あっぱれ!我が青春!

ネズミトリ

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バイト先でのサプライズ!?(ユウシside)

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 俺の勤めているバイト先は、家からチャリで55分ほど走った所にある、大型ショッピングモール内のタピオカミルクティー専門店だ。
 いつか来る大好きなミヤビとの初デートで、カッコよく奢る姿を見せたくて、バイトを始めたんだけど…。

「…なんか、ごめんね牧方くん。バイト2日目なのに、まだ慣れないレジに立たせちゃって。今並んでるのが若い女の子ばっかりで…。しかもすごい長蛇の列だし…」
「はは…。店長、気にしないでください…」

 ほ、本当にどうしてこうなったんだ!しかも、ほとんどの女の子がキラキラしてるし!
 ここのタピオカミルクティーって確かに美味しいし、東京でも飲んだ事あるけど、こんなに長い行列が出来ているのは見た事ないぞ!?
 …しかも…

「台湾タピオカミルクティー、甘さ控えめタピオカトッピングお待たせしましたー」
「わー、ありがとうございます♪それで、彼女とかいますか?」
「え!?あ、あはは…います、けど?(彼氏だけどな)」
「そんなぁ…!じゃあ、また来週きますっ!えっと、カッコいい牧方くんのために!」
「あー…よろしくお願いします…」

 女の子たちが揃いも揃って俺に「彼女いないの~?」とか「好きなタイプは~?」とか「好きな食べ物は~?」とか色々聞いてくるの、本当に何なん!?
 そもそも、俺にはミヤビっていうめっちゃくちゃ可愛い彼氏がいるんだけど!?
 しかも、ミヤビの気だるげな所とか、たまによく笑う所とか、顔を真っ赤にしちゃう所とか、もう毎回キュンキュンキュン死してるんだけど!?

 あー叫びたい!「ミヤビっていう男の子が好きです!彼と付き合ってます!」って言いたい!
 でも、引かれて客足が遠のくのは嫌だから、言わないだけで、正直こういうやり取りは飽きたんだよなぁ…。
 あぁ…今すぐバイトやめて、毎日ミヤビとイチャイチャしたいよぉ…!
 逢いたいよ、ミヤビィ!!

「…ふぅ。結構捌けたねぇ、牧方くん。色々と忙しかっただろう?少し休憩に入っておいで」
「え!?だ、大丈夫です、店長!体力はありまくってますんで!あ、お客さん来たので対応しますね!」

 俺のこの判断に苦笑いを浮かべた店長を尻目に、俺は再度レジに戻った。…のだが…

「…は!?」

 な、なんかサングラスとマスクをつけた変な男性客が2人いるううううう!!しかも、彼らがつけているのが、お揃いのキティちゃんのヤツって!ギャップ、ギャップがあああああ!!

「…あ、あの…ご、ご注文は…」
「あぁ、はい。台湾ミルクティーのホットMサイズで、甘さ控えめのカラフルタピオカ入りのを3つ」
「……はい」

 うわぁ…この注文する声、聞いたことあるぅ…。
 か、完全に俺の恋人・ミヤビじゃないかあああああああ!!髪型も身長も肌質も全部ミヤビ!!しかも、な、何でここにいるんだああああああ!!バイト先教えてないのにぃ!!

「あ。あと、もうすぐ休憩入るんですよね?店員さん、一緒に休憩しませんか?タピオカミルクティー飲みながら」
「え…えっとぉ…。あのぉ…」
!?」
「ふぁ、ふぁいぃ…」

 な、なんか圧が強いぃ…。何で怒ってるのぉ…?怖い怖い怖いっ!!

 そして結局、俺は変装したミヤビに連れてかれて、人がいないフードコートの端っこで休憩する事になったのだった…。
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