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せかいのおわりのはじまり
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生と死の2神が世界を統治して幾百年か経った頃、地上では生み出された生命たちが各々の文化を保ちながら平和に暮らしていた。
大きい人型、エルフと人間たちから呼ばれている、は争いごとを好まず、森の奥深くに独自の王国を作り上げて結界で覆い、他の種族は許可を得た者しか辿り着けないようにした。しかし、周囲との交流を完全に絶ったわけではなく、同じように深みに潜む獣とは同じ知恵ある長命なもの同士で集まり、ドワーフには協力して美しい意匠の施された装飾品を多く創り出した。人間たちからも請われれば自分たちの持つ知恵と術を授けてやったが、よく人間同士で諍いを起こすためにあまり積極的な交流はもたれなかった。
小さい人型、人間の呼ぶところのドワーフ、はその器用な手先と類まれなる発明の才とで魔力によって動く機械を多く編み出した。初め彼らの発明品は彼らの根城たる岩山の内部でのみ使用されていたが、時代が下り、ドワーフたちが麓に出来た人間の集落と交流を始めれば瞬く間に全土に広がり、今ではどの種族も彼らの発明の恩恵を受けて暮らしている。
一般的な獣は世界中に広がり、時に狩り狩られを繰り返していた。喋る獣たちは世界の南にそれぞれの拠点を構え、自分たちの庇護下にある小さな獣たちが絶えてしまわぬように見守りながら暮らしていた。彼らは好戦的ではあったものの、礼をもって相対せば話が通じないわけではなく、幾度か人間やドワーフに頼まれてその力を貸してやっていた。
人間は他の種族からの恩恵を十分に受けつつ、独自の社会体系を確立させた。人族の最大の強みはその向上心と連帯であり、ドワーフが作った道具に改良を重ね、広く土地を開墾して自分たちの領土を広げていった。しかし、一方で興った国同士の争いは絶えることがなく、死が絶えぬ種族でもあった。
これを見守っていた生の神は悲しんだ。自分が一番目にかけている人族がなぜ死という憂き目に苦しまねばならぬのか。死とそれによる苦しみは死の神が祝福を与えたために起こったのではないか。
時同じくして、人々もまたなぜ自分たちはこれ程死に苦しまねばならぬのかと不満を募らせていた。彼らは自分たちの種族が一番短命であることを知り、その不条理に憤った。
そして遂に生の神と人族は死の神の追放という共通の目的のため手を組む。
これを知った死の神は驚いた。死の神の祝福は生命を苦しめるためにあるのではなかったからである。しかし必死の説得は相手の凝り固まった心に響かず、止む無く死の神も自分の軍勢を集めねばならなかった。
その呼びかけに真っ先に答えたのは、獣たちであった。死が営みの一部となってた彼らはそれ故に死の神への信仰が厚かった。ドワーフも破壊と創造を知る者として生死の神両方を信仰していたが、対立に加わったのは一部のみで残りは生の神の怒りを恐れて山の内部に隠れた。争いごとを避けたエルフは最後に人の王たちに賢者の言葉を与えたが聞き入れられず、王国を覆う結界を強化してそのうちに籠った。
こうして2神の対立は世界を二分する争いへと激化する。
大きい人型、エルフと人間たちから呼ばれている、は争いごとを好まず、森の奥深くに独自の王国を作り上げて結界で覆い、他の種族は許可を得た者しか辿り着けないようにした。しかし、周囲との交流を完全に絶ったわけではなく、同じように深みに潜む獣とは同じ知恵ある長命なもの同士で集まり、ドワーフには協力して美しい意匠の施された装飾品を多く創り出した。人間たちからも請われれば自分たちの持つ知恵と術を授けてやったが、よく人間同士で諍いを起こすためにあまり積極的な交流はもたれなかった。
小さい人型、人間の呼ぶところのドワーフ、はその器用な手先と類まれなる発明の才とで魔力によって動く機械を多く編み出した。初め彼らの発明品は彼らの根城たる岩山の内部でのみ使用されていたが、時代が下り、ドワーフたちが麓に出来た人間の集落と交流を始めれば瞬く間に全土に広がり、今ではどの種族も彼らの発明の恩恵を受けて暮らしている。
一般的な獣は世界中に広がり、時に狩り狩られを繰り返していた。喋る獣たちは世界の南にそれぞれの拠点を構え、自分たちの庇護下にある小さな獣たちが絶えてしまわぬように見守りながら暮らしていた。彼らは好戦的ではあったものの、礼をもって相対せば話が通じないわけではなく、幾度か人間やドワーフに頼まれてその力を貸してやっていた。
人間は他の種族からの恩恵を十分に受けつつ、独自の社会体系を確立させた。人族の最大の強みはその向上心と連帯であり、ドワーフが作った道具に改良を重ね、広く土地を開墾して自分たちの領土を広げていった。しかし、一方で興った国同士の争いは絶えることがなく、死が絶えぬ種族でもあった。
これを見守っていた生の神は悲しんだ。自分が一番目にかけている人族がなぜ死という憂き目に苦しまねばならぬのか。死とそれによる苦しみは死の神が祝福を与えたために起こったのではないか。
時同じくして、人々もまたなぜ自分たちはこれ程死に苦しまねばならぬのかと不満を募らせていた。彼らは自分たちの種族が一番短命であることを知り、その不条理に憤った。
そして遂に生の神と人族は死の神の追放という共通の目的のため手を組む。
これを知った死の神は驚いた。死の神の祝福は生命を苦しめるためにあるのではなかったからである。しかし必死の説得は相手の凝り固まった心に響かず、止む無く死の神も自分の軍勢を集めねばならなかった。
その呼びかけに真っ先に答えたのは、獣たちであった。死が営みの一部となってた彼らはそれ故に死の神への信仰が厚かった。ドワーフも破壊と創造を知る者として生死の神両方を信仰していたが、対立に加わったのは一部のみで残りは生の神の怒りを恐れて山の内部に隠れた。争いごとを避けたエルフは最後に人の王たちに賢者の言葉を与えたが聞き入れられず、王国を覆う結界を強化してそのうちに籠った。
こうして2神の対立は世界を二分する争いへと激化する。
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