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第六章 対決する物語とハッピーエンド

串刺し入道とふぐ料理(後編)

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◇◇◇◇

 「どどどど、どーしてだ!? どうして俺様の一流の料理人のスキルをコピーした俺様の腕が、こんな素人の電子レンジ料理などに負ける! 天然トラフグを最も美味とされるふぐ刺しに仕立て上げたのだぞ!」

 素人の電子レンジ料理とは心外ですね。
 こうみえても私は『酒処 七王子』のレンチンメニューを担当しているのですが。
 まあ、最近は珠子さんのおかげでレンチン料理は減っていますけど。

 「そ! そうか! お前、この人間に何かの術を掛けたな! 心神喪失傀儡しんしんそうしつくぐつの術みたいなやつを! 卑怯なヤツめ! だったら俺も!」

 串刺し入道の目が妖しく光る。
 マズイ! あれはおそらく人の心を操る術! 狐の”あやかし”が得意とする術に違いありません。
 確か、白山坊はくざんぼうという狐の”あやかし”が使うと聞いていましたが、そいつもこいつに取り込まれていたようですね。
 私は串刺し入道と男との間に立ち、その妖しい光を受け止めようとします。
 私の妖力ちからなら、このような術など効かないはずです。

 ガシッ

 え?
 肩を掴まれ、私は後ろを振りむきます。
 そこには、操られた男ではなく、落ち着いたように首を振る男の姿がありました。
 まるで、『それにはおよばん』と言っているのような仕草。

 「喝ーーーーーっ!!」

 半身を私の前に出した男が一喝する。
 
 「おぬし、今、何をした……?」
 「え? ど、どうして俺の術にかからない? ただの人間なのに?」

 術を気合で弾かれ、串刺し入道の顔が驚きで歪みます。

 「なにをしたかと聞いている! このバカ者がぁ!!」
 「ひぃ!?」
 
 大気がビリビリ揺れるほどの気迫、その前に串刺し入道が体を縮める。

 「おぬし、この儂に何やら妖しい術をかけようとしただろう。術で料理勝負の結果を歪めようとしたな……、このうつけものがぁー! 真剣勝負に水を差すなど、愚の骨頂! ましてや、自らの敗北すら認めれぬとは下種げすにも甚だしいわぁ!!」
 「し、しかし、俺様の料理がこいつに負けるはずがない! 何かインチキがあったに違いないではないか!」

 私のふぐの湯葉包みと自分のふぐ刺しを指さしながら、串刺し入道は言う。
 そこには私と串刺し入道の料理が少し残っていました。
 これは驚きました、ここまで予想していたのですか、やはり人間は侮れませんね。

 「ならば、このふたつを食べ比べてみろ。さすればわかるであろう」

 そう言って、男はずずいと皿と鍋を串刺し入道の前に差し出す。
 
 「食べ比べといっても、俺様のふぐ刺しは完璧のはずだ……」
 
 そう言って串刺し入道はパクリと刺身を食べる。

 「ほら! この舌を包むような食感とそこから広がる旨味! やはり美味ではないか!」
 「よろしい、では、このふぐの湯葉包み豆乳仕立てはどうかな?」

 男が差し出したレンゲに乗った湯葉包みを串刺し入道がチュルンと吸い込む。
 ……オヤジ面どうしのアーンなんて良い絵面ではありませんね。

 「ほ! この湯葉の中からあふれる旨味の奔流ともいえるスープ、そして身を噛むごとにさらに上乗せされる旨み! ほふぇ~、これはええ味やぁ~」
 
 ……オヤジ面の入道の惚けた顔や声なんて見るに堪えません。

 「どうだ、やっとわかったであろう」
 「これは……確かにこいつの方がうまい! しかしなぜ!?」
 
 串刺し入道の疑問はもっともです。
 それでは、種明かしといきましょうか。

 「理由は簡単です。フグの旬は冬です、フグの産卵期は初夏です。ですので、この9月は産卵後で身が痩せてしまい一番味が悪くなるのですよ。しかし養殖物は栄養が十分に与えられていますからね、季節の影響を受けにくいのです」クイッ

 そう、これが味の差の秘密。

 「眼鏡の兄ちゃんの言う通りじゃ。今の季節が冬であったなら、天然トラフグのふぐ刺しが最上ともなろう。だが、今の時期では味は数段劣る。しかも、この養殖フグは若狭わかさの物であろう?」
 「そうです」

 やはりこの男、ただ者ではありまません。
 味だけで養殖の産地まで当ててしまいました。

 「若狭湾はな、フグ養殖の北限ともいわれておる。その冷たい海水がフグを晩夏でも身を引き締めると同時に旨みを体に蓄えるのじゃ。この時期、最も美味いフグというならば儂も若狭フグを推す。これだけ素材に差があれば、料理の腕の差なぞ関係ない。ま、食材を選んだ時点で勝敗は決しておったということよ」

 まだ水槽に残った若狭ふぐを指さして男は言う。

 「串刺し入道、あなたは私の策にはまったのですよ。私が天然フグと養殖フグが混じった水槽を出した時、あなたは『この季節で最も美味しいフグの産地の知識』をコピーするべきだったのです。ですが、私の挑発に乗って『天然フグと養殖フグを見分ける知識』をコピーしてしまった。さらに旬の天然フグで最も美味しくなる料理である”ふぐ刺し”を作ってしまっています。産卵後の痩せたフグでは料理人の技を十分に発揮できません」

 私は奥に進み、串刺し入道が調理していた場所で天然フグをトントンと叩きながら言う。

 「そ、ぐ……ぐぬぅ」
 「何体もの”あやかし”を、珠子さんすら取り込み、その妖力ちからと知識と技を自分のものにしようとも、それを適切に使いこなせなければ意味がありません。あなたは問題集の回答を写して賢くなったと勘違いする小学生のようなもの。なぜ、その解答が導かれたのか、状況が変わった場合、どうやって最適解にたどり着くのか、それを知らずして勝てるはずがありません」クイッ

 そして私は精一杯、相手を見下した目で言う。

 「あなたは知識を得たとしても知性が足りない、要するにあなたは『バカ』だから負けたのですよ」
 「おっ! おのれぇ! 大蛇の若造風情がぁー!」

 顔を真っ赤にして串刺し入道が叫ぶ。
 よし、隙が出来た!
 私は素早く座敷の最奥の壁に移動する。

 「さあ、約束通り、珠子さんは返して頂きます!」

 ”天狗の約定”により串刺し入道は約束は履行せざるを得ない。
 珠子さんの拘束は緩んでいる、これならば救出は造作もありません。
 私の腕が珠子さんの背中に回り、その身体を抱き寄せる。
 その胸はかすかに上下し、スゥスゥという呼吸音も聞こえます。
 よし、呼吸と心音は正常のようですね。
 
 「くそっ! だがな! 俺様は既に何十何百もの”あやかし”を取り込んでいる! 妖力ちからはお前を遥かに凌駕しておるわ! 力づくでお前を取り込んでくれようぞ!」

 そう言って串刺し入道は頭を分離し、頭から生える大きな針でこちらに突進して来ます。
 そこに大量の妖力ちからを込めて。

 「やはり馬鹿ですね。私が自分より妖力ちからの強い相手との戦闘を想定していないとでも思いましたか?」

 大蛇は水の化身。
 水は形を変えます、霧にも、雨粒にも、川にも、渦にも、荒れ狂う豪流から津波まで。

 「串刺しにしてくれるわぁ!」

 普通の”あやかし”ならその強大な妖力ちからの前に縮こまってしまったでしょう。
 ですが、私には通用しません。
 その針の切っ先を私は流水が渦を巻くように体を回転させ受け流します。
 ああ、ついでに裏拳でカウンターも入れておきましょうか。

 ボグッ

 顔面に強烈な打撃を受け、串刺し入道の頭はキリモミ状に弾き飛ばされた。

 「ほほう、あの体さばきはかなりのもの……」

 人間の男が逃げもせずに見物しています。
 本当に料理人なのでしょうか?
 ひょっとしたら慈道のように退魔の人間と関わりがあるのかもしれませんね。

 「ええい! だったら!」

 ガシーンと橙依とーい君が見ている合体ロボのように串刺し入道が再び胴体とひとつになる。

 「遠距離からの攻撃で切り刻むまでよ!」

 なるほど、先ほど見たカマイタチの妖力ちからですか。
 私は問題ありませんが、珠子さんの身体に傷がつくのは良くありませんね。
 しかたありません、私も切り札を使いましょうか。
 本当はあまり使いたくはありませんけど。
 私はフゥと溜息をひとつ。

 「くらえぇ! 乱れカマイタ……」
 
 ポッ
 ……ポトッ

 乾いた音がして、何かが地面に落ちる音がする。
 落ちたのは、串刺し入道の腕です。

 「あああああああ! なぜだ! なにをした! 俺様は千年亀の妖力ちからで身体に金剛石並の硬度を宿しているのだぞ!」
 「それは私の攻撃力が金剛石ダイヤモンドを上回っただけのことでしょう。その程度も理解できないのですか?」

 そう言って私は再びフゥと溜息をひとつ。
 そして私は妖力ちからを込める。

 ポッ、ガクッ

 再び乾いた音がして、串刺し入道の足首が崩れる。
 
 「何だ! 見えぬぞ! お前、何をしている!?」
 
 何が起きているかもわからずに自らの身体が破壊されていくのを見て、串刺し入道は顔を恐怖に歪める。
 まあ、いいでしょう、秘密を明かすとしましょうか。

 「正体はこれです。霧ですよ」
 
 私は指先に自らが吐き出した霧を集めて言う。
 
 「そんな白くて薄い霧が俺様の身体を貫いたというのか!?」
 「そうです。霧は数μmマイクロメートルの水の粒です。それを超高速で打ち出しただけです」

 雷速には及びませんが、音速の何十倍もの速度で射出される霧、それが私の切り札。
 
 「なるほど、水分子のニードルガンのようなものか。ウォータージェットはダイヤモンドも切る事が出来ると聞く、速度が十分ならば霧の質量でも十分に貫けよう」
 「鋭いですね、そうです、霧のニードルガンです」
 
 男が私の簡単な説明だけで、その本質を見抜く。
 男の言う通り、これはニードルガン。

 「ニードルガンだと!? それは何だ!?」

 串刺し入道の声を声を聞いて、私は三度目の大きな溜息をつく。
 これは失望の溜息。

 「串刺し入道ともあろう者がニードルガンすら知らぬとは……馬鹿もここに極まれりと言った所でしょうか。ニードルガンは多数の針を高圧で射出することにより対象を穴だらけのグズグズにしてしまう兵器です。SFによく登場する未来兵器ですよ」

 大学の図書館で読んだ半世紀以上も前の娯楽小説、ニードルガンはそんな昔の小説にも登場しています。
 ……やはり”あやかし”は知性が足りない。
 想像力というか発想力がたりませんね。
 そこは人間の方が何枚も上手です。

 「さて、串刺し入道さんお別れです」

 私の指先に集まった霧、それはバレーボールほどの大きさ。
 それが放たれた時が彼の最期。

 「ま、まて。お、俺が悪かった。取り込んだやつは解放する! もう妖怪王なんて目指さない! だから、許してくれ! 命だけは助けてくれ!」
 「あれ? 私は”許してあげます”って言いませんでしたっけ」

 私は笑みを浮かべながら言う。
 決して家族や珠子さんには見せられないような笑みで。

 「あ、あああ……確かに言った……『彼女は妖怪王争いには無関係です。すぐに解放しなさい。今なら許してあげます』と……」

 恐怖に引きつった顔で串刺し入道は言う。
 そして、私は最後の溜息をひとつ。

 「その”今”とは二時間前の”過去”です。さようなら、お馬鹿さん。何百年か幽世かくりよで自らの愚かさを反省するのですね」
 
 何か弱々しい力が私の袖を引くのを感じ。
 ボンッっと乾いた音が座敷の中に響いた。

◇◇◇◇

 ふむ、以前よりちょっと重くなりましたでしょうか……
 本人に聞かせたら全否定しそうなことを考えながら私は珠子さんを背に乗せて山を下る。
 私が串刺し入道を撃退したことで、あの迷い家まよいがに囚われていた”あやかし”たちは全て解放されました。
 もちろん私の部下の赤殿中も。

 『ありがとうございます、賢く強いお方、東北一同の”あやかし”は貴方を王と称えましょう』

 全ての”あやかし”が解放された後も壁に残っていたひとつの宝玉、それが迷い家まよいがの核でした。
 なんでも、迷い家まよいがは東北のあやかしのリーダーだったそうです。
 弱いあやかしや傷ついたあやかしをその異空間にかくまう慈愛に満ちたリーダーでしたが、どこからか流れてきた串刺し入道を匿ったことが、今回の事件へとつながったそうです。
 言葉巧みに迷い家まよいがの宝玉の場所を聞き出した串刺し入道はその力を取り込み、やがて迷い家まよいがはあやかしたちの安全な隠れ家から入った者を帰さぬホラーハウスと成り果ててしまったと。
 
 しかし、あの男は何者だったのでしょうね。
 料理バトル後の戦闘を見ても驚いた様子も怯えた様子もほとんどありませんでした。
 それどころか、勝負の後に私にこんな事を語りかけて来たのです。

 『眼鏡の兄ちゃんよ、お前さんはいずれその珠子とかいう娘を料理で倒そうと思っておるであろう』
 『どうしてそれを?』
 『料理は何よりも雄弁に語るもの。料理を食えばわかる。お前さんの料理からはあの娘への対抗心が感じられたわい』

 などと、理解しえない不思議な能力で私の心を見抜かれました。
 ……とても一筋縄ではいきませんね。
 私が妖怪王となるのはさほど難しくはないでしょう。
 このまま順当に進めばおそらくなれます。
 ですが、妖怪王となった時に一番の問題となるのが人間との対立。
 そうです、私の一番の難敵になるのは”あやかし”ではなく、人間になるでしょう。
 やはり、もっと人間について学ぶ必要があります。
 
 「う……うーん」

 私の背中の上で珠子さんが少し身じろぎをします。

 「気付きましたか?」
 「はっ!? そ、蒼明そうめいさん!? ……そっか、あたしは蒼明そうめいさんに助けられたのですね」

 囚われていても、おぼろげながら状況を理解していたのでしょう、珠子さんが少し安堵あんどの表情を浮かべて言います。

 「そうです。身体のどこかに不調はありませんですか?」

 私のその声に珠子さんがバババッとその身体をまさぐっているのを感じます。
 
 「ふぅ、大丈夫です」
 「そうですか、それはよかった」
 「それで、あの串刺し入道さんはどうなりました?」

 やはり薄っすらとですけど意識があったのでしょう、珠子さんが私に尋ねます。

 「見逃しましたよ。それでよかったのでしょう」
 「あ、ありがとうございます。わかってくれたんですね」

 あの時、私の袖を引いた珠子さんの意図は、言葉が発せられなくともわかります。

 「貴方あなたのやりそうな事を理解するくらい私にとっては造作も無い事です。でもなぜ見逃がそうと思ったのですか?」クイッ

 普通なら自分をあんな目に遭わせた相手を許すなんてありえないのですが。

 「だって、あの入道さんはあたしたちの料理を美味しいって言ってくれたじゃないですか。料理を味合う心があるなら、きっと理解し合えると思います」
 「そういうものですか」
 「そういうものです」

 ふぅ

 やれやれとばかりに私は溜息をひとつ。

 「それで、どうしてあんな所に居たのです? 私が居たからいいものの、私が居ない時に貴方が危機におちいるのは少し困ります」
 「心配をかけてすみません。いや~、あたしも油断していました。山を散策していたら川からお椀が流れてきて、これは迷い家まよいがでお宝を手に入れるチャンス! なんて思っていたらひどい目にあいました」
 
 確かに迷い家まよいがの伝承にはそんな云われがありますね。
 そして無欲な善人なら、帰り際にお宝を持って帰れるとも。

 「そんな欲にまみれた考えでは化物に出会ってほうほうの体で逃げ出すのが物語の定石です。珠子さんもこれに懲りたら、少しは気を付けて下さい」
 
 きっと懲りないのでしょうけど、そんな事を思いながら私は言う。

 「あはは、その通りですね。蒼明そうめいさんが助けてくれなきゃ、どうなっていたことやら。蒼明そうめいさんはあたしの命の恩人です。お礼にあたしに出来ることなら何でもしちゃいますよ」
 
 まったくこの娘は無防備というか無邪気というか……

 「女の子が軽々しく『何でも』なんて口にしてはいけませんね。私がもし『その身体を一晩中好きにしたい』なんて言ったらどうするのです?」
 「大丈夫ですよ。あたしは蒼明そうめいさんを信じていますから」

 アハハと軽く笑いながら彼女は私の肩をポンポンと叩く。
 困りましたね、半分くらい嫌味で半分くらいは本気だったのですが、そう言われてしまったら、本気でしたとなんて言い直せません。
 
 「では、お礼に『いつか私が貴女あなたを料理勝負で倒したら、その身体を好きにさせて頂きましょう』というのではどうです?」
 「え~、それはいいですけど。そんなお婆ちゃんの身体を好きにしたいだなんて、蒼明そうめいさんもマニアックですね」

 そう言いながら彼女はニシシと笑います。
 おそらくそれは、私では彼女を料理で倒すのは何十年後になっちゃいますよ、という自信の現れ。
 ですが、彼女は知りません、私には秘策があることを。
 あの男との別れ際に教えてもらったレンチンレシピ。
 『良い料理を食べさせてもらった礼じゃ』と教えてもらった料理。
 それは試作品を食べただけで、この身が震えるほどの美味でした。
 
 「そうですか、約束ですよ」
 「はい、いつでも受けて立ちます。楽しみにしていますから」
 
 私も楽しみですよ、冬が来るのが。

 「さて、それはさておき、そろそろ私の貸しを返してもらいましょうか」
 「え~、このタイミングでですか? 実はあたしも少々疲れていてあまり動けないんですけど」

 もう働きたくなーい、そんな感じで彼女は私に体重を預けてきます。

 「大丈夫ですよ、簡単なことですから」

 私は常に冷静で、合理的で、理知的な行動を心がけています。
 いつもならこの長野の山を越えて家路に着くのは、距離さえ感じぬほどの些事さじ
 ですが、今日はいささか疲れました、このまま彼女をおぶって駆けて帰るのは骨が折れます。
 ここは人類の叡智を借りる時でしょう。
 そう、経済活動と鉄道物流の叡智を。

 「新幹線代のお金を貸して下さい。一緒に帰りましょう」

 私の申し出に珠子さんは一瞬目を丸くすると、『これは貸しですからね』とエア眼鏡をクイッとしながら快諾してくれました。

 かつて『フグは食いたし、命は惜しし』という言葉があったと聞いていますが、現代では違うようです。
 『フグは食いたし、お金は惜しし』そんな感じでしょうか。
 養殖物では日本最高ともうたわれる若狭フグ。
 それは噂に違わぬ美味でしたが、お高かったですよ、彼女を救うための必要経費だとしても。
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