魔王降臨!勇者を討伐に行ってきます!

韋駄天

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魔王の提案

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魔王が新入りのリーナに闘神の記憶を植え付け、ある意味その戦闘経験に寄生させてリーナを強化していると、彼女たっての要望で模擬戦闘をすることになった。
魔王ではなく、配下その一とその二が。

そして、勝負の行方はというと、ーーーリーナの圧勝であった。
ある意味大陸有数の戦闘力を持つアランとクレイをもってしても闘神の絶技を司った獣人の少女には成すすべなく蹂躙されたのである。

「いやー、驚いた驚いた。まさかお前らがそんな弱かったなんて。。。お母さん悲しいよ。。。!」
「そのわざとらしい仕草心の底から吐き気がするからやめてくれ!」
「ウオマさん!それは流石にやめてください!嘔吐しますよ!貴方に!」
「それは本気でやめてね!?」

魔王の渾身の嘘泣きに気絶していたかのように見えていた二人が酷な仕打ちを訴える。
そしてお互いに軽口、いや、もしかしたら全て本気かもしれない文句を叩き合い、その口論の間にくだんの少女が割って入る。

「あ、あの、この力って何なんですかウオマさん?なんかすっごく強くなった感覚がして、こう、生命力が漲っているような。。。!」
 「ふっふっふ。。!気付いたか。。!それはな。。!闘神の、記憶だーーー!」
「「「ええぇーーー!?」」」
魔王一行の真の切り札が覚醒し、その問いに魔王が答える!
絶叫!真打含む仲間三人が全員驚嘆する。
その色濃い驚愕の表現に魔王がほくそ笑むと、

「昔ちょっと偶然闘神に出会ってな、その時に少し霊魂を複製させて貰ったのよ。それをちょっとリーナに移してみた!」
「「「。。。。。。」」」

突っ込みどころが多いどころじゃない一文に一同が押し黙る。
陽気な口調と表情で三人の常識的な人間たちにあまりにも異常な発言を投げかけ、それに対して魔王は何がおかしいのかと不思議顔だ。
何かおかしいのん?的な笑顔で三人と見つめあう。
そして、もしかして三人は自分に見えてないものを見つめて呆然としているのか?とでも思ったのか、魔王がクルリと半回転して真後ろを見渡す。
そこに何もないのを確認すると、上の空な仲間たちに手を振る。

「おーい、三人とも生きてますー?霊魂は無事そうだけどー。霊魂刺激すんぞー?」

そう言うと流石の三人も正気に戻る。
「あー、えっと、後ろ見てくださりませんかねウオマさん」
「後方を見直す事を推奨します」
「あ、う、後ろ。。。」
「?」

立て続けに振り替えろと主張され、魔王は再度回れ右する。
そしてその視線を手厚く出迎えたのは、---口だった。
大きく開いた歪な大口が、今にも閉じそうな勢いで前進してくる。
そしてそれを近くした途端、魔王は、---倒れた。

「「「う、ウオマさん!?」」」
「く、臭い。。。ッ!」
「ウオマさーん!」

魔王が突如出現した口腔に取り込まれかけると、思わぬ口臭が飛来する。
それに意識を飛ばす魔王に三人が慌てふためいて走り寄る。

「あ」

鈍い音が背後に発生し、辺りが暗闇に包まれる。
同時にクレイが短刀を喉奥へと投げつけるが、ダメージ皆無。
その様子を確認し仲間達の方へ目線を送ると、

「う~~~ん」
「ヴェ~~~」
「キュ~~~」

見事にやられた三人の役立たず達が仲良く倒れていた。
その事実に嘆きつつ、ひとまず頭を働かせてここからの脱出法を照らし出そうとすると、

「揺れ。。?」

重低音が怪物の体内を振動させ、不安をおびき出す。
クレイの冷や汗が滴り、その音が暗所の中で響くと、突如巨大な魔物の喉だと思われる方向から液体が溢れ出る。
周囲が氾濫する中、魔王一行の斥候は為す術なく大水に呑み込まれた。

*****

そして、砂漠で遭難している場面に至る。

「で結局とうすんの!?何があったのか説明してくれよ理不尽な世界!」
「おう!そうだぞ!早く口を割らないと俺らがお前をぶちのめしてやるからな運命の女神!」
「待てそいつは本当に存在するから宣戦布告はやめてくれ。あいつを怒らせるとマジで碌な目に遭わん!」

そうしてウオマとアランが二人して馬鹿みたいに慌てていると、

「あの、ウオマさん、ここは幻覚世界ですか?それとも、ホントーの場所なんですか?」
リーナが可愛らしく頭を傾げそう聞くと、ウオマが条件反射でデレ顔になる。

「ここはね、本当の場所だよリーナちゃん。でも大丈夫!俺らが絶対連れ出してあげるから!」

そしてクレイの方へと向くと、
「状況報告を頼む」
と唯一の情報源に事態の顛末を尋ねる。

「実はカクカクしかじかで。。。」

そうしてクレイが自分の起きていた僅かな時間に何があったのか伝えると、ウオマが合点がいったという風に納得し、そして宣言する。

「よし、ここはその獲物をひっ捕まえて手懐けんぞ!」

    
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