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帰還
17 援軍到着
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『ルーシェン……この砦には強い魔法がかかっています。だから、みんな眠ったり、状態異常になったりします』
「見えるのか」
『何度か見えました。あの夜も、ルーシェンの部屋に行ったら、部屋の壁に魔法の文字が見えて……気を失いました』
「誰かがシュウヘイを狙っているのは確かだ。よくない噂も広まっているし、浮島を墜落させたのもシュウヘイのせいだと言われていた。だが命まで狙うとは思っていなかった。俺のせいだ。花粉の被害に気を取られすぎていた」
『誰が狙ったか知ってます。それは、国王軍の……』
駄目だ。やっぱり言葉が出ない。
「国王軍の?」
『言えないんです。何か、変な魔法をかけられました』
「心配するな。今、飛行部隊に調べさせている。朝までには見つかるはずだ。安心して寝てろ」
ルーシェンはそう言ったけど、とても安心なんて出来なかった。エルヴィンは俺の処刑が失敗したと気づいたら、次の手をうってくるはずだ。だけど、熱で頭はまわらないし、ルーシェンの腕の中が心地よくて、ついうとうとしてしまった。
***
強い魔力を感じて目を覚ました。一瞬、エルヴィンの魔法かと思って飛び起きる。隣にルーシェンがいない。どこに行ったんだ? まさかエルヴィンが何かしたのか?
焦っていると、砦にかけられていた重苦しい魔法が消えて、すうっと身体が軽くなる。嘘みたいに楽になった。やっぱりな。みんな魔力酔いって言ってたけど、俺はエルヴィンの魔法のせいじゃないかと思ってたんだ。
「ミサキ様」
ポリムが水を持って部屋に入って来た。
「お目覚めになりましたの?」
『ポリム……』
「顔色が良くなりましたわね。熱も下がられたようで安心しました」
ポリムが俺の熱をはかり、薬の準備をする。
『ルーシェンは? 今、何か魔法が』
「先程、この砦に援軍が到着しましたの。王子様はそのお出迎えで会議室にいらっしゃってますわ。その軍を率いていたのはどなただと思います?」
ポリムの目が輝いてる。有名な人なんだろうか。
『誰ですか?』
「王妃様です!」
王妃様!
頭の中に、龍を従えて散歩していたあのラスボス感漂う女性の姿が浮かんだ。
「これでもう安心ですわ。ミサキ様も王子様も砦は援軍に任せて王都へ帰還できます。王子様がミサキ様を謹慎処分になさったときには、心臓が止まるかと思いましたけど、私は信じていました。王子様はミサキ様を心から愛していらっしゃるのですもの。きっとすぐに許されるだろうと思っていましたわ」
『謹慎処分って、どういう状態なんでしょうか。王妃様に会えますか?』
そう言うと、ポリムは目をまるくした。
「もしかして、ミサキ様はまだ王子様から許されていらっしゃらないのですか?」
『まだ処分中だって言ってました』
「あんなにお優しくしていらっしゃったのに?」
『ロベルトさんが謹慎中だから、同罪だって』
「まあっ、私とジョージの降格処分が許されたから、王子様はミサキ様もお許しになったのかと……違うのですね。
ロベルト隊長はお一人で謹慎されればよろしいのですわ。同じ罪だなんて、そんなことありません。いつだって部下の罪が重いに決まってます」
ポリム、ロベルトさんに厳しいな。
『謹慎じゃなく、別の処分にしてもらえないでしょうか。王妃様に会いたいので』
ラキ王国の刑罰、もっと勉強しておけばよかった。むしろ歴史なんかより一番勉強しないといけないところなんじゃないか? 自分の身を守るためにも、この国の法律と刑罰は頭に叩き込んでおかないとまずい。謹慎といえば、外出禁止みたいなイメージだけど、それで合っているのかも分からないし、それに代わる同じくらいの刑罰に変更してもらって、王妃様と会ってエルヴィンの対策を練りたい。
そもそも婚約旅行中に雲の谷に行こうと思ったのも、王妃様に魔法のことを聞いて弟子入りしたかったせいだ。王妃様は見える人なんだから、エルヴィンの真っ黒オーラだって見えるはずだ。
ベッドから起き上がってマントを羽織ると、ポリムに止められた。
「ミ、ミサキ様、お部屋をお出になると怒られてしまいます。お戻りください。それに病み上がりです」
『ポリム、別の処分に変えてもらうので安心してください。王妃様に話したいことがあるので会議室に行きます』
「見えるのか」
『何度か見えました。あの夜も、ルーシェンの部屋に行ったら、部屋の壁に魔法の文字が見えて……気を失いました』
「誰かがシュウヘイを狙っているのは確かだ。よくない噂も広まっているし、浮島を墜落させたのもシュウヘイのせいだと言われていた。だが命まで狙うとは思っていなかった。俺のせいだ。花粉の被害に気を取られすぎていた」
『誰が狙ったか知ってます。それは、国王軍の……』
駄目だ。やっぱり言葉が出ない。
「国王軍の?」
『言えないんです。何か、変な魔法をかけられました』
「心配するな。今、飛行部隊に調べさせている。朝までには見つかるはずだ。安心して寝てろ」
ルーシェンはそう言ったけど、とても安心なんて出来なかった。エルヴィンは俺の処刑が失敗したと気づいたら、次の手をうってくるはずだ。だけど、熱で頭はまわらないし、ルーシェンの腕の中が心地よくて、ついうとうとしてしまった。
***
強い魔力を感じて目を覚ました。一瞬、エルヴィンの魔法かと思って飛び起きる。隣にルーシェンがいない。どこに行ったんだ? まさかエルヴィンが何かしたのか?
焦っていると、砦にかけられていた重苦しい魔法が消えて、すうっと身体が軽くなる。嘘みたいに楽になった。やっぱりな。みんな魔力酔いって言ってたけど、俺はエルヴィンの魔法のせいじゃないかと思ってたんだ。
「ミサキ様」
ポリムが水を持って部屋に入って来た。
「お目覚めになりましたの?」
『ポリム……』
「顔色が良くなりましたわね。熱も下がられたようで安心しました」
ポリムが俺の熱をはかり、薬の準備をする。
『ルーシェンは? 今、何か魔法が』
「先程、この砦に援軍が到着しましたの。王子様はそのお出迎えで会議室にいらっしゃってますわ。その軍を率いていたのはどなただと思います?」
ポリムの目が輝いてる。有名な人なんだろうか。
『誰ですか?』
「王妃様です!」
王妃様!
頭の中に、龍を従えて散歩していたあのラスボス感漂う女性の姿が浮かんだ。
「これでもう安心ですわ。ミサキ様も王子様も砦は援軍に任せて王都へ帰還できます。王子様がミサキ様を謹慎処分になさったときには、心臓が止まるかと思いましたけど、私は信じていました。王子様はミサキ様を心から愛していらっしゃるのですもの。きっとすぐに許されるだろうと思っていましたわ」
『謹慎処分って、どういう状態なんでしょうか。王妃様に会えますか?』
そう言うと、ポリムは目をまるくした。
「もしかして、ミサキ様はまだ王子様から許されていらっしゃらないのですか?」
『まだ処分中だって言ってました』
「あんなにお優しくしていらっしゃったのに?」
『ロベルトさんが謹慎中だから、同罪だって』
「まあっ、私とジョージの降格処分が許されたから、王子様はミサキ様もお許しになったのかと……違うのですね。
ロベルト隊長はお一人で謹慎されればよろしいのですわ。同じ罪だなんて、そんなことありません。いつだって部下の罪が重いに決まってます」
ポリム、ロベルトさんに厳しいな。
『謹慎じゃなく、別の処分にしてもらえないでしょうか。王妃様に会いたいので』
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そもそも婚約旅行中に雲の谷に行こうと思ったのも、王妃様に魔法のことを聞いて弟子入りしたかったせいだ。王妃様は見える人なんだから、エルヴィンの真っ黒オーラだって見えるはずだ。
ベッドから起き上がってマントを羽織ると、ポリムに止められた。
「ミ、ミサキ様、お部屋をお出になると怒られてしまいます。お戻りください。それに病み上がりです」
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