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一年ぶりの異世界
5 ファンクラブ
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高層建築の王宮を出て、王宮前の広場をブラブラする。
広場には相変わらずいろいろな姿の人がいて、異世界に来たんだと実感した。翻訳機のおかげで、みんなが話している内容も理解出来る。
噴水広場の近くに軽食を売っている店があったので、パンとジュースもどきでも食べようと覗いてみた。そしてお金を持っていない事に気づく。
『こんにちは。今度王宮で働く事になりました岬です。お金を持っていませんが、今度払うので食べ物ください』
俺の言葉を店員のおじさんは鼻で笑った。
「お金を持って出直してきな」
やっぱり無理か。都会は世知辛い。
さっき別れたばかりだけど、如月に電話するかな。
悩んでいると、隣にいたおばさんが話しかけてきた。
「あんた、これから王宮で働くのかい?」
『あ、はいそうです』
「本当かい?ならわざわざ外に出なくても、王宮の中の飲食店なら身分証見せれば食べられるだろう?」
うぇ!?そうなのか?
「職場で説明無かったのかい?」
『無かったです』
「あらあ、そりゃ仕方ないね」
『ありがとうございます。では中に戻って……』
「お待ち!」
戻ろうとしたら、服を掴んで引き戻された。
「とりあえずこれ、余ったからお食べ」
パンもどきを渡された。よく分からない飲み物も。
「心配しなくても食べかけじゃないよ」
『いいんですか?お金を持っていません』
「いいんだよ。そのかわり、ちょっと話を聞かせておくれ」
おばさんの目がこころなしか輝いている。
そのまま俺はおばさんに引っ張られて、噴水広場の女性集団の中に連れて行かれた。
「あら、誰なのその子?」
女性の集団は年齢も姿もバラバラだった。でもみんな少し着飾っている。そういえばおばさんも化粧が濃い。集団になるとなんだか妙な迫力があるな。
「さっきパン屋で買収したのよ。これから王宮で働くらしいわ」
おばさんの言葉に女性達が色めき立つ。
「王宮!素敵ね!」
「羨ましいわ~!」
「職場は何階?」
『17階です』
「魔法関連部ね!いいわ~!」
「魔法が使えそうには見えないけど」
なんだか詳しいな。この人達誰なんだろう。
『あの、お姉さん達は何をしているのですか?』
俺の言葉に、女性達は満面の笑みで顔を見合わせた。
「私たちはルーシェン王子様ならびに飛行部隊のファンクラブ会員よ!」
ルーシェンのファンクラブ!?……ってやっぱりあるのか。
『私も入れてください』
「あんたは無理よ!」
パンをくれたおばさんが言う。
「王宮で働いている人は入れないんだよ。あたしらより王子様に会える確率が高いだろう?」
「それに男も駄目。男なら男子だけで結成されたファンクラブがあるから、そっちに行きなさいな」
男子だけのファンクラブって、女性だけのファンクラブより怖い気がするのは何故だろう。
「ねえ、あなた王子様のお姿を間近で拝見したことある?」
『あります』
「キャー!!」
眠ってる顔も見たことあるぞ。
「やっぱり、イケメンだった?このイラストと同じ?」
「馬鹿っ!疑うなんて王子様に失礼よ!」
「だって気になるじゃないー。私なんてはるか遠くからしかお姿を拝見した事がないのよ」
そのお姉さんはイラスト集のような本を持っていた。
ルーシェンや飛行部隊の似顔絵や全身像がイラストで載っている。
『本物はもっとかっこいいです』
俺が言うと、女性達から再び黄色い悲鳴が上がった。みんな凄いな。ルーシェン愛されてるんだなぁ。
「今日はファンの集いならびに、王子様のご帰還のお出迎えなの」
ご帰還?
『どこか行ってたのですか?』
「あなた、これから働く予定なのに知らないの?隣国の姫君の誕生パーティーよ」
あれ?ファンクラブのお姉さん達の眉間に皺が。
「今日帰ってきてくださるのは嬉しいけど……本当なのかしら、あの噂」
『噂?』
「王子様が隣国の姫君と婚約されるっていう噂よ」
広場には相変わらずいろいろな姿の人がいて、異世界に来たんだと実感した。翻訳機のおかげで、みんなが話している内容も理解出来る。
噴水広場の近くに軽食を売っている店があったので、パンとジュースもどきでも食べようと覗いてみた。そしてお金を持っていない事に気づく。
『こんにちは。今度王宮で働く事になりました岬です。お金を持っていませんが、今度払うので食べ物ください』
俺の言葉を店員のおじさんは鼻で笑った。
「お金を持って出直してきな」
やっぱり無理か。都会は世知辛い。
さっき別れたばかりだけど、如月に電話するかな。
悩んでいると、隣にいたおばさんが話しかけてきた。
「あんた、これから王宮で働くのかい?」
『あ、はいそうです』
「本当かい?ならわざわざ外に出なくても、王宮の中の飲食店なら身分証見せれば食べられるだろう?」
うぇ!?そうなのか?
「職場で説明無かったのかい?」
『無かったです』
「あらあ、そりゃ仕方ないね」
『ありがとうございます。では中に戻って……』
「お待ち!」
戻ろうとしたら、服を掴んで引き戻された。
「とりあえずこれ、余ったからお食べ」
パンもどきを渡された。よく分からない飲み物も。
「心配しなくても食べかけじゃないよ」
『いいんですか?お金を持っていません』
「いいんだよ。そのかわり、ちょっと話を聞かせておくれ」
おばさんの目がこころなしか輝いている。
そのまま俺はおばさんに引っ張られて、噴水広場の女性集団の中に連れて行かれた。
「あら、誰なのその子?」
女性の集団は年齢も姿もバラバラだった。でもみんな少し着飾っている。そういえばおばさんも化粧が濃い。集団になるとなんだか妙な迫力があるな。
「さっきパン屋で買収したのよ。これから王宮で働くらしいわ」
おばさんの言葉に女性達が色めき立つ。
「王宮!素敵ね!」
「羨ましいわ~!」
「職場は何階?」
『17階です』
「魔法関連部ね!いいわ~!」
「魔法が使えそうには見えないけど」
なんだか詳しいな。この人達誰なんだろう。
『あの、お姉さん達は何をしているのですか?』
俺の言葉に、女性達は満面の笑みで顔を見合わせた。
「私たちはルーシェン王子様ならびに飛行部隊のファンクラブ会員よ!」
ルーシェンのファンクラブ!?……ってやっぱりあるのか。
『私も入れてください』
「あんたは無理よ!」
パンをくれたおばさんが言う。
「王宮で働いている人は入れないんだよ。あたしらより王子様に会える確率が高いだろう?」
「それに男も駄目。男なら男子だけで結成されたファンクラブがあるから、そっちに行きなさいな」
男子だけのファンクラブって、女性だけのファンクラブより怖い気がするのは何故だろう。
「ねえ、あなた王子様のお姿を間近で拝見したことある?」
『あります』
「キャー!!」
眠ってる顔も見たことあるぞ。
「やっぱり、イケメンだった?このイラストと同じ?」
「馬鹿っ!疑うなんて王子様に失礼よ!」
「だって気になるじゃないー。私なんてはるか遠くからしかお姿を拝見した事がないのよ」
そのお姉さんはイラスト集のような本を持っていた。
ルーシェンや飛行部隊の似顔絵や全身像がイラストで載っている。
『本物はもっとかっこいいです』
俺が言うと、女性達から再び黄色い悲鳴が上がった。みんな凄いな。ルーシェン愛されてるんだなぁ。
「今日はファンの集いならびに、王子様のご帰還のお出迎えなの」
ご帰還?
『どこか行ってたのですか?』
「あなた、これから働く予定なのに知らないの?隣国の姫君の誕生パーティーよ」
あれ?ファンクラブのお姉さん達の眉間に皺が。
「今日帰ってきてくださるのは嬉しいけど……本当なのかしら、あの噂」
『噂?』
「王子様が隣国の姫君と婚約されるっていう噂よ」
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