魔王降臨!勇者を討伐に行ってきます!

韋駄天

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魔王の戦闘訓練

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魔王が新たに旅の連れに加えた獣人の少女の霊魂を弄くって副作用は一切分からないとほざいた。
今までのあらすじである。

「おい!アンタ正気か!?これでリーナちゃんが死んじまったらどうするつもりだ!」
「ウオマさん!貴方本気でそんな外道を行ってしまったんですか!?」

二人の常識人が狂ったようにまくしたてる。
その二人の喧騒に魔王が反応を示した。

「おう!狂気に陥る程の正気だぜ!」

そう元気良く返すと、二人の人族の若者達が絶句する。
まさかこの人間は本当にそんな事をするような奴だったのか?
人間の霊魂を弄び、更なる上に全く結果が見えないような魔法をまだ将来の長い子供にかけるとは、何たる非人道的な事か。
そう現実を理解し受け止めようとアランとクレイが絶望すると、

「言っとくけど俺が言ってる意味分かってます?効果がどれだけ出るかわからんのであって霊魂に実害は万一にも絶対にない。それにあいつの顔見なかったかよ」

そう言われ、二人がハッと我に返って少女の方へ向くと、そこには、

ーーー未だ恍惚の表情を浮かべる少女の姿があった。

「「「。。。。。」」」

「で?ど?リーナちゃん?」

その言葉が鼓膜に届いた瞬間に脳が覚醒したのか、ふあっとなるリーナ。
そして何回か瞬きすると、ようやく周りを認識し始めたのか、頭を回して景色を探る。
そして、三馬鹿の方へと向くと、口を小さく開き、そして走ってくる。

「ウオマさん!ありがとうございました!なんかすっごい強くなった気がします!」
「おう!闘神の記憶を移植したからな!」
「「???」」

犬人の小さな戦士が素直に感謝の気持ちを伝えると、魔王がサラッとかなりおっかない情報を含みながら答える。
それに聞き捨てならないという反応をしながらも、アランとクレイが目を見開いている。
そして、それを魔王が見ると、

「お前らどうしたん?」
「「いやお前がどうした!!!」」
アランとクレイが息ピッタリで突っ込む。
それを見たリーナが、
「どうしたんですか?」
と大人達に疑問を問いかける。

それに三人が気まずく黙り込むと、
「ウオマさん!少しお手合わせ願えますか?」
と少女が続ける。

「それはダメだ。手加減が出来ない!俺じゃ致命傷与えるか無傷のどっちかだからな!相手ならアランにして貰え!お前でも倒せる!」
「評価が今この瞬間大暴落しやがったじゃねぇか!戦闘訓練一切受けたことない幼女に負けるなんぞ俺のプライドが許さん!クレイ!手伝ってくれ!」
「嫌ですけど、しょうがないですね。アランさんのささやかなプライドをせめて根絶させない為にも助太刀しましょう」
「俺傷心!」

ウオマが幼女に相手は出来ないと告げると、代役を立て、当の本人は傍観に徹する。
そして、相手することになったアランが泣き喚き、クレイが助力しようと参戦する。

最も、リーナが負けるわけないが。
なんせこの世を統べる神達の中でも戦闘能力は随一!
破壊神と創造神とやり合える唯一の神である、闘神の記憶の複製を獣人幼女の中に混ぜ込んだからだ!
これで力を奥底から引っ張り出せたならリーナは正真正銘、世界最強の後衛と化す!
勿論、能力が定着したら闘神の記憶は分離させ、残りはリーナ自身に成長を委ねる。
そして、その次は望まれれば魔神の魂からも記憶を抜き取る準備が出来ている!
リーナの育成の為である!
この純粋な可愛らしさの結晶のような少女の為ならなんだってする!
不死身の魔王、親バカここに極まれりである!

そうして魔王が思考に浸っている間に戦闘の準備が整った。
そして、試合が開始する。

リーナが神速で二人に向かって飛来する。
それを僅かな時間差で見切ってクレイが避けるがアランは盾を構えて受ける。
少女の拳から放たれる超打撃に、アランが後ずさる。
そして衝撃を受け切った刹那、アランが盾を跳ね返す。
リーナの体勢が崩れ、クレイが暗殺者らしく後方から迫る。
その危険を闘神の度重なる経験から察知したのか、クレイの横一文字の大振りを屈んで避ける。
その防御姿勢から勢い良くリーナが遥か上空へと跳躍すると、アランが大盾を横に出し、敵の姿が確認出来ずに混乱する。
「アランさん上!」
「ガプッ!?」
クレイが必死に叫ぶが、時既に遅し。
リーナが落下と共にアランの頭頂部へと墜撃を炸裂させる。
アランが奇怪な悲鳴を上げ、背中から衝撃を一切吸収出来ずに倒れる。
そして、その遺体(笑)を踏み台にし、リーナが瞬速でクレイへと飛びかかって行くと、クレイが短刀の峰でリーナの豪拳を受ける。
そして、それを受け流すと思いきや、リーナがクレイを得物毎吹っ飛ばす。
それをモロに喰らいクレイが地面に打ち付けられると、

「はい、そこまでー!」
と、魔王の模擬試合終了の合図が発された。



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