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帰還
18 王妃様登場
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部屋の外に出ると譲二さんが立っていた。俺の姿を見るなりその場に膝を突く。
「ミサキ様、肝心な時にお守りできずに申し訳ありません。不甲斐ない私をどうか罰してください」
「ジョージ、そんなことよりミサキ様をお止めして。まだ謹慎中なのに王妃様に会いたいとおっしゃられて」
「えっ⁉︎」
『譲二さん、いろいろすみません。でも王妃様に会わないといけないので』
「王子はご存知なのですか⁉︎」
『ルーシェンは犯人を知りません。だから王妃様に相談します。これ以上変な魔法をかけられたくないし、変な罪を着せられたくありません。ロベルトさんだって無実だと証明します』
必死に伝えると、二人は顔を見合わせ頷いた。
「分かりました。私たちはミサキ様の部下、いざという時は私たちが罪を被ります」
二人に罪をきせるつもりはないけど、納得してくれたので会議室に向かう。
会議室の前にいる兵士は雲の谷の人だったので俺たちを見ても何も言わなかった。会議室からはなごやかに談笑する声が聞こえてくる。そのなごやかさに少し気後れして、扉をそっと開けて中を覗くと、華やかな王妃様のオーラが見えた。
***
「あなたは意識のないルーシェンをずっと回復してくれたそうね。魔法の才もあるとか。あなたのような者がこのような辺境の砦の隊長を何年も勤めていたとは惜しいことだわ」
「王妃様、私は自分の勤めを果たしただけです」
エルヴィンがルーシェンの隣で、王妃様に挨拶をしてる。会話の内容に手が震える。あの真っ黒オーラ、俺にしか向けられないから王妃様には分からないのか。
「褒美を与えましょう。好きな地位でもなんでもおっしゃい。ルーシェンもそれでいいわね」
「母上、エルヴィンの所属は国王軍です。父上の管轄なので、私には口出しできませんが」
「ではわたくしが国王陛下に口添えしましょう」
「王妃様! ありがとうございます!」
エルヴィンが跪いてお礼をいうと、国王軍の兵士たちから拍手と歓声が上がった。
あの野郎。どこまで図々しいんだ。自分で魔法をかけておいて。
「ところでルーシェン、あなたの婚約者はどこかしら? 久々に顔が見たいわ。砦にいると聞いたけど」
俺の名前が出て、ルーシェンが困惑した表情になった。
「シュウヘイは今、体調を崩しているので部屋で安静にしています」
「雲の谷で回復したと兄から聞いたわ」
「魔力酔いをおこしています」
「たしかに、この砦は魔力が充満しているようね」
「そのことは私にも責任が」
ルーシェンがそこまで話した時、ルーシェンの服の隙間から大根の聖獣がひょっこり顔を出した。あいつ、ずっとルーシェンの服の中にいたのか。ルーシェンは全然気づいていない。そのまま床に降りると、てとてとと歩きこっちに向かってくる。
「王妃様、実は王太子妃様は王子の不興を買い、謹慎処分を受けております」
エルヴィンが余計なことを暴露している間に、大根の聖獣がドアの前までやってきた。そのまま俺が覗いていた隙間から廊下に出て、俺の服に飛びうつり、肩に乗る。会議室に目を向けると、王妃様と目が合った。
「謹慎? そこにいるじゃないの。入っていらっしゃい」
にこやかに微笑む王妃様とは対照的に、ムッとするルーシェンと、真っ黒いオーラを燃え上がらせるエルヴィン。会議室に足を踏み入れると、周りにいた兵士たちがざわついた。俺って、本当によく思われていないな。国王軍から向けられる軽蔑の眼差しをひしひしと感じる。完全にアウェイな試合会場で、優勝決定戦みたいな雰囲気だ。ブーイングがないだけマシかな。病み上がりでコンディションは最悪。だけど、負けたくない。
「ミサキ様、肝心な時にお守りできずに申し訳ありません。不甲斐ない私をどうか罰してください」
「ジョージ、そんなことよりミサキ様をお止めして。まだ謹慎中なのに王妃様に会いたいとおっしゃられて」
「えっ⁉︎」
『譲二さん、いろいろすみません。でも王妃様に会わないといけないので』
「王子はご存知なのですか⁉︎」
『ルーシェンは犯人を知りません。だから王妃様に相談します。これ以上変な魔法をかけられたくないし、変な罪を着せられたくありません。ロベルトさんだって無実だと証明します』
必死に伝えると、二人は顔を見合わせ頷いた。
「分かりました。私たちはミサキ様の部下、いざという時は私たちが罪を被ります」
二人に罪をきせるつもりはないけど、納得してくれたので会議室に向かう。
会議室の前にいる兵士は雲の谷の人だったので俺たちを見ても何も言わなかった。会議室からはなごやかに談笑する声が聞こえてくる。そのなごやかさに少し気後れして、扉をそっと開けて中を覗くと、華やかな王妃様のオーラが見えた。
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「あなたは意識のないルーシェンをずっと回復してくれたそうね。魔法の才もあるとか。あなたのような者がこのような辺境の砦の隊長を何年も勤めていたとは惜しいことだわ」
「王妃様、私は自分の勤めを果たしただけです」
エルヴィンがルーシェンの隣で、王妃様に挨拶をしてる。会話の内容に手が震える。あの真っ黒オーラ、俺にしか向けられないから王妃様には分からないのか。
「褒美を与えましょう。好きな地位でもなんでもおっしゃい。ルーシェンもそれでいいわね」
「母上、エルヴィンの所属は国王軍です。父上の管轄なので、私には口出しできませんが」
「ではわたくしが国王陛下に口添えしましょう」
「王妃様! ありがとうございます!」
エルヴィンが跪いてお礼をいうと、国王軍の兵士たちから拍手と歓声が上がった。
あの野郎。どこまで図々しいんだ。自分で魔法をかけておいて。
「ところでルーシェン、あなたの婚約者はどこかしら? 久々に顔が見たいわ。砦にいると聞いたけど」
俺の名前が出て、ルーシェンが困惑した表情になった。
「シュウヘイは今、体調を崩しているので部屋で安静にしています」
「雲の谷で回復したと兄から聞いたわ」
「魔力酔いをおこしています」
「たしかに、この砦は魔力が充満しているようね」
「そのことは私にも責任が」
ルーシェンがそこまで話した時、ルーシェンの服の隙間から大根の聖獣がひょっこり顔を出した。あいつ、ずっとルーシェンの服の中にいたのか。ルーシェンは全然気づいていない。そのまま床に降りると、てとてとと歩きこっちに向かってくる。
「王妃様、実は王太子妃様は王子の不興を買い、謹慎処分を受けております」
エルヴィンが余計なことを暴露している間に、大根の聖獣がドアの前までやってきた。そのまま俺が覗いていた隙間から廊下に出て、俺の服に飛びうつり、肩に乗る。会議室に目を向けると、王妃様と目が合った。
「謹慎? そこにいるじゃないの。入っていらっしゃい」
にこやかに微笑む王妃様とは対照的に、ムッとするルーシェンと、真っ黒いオーラを燃え上がらせるエルヴィン。会議室に足を踏み入れると、周りにいた兵士たちがざわついた。俺って、本当によく思われていないな。国王軍から向けられる軽蔑の眼差しをひしひしと感じる。完全にアウェイな試合会場で、優勝決定戦みたいな雰囲気だ。ブーイングがないだけマシかな。病み上がりでコンディションは最悪。だけど、負けたくない。
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