40 / 68
旅行編 お墓参り〜赤砂の街
12
しおりを挟む
『違います。私は店員ではありません。だからそんなサービスしません』
セクシーなお兄さんがされている行為が同意なのか無理矢理なのか分からないけど、同意の上の過剰なサービスなんだと信じてそう言ってみる。
そのまま後退してトイレから逃げなければ。こいつらにどうにかされるのも嫌だけど、それ以上にこの現場をアニキに知られたらと思うとゾッとした。
アニキは独占欲の塊だし、俺が襲われてたらこいつら皆殺しにするかもしれない。そうしたら捕まってまた島送りにされるかも。それだけは避けたい。
「おい待てよ、かたいこと言わずに俺たちと楽しもうぜ。気持ちよくさせてやるよ」
酔っ払いの一人に腕を掴まれて、焦って解こうとするのに、力が強くて無理だ。こいつら兵士か傭兵なのか? 体格差のせいで簡単にトイレの奥に引きずり込まれた。
『待ってください! 私を襲うと大変な事になります。独占欲の強い恋人がいて……!』
「だったらそいつも後で混ぜてやるよ」
酔っ払いの男たちはゲラゲラ笑い、一人が俺を羽交い締めにした。デジャブか。昔もこんなことがあったような……。
『やめて下さい、今ならまだ間に合います!』
男の一人が俺の着ていたシャツを捲りあげる。そして首をかしげた。
「ああ? なんだこりゃ? お前、やけに複雑な模様いれてんな」
そう言って俺の身体にある契約印を撫でた。
『うう……あっ』
なんだこれ。すごく気持ち悪い。
アニキじゃない指が入れ墨の模様や身体を這い回る感覚が気持ち悪くて耐えられない。悪魔の契約のせいなのか? それともアニキが好きだから?
『や、やめてくださ……』
「おい、誰からにする? 手っ取り早く全員で……」
気持ち悪さに顔を背けていると、酔っ払いが俺の髪を掴む。顔を近づけられても逃げられない。酒臭くて最悪だ。泣きそう。こんな奴にキスでもされたらアニキに殺される。
「そいつから離れろ」
ぎゅっと目を閉じていると、アニキの低くて機嫌の悪い声がトイレに響いた。
アニキ……来てくれたんだと目を開けた瞬間、俺に顔を近づけていた男が消えた。
えっと思った時には男はトイレの壁に頭を打ち付けて血を流していた。蹴ったのか? それとも何か投げた? 全然見えなかった。酔っ払い男、全然動かないけどまさか死んだんじゃないよな……?
「テメェ、何しやがる!」
残りの酔っ払い三人が怒ってアニキを囲む。アニキがトイレの入り口にあった巨大サボテンを、酔っ払いに向かって振り下ろすのが視界にはいった。
怖くて見ていられない。放りだされた俺は、巻き込まれないようにトイレの奥でぐったりしているセクシー衣装のお兄さんの元に駆け寄った。
背後から怖い音が響く。ドカッとかバキッとか。聞こえる怒声と悲鳴は全て酔っ払い達のものだ。
『大丈夫ですか?』
「か、回復魔法を……」
『すみません。持っていなくて。これをどうぞ』
ポケットに持っていた薬を少しだけ渡すと、お兄さんは微笑んで気を失った。心配だけど大きな怪我はなさそうだ。着ていた上着をお兄さんにかけてトイレから出る。アニキが捕まらないようにすぐにこの街から出よう。
手洗い場には四人の酔っ払いが伸びていた。アニキは手にサボテンの残骸らしきものを持っていたけど、俺を見て残骸を壁に放り投げた。酔っ払い達の身体にサボテンのトゲが刺さってる。大丈夫かな、死んでないよな。
「ミサキ」
『アニキ、早く逃げましょう!』
しがみつこうとしたらアニキに喉を掴まれて壁に押し付けられた。
『あ、アニキ……』
アニキの手は血まみれだ。酔っ払いの血なのか、サボテンのトゲのせいなのか分からない。目がすわってる。
「……身体を他人に触らせるな」
『すみません……』
アニキの片方の手が、俺のむき出しの契約印に触れて、身体が熱くなった。
セクシーなお兄さんがされている行為が同意なのか無理矢理なのか分からないけど、同意の上の過剰なサービスなんだと信じてそう言ってみる。
そのまま後退してトイレから逃げなければ。こいつらにどうにかされるのも嫌だけど、それ以上にこの現場をアニキに知られたらと思うとゾッとした。
アニキは独占欲の塊だし、俺が襲われてたらこいつら皆殺しにするかもしれない。そうしたら捕まってまた島送りにされるかも。それだけは避けたい。
「おい待てよ、かたいこと言わずに俺たちと楽しもうぜ。気持ちよくさせてやるよ」
酔っ払いの一人に腕を掴まれて、焦って解こうとするのに、力が強くて無理だ。こいつら兵士か傭兵なのか? 体格差のせいで簡単にトイレの奥に引きずり込まれた。
『待ってください! 私を襲うと大変な事になります。独占欲の強い恋人がいて……!』
「だったらそいつも後で混ぜてやるよ」
酔っ払いの男たちはゲラゲラ笑い、一人が俺を羽交い締めにした。デジャブか。昔もこんなことがあったような……。
『やめて下さい、今ならまだ間に合います!』
男の一人が俺の着ていたシャツを捲りあげる。そして首をかしげた。
「ああ? なんだこりゃ? お前、やけに複雑な模様いれてんな」
そう言って俺の身体にある契約印を撫でた。
『うう……あっ』
なんだこれ。すごく気持ち悪い。
アニキじゃない指が入れ墨の模様や身体を這い回る感覚が気持ち悪くて耐えられない。悪魔の契約のせいなのか? それともアニキが好きだから?
『や、やめてくださ……』
「おい、誰からにする? 手っ取り早く全員で……」
気持ち悪さに顔を背けていると、酔っ払いが俺の髪を掴む。顔を近づけられても逃げられない。酒臭くて最悪だ。泣きそう。こんな奴にキスでもされたらアニキに殺される。
「そいつから離れろ」
ぎゅっと目を閉じていると、アニキの低くて機嫌の悪い声がトイレに響いた。
アニキ……来てくれたんだと目を開けた瞬間、俺に顔を近づけていた男が消えた。
えっと思った時には男はトイレの壁に頭を打ち付けて血を流していた。蹴ったのか? それとも何か投げた? 全然見えなかった。酔っ払い男、全然動かないけどまさか死んだんじゃないよな……?
「テメェ、何しやがる!」
残りの酔っ払い三人が怒ってアニキを囲む。アニキがトイレの入り口にあった巨大サボテンを、酔っ払いに向かって振り下ろすのが視界にはいった。
怖くて見ていられない。放りだされた俺は、巻き込まれないようにトイレの奥でぐったりしているセクシー衣装のお兄さんの元に駆け寄った。
背後から怖い音が響く。ドカッとかバキッとか。聞こえる怒声と悲鳴は全て酔っ払い達のものだ。
『大丈夫ですか?』
「か、回復魔法を……」
『すみません。持っていなくて。これをどうぞ』
ポケットに持っていた薬を少しだけ渡すと、お兄さんは微笑んで気を失った。心配だけど大きな怪我はなさそうだ。着ていた上着をお兄さんにかけてトイレから出る。アニキが捕まらないようにすぐにこの街から出よう。
手洗い場には四人の酔っ払いが伸びていた。アニキは手にサボテンの残骸らしきものを持っていたけど、俺を見て残骸を壁に放り投げた。酔っ払い達の身体にサボテンのトゲが刺さってる。大丈夫かな、死んでないよな。
「ミサキ」
『アニキ、早く逃げましょう!』
しがみつこうとしたらアニキに喉を掴まれて壁に押し付けられた。
『あ、アニキ……』
アニキの手は血まみれだ。酔っ払いの血なのか、サボテンのトゲのせいなのか分からない。目がすわってる。
「……身体を他人に触らせるな」
『すみません……』
アニキの片方の手が、俺のむき出しの契約印に触れて、身体が熱くなった。
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる