訳あり男装執事は、女嫌いの騎士団長に愛され口説かれる

九重ネズ

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幼少期のトラウマは根強く深く… (オズワルドside)★

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 離宮でのリディアのお喋りも終わり、ようやくタウンハウスに戻って来たオズワルドは、来ていた軍服を脱ぎ捨てて椅子の上に置き、そのままベッドの上に大の字で寝そべった。

 ここ最近、自分が思い描く女性像とかけ離れている令嬢を数人見て来たものだから、女性への嫌悪感が薄れて来ているのを感じていた。
 けれど、たとえアンディに対して下半身が熱くなろうとも、それを抜いてまで己のそそり立ったイチモツを見るのは嫌で、今まで自慰ではなく気力だけで治してきたのだ。

 (…別に普通のペニスなら見れるんだよな…。けど、熱くて大きくなったアレだけは、俺のじゃないようで、見たらまだあの女に触られている感覚がして…。赤いバラの香水に、卑猥な手つき、そして、血のようなくちび……う”っ!)

 昔起きたトラウマを思い出してしまい、オズワルドは口を押さえてトイレに駆け込み、思いっきり吐いた。
 こんな事をふと思い出してしまっただけでも地獄だが、幸いに軽い食事しか摂っていなかったからか、吐瀉物の量は比較的に少ない。
 オズワルドは、両目からボロボロと涙を流して、虚な目で呆然としていた。

 ※※※

 オズワルドが女嫌いになったのは、彼の実の母が病で死んだあと、新しい妻をウェリントン公爵が迎え入れたのが始まりだった。
 当時は美しくて綺麗な新しい母に、双子の兄であるメリオダスと共に喜んでいた記憶がある。

 しかし蓋を開けてみれば、その女性はお金にだらしなく、何度も男漁りを繰り返していた屑な女だったのだ。
 そして、事あるごとに彼女は公爵似のオズワルドだけを贔屓して、実の母親似であったメリオダスを虐げた。
『これは間違っている』と何度も訴えたのに、全然聞き入れてくれない彼女に、オズワルドもメリオダスも不信感が募っていくのは時間の問題だった。
 
 そうして月日が経ち、精通を経験した十二歳のオズワルドは、この日から新しい母親から襲われる日々が始まった。
 これでも『十六歳の成人を迎える前まで本番はしない』という約束を交わせたのはまだ良かった方である。
 だが、何度も固くなった小さな男性器を吸われては、オズワルドの出した精液を舐めて飲み干し、後ろの孔を指で開発される日々は地獄でしかなく…。
 オズワルドは何度も泣いた。この女を殴っても蹴っても良かったけれど、きっとそうしたら暴行罪で捕まるのも理解していたし、次期宰相になるメリオダスに傷がつくとも分かっていた。

 だから襲われてからしばらくして、オズワルドはメリオダスと共に、この女性の不貞の証拠を集め始めた。
 十二歳という若さで得られる情報は少なかったが、二年が経って充分な証拠を集め終わった時は、お互い涙を流したものだった。

 けれど、いざ告発しようとオズワルドが動き始めた矢先、あの女性が平民の住む街で殺されたという情報が入った。
 どうやらウェリントン公爵と揉めに揉めた彼女は、彼に毒を盛るために、平民の格好で怪しい魔女の家に向かう最中だったらしく、その毒を欲した盗賊にあっさり刺されたのだ。

 …なんて惨めな女なんだろうと思った。
 それと同時に、女性に対してすっかり嫌悪感を募らせていったオズワルドは、令嬢や平民の女性と極力関わらないようにし、何かあって女性に襲われたら自衛できるよう騎士団にも入る事にしたのだ。
 
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