42 / 68
旅行編 お墓参り〜赤砂の街
14
しおりを挟む
それからお金になりそうな物を用意するというルイーズさんにくっついて倉庫に向かった。
大きな鍵の束を取り出し倉庫に入ると、小さい箱や大きい箱を取り出して中身を確認する。中はアクセサリーだったり、魔法石の塊だったり、何に使うかよく分からない道具だったりした。よく分からないけど、高そうだな。
『ルイーズさん……すみません。必ず働いて返します』
価値が分からないから借用書とかきちんと書いてもらった方がいいような気がする。
「大丈夫って言ったでしょ。これくらいあれば大丈夫だと思うわ」
『どのくらいのお金になるか教えてください』
そう言うと、ルイーズさんに頭をツンとつつかれた。
「気にしないで。レヴィンに請求するわ」
『でも、何か手伝わせてください。何かする事ないですか?』
「いいの?仕事手伝ってもらえれば助かるけど……」
『頑張ります』
結局ルイーズさんが明日お店に行く間と、寝るまでの間に彼女がやる予定だった仕事を手伝うことにした。お金のことは後でアニキと相談しよう。
ルイーズさんはかなりの働き者だった。宿の経営者だから従業員にテキパキと指示を出している。夜は収入と支出を記録してるし、それ以外にも常連のお客さんの接待だったり、定食屋の料理の味付けやメニューを監督したりしているらしい。
とりあえず遅くまで定食屋の後片付けと掃除を手伝い、少しだけ部屋で仮眠を取ってから、早朝は仕込みの手伝いをすることにした。
ベッドで仮眠を取ろうと思っても眠れない。アニキは今頃どうしてるだろう。牢屋みたいな所に繋がれているかもしれないと思うと、心配で仕方がない。まさか拷問とかされてないよな……。
島で棘のある木に絡め取られて傷ついていたアニキを思い出す。もうアニキには痛い目にあって欲しくない。でも、俺に今すぐ出来ることはアニキを信じて帰りを待つ事だけだった。
翌朝、店について行きたかったけど
「レヴィンは連れて帰って来るから、定食屋と宿の受付の手伝いをしてもらえないかしら」
とルイーズさんに頼まれたので仕事をしながら宿で待つことにする。
昼までの間は宿の受付でお客さんをひたすら部屋に案内し、昼からは定食屋で注文を聞いたり料理を運んだり。忙しくてあっという間に時間が過ぎていった。
お昼を過ぎてだいぶたった頃、落ち着いたから夜まで休憩していいと言われて部屋に戻った。
アニキとルイーズさんはなかなか帰ってこなくて、心配だけが膨らんでいく。休憩時間内に昨日の店に行ってみようと宿を出た。
***
……おかしい。道を間違えたのかな。
けっこう歩き回っているけど、昨日の店に全然たどり着かない。もう一度最初から歩いてみようと、何度目かの路地裏を曲がってみる。
ようやく昨日と同じ店にたどり着いた時には宿を出て二時間近くたっていた。
『え? いない?』
店の人に話しを聞くと、警備兵の一人が
「その男なら店を出ていったぜ」
と教えてくれた。
『本当ですか?』
「ああ。胸のでかい美人のねーちゃんと一緒だった。羨ましいな」
ルイーズさんと一緒に帰れたみたいだ。
嬉しくなって走って宿に帰る。帰りの道は迷子にならずにすんだ。
『アニキー!!』
宿に戻ってアニキを探す。
「あら、ミサキ君。レヴィンなら部屋よ」
『ありがとうございます!』
受付にいたルイーズさんにお礼を言って五階に駆け上がる。
アニキは不死身だけど、昨日はひどいことされなかっただろうか。
部屋の鍵は開いていたので飛び込むと、室内には昨日と同じ服装の、相変わらず機嫌の悪そうなアニキが立っていた。
『アニキ! 帰れたんですね!』
服はどこも破れていないし、血の跡もない。拷問はされてなさそうだ。
『無事で良かったです』
「お前、どこに行っていた」
『え? アニキが遅いから迎えに……』
最後まで言い終わらないうちに、襟首を掴まれて壁に押し付けられる。
「一人で出歩くなと言っただろうが」
『ごめんなさ……』
ズボンの上から股間を掴まれ、ジワリと力を入れられる。
「分かってるだろうな……?」
なにが? と聞き返す勇気が出ない。これはあれだ。間違いない。お仕置き決定って奴だ。まさか、今から?
大きな鍵の束を取り出し倉庫に入ると、小さい箱や大きい箱を取り出して中身を確認する。中はアクセサリーだったり、魔法石の塊だったり、何に使うかよく分からない道具だったりした。よく分からないけど、高そうだな。
『ルイーズさん……すみません。必ず働いて返します』
価値が分からないから借用書とかきちんと書いてもらった方がいいような気がする。
「大丈夫って言ったでしょ。これくらいあれば大丈夫だと思うわ」
『どのくらいのお金になるか教えてください』
そう言うと、ルイーズさんに頭をツンとつつかれた。
「気にしないで。レヴィンに請求するわ」
『でも、何か手伝わせてください。何かする事ないですか?』
「いいの?仕事手伝ってもらえれば助かるけど……」
『頑張ります』
結局ルイーズさんが明日お店に行く間と、寝るまでの間に彼女がやる予定だった仕事を手伝うことにした。お金のことは後でアニキと相談しよう。
ルイーズさんはかなりの働き者だった。宿の経営者だから従業員にテキパキと指示を出している。夜は収入と支出を記録してるし、それ以外にも常連のお客さんの接待だったり、定食屋の料理の味付けやメニューを監督したりしているらしい。
とりあえず遅くまで定食屋の後片付けと掃除を手伝い、少しだけ部屋で仮眠を取ってから、早朝は仕込みの手伝いをすることにした。
ベッドで仮眠を取ろうと思っても眠れない。アニキは今頃どうしてるだろう。牢屋みたいな所に繋がれているかもしれないと思うと、心配で仕方がない。まさか拷問とかされてないよな……。
島で棘のある木に絡め取られて傷ついていたアニキを思い出す。もうアニキには痛い目にあって欲しくない。でも、俺に今すぐ出来ることはアニキを信じて帰りを待つ事だけだった。
翌朝、店について行きたかったけど
「レヴィンは連れて帰って来るから、定食屋と宿の受付の手伝いをしてもらえないかしら」
とルイーズさんに頼まれたので仕事をしながら宿で待つことにする。
昼までの間は宿の受付でお客さんをひたすら部屋に案内し、昼からは定食屋で注文を聞いたり料理を運んだり。忙しくてあっという間に時間が過ぎていった。
お昼を過ぎてだいぶたった頃、落ち着いたから夜まで休憩していいと言われて部屋に戻った。
アニキとルイーズさんはなかなか帰ってこなくて、心配だけが膨らんでいく。休憩時間内に昨日の店に行ってみようと宿を出た。
***
……おかしい。道を間違えたのかな。
けっこう歩き回っているけど、昨日の店に全然たどり着かない。もう一度最初から歩いてみようと、何度目かの路地裏を曲がってみる。
ようやく昨日と同じ店にたどり着いた時には宿を出て二時間近くたっていた。
『え? いない?』
店の人に話しを聞くと、警備兵の一人が
「その男なら店を出ていったぜ」
と教えてくれた。
『本当ですか?』
「ああ。胸のでかい美人のねーちゃんと一緒だった。羨ましいな」
ルイーズさんと一緒に帰れたみたいだ。
嬉しくなって走って宿に帰る。帰りの道は迷子にならずにすんだ。
『アニキー!!』
宿に戻ってアニキを探す。
「あら、ミサキ君。レヴィンなら部屋よ」
『ありがとうございます!』
受付にいたルイーズさんにお礼を言って五階に駆け上がる。
アニキは不死身だけど、昨日はひどいことされなかっただろうか。
部屋の鍵は開いていたので飛び込むと、室内には昨日と同じ服装の、相変わらず機嫌の悪そうなアニキが立っていた。
『アニキ! 帰れたんですね!』
服はどこも破れていないし、血の跡もない。拷問はされてなさそうだ。
『無事で良かったです』
「お前、どこに行っていた」
『え? アニキが遅いから迎えに……』
最後まで言い終わらないうちに、襟首を掴まれて壁に押し付けられる。
「一人で出歩くなと言っただろうが」
『ごめんなさ……』
ズボンの上から股間を掴まれ、ジワリと力を入れられる。
「分かってるだろうな……?」
なにが? と聞き返す勇気が出ない。これはあれだ。間違いない。お仕置き決定って奴だ。まさか、今から?
12
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる