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結婚式
5 部屋に戻ります
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ルーシェンはフィオネさんやアークさんと何かを話すと、扉を閉めて再びベッドに戻って来た。
『何かあったんですか?』
「エストの体調が悪化しているらしい」
ルーシェンは険しい表情でそう言った。エストといえばルーシェンの白い飛竜だ。一緒に砦に着いてきて、ルーシェンと同時に状態異常の魔法を受けたと聞いていた。でもルーシェンの飛竜だから優先して薬や回復魔法で治療して順調に元気になっていたのに。今はこの飛行船で他の飛竜たちと一緒に王都に向かっているとも。
『どうして……』
「分からない。心配だから少し様子を見てくる」
『私も行きます』
「それには及ばない。シュウヘイは眠っていてくれ。エストを治したら戻る」
ルーシェンは短時間浴室に行っただけで通常の王子様モードになり、上着を羽織って颯爽と部屋から出ていった。さっきまであんなにエロかったのに、そんな気配をまったく感じさせないところがすごい。でも俺が部下だったら髪が濡れているだけで興奮するかも。
対して俺ときたら、いまだに腰に力が入らなくて起き上がれない。身体に熱が残っていて、とてもあんなふうにすぐに仕事に戻れない。ちょっとトイレで自分を慰めてから……いやいや、奥に突っ込まれないと欲求不満は解消されない気がする。
ルーシェン、やっぱりちょっと怒ってるのかな。ロベルトさんとのこと。口には出さないけど、裸でロベルトさんのベッドに寝てたことを思い出したんじゃないかと思う。嫌われたんじゃなくて、ただの嫉妬だと信じたい。
エストのことも心配だ。あんなに強くて綺麗な飛竜が弱っているなんて。俺にできることが何もないのがもどかしい。
そういえば、回復の聖獣を連れていったらどうだろう。きっと効くはずだ。
ベッドから起き上がって腰をさすり、身体の熱をなんとか逃す。俺も浴室に行って、ぬるま湯を作ってお風呂に入った。いつもならルーシェンが回復魔法をかけてくれるけど、途中だったからなのか、俺が魔力酔いしていたからなのか、今日はかけてもらっていなくて腰が痛い。身体も重い。やっぱり体力が戻っていないんだろうな。
身体を洗って服を着替える。王妃様の部屋には廊下を通らなくても別の部屋を経由して移動できるから、そっちから部屋に行くと、あいかわらずベッドの上で大根みたいな聖獣が寝ていた。
「寝てるところ悪いけど、ちょっとだけ来てくれないかな? ルーシェンの飛竜のエストを治して欲しいんだ」
日本語でも通じたらしく、聖獣はむくりと起き上がり俺にしがみついてきた。慣れると可愛いな。それに痛みが消えて身体が少し楽になった。
王妃様の部屋を出ると、譲二さんが俺の前にさっと現れた。部屋の前で見張りをしてくれていたみたいだ。いつも思うけど護衛兵ってすごい。
「ミサキ様、どちらに行かれるのですか?」
『エストの具合が悪いと聞いたので、心配で』
「分かりました。ではお供いたします」
譲二さんにエストの居場所を聞いて向かう。エストがいる飛竜用の宿舎は飛行船の後方の地下にあるみたいだ。
階段を降りていくと、途中から大勢の兵士たちの声が聞こえてきた。真夜中なのにけっこうみんな起きてるんだな。
「ミサキ様、回復魔法や解毒魔法が多く使われているようです。あまり大量の魔力を浴びますとミサキ様は体調を崩されますので、魔法が少し落ち着くまで待ちましょう」
『そうですね』
譲二さんの言葉に従って入り口で少し待っていると、部屋の中から歓声が上がった。気になりすぎてドアから覗く。
宿舎の中央に真っ白い飛竜が寝ていて、そばでエストの首を撫でているルーシェンと、それからなぜかそこに寄り添うエルヴィン、その周りを囲むたくさんの兵が拍手をしているのが目に入った。
何でエルヴィンが……。
答えはすぐにわかった。ルーシェンが、はにかむエルヴィンにお礼を言っている。
「助かった。エストが元気になったのはエルヴィンのおかげだ」
「王子の愛する竜のためなら、一晩中回復魔法を唱えることなど、何も辛くありません。ですが全快するまで油断できませんので、王都に着くまで回復し続けたほうがいいでしょう」
「そうだな。これからも頼む」
「王子のお役に立てて本望です」
俺はそっと入り口の扉を閉めた。
「ミサキ様?」
『部屋に戻ります』
大根の聖獣をぎゅっと抱きしめて部屋に戻る。何だか無性に悲しくなってその場に入っていけなかった。
『何かあったんですか?』
「エストの体調が悪化しているらしい」
ルーシェンは険しい表情でそう言った。エストといえばルーシェンの白い飛竜だ。一緒に砦に着いてきて、ルーシェンと同時に状態異常の魔法を受けたと聞いていた。でもルーシェンの飛竜だから優先して薬や回復魔法で治療して順調に元気になっていたのに。今はこの飛行船で他の飛竜たちと一緒に王都に向かっているとも。
『どうして……』
「分からない。心配だから少し様子を見てくる」
『私も行きます』
「それには及ばない。シュウヘイは眠っていてくれ。エストを治したら戻る」
ルーシェンは短時間浴室に行っただけで通常の王子様モードになり、上着を羽織って颯爽と部屋から出ていった。さっきまであんなにエロかったのに、そんな気配をまったく感じさせないところがすごい。でも俺が部下だったら髪が濡れているだけで興奮するかも。
対して俺ときたら、いまだに腰に力が入らなくて起き上がれない。身体に熱が残っていて、とてもあんなふうにすぐに仕事に戻れない。ちょっとトイレで自分を慰めてから……いやいや、奥に突っ込まれないと欲求不満は解消されない気がする。
ルーシェン、やっぱりちょっと怒ってるのかな。ロベルトさんとのこと。口には出さないけど、裸でロベルトさんのベッドに寝てたことを思い出したんじゃないかと思う。嫌われたんじゃなくて、ただの嫉妬だと信じたい。
エストのことも心配だ。あんなに強くて綺麗な飛竜が弱っているなんて。俺にできることが何もないのがもどかしい。
そういえば、回復の聖獣を連れていったらどうだろう。きっと効くはずだ。
ベッドから起き上がって腰をさすり、身体の熱をなんとか逃す。俺も浴室に行って、ぬるま湯を作ってお風呂に入った。いつもならルーシェンが回復魔法をかけてくれるけど、途中だったからなのか、俺が魔力酔いしていたからなのか、今日はかけてもらっていなくて腰が痛い。身体も重い。やっぱり体力が戻っていないんだろうな。
身体を洗って服を着替える。王妃様の部屋には廊下を通らなくても別の部屋を経由して移動できるから、そっちから部屋に行くと、あいかわらずベッドの上で大根みたいな聖獣が寝ていた。
「寝てるところ悪いけど、ちょっとだけ来てくれないかな? ルーシェンの飛竜のエストを治して欲しいんだ」
日本語でも通じたらしく、聖獣はむくりと起き上がり俺にしがみついてきた。慣れると可愛いな。それに痛みが消えて身体が少し楽になった。
王妃様の部屋を出ると、譲二さんが俺の前にさっと現れた。部屋の前で見張りをしてくれていたみたいだ。いつも思うけど護衛兵ってすごい。
「ミサキ様、どちらに行かれるのですか?」
『エストの具合が悪いと聞いたので、心配で』
「分かりました。ではお供いたします」
譲二さんにエストの居場所を聞いて向かう。エストがいる飛竜用の宿舎は飛行船の後方の地下にあるみたいだ。
階段を降りていくと、途中から大勢の兵士たちの声が聞こえてきた。真夜中なのにけっこうみんな起きてるんだな。
「ミサキ様、回復魔法や解毒魔法が多く使われているようです。あまり大量の魔力を浴びますとミサキ様は体調を崩されますので、魔法が少し落ち着くまで待ちましょう」
『そうですね』
譲二さんの言葉に従って入り口で少し待っていると、部屋の中から歓声が上がった。気になりすぎてドアから覗く。
宿舎の中央に真っ白い飛竜が寝ていて、そばでエストの首を撫でているルーシェンと、それからなぜかそこに寄り添うエルヴィン、その周りを囲むたくさんの兵が拍手をしているのが目に入った。
何でエルヴィンが……。
答えはすぐにわかった。ルーシェンが、はにかむエルヴィンにお礼を言っている。
「助かった。エストが元気になったのはエルヴィンのおかげだ」
「王子の愛する竜のためなら、一晩中回復魔法を唱えることなど、何も辛くありません。ですが全快するまで油断できませんので、王都に着くまで回復し続けたほうがいいでしょう」
「そうだな。これからも頼む」
「王子のお役に立てて本望です」
俺はそっと入り口の扉を閉めた。
「ミサキ様?」
『部屋に戻ります』
大根の聖獣をぎゅっと抱きしめて部屋に戻る。何だか無性に悲しくなってその場に入っていけなかった。
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