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日曜日、午後2時
2 きこりスタイル完成
困ったな。
言葉がわからないと何かと不便だ。人がいて、みんな優しそうな感じで、文明度がまあまあ高そうなのがまだ安心出来るところだ。それだけあれば十分かな。
俺はベッドから出ようとして、自分が長袖シャツとその下に裾がボロボロになったTシャツしか身につけていない事に気づいた。丸出しだ……。
そういえば、花の中でズボンと下着と靴と靴下を奪われたんだった。つまり俺は、救出されてここに寝かされて治療される間、ずっと下半身露出していたのか……。
せめて布団はかけていてくれたと思いたいが、絶対に見られてる。恥ずかしい。気を失っていて良かった。いや、意識があったら隠せたはずだ。
ガチャ
突然ドアが開いた。俺は動揺して布団を腰に巻き付けたが、入ってきたのは小さな男の子だった。
「な、何か用か?」
『着替え、持って行けって』
子供は村人が着ていたような布の服を持っている。
『これ』
「これ着てもいいのか?」
『着ろって』
俺はその布の束を受け取った。
「ありがとう」
子供がじっと見ているのが気になったけど、同じ男だ。それに言葉も通じないし、この世界の事もわからない。
堂々としていれば、俺の世界では花に食われてイかされそうになり、下半身露出する事なんてどうという事はないんだ……と錯覚してくれないだろうか。
俺は下着と思われる物をはき、裾のだらっとした長ズボンを身につけ、何かの動物の革で出来ているらしいブーツを履いた。
長ズボンの裾はブーツに入れて紐でぐるぐるに巻くらしい。
シャツとTシャツは自前で、その上に革のベストを身につける。
木こり?いや狩人か、これ。
「できた。こんな感じでいいのか?」
子供に見せると、子供は満足げに頷いた。
『ご飯食べる?』
何て言ってるんだろう?
『こっち来て』
子供は俺の手を引っ張って部屋から連れ出した。
部屋の外は廊下で、両脇にいくつも扉が並んでいる。洋風だけど木造の建物は、おしゃれな温泉旅館に来た気分になる。
見覚えのあるものとない物がごちゃ混ぜな風景に、俺は違和感と既視感を交互に覚える事になった。
廊下を歩いていくと、とてもいい匂いが漂ってきた。
お腹すいてたんだ。今なら俺は何でも食えるぞ。
「いい匂いだな。もしかして何か食わせてもらえるのか?」
『お母さん、連れてきたよ』
少し広い部屋に連れて行かれると、その部屋には大きなテーブルと椅子があり、近くで女の人が料理を作っていた。
女性は俺より少し年上で、白いエプロンと緑色のロングドレスを着ている。子供の声に振り返った女性は、俺の姿を見て微笑んだ。
『あら、似合うじゃない。お腹すいたでしょう?』
今、間違いなく褒められた気がするぞ……。
「服、ありがとうございます。助かりました」
俺は服を指さし、両手を前で合わせた。ついでに頭も下げた。伝わったかな。
『服の事?いいのよ。あなた律儀ねぇ』
女性に促されてテーブルに着くと、白っぽいパンみたいなものと、火の通った肉と色とりどりの野菜の入ったスープを出してくれた。
『食べていいよ』
子供がそう言って、自分も隣りに座り肉をつまんで口に放りこむ。なるほど、手づかみか。
まねして手で肉をつまんで口に放りこむ。シンプルな味付けだが、そこがうまい。
「うまいな!」
『お母さんの料理、美味しいんだよ』
子供は指をなめると手を服でぬぐう。
俺もやるべきか?
指をなめていると、女性があきれたように俺にスプーンとフォークを出してきた。手づかみじゃなかったらしい。
言葉がわからないと何かと不便だ。人がいて、みんな優しそうな感じで、文明度がまあまあ高そうなのがまだ安心出来るところだ。それだけあれば十分かな。
俺はベッドから出ようとして、自分が長袖シャツとその下に裾がボロボロになったTシャツしか身につけていない事に気づいた。丸出しだ……。
そういえば、花の中でズボンと下着と靴と靴下を奪われたんだった。つまり俺は、救出されてここに寝かされて治療される間、ずっと下半身露出していたのか……。
せめて布団はかけていてくれたと思いたいが、絶対に見られてる。恥ずかしい。気を失っていて良かった。いや、意識があったら隠せたはずだ。
ガチャ
突然ドアが開いた。俺は動揺して布団を腰に巻き付けたが、入ってきたのは小さな男の子だった。
「な、何か用か?」
『着替え、持って行けって』
子供は村人が着ていたような布の服を持っている。
『これ』
「これ着てもいいのか?」
『着ろって』
俺はその布の束を受け取った。
「ありがとう」
子供がじっと見ているのが気になったけど、同じ男だ。それに言葉も通じないし、この世界の事もわからない。
堂々としていれば、俺の世界では花に食われてイかされそうになり、下半身露出する事なんてどうという事はないんだ……と錯覚してくれないだろうか。
俺は下着と思われる物をはき、裾のだらっとした長ズボンを身につけ、何かの動物の革で出来ているらしいブーツを履いた。
長ズボンの裾はブーツに入れて紐でぐるぐるに巻くらしい。
シャツとTシャツは自前で、その上に革のベストを身につける。
木こり?いや狩人か、これ。
「できた。こんな感じでいいのか?」
子供に見せると、子供は満足げに頷いた。
『ご飯食べる?』
何て言ってるんだろう?
『こっち来て』
子供は俺の手を引っ張って部屋から連れ出した。
部屋の外は廊下で、両脇にいくつも扉が並んでいる。洋風だけど木造の建物は、おしゃれな温泉旅館に来た気分になる。
見覚えのあるものとない物がごちゃ混ぜな風景に、俺は違和感と既視感を交互に覚える事になった。
廊下を歩いていくと、とてもいい匂いが漂ってきた。
お腹すいてたんだ。今なら俺は何でも食えるぞ。
「いい匂いだな。もしかして何か食わせてもらえるのか?」
『お母さん、連れてきたよ』
少し広い部屋に連れて行かれると、その部屋には大きなテーブルと椅子があり、近くで女の人が料理を作っていた。
女性は俺より少し年上で、白いエプロンと緑色のロングドレスを着ている。子供の声に振り返った女性は、俺の姿を見て微笑んだ。
『あら、似合うじゃない。お腹すいたでしょう?』
今、間違いなく褒められた気がするぞ……。
「服、ありがとうございます。助かりました」
俺は服を指さし、両手を前で合わせた。ついでに頭も下げた。伝わったかな。
『服の事?いいのよ。あなた律儀ねぇ』
女性に促されてテーブルに着くと、白っぽいパンみたいなものと、火の通った肉と色とりどりの野菜の入ったスープを出してくれた。
『食べていいよ』
子供がそう言って、自分も隣りに座り肉をつまんで口に放りこむ。なるほど、手づかみか。
まねして手で肉をつまんで口に放りこむ。シンプルな味付けだが、そこがうまい。
「うまいな!」
『お母さんの料理、美味しいんだよ』
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