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引っ越し
14 緊張してきた
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***
目が覚めた時、隣にルーシェンはいなかった。今何時なんだろう。寝過ぎたかな。天井がないから部屋は明るいけど、魔法のおかげか、暑いとか眩しいとか日焼けしてるような感じはない。
熱はすっかり下がっていた。
気分もすごくいい。腰はまだ少し痛いけど、これくらいなら十分動けるな。
21階に上がってまた高熱が出たらどうしようかと思ったけど、熱が出たのは絶対シロ(白い龍)に遭遇して幽体離脱したせいだから、遭遇しなければ問題ない。
如月に電話して仕事に行った方がいいかな。
そんな事を考えながら、起き上がって伸びをすると、いきなり
「おはようございます、ミサキ殿」
と声をかけられて、飛び上がるくらいびっくりした。
下のフロアに続く部屋の入り口に、フィオネさんが待機していた。
『お、おはようございます。いつからそこにいたんですか?』
「そろそろお目覚めになる頃かと思いまして。身体の具合はいかがですか?」
『調子いいです』
「それはようございました。朝食をご用意いたしております。こちらに運びましょうか?」
『大丈夫です。下に行きます。それより、何か着る物ください』
「畏まりました」
フィオネさんが、キャリーケースと一緒に俺の服を持ってきてくれた。それは仕事で着ていた制服ではなく、完全に新しいデザインの服だ。白いシャツに紺色のズボンは見た目はシンプルだけど、どう見ても高そうな生地で細かい刺繍とかキラキラした装飾がついている。
『これ着ていいんですか?』
これで仕事に行ってもいいんだろうか。部屋でごろごろするならスウェットでもいいんだけど。
でも、フィオネさんが有無を言わさず高級シャツを準備するので大人しく従うことにした。裸だけど昨日座薬入れる所見られてるし、もう気にしない事にしよう。ルーシェンが裸でも気にしないのってこの環境のせいだな。
高級シャツはすごく着心地がいい。一人でも着替えられるのに、フィオネさんが手伝ってくれる。
「制服をお借りして、急遽同じサイズの物をご用意いたしました。式で使う衣装はもう少し正確な採寸をいたしますので、午後には担当の者が参ります」
『式?……式って何の式ですか?』
「王子とミサキ殿の結婚式でございます」
『けっ……!けけけっこ……』
「準備がありますから、結婚式は半年から一年後になります。ですがその前に婚約式と婚約披露パーティーがございます」
動揺する俺をよそに、フィオネさんはテキパキと俺に服を着せていく。
足元には高価そうなサンダル風の靴を準備され、濡れタオルで顔を拭いている間に髪の毛にいろいろ振りかけられて髪もセットされた。
結婚式、か……。
ルーシェンとずっと一緒にいたいけど、いざ結婚式という単語を聞くと、みぞおちの辺りがなんだかひやっとするな。
大事になりすぎて震えるというか……まだ覚悟が足りないんだろうか。それともこれがあの有名なマリッジブルーってやつなのか?まさかウェディングドレス着るわけじゃないよな。異世界の結婚式事情が分からない。
フィオネさんと一緒に二つ下のフロアに降りると、初対面の女性が二人朝食の準備をしていた。昨日はフィオネさん以外の誰にも会わなかったから、人が居る事が新鮮だ。
いや待てよ。風呂場に一人いたな。この二人とは違う侍女が。後で別の人も紹介してもらおう。
「ミサキ殿、この者達は今日からミサキ殿のお世話をいたします。二人とも信頼のおける者です。なんなりとお申し付けくださいませ」
『よ、よろしくお願いします』
驚いた事に、二人の侍女は俺の姿を見て跪いた。こんなに若くて可愛い子にウルウルした目で見られて緊張する。
「未来の王妃様に仕える事が出来て光栄です」
「あなた様の為に精一杯尽くしたいと思います」
うわぁぁ……。
何だかこんな生活続けていたら、とんでもない勘違い野郎になりそうだ。
『ありがとうございます。私も頑張ります!よろしくお願いします』
挨拶を返すと、二人とも少し驚いた顔をしていた。
朝食は朝ごはんとは思えないほど豪華だ。これでも消化にいい物をそろえた病人食らしい。
「食事の後は治療師長の診察がございます。治療師長の許可が下りればその後は自由に散策されてけっこうですが、21階より下に行かれる事はお止めくださいませ。また、午後からは衣装の採寸がございます。また、王妃様と王様からミサキ殿と面会したいとの要請が入っております」
食べていた物を吹きそうになった。
「王様からの面会は断るよう王子に言われておりますが、王妃様はミサキ殿の体調に任せるとの事です。いかがなさいますか?」
面会?王妃様と?
断るような権利俺にあるのか?
『あ、会ってみます』
「ではそのように手配します」
幽体離脱から目覚めて、環境の変化についていけない。なんだかだんだん緊張してきたぞ。
目が覚めた時、隣にルーシェンはいなかった。今何時なんだろう。寝過ぎたかな。天井がないから部屋は明るいけど、魔法のおかげか、暑いとか眩しいとか日焼けしてるような感じはない。
熱はすっかり下がっていた。
気分もすごくいい。腰はまだ少し痛いけど、これくらいなら十分動けるな。
21階に上がってまた高熱が出たらどうしようかと思ったけど、熱が出たのは絶対シロ(白い龍)に遭遇して幽体離脱したせいだから、遭遇しなければ問題ない。
如月に電話して仕事に行った方がいいかな。
そんな事を考えながら、起き上がって伸びをすると、いきなり
「おはようございます、ミサキ殿」
と声をかけられて、飛び上がるくらいびっくりした。
下のフロアに続く部屋の入り口に、フィオネさんが待機していた。
『お、おはようございます。いつからそこにいたんですか?』
「そろそろお目覚めになる頃かと思いまして。身体の具合はいかがですか?」
『調子いいです』
「それはようございました。朝食をご用意いたしております。こちらに運びましょうか?」
『大丈夫です。下に行きます。それより、何か着る物ください』
「畏まりました」
フィオネさんが、キャリーケースと一緒に俺の服を持ってきてくれた。それは仕事で着ていた制服ではなく、完全に新しいデザインの服だ。白いシャツに紺色のズボンは見た目はシンプルだけど、どう見ても高そうな生地で細かい刺繍とかキラキラした装飾がついている。
『これ着ていいんですか?』
これで仕事に行ってもいいんだろうか。部屋でごろごろするならスウェットでもいいんだけど。
でも、フィオネさんが有無を言わさず高級シャツを準備するので大人しく従うことにした。裸だけど昨日座薬入れる所見られてるし、もう気にしない事にしよう。ルーシェンが裸でも気にしないのってこの環境のせいだな。
高級シャツはすごく着心地がいい。一人でも着替えられるのに、フィオネさんが手伝ってくれる。
「制服をお借りして、急遽同じサイズの物をご用意いたしました。式で使う衣装はもう少し正確な採寸をいたしますので、午後には担当の者が参ります」
『式?……式って何の式ですか?』
「王子とミサキ殿の結婚式でございます」
『けっ……!けけけっこ……』
「準備がありますから、結婚式は半年から一年後になります。ですがその前に婚約式と婚約披露パーティーがございます」
動揺する俺をよそに、フィオネさんはテキパキと俺に服を着せていく。
足元には高価そうなサンダル風の靴を準備され、濡れタオルで顔を拭いている間に髪の毛にいろいろ振りかけられて髪もセットされた。
結婚式、か……。
ルーシェンとずっと一緒にいたいけど、いざ結婚式という単語を聞くと、みぞおちの辺りがなんだかひやっとするな。
大事になりすぎて震えるというか……まだ覚悟が足りないんだろうか。それともこれがあの有名なマリッジブルーってやつなのか?まさかウェディングドレス着るわけじゃないよな。異世界の結婚式事情が分からない。
フィオネさんと一緒に二つ下のフロアに降りると、初対面の女性が二人朝食の準備をしていた。昨日はフィオネさん以外の誰にも会わなかったから、人が居る事が新鮮だ。
いや待てよ。風呂場に一人いたな。この二人とは違う侍女が。後で別の人も紹介してもらおう。
「ミサキ殿、この者達は今日からミサキ殿のお世話をいたします。二人とも信頼のおける者です。なんなりとお申し付けくださいませ」
『よ、よろしくお願いします』
驚いた事に、二人の侍女は俺の姿を見て跪いた。こんなに若くて可愛い子にウルウルした目で見られて緊張する。
「未来の王妃様に仕える事が出来て光栄です」
「あなた様の為に精一杯尽くしたいと思います」
うわぁぁ……。
何だかこんな生活続けていたら、とんでもない勘違い野郎になりそうだ。
『ありがとうございます。私も頑張ります!よろしくお願いします』
挨拶を返すと、二人とも少し驚いた顔をしていた。
朝食は朝ごはんとは思えないほど豪華だ。これでも消化にいい物をそろえた病人食らしい。
「食事の後は治療師長の診察がございます。治療師長の許可が下りればその後は自由に散策されてけっこうですが、21階より下に行かれる事はお止めくださいませ。また、午後からは衣装の採寸がございます。また、王妃様と王様からミサキ殿と面会したいとの要請が入っております」
食べていた物を吹きそうになった。
「王様からの面会は断るよう王子に言われておりますが、王妃様はミサキ殿の体調に任せるとの事です。いかがなさいますか?」
面会?王妃様と?
断るような権利俺にあるのか?
『あ、会ってみます』
「ではそのように手配します」
幽体離脱から目覚めて、環境の変化についていけない。なんだかだんだん緊張してきたぞ。
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