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帰還
12 修羅場
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はやく目を覚まして欲しいとずっと願ってたのに、目を覚まして最初に見る顔がこんなにキレているところだとは思わなかった。
「王子、何かの間違いです。どうか落ち着いてください!」
アークさんがしがみついてルーシェンを止めてる。ロベルトさんはずっと土下座してるし、室内の温度は氷柱でもできそうなほど冷え切ってる。
「ロベルト、これはいったいどういうことなのか説明しろ」
俺はルーシェンとその後ろのエルヴィンをぼんやりと眺めていた。頭がついていかなくて、どう対応していいか分からない。ロベルトさんみたいに土下座はできない。謝れば本当にロベルトさんと寝たみたいな雰囲気になる。でも、ルーシェンが持っていた剣の柄に手をかけたのでベッドから飛び降りた。
『ルーシェン! 剣を抜いたらダメだ。ロベルトさんは悪くない。魔法でーー』
エルヴィンに、と続けようと思ったのに喉が絞られたように声が出なくなった。おかしい、喋れない。
「お二人は雲の谷に行かれる時、同じ飛竜で移動されていたとか。いくら飛行部隊の隊長でも、上司から迫られればどうしようもありませんよね。王子がいつまでも目覚められないので好機だと思われたのでは?」
「エルヴィン! いい加減にしろ!」
「アーク隊長もそう思いませんか?」
代わりにエルヴィンが腹の立つことをペラペラ喋るから、ルーシェンの怒りオーラが一段と強くなった。
「……申し訳ありません。王子、ミサキ様には誓って指一本触れていませんが、私は隊長失格です。遠慮なく切り捨ててください」
ロベルトさんが額から血を流してそれだけ言った。ルーシェンは黙ったままロベルトさんを見下ろす。剣を抜くことはしなかったけど、氷の魔法が部屋中に渦を巻き、集束する。
「王子、おやめください!」
『ルーシェン、ダメだ!』
咄嗟にロベルトさんの前に飛び出した。ルーシェンの氷の魔法が直撃する。直前に指輪から青い魔法が現れて少しだけ守られたけど、それでもすごい衝撃だ。冷たいというより切られるように痛い。
「シュウヘイ……!」
「ミサキ様!」
これは死ぬかもしれない。
意識を失う瞬間、後ろで笑っているエルヴィンの顔が見えた。
***
「うう……」
生きてた。なんとか。
暗い部屋にいて、ベッドに寝かされている。身体をぽわんとした青い魔法が覆っていて、そのおかげでなんとか生きているような気がした。青い魔法のもとはやっぱりルーシェンの指輪だ。
身体が熱い。熱があるな。
気分も最悪だ。ロベルトさんどうなったんだろう。如月が、王族と雑魚寝しただけで降格か島送りだっていってた。まさか処刑されたりしないよな。だってロベルトさんは飛行部隊の第一部隊の隊長で、ルーシェンの右腕で、ずっと信頼している部下じゃないか。
それなのに……。嵌められたとはいえ俺のせいで、あんなに立場が危うくなるなんて。
それにルーシェンだって、信頼する部下を手にかけなきゃいけないなんて辛すぎる。もしも本当に俺とロベルトさんがルーシェンを裏切って浮気したと思ったなら、もっと最悪だ。
なんとか起き上がって、ベッドから降りる。ここはどこだろう。砦は全て岩の中にあるから区別がつかない。
ふらつきながら扉まで行って、開けようと思ったけど扉は開かなかった。もしかして俺、閉じ込められてるのかな。ルーシェンと婚約しているとはいえ、もとはただの異世界人だから、有罪だと判定されたら処刑されるのかも。
「ははっ」
乾いた笑いがでた。こんなにすんなりと陥れられると、エルヴィンも笑いが止まらないだろうな。
「はぁ……」
熱のせいで頭がまわらないけど、とりあえずロベルトさんだけでも助けなければ。
「王子、何かの間違いです。どうか落ち着いてください!」
アークさんがしがみついてルーシェンを止めてる。ロベルトさんはずっと土下座してるし、室内の温度は氷柱でもできそうなほど冷え切ってる。
「ロベルト、これはいったいどういうことなのか説明しろ」
俺はルーシェンとその後ろのエルヴィンをぼんやりと眺めていた。頭がついていかなくて、どう対応していいか分からない。ロベルトさんみたいに土下座はできない。謝れば本当にロベルトさんと寝たみたいな雰囲気になる。でも、ルーシェンが持っていた剣の柄に手をかけたのでベッドから飛び降りた。
『ルーシェン! 剣を抜いたらダメだ。ロベルトさんは悪くない。魔法でーー』
エルヴィンに、と続けようと思ったのに喉が絞られたように声が出なくなった。おかしい、喋れない。
「お二人は雲の谷に行かれる時、同じ飛竜で移動されていたとか。いくら飛行部隊の隊長でも、上司から迫られればどうしようもありませんよね。王子がいつまでも目覚められないので好機だと思われたのでは?」
「エルヴィン! いい加減にしろ!」
「アーク隊長もそう思いませんか?」
代わりにエルヴィンが腹の立つことをペラペラ喋るから、ルーシェンの怒りオーラが一段と強くなった。
「……申し訳ありません。王子、ミサキ様には誓って指一本触れていませんが、私は隊長失格です。遠慮なく切り捨ててください」
ロベルトさんが額から血を流してそれだけ言った。ルーシェンは黙ったままロベルトさんを見下ろす。剣を抜くことはしなかったけど、氷の魔法が部屋中に渦を巻き、集束する。
「王子、おやめください!」
『ルーシェン、ダメだ!』
咄嗟にロベルトさんの前に飛び出した。ルーシェンの氷の魔法が直撃する。直前に指輪から青い魔法が現れて少しだけ守られたけど、それでもすごい衝撃だ。冷たいというより切られるように痛い。
「シュウヘイ……!」
「ミサキ様!」
これは死ぬかもしれない。
意識を失う瞬間、後ろで笑っているエルヴィンの顔が見えた。
***
「うう……」
生きてた。なんとか。
暗い部屋にいて、ベッドに寝かされている。身体をぽわんとした青い魔法が覆っていて、そのおかげでなんとか生きているような気がした。青い魔法のもとはやっぱりルーシェンの指輪だ。
身体が熱い。熱があるな。
気分も最悪だ。ロベルトさんどうなったんだろう。如月が、王族と雑魚寝しただけで降格か島送りだっていってた。まさか処刑されたりしないよな。だってロベルトさんは飛行部隊の第一部隊の隊長で、ルーシェンの右腕で、ずっと信頼している部下じゃないか。
それなのに……。嵌められたとはいえ俺のせいで、あんなに立場が危うくなるなんて。
それにルーシェンだって、信頼する部下を手にかけなきゃいけないなんて辛すぎる。もしも本当に俺とロベルトさんがルーシェンを裏切って浮気したと思ったなら、もっと最悪だ。
なんとか起き上がって、ベッドから降りる。ここはどこだろう。砦は全て岩の中にあるから区別がつかない。
ふらつきながら扉まで行って、開けようと思ったけど扉は開かなかった。もしかして俺、閉じ込められてるのかな。ルーシェンと婚約しているとはいえ、もとはただの異世界人だから、有罪だと判定されたら処刑されるのかも。
「ははっ」
乾いた笑いがでた。こんなにすんなりと陥れられると、エルヴィンも笑いが止まらないだろうな。
「はぁ……」
熱のせいで頭がまわらないけど、とりあえずロベルトさんだけでも助けなければ。
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