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0150.長髪の男
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「何。どういう意味だ。」
「まあ、中に入ってゆっくりと話そう。」
ターバンの女の声は、そう言うと青い扉を一度轟閉じてまた開いた。どういうわけか、中は先程とはガラッと変わって食堂のような綺麗な部屋になっている。部屋の中央には少し大きめなテーブルがあり、白く清潔感のあるテーブルクロスがかけられている。テーブルの周りに椅子が6つほど置いてある。
健はターバンの女の後に続いて部屋に入った。ターバンの女は真ん中の椅子に座ると、反対側の椅子に座るように健に促してきた。健は言われるままに椅子に座る。
「それで、俺に何のようだ。」
どう聞いても男の声だ。声はターバンの女からではなく、部屋のどこか別のところから聞こえてくるようだ。健は少しイタズラ心が芽生えてきた。ターバンの女を真正面から見据えて返事をする。
「この石になった龍を診て欲しいの。」
今までの健の声とは違う女の声を聞いてターバンの女は目を丸くする。音を使う能力を持っている健には、こんな芸当は朝飯前である。女の声のモデルはレイニーだ。続けて、今度は健は口を開くことさえしないでターバンの女に問いかける。
「どうだい。あんたは呪術師なんだろ。診てもらえるかな。」
今度は地の底から聞こえてくる重低音の悪魔のような声だ。健の顔を見ていたターバンの女は笑い出した。
「分かった。分かった。俺の負けだ。」
それからターバンの女は、ちょっと待っていろという仕草をする。健が大人しく待っていると、部屋の奥の壁にかかっているカーテンの後ろから長髪の男が出てきた。長髪の男が現れると同時にターバンの女は操り人形の糸が切れたかのように脱力して机に突っ伏す。
長髪の男はターバンの女の横に座るとニヤリと笑った。
「あんたみたいな奴は初めてだ。なかなか楽しめたぜ。」
机に突っ伏して気を失っているターバンの女が気になって健が長髪の男に尋ねたが、長髪の男はどうでもよさそうに答えた。
「コイツは俺に返しきれないほどの借りがあるんだ。だから、俺の手足になってもらっているのさ。」
「それも呪術なのか。」
「まあ、そんなもんさ。あまり詳しくは言えんがね。それで俺に診てもらいたいって奴は龍か。何で石になってるんだ。部屋の外のコカトリスにやられたのか。」
「その通りだ。あれはあんたが飼っているのか。」
長髪の男は手を振って答えた。
「とんでもない。誰かが、あのコカトリスを俺の部屋の外に置きやがったから商売あがったりで大迷惑してるんだ。退治するのは簡単だが、どんな奴が嫌がらせしているのか確認しようと思ってそのままにしているのさ。」
「まあ、中に入ってゆっくりと話そう。」
ターバンの女の声は、そう言うと青い扉を一度轟閉じてまた開いた。どういうわけか、中は先程とはガラッと変わって食堂のような綺麗な部屋になっている。部屋の中央には少し大きめなテーブルがあり、白く清潔感のあるテーブルクロスがかけられている。テーブルの周りに椅子が6つほど置いてある。
健はターバンの女の後に続いて部屋に入った。ターバンの女は真ん中の椅子に座ると、反対側の椅子に座るように健に促してきた。健は言われるままに椅子に座る。
「それで、俺に何のようだ。」
どう聞いても男の声だ。声はターバンの女からではなく、部屋のどこか別のところから聞こえてくるようだ。健は少しイタズラ心が芽生えてきた。ターバンの女を真正面から見据えて返事をする。
「この石になった龍を診て欲しいの。」
今までの健の声とは違う女の声を聞いてターバンの女は目を丸くする。音を使う能力を持っている健には、こんな芸当は朝飯前である。女の声のモデルはレイニーだ。続けて、今度は健は口を開くことさえしないでターバンの女に問いかける。
「どうだい。あんたは呪術師なんだろ。診てもらえるかな。」
今度は地の底から聞こえてくる重低音の悪魔のような声だ。健の顔を見ていたターバンの女は笑い出した。
「分かった。分かった。俺の負けだ。」
それからターバンの女は、ちょっと待っていろという仕草をする。健が大人しく待っていると、部屋の奥の壁にかかっているカーテンの後ろから長髪の男が出てきた。長髪の男が現れると同時にターバンの女は操り人形の糸が切れたかのように脱力して机に突っ伏す。
長髪の男はターバンの女の横に座るとニヤリと笑った。
「あんたみたいな奴は初めてだ。なかなか楽しめたぜ。」
机に突っ伏して気を失っているターバンの女が気になって健が長髪の男に尋ねたが、長髪の男はどうでもよさそうに答えた。
「コイツは俺に返しきれないほどの借りがあるんだ。だから、俺の手足になってもらっているのさ。」
「それも呪術なのか。」
「まあ、そんなもんさ。あまり詳しくは言えんがね。それで俺に診てもらいたいって奴は龍か。何で石になってるんだ。部屋の外のコカトリスにやられたのか。」
「その通りだ。あれはあんたが飼っているのか。」
長髪の男は手を振って答えた。
「とんでもない。誰かが、あのコカトリスを俺の部屋の外に置きやがったから商売あがったりで大迷惑してるんだ。退治するのは簡単だが、どんな奴が嫌がらせしているのか確認しようと思ってそのままにしているのさ。」
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本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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