みさせてくれ。とりあえず、岩石ゴーレムに見張りをさせておこう。」
「オッケー。いいよ。この部屋はすごい広いから僕は少し見て回るね。」
「分かった。気を付けろよ。」
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