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騎士団長の様子がおかしい!?
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アナベルは目をグルグルさせながら混乱していた。
あの女嫌いの騎士団長が、初対面であるにも関わらず、左手の手の甲にキスをしたからだ。
なぜ?どうして?と疑問符が脳内を埋め尽くす。
けれど、オズワルドはそんなアナベルを気にもせず、優しい笑顔を向けた。
「アナベル嬢、今日の装いはとても美しい。貴女と共にデートが出来て嬉しく思う」
「…は、はひ…。え、えっと…初対面、ですよね?」
「ええ。初対面ではあるけれど、アンディ殿から貴女の姿絵を見せて貰ったので、知っていてな」
「……ぅえっ!?」
オズワルドが言ったことは、もちろん嘘である。
その事をアナベルは知っていたのだが、ここで『姿絵見せてません』と言ったら執事のアンディだとバレるだろう。
アナベルは一旦深呼吸をしてから、オズワルドの話に合わせた。
「あ、あの…。本当にウチの弟がすみません…。あの子、私の事が好きすぎるあまり、自慢しちゃう所がありまして」
「あー、まぁ気にしなくていい。貴女の姿絵を見られるだけで、大収穫だったからな」
「…ウェリントン騎士団長様」
「オズでいい、アナベル嬢。私もアナベルと呼んでもいいか?」
「へ?あ、でも…しょ、初対面で流石にそう呼ぶのは…。オズワルド様、でいいでしょうか?」
「ああ。ありがとう、アナベル!」
名前を呼ぶ許可を貰えたからか、オズワルドの笑顔に深みが出て、喜びが身体全体から漏れ出す。
その事にアナベルは気付いていなかったが、自分の名前を呼ばれて心臓が早鐘を打ち始めた。
(ま、待って待って!?今日のウェリ…いえ、お、オズワルド様、おかしくない!?女嫌いなはずなのに、めちゃくちゃ積極的だし…。あ!もしや、ダブルデートのために演技しているって事はないかな!?うん、そうだそうだ!演技だこれ!だってオズワルド様に私の姿絵なんて見せてないもの!よぉし、演技なら一応得意だ!今日だけ頑張って淑女の皮をかぶって、乗り切ろう!)
結局アナベルは淑女になりきって行動する事を決め、オズワルドに対して女性らしい笑みを浮かべた。
一方、それを見たオズワルドは、美しい笑みを浮かべるアナベルに魅了され、嬉しくて飛び上がりそうになっていた。
(うわぁ!可愛い可愛い可愛い!…美しい…。アナベルって、こんな顔も出来るのか。アンディ殿の時は男らしくてしっかりしていて、結構ガサツな所があったが、もしやそれは執事になるための演技だったのか?じゃあ、こっちが本当のアナベル嬢でありアンディ殿…。うわぁ!嬉しい!アナベルが素を見せてくれたぞ!)
嬉しそうな気持ちが全面的に出ているオズワルドと、ドキドキする心臓を落ち着かせながら、淑女らしく振る舞おうとするアナベル。
側から見たら、仲睦まじく見えているが、ロザリアとリュドウィックはそう見えておらず、お互い深いため息をついた。
「え、えっと…ロザリア嬢。なんか、オズワルドがごめん…。あのままいくと、オズワルドがアナベル嬢をすぐに抱きしめそうで、ヒヤヒヤしてるんだけど…」
「ええ。同感ね、殿下。初対面で抱きしめるなんて無礼だわ。あれは獣よ、獣。無害ではあるけど獰猛な魔物のハウンドウルフよ。あのハウンドウルフ男に、アナベルが喰われないといいんだけど…」
「あ、あはは…。何かあったら俺が魔法でアナベル嬢と引き剥がすから、安心してくれないか?」
「ふふっ。さすが、気が利くわね、殿下。アナベルが本当は誰のものなのか、あの男に証明してやらないとね…。ふふっふふふふ…」
「……」
ロザリアが暗黒を塗りたくったような邪悪な笑みを浮かべていたものだから、リュドウィックはまた大きくため息をついて、頭を抱えた。
かくして、楽しくて波瀾万丈?なダブルデートが幕を開けたのであった!
あの女嫌いの騎士団長が、初対面であるにも関わらず、左手の手の甲にキスをしたからだ。
なぜ?どうして?と疑問符が脳内を埋め尽くす。
けれど、オズワルドはそんなアナベルを気にもせず、優しい笑顔を向けた。
「アナベル嬢、今日の装いはとても美しい。貴女と共にデートが出来て嬉しく思う」
「…は、はひ…。え、えっと…初対面、ですよね?」
「ええ。初対面ではあるけれど、アンディ殿から貴女の姿絵を見せて貰ったので、知っていてな」
「……ぅえっ!?」
オズワルドが言ったことは、もちろん嘘である。
その事をアナベルは知っていたのだが、ここで『姿絵見せてません』と言ったら執事のアンディだとバレるだろう。
アナベルは一旦深呼吸をしてから、オズワルドの話に合わせた。
「あ、あの…。本当にウチの弟がすみません…。あの子、私の事が好きすぎるあまり、自慢しちゃう所がありまして」
「あー、まぁ気にしなくていい。貴女の姿絵を見られるだけで、大収穫だったからな」
「…ウェリントン騎士団長様」
「オズでいい、アナベル嬢。私もアナベルと呼んでもいいか?」
「へ?あ、でも…しょ、初対面で流石にそう呼ぶのは…。オズワルド様、でいいでしょうか?」
「ああ。ありがとう、アナベル!」
名前を呼ぶ許可を貰えたからか、オズワルドの笑顔に深みが出て、喜びが身体全体から漏れ出す。
その事にアナベルは気付いていなかったが、自分の名前を呼ばれて心臓が早鐘を打ち始めた。
(ま、待って待って!?今日のウェリ…いえ、お、オズワルド様、おかしくない!?女嫌いなはずなのに、めちゃくちゃ積極的だし…。あ!もしや、ダブルデートのために演技しているって事はないかな!?うん、そうだそうだ!演技だこれ!だってオズワルド様に私の姿絵なんて見せてないもの!よぉし、演技なら一応得意だ!今日だけ頑張って淑女の皮をかぶって、乗り切ろう!)
結局アナベルは淑女になりきって行動する事を決め、オズワルドに対して女性らしい笑みを浮かべた。
一方、それを見たオズワルドは、美しい笑みを浮かべるアナベルに魅了され、嬉しくて飛び上がりそうになっていた。
(うわぁ!可愛い可愛い可愛い!…美しい…。アナベルって、こんな顔も出来るのか。アンディ殿の時は男らしくてしっかりしていて、結構ガサツな所があったが、もしやそれは執事になるための演技だったのか?じゃあ、こっちが本当のアナベル嬢でありアンディ殿…。うわぁ!嬉しい!アナベルが素を見せてくれたぞ!)
嬉しそうな気持ちが全面的に出ているオズワルドと、ドキドキする心臓を落ち着かせながら、淑女らしく振る舞おうとするアナベル。
側から見たら、仲睦まじく見えているが、ロザリアとリュドウィックはそう見えておらず、お互い深いため息をついた。
「え、えっと…ロザリア嬢。なんか、オズワルドがごめん…。あのままいくと、オズワルドがアナベル嬢をすぐに抱きしめそうで、ヒヤヒヤしてるんだけど…」
「ええ。同感ね、殿下。初対面で抱きしめるなんて無礼だわ。あれは獣よ、獣。無害ではあるけど獰猛な魔物のハウンドウルフよ。あのハウンドウルフ男に、アナベルが喰われないといいんだけど…」
「あ、あはは…。何かあったら俺が魔法でアナベル嬢と引き剥がすから、安心してくれないか?」
「ふふっ。さすが、気が利くわね、殿下。アナベルが本当は誰のものなのか、あの男に証明してやらないとね…。ふふっふふふふ…」
「……」
ロザリアが暗黒を塗りたくったような邪悪な笑みを浮かべていたものだから、リュドウィックはまた大きくため息をついて、頭を抱えた。
かくして、楽しくて波瀾万丈?なダブルデートが幕を開けたのであった!
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