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魔王の断剣
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魔王が闘神の霊魂をリーナの魂に複写した事を地味に後悔してしばらくした。
クレイがウオマに説教を始め、リーナが「次は砂の大樹を作る!」と言い出し、精神的にも未だ疲労が回復しきってなかったアランが付き合っている。
かなり不満が溜まりに溜まってたのか、クレイの文句はその後数時間続き、最終的に離れた所で遊んでたアランとリーナに二人が合流したのはその日の夕方の事だった。
「さて、じゃあそろそろ発ちますか!ね、ウオマさん!」
「ハイソウシヨウデハナイデスカ」
「「!?」」
余程説教が堪えたのか、片言になる魔王様。
彼の不死身の魔王をここまで追い込むとは、もしかしたらクレイには魔王軍参謀の素質があるかもしれない。
クレイをシュムトに会わせたらさぞ意気投合するだろう。
最も、そんな事絶対にさせないが!
魔王的に監督役なんて一人でもうメンドクセーと思うレベルだったのに倍増した瞬間俺は死ぬ!という心情である。
「うし、復活!帰ろう!」
「立ち直り早っ!」
「はっはっは!それには。。。いや、気にするな」
「。。。」
魔王が復活すると、アランが精神的な立ち直りの速さに驚嘆する。
魔王が理由を教えてやろうと身を乗り出すと、背後から殺意!
振り返るとそこには鬼の形相の某魔王一行の斥候さんが!
魔王、必殺!はぐらかす!
心の中で後で内緒で教えてやろうと決める魔王であった。
「というわけで!この空間ももうそろそろ崩れ去るし、出口まで移動するのもメンド。。。遠すぎて時間がないので、取り敢えず俺の魔剣コレクションの一つで砂龍の異空間から脱出しようと思いまーす!」
「早くしてくださいウオマさん、無駄なため置きをしなくていいですからさっさと戻りましょう」
「そうだろウオマさん早くしようぜ」
「わ、私も早く旅を続けたいです!ウオマさん!」
ウオマが遂に元の旅路に戻ると宣言すると、三人が急かす。
その期待に応えるように、不死身の魔王が虚空へと手を伸ばす。
すると、そこに、禍々しい刃毀れと錆で凄まじい圧を放つ魔剣があった。
「いやー、久しぶりだなこの剣振るのも!相変わらずの態度だな!」
「……あの、ウオマさん?その……恐ろしい氣を放っている剣は……何ですか?」
「何で平気でいられんだよそんな呪われてそうな魔剣を持って……」
「ど、どうかしましたか?」
怨念の具現化のような姿の剣を前にして、四人は四者四様の反応を示す。
魔王はまるで久方ぶりにあった友人のように、斥候は圧に恐れ慄きながら、攻撃兼防御役は絶望し、そして、新しく入った後方支援(?)役は何がおかしいのかと先輩冒険者達の態度に戸惑うような反応をする。
それほどにこの断剣……なんちゃらかんちゃらが醸し出す妖気は万物を恐怖させる力を持っていた。
「リーナちゃんは肝が据わってんな!お前が振ってみるか?」
「う、うん!や、やってみる!」
「「駄目だーーー!!!」」
魔王の感心に応えようと、さる二名の絶叫という名の雑音の中、リーナが手を差し出す。
そして、その剣を受け取り、幼い身体にはまだ重い質量に少々ふらつきながら犬人の少女が魔剣を構える。
そして、―――一閃。
魔剣が煌めき、空間が裂ける。
荒々しい裂傷から空間そのものが破れ、断裂し、開いていく。
そんなおどろおどろしい世界の傷跡の向こうに平原が写り、砂漠の世界に眩しい自然の彩りが流れ込む。
「す、すげー……!」
「信じられない……!」
「中々の斬撃だったな!もうそろそろ闘神の記憶も体に馴染んできたか?」
三人がそれぞれ称賛し、少女がその両の眼を輝かせる。
「あ、ありがとうございます!た、多分技も覚えてきました!」
「よし、これならやっとお前の念願の後衛魔法を練習出来るようになるな!」
「はい!」
そうして魔王が素直に少女の成長に驚きを感じて伝えると、リーナは喜んで自身の進化に喜色の声を上げる。
魔王と少女が戯れてると、
「あっ、空間の裂け目が……!」
「閉じる……!」
蚊帳の外にされていた二人が声を揃えて危険を促す。
魔王がその注意に裂け目の方を視界の隅に収め、そして、考えた結果、
---我先にと、元の世界へと飛び込んで行った。
「あっあの野郎抜け駆けしやがった・・・・・・!」
「追いかけましょう!リーナちゃんは・・・・・・?」
アランが急いで自分も!と追いかけようと駆け出し、クレイが取り残されないよう獣人の少女を探すと、空間の裂け目の方角から声が飛んで来た。
「はっはっは!リーナちゃんは連れて行くぜ!お前ら二人は仲良くむさ苦しい世界でのんびりしてろ!」
そうやってこの異空間に唯一存在した女を抱えながらウオマが飛び出していった。
「あーっ!待てーっ!」
と、魔王一行の苦労人が叫んだのであった。
クレイがウオマに説教を始め、リーナが「次は砂の大樹を作る!」と言い出し、精神的にも未だ疲労が回復しきってなかったアランが付き合っている。
かなり不満が溜まりに溜まってたのか、クレイの文句はその後数時間続き、最終的に離れた所で遊んでたアランとリーナに二人が合流したのはその日の夕方の事だった。
「さて、じゃあそろそろ発ちますか!ね、ウオマさん!」
「ハイソウシヨウデハナイデスカ」
「「!?」」
余程説教が堪えたのか、片言になる魔王様。
彼の不死身の魔王をここまで追い込むとは、もしかしたらクレイには魔王軍参謀の素質があるかもしれない。
クレイをシュムトに会わせたらさぞ意気投合するだろう。
最も、そんな事絶対にさせないが!
魔王的に監督役なんて一人でもうメンドクセーと思うレベルだったのに倍増した瞬間俺は死ぬ!という心情である。
「うし、復活!帰ろう!」
「立ち直り早っ!」
「はっはっは!それには。。。いや、気にするな」
「。。。」
魔王が復活すると、アランが精神的な立ち直りの速さに驚嘆する。
魔王が理由を教えてやろうと身を乗り出すと、背後から殺意!
振り返るとそこには鬼の形相の某魔王一行の斥候さんが!
魔王、必殺!はぐらかす!
心の中で後で内緒で教えてやろうと決める魔王であった。
「というわけで!この空間ももうそろそろ崩れ去るし、出口まで移動するのもメンド。。。遠すぎて時間がないので、取り敢えず俺の魔剣コレクションの一つで砂龍の異空間から脱出しようと思いまーす!」
「早くしてくださいウオマさん、無駄なため置きをしなくていいですからさっさと戻りましょう」
「そうだろウオマさん早くしようぜ」
「わ、私も早く旅を続けたいです!ウオマさん!」
ウオマが遂に元の旅路に戻ると宣言すると、三人が急かす。
その期待に応えるように、不死身の魔王が虚空へと手を伸ばす。
すると、そこに、禍々しい刃毀れと錆で凄まじい圧を放つ魔剣があった。
「いやー、久しぶりだなこの剣振るのも!相変わらずの態度だな!」
「……あの、ウオマさん?その……恐ろしい氣を放っている剣は……何ですか?」
「何で平気でいられんだよそんな呪われてそうな魔剣を持って……」
「ど、どうかしましたか?」
怨念の具現化のような姿の剣を前にして、四人は四者四様の反応を示す。
魔王はまるで久方ぶりにあった友人のように、斥候は圧に恐れ慄きながら、攻撃兼防御役は絶望し、そして、新しく入った後方支援(?)役は何がおかしいのかと先輩冒険者達の態度に戸惑うような反応をする。
それほどにこの断剣……なんちゃらかんちゃらが醸し出す妖気は万物を恐怖させる力を持っていた。
「リーナちゃんは肝が据わってんな!お前が振ってみるか?」
「う、うん!や、やってみる!」
「「駄目だーーー!!!」」
魔王の感心に応えようと、さる二名の絶叫という名の雑音の中、リーナが手を差し出す。
そして、その剣を受け取り、幼い身体にはまだ重い質量に少々ふらつきながら犬人の少女が魔剣を構える。
そして、―――一閃。
魔剣が煌めき、空間が裂ける。
荒々しい裂傷から空間そのものが破れ、断裂し、開いていく。
そんなおどろおどろしい世界の傷跡の向こうに平原が写り、砂漠の世界に眩しい自然の彩りが流れ込む。
「す、すげー……!」
「信じられない……!」
「中々の斬撃だったな!もうそろそろ闘神の記憶も体に馴染んできたか?」
三人がそれぞれ称賛し、少女がその両の眼を輝かせる。
「あ、ありがとうございます!た、多分技も覚えてきました!」
「よし、これならやっとお前の念願の後衛魔法を練習出来るようになるな!」
「はい!」
そうして魔王が素直に少女の成長に驚きを感じて伝えると、リーナは喜んで自身の進化に喜色の声を上げる。
魔王と少女が戯れてると、
「あっ、空間の裂け目が……!」
「閉じる……!」
蚊帳の外にされていた二人が声を揃えて危険を促す。
魔王がその注意に裂け目の方を視界の隅に収め、そして、考えた結果、
---我先にと、元の世界へと飛び込んで行った。
「あっあの野郎抜け駆けしやがった・・・・・・!」
「追いかけましょう!リーナちゃんは・・・・・・?」
アランが急いで自分も!と追いかけようと駆け出し、クレイが取り残されないよう獣人の少女を探すと、空間の裂け目の方角から声が飛んで来た。
「はっはっは!リーナちゃんは連れて行くぜ!お前ら二人は仲良くむさ苦しい世界でのんびりしてろ!」
そうやってこの異空間に唯一存在した女を抱えながらウオマが飛び出していった。
「あーっ!待てーっ!」
と、魔王一行の苦労人が叫んだのであった。
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