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一年ぶりの異世界
4 お土産
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「すみません岬さん、急な仕事が入りまして、今から出かけないといけなくなりました。王宮の案内なんかは後日でよろしいですか?」
『大丈夫です』
如月の携帯にかかってきたのは仕事の電話だったらしい。相変わらず忙しそうだな。
「本当なら上司に紹介したり、この世界の事や仕事内容を、食事でもとりながら詳しく説明したかったのですが」
『また今度でいいです』
「夜には戻って来られると思いますので、夕食でも食べましょうか」
これは多分無理して言ってるな。
「いいって。子供じゃないんだからさ。俺は適当に過ごすから、仕事してきてよ」
如月は息を吐いて、少し表情を崩した。
「岬さんは普段は子供っぽいですが、変な所で気を遣いますね。初めて異世界に来たばかりの時にも、結局放り出してしまって申し訳ありません。困った事があればいつでも電話してくださいね」
如月の優しい言葉に、今度は俺の方が困ってしまった。
素っ気なくて営業スマイルばかりで、嫌味な如月の方がしっくりくるんだけどな。
***
『いってらっしゃい』
如月を見送ってから、オフィスの机に座り、窓の外を見る。
やっぱり景色はいい。
ただ、窓の外のベランダみたいな空間に変な色の鳥がたくさん止まっている。こっちをじっと見ているけど、餌を待っているんだろうか。
『食べ物ありません』
ジェスチャーを交えてそう言うと、鳥たちは意味が分かったのか、こっちを見るのを止めた。
オフィスにいても誰も来ないし、出かけようかな。
異世界担当課を出ると、あちこち見て回りながら自分の部屋に戻る。
途中で会った人達に
『お疲れさまです』
と挨拶をすると、みんな挨拶を返してくれた。
たまに二度見する奴もいたけど、少しこの世界に馴染めたみたいで嬉しくなる。
部屋に戻ると、キャリーケースから封筒と袋ラーメンを取り出した。
それを持って20階に向かう。
20階といえば、俺が蛇に襲われた場所だ。少しドキドキしながら到着したけど、着いてみれば何ともなかった。内装が少し変わっているし、人がたくさんいる。
3階と同じように受付があって、お姉さんと兵士らしき人がこっちを見ている。素通り、は出来なさそうだな。
『ルーシェン王子はいますか?』
「何の御用でしょうか?」
『会いたいんですが』
「こちらにお名前と所属部署をお書きください」
『書いたらすぐに会えますか?』
受付のお姉さんの眉毛がピクリと動く。あれ?機嫌悪い?
「王子は大変お忙しい方です。緊急の要件であれば所属長を通していただけませんか?」
『緊急ではなくて、普通に会いたいんですが。会うのに一ヶ月くらいかかるのですか?』
「御用がないのならお帰りください」
『あります。これを渡したいんです』
封筒と袋ラーメンを取り出すと、兵士の顔まで険悪になった。
「……申し訳ありませんが」
『分かりました。帰ります』
やっぱり無理か。
一般庶民はなかなか会えないんだな。せっかくお土産持ってきたのに。
まあでも仕方ないか。
アルマみたいなストーカーもいたし、警戒するのも分かる気がする。
俺はあきらめて、王都を観光する事にした。
『大丈夫です』
如月の携帯にかかってきたのは仕事の電話だったらしい。相変わらず忙しそうだな。
「本当なら上司に紹介したり、この世界の事や仕事内容を、食事でもとりながら詳しく説明したかったのですが」
『また今度でいいです』
「夜には戻って来られると思いますので、夕食でも食べましょうか」
これは多分無理して言ってるな。
「いいって。子供じゃないんだからさ。俺は適当に過ごすから、仕事してきてよ」
如月は息を吐いて、少し表情を崩した。
「岬さんは普段は子供っぽいですが、変な所で気を遣いますね。初めて異世界に来たばかりの時にも、結局放り出してしまって申し訳ありません。困った事があればいつでも電話してくださいね」
如月の優しい言葉に、今度は俺の方が困ってしまった。
素っ気なくて営業スマイルばかりで、嫌味な如月の方がしっくりくるんだけどな。
***
『いってらっしゃい』
如月を見送ってから、オフィスの机に座り、窓の外を見る。
やっぱり景色はいい。
ただ、窓の外のベランダみたいな空間に変な色の鳥がたくさん止まっている。こっちをじっと見ているけど、餌を待っているんだろうか。
『食べ物ありません』
ジェスチャーを交えてそう言うと、鳥たちは意味が分かったのか、こっちを見るのを止めた。
オフィスにいても誰も来ないし、出かけようかな。
異世界担当課を出ると、あちこち見て回りながら自分の部屋に戻る。
途中で会った人達に
『お疲れさまです』
と挨拶をすると、みんな挨拶を返してくれた。
たまに二度見する奴もいたけど、少しこの世界に馴染めたみたいで嬉しくなる。
部屋に戻ると、キャリーケースから封筒と袋ラーメンを取り出した。
それを持って20階に向かう。
20階といえば、俺が蛇に襲われた場所だ。少しドキドキしながら到着したけど、着いてみれば何ともなかった。内装が少し変わっているし、人がたくさんいる。
3階と同じように受付があって、お姉さんと兵士らしき人がこっちを見ている。素通り、は出来なさそうだな。
『ルーシェン王子はいますか?』
「何の御用でしょうか?」
『会いたいんですが』
「こちらにお名前と所属部署をお書きください」
『書いたらすぐに会えますか?』
受付のお姉さんの眉毛がピクリと動く。あれ?機嫌悪い?
「王子は大変お忙しい方です。緊急の要件であれば所属長を通していただけませんか?」
『緊急ではなくて、普通に会いたいんですが。会うのに一ヶ月くらいかかるのですか?』
「御用がないのならお帰りください」
『あります。これを渡したいんです』
封筒と袋ラーメンを取り出すと、兵士の顔まで険悪になった。
「……申し訳ありませんが」
『分かりました。帰ります』
やっぱり無理か。
一般庶民はなかなか会えないんだな。せっかくお土産持ってきたのに。
まあでも仕方ないか。
アルマみたいなストーカーもいたし、警戒するのも分かる気がする。
俺はあきらめて、王都を観光する事にした。
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