魔王降臨!勇者を討伐に行ってきます!

韋駄天

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魔王の捕縛

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そして三人組は獣人の女性の後をついていく。
犬人族の村の何気ない日常的な風景や周りの景色を眺めながら魔王一行は森の集落の奥へと進んでいく。

「どうぞこちらです」
犬耳を付けた獣人族の村人が手を差し伸べある扉を開く。
そして、その中に魔王と配下達が入っていくと、歓声と笑い声、そして歓喜の雄叫びが空間を鳴らす。
「ようこそ、犬人族の村へ!」
「久しぶりの客人よ!飲んで行かないかい?」
「犬人族の名酒はいかが?」
と様々な異人歓待とも言える歓迎の声が発される。
それに少しばかりデレデレしながらもアランが席につこうとするとクレイが脇腹を小突く。
「もうちょっと礼儀って物を弁えてください」
それにバツが悪かったのか、はたまたここに居る美人達にカッコつけないとという思考が頭を過ったのか、アランは座らずにそのままフッとキメ顔を炸裂させながら、
「皆さんどうぞお座りください。折角の宴会なんですから楽しみましょう」
そう言い、胡散臭げな雰囲気を漂わせながら魔王パーティーの攻撃役兼防御役が一堂に宴会の開始を促す。

すると、礼儀正しい丁寧な客人の許可が貰えた事を切っ掛けにしたのか、
「では始めましょう!犬人族の村へようこそ!」
犬人族と仲良くしようとアランが村の若者達と妙に仲良くなったり、クレイが酔って愚痴り始めたりして最初からかなりのカオスな宴会がその場を満たしていた。
魔王が三人の中で一番強いと聞くと、村の腕自慢が勝負を仕掛けて来たり、魔王が酒をほんの少し口に入れた刹那バタンキューしたり、それはもう秩序のちの字もない混沌の場と化した。
宴会芸をやってクレイが空気を盛り上げたり、アランが冗談を言おうとした結果途轍も無く寒くてその場が静まり返ったり、それはもうただの客人の歓迎には見えない程親密さが伺える楽しげな宴だった。
そしてその後、何時間もの飲み会が行われて、飲んだ人間は全員ぐっすりと眠りに落ちていた。

そして翌朝。
魔王達は牢に投獄されていた。
そしてあの状況に至る。

「さて、どうしようか?」
魔王が問う。
「ウオマさん、この状況で迷っている場合ではないと思います。即断即決です。」
「俺もそう思うぜ。ここから早く脱出しないとマジで火炙りだ。」

三人は今、ある場所に監禁されている。
主にウオマとかがヘマしたから。

「そんな事言われてもこの状況でどうしろと?俺はもう手も足も出ないぞ?文字通り」
そう。今魔王一行は正に絶体絶命の大ピンチ。
ウオマが身動き不可能、そして他の二人も拘束されているのである。

この状況である。
実際、どういう経緯でこの状況に陥ったのか。

それはこう。
昨夜、魔王一行は犬人族との宴会で盛大に飲み明かした。

そして、その後、深夜。
彼の集落に案内してくれた獣人族の女性は村長に会いに来ていた。
「村長。先刻連れて来た旅の者がこの装飾品をくれたのですが、なんなのでしょう。何らかの魔力を感じるのですが。。。」
村一番の長老の博識に貰い物を委ねると、
「む。。。これは。。。霊魂魔法がかかっているだと!?誰がそれを君に渡した!この邪悪な禁忌魔法を行使出来る者で安全な人間なぞいない!唯一まともな人間性を持っていた霊魂魔法の使い手はとうにこの世から去っている!これを持参して来た輩はまだ村に居るな?」
常に冷静で慎重な長老をこれ程焦らせる事象に驚きながらも、
「まだ宴の酒で酔って眠っている筈ですが。。。」
その答えを聞くと老人は急いで言い放つ。
「その者と連れの仲間達を牢に入れておけ!絶対に動けないように厳重な拘束をした上でだ!」
長老が命令すると、女性は
「はい!直ちに!」
と言い残し、周りの衛兵達を連れて宴会場へと走っていった。

そしてそこで爆睡していた三人組の冒険者達は牢に入れられ、三人は拘束、その中でもウオマは四肢を鉄の箱のような物に突っ込まれ身動きが取れない状態だった。
三人はこの状況から相手の犬人族に敵意があると判断し、今脱出を図ろうとしている。

というか、ぶっちゃけ割と番の人の殺意が半端なかったので、逃げないと殺されそうだからである。

「ていうか殺されるような事した覚えがないんだが」
ウオマが唐突にそう供述する。
「真犯人、黙りなさい。我々は今、貴方が犯した罪を突き止めようとしているのですゴブッ」
アランがふざけて言うと、ウオマがぶん殴る。
「俺は何もやってないぞ?な、クレイ」
そしてウオマがクレイに同意を求めて視線を送ると、
「一番警戒されているのがウオマさんなんですから普通に考えてウオマさんが何かやらかしたのでは?」
「味方がいない!」
嘆く魔王様。

そうして牢の奥でコントを繰り広げていると、
「長老殿が参ったぞ!」
と牢屋番の人が怒鳴り、ウオマ達がクルッと視線を転じると、そこには初老の、いや、かなり歳がいってる獣人族の老人が居た。

    
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