欧州物語 -1-

伊達政宗

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欧州編

戦国の動乱

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最上:奥州物語










深い東北の森の奥。

傷ついた少年が折れた刀を肩によせて座っていた。

その少年は黄色がかった、茶色の髪の毛をしていて少し目が釣りあがっている。

その上着ている服は獣にでも引っ掻かれたかのようにボロボロで、頬から血がながれて追い詰められたような格好だった。

木に寄りかかって少し休んでいると、少年が走ってきた方から声が。

野太い武士の声だ。

声から察して5人はいる。

少年はクッっと悔しそうな声をもらし、立ち上がるとフラフラしながら更に森の奥へ逃げていった。

少年がさっきまでいたところには血が数滴溢れていて、後を追っている男達がそれに気がついたらしく

「まださほど遠くにはいってまい」

「俺らはこっちを探す。二人はそっちを探せ!」

「了解」

男達は二手に分かれて森を探索するらしい。

二人のうち1人が、

「血痕だ、こっちだな」

と少年の血を見つけた。

少年は兎のの腕に刀を突き立てて、血液を採取していたらしい。

「そんなんでやられる俺じゃねえっつうの!」

少年は兎を逃す。

兎は、傷から血を流して逃げた。

その血が垂れ、それに気がついた男達は

「おい、こっちにも血があるぞ」

「こっちにもある」

少年は二人の背後に回り1人は背中に思いっきり短剣とかした、刀を突き立てた。

1人が倒れると、もう一人の喉元を切り裂く。

少年は一人の刀を奪うと、少し休んでまた逃走を開始し、少年はついに森から抜け出したがそこに待っていたのは、広い草原が崖下に広がる開けた場所だった。

「くそ!」

同時に背後から三人が出てくる。

刀を構える四人。

三人のうち1人が

「義守様に暗殺、いや謀殺だな。求められたんだよ、俺らは今までこき使った分お礼しねぇとな。義光さまよぉ。次の当主はあんたの弟だからよ、俺たちは最上家を乗っ取ったも同然かな?ハハハ」

どうやら彼らは義守に謀殺を命じられたらしい。

少年は強気に、

「今のうちに何か言っておけ。ここがあんたらの墓だ。」

「おうおう強気だねぇ...ま、とりあえず死ね」

1人が斬りかかってきた。

少年は素早くかがんで、そいつの足を蹴る。

1人が崖から落ちたところで不利な状況は変わらず。

少年が斬りかかると、もう一人が横から、狙いをつけて横腹を狙ってくる。

少年が飛んでかわすと、二人は相討ちになり倒れた。

そのまま、少年は崖から...

何時間経っただろうか、俺は広い草原の真ん中に大の字に横たわっていた。

草原の草は少し湿っていて服もビチョビチョだった。

俺は目をつぶり少し疲れた身体を休める。

どうせ、帰る場所もなく行くあてもないなら村人にでもなろうか。

そんなことを考えていると、なにかが近づいてきている。

白い馬と黒い馬にそれぞれ軽装の人物が一人づつ乗っていた。

1人が走っている中飛び降りるともう一人はゆっくりと止まって振り落とされる

白馬に乗っていた方は後ろでまとめた髪の毛を揺らしながら近ずいてきた。

「き、君こんな国境でどうしたの?しかもそんなに服が濡れてるし、」

「あ、えっと...どうも。崖から落ちたんだよな、まぁ追っ手二人を先に落としたおかげで助かったけど」

「お、追っ手!?き、君誰かに命狙われてるとか?」

「うんまぁね」

「ええええ...」

「政宗様!奴はおそらく最上家の者です!ここは殺害しておくのがよろしいかと。」

「ら、乱暴はダメー!」

少しムスッとした顔の少女は先ほど政宗と呼ばれていた。

おそらく伊達家領主伊達政宗であろう。

顔は少しふくよかで、可愛い顔立ちをしている。

大きな紺色の大きな瞳はかなり綺麗だ。

少し青がかった黒色の髪の毛は前に言ったように、後ろで一つにまとめている。

身長は俺より低く165cmといったところか。

少し華奢なので体重も軽そうだ。

俺よりすこし身長の低い彼女は俺をみて軽く微笑んだ。

そのままあっけに取られていると、

「おい!貴様!何をジロジロ見ておる!」

「す、すまない...」

「ねぇ、君名前は?」

「...あ、ああ義光だよ...」

すると、もう一人の男が俺をみて睨んだ。

もう一人の男は身長170以上はあるだろうか、すこし目が釣りあがっている。

髪を全て後ろに持って行って乱暴に縛っている様子はまるでどこかの山賊のようだ。

「やはり最上家の者だな!?」

と男は刀を構えた。

「ちょっと待ってくれよ、最上家と伊達家の間に何かあったのか!?それとなんで俺が最上家の者だと分かるんだよ。」

すると男は笑いながら

「教えてやろう。まず先に最上家の者だと分かる証拠だ。胸の家紋をみろ!丸に3本線最上家だろ。」

俺は今日着ていた服に家紋が付いていたことを確認するとすこし赤面した。

男は素早く回答すると続けてなにがあったかを話し始めた。

「最上家と伊達家には少し前まである条約が結ばれていた。だが、最上家が新しい当主を就任させると条約を無視して近隣の諸大名と共に伊達家を政治的に攻撃し始めたんだ。しかし伊達輝宗様は条約を再度結ぼうと考えて使者を送ったが、その使者がまだ帰ってきていないのだ!」

「どんな人です?」

「女だ」

俺はその一言でおととい死刑になった、女の子を思い出した。

処刑されたのはヒナ...俺の幼なじみだ。

ヒナはここ最近暗く口数が減っていた。

ヒナは優しく村のみんなから好かれていたから全員が心配するが、無理やり笑顔を作りなんとか誤魔化しているようにもみえた。

一週間ぐらい前ヒナは病気で寝込んでいたが、俺が見舞いに行くときには病気は治っていた。

呆れて笑うと、ヒナも笑った。

俺が家に帰ろうとすると、珍しく服の袖を引っ張り「まって」と言った。

俺が驚いてその場に座ると、ヒナは今まで暗かったことを全て打ち明けた。

「最上家当主最上義守様が言うにはこの前伊達家からの使者を家臣に独断で捕まえられて、最上家の房に閉じ込められているらしいの。口封じの為にも殺そうと言う声が沢山上がって、伊達家との一件のため義守様はためらったの。そこで、その子にそっくりな私を殺すように参謀の方が進めたんだって。私を殺せば家臣は落ち着くし、伊達家には極秘でその子を送れば信用も落ちないって、だから私決めたの。」

俺はこのことを聞いた時言葉を失った。

14年間一緒にいた親友を失うことがとても辛く悲しく、何も出来ない自分に怒りさえ感じた。

「止めないでね?義光別れるのが辛くなるから。」

「それと義光これから言うことをよく聞いて...
義守様は貴方を殺す。逃げて。」

そう言うと寝床から立ち上がり白い服に着替えて城の方へ向かった。

それから2日後謀反の疑いで追討命令が出された。

その話を政宗と男にすると、政宗は少しうつむいて

「ごめんね?義光、悲しいかもしれないけどその話の続きがあるんだ。義光は本当は聞いちゃいけないんだけど、聞きたい?」

俺は当たり前だと言わんばかりに立ち上がり、俺なりに険しい顔をした。

「うん、僕が聞くには近いうちに最上義光がそちらに行くことになりますが、なにとぞお願いいたします。ってお父さんからはそう言われた」

「僕が思うには、お父さん知ってるんじゃないかな
君が怒ることをだから追討命令をだして頭を冷やせと言いたかったんじゃないかな」

「よし!暗いお話しはおしまい!義光!小十郎さ!帰ろ?」

俺は確かに悲しい過去ができてしまった。

けどこの時代を鎮めるため天下を取ることを諦めないことを大好きだった彼女に誓った。

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