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第三章 ここは彼方の理想郷
その5 これは! 順調な!
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次の日、俺は1日をかけて木綿糸で編み物をしていた。
作るのは当然ブラジャーである。
そう、それは高1の夏、俺は理想のEカップに出会った。
俺はまだ若かった。
でかい方がいいと、思う所があったのだ。
彼女のために俺は手編みのブラジャーを作った。
最高級の絹糸を使い、レース編みを散りばめたそれは、まさに芸術ともいえるものだった。
それをプレゼントした時、彼女の目は、ヒトの手がなければ生きていけない蚕のような怯えた目になった。
俺は振られた。
それだけではない、学園の中で、彼女の取り巻き立ちに接近禁止令を言い渡された。
法的拘束力はない、だがそれでも、 彼女に近づくことを辞めざるを得なかったのだ。
その時のスキルが今ここで役立とうとは!
「神様、それは何ですの?」
俺は制作現場をモモ―や女官に見学させていた。
布を織る技術はあっても、植物でザルを作る技術はあっても、こいつらには、編み物の技術はない。
それも、美しいレース編みをする技術など、あろうはずがない。
「これは、ブラジャーという物だ。おっぱいを守る下着だ」
「下着?」
「服の下に着る服だ。これがあると、おっぱいはやさしく守られ、さらに美しくなる」
編みあがったのは夜半過ぎになった。
Aカップ用とは言えども、手編みは時間が掛かる。
レース編みを交えて、美しさを強調すればなおさらだ。
「さあ、モモ―、これを着けるがよい」
そう言って俺は木綿のブラジャーを差し出す。
彼女は恥ずかし気もなく、おっぱいを晒し、そのブラジャーを身に着けた。
うーん、次があったら恥じらいを教えておくべきか。
「すごい、体が動きやすい! 動いても胸が痛くない! 流石です、神様!」
喜んでくれてよかった。
だが、木綿糸の弾力が通用するのは Aカップ、せいぜいBカップまでだ。
俺の理想のおっぱいには、必要不可欠な素材がある。
ゴムだ。
幸い、俺が持ってきた鉢植えはインドゴムの木だ。
挿し木をすれば増やすことができるが、この乾燥した地帯では生育にリスクがある。
できればこの世界での天然物に出会いたい。
地域的には南の山脈の先か、北の大河の支流の先が熱帯になっていると思われるので、そこに生育しているかが知りたい。
よし、捕虜に聞いてみよう。
◇◇◇◇◇
「さて、トーとか言ったな。俺の質問に答えてもらおうか」
「おれ、なにもしらない、しゃべらない」
ほう、少し骨のありそうだな。
まあ、拷問とかは俺の性分に合わないので、懐柔してみるか。
「ほら弁当だ」
俺は昨日手に入れた竹の葉でくるんだ生肉を差し出す。
「ふん」
トーは ぶっきらぼうにそれを受け取る。
「うまいか?」
「こんなとこじゃなければな」
「そうか、これはお代わりだ」
今度はインドゴムの木の葉に肉を盛って俺は差し出す。
「ふん」
再び、トーはぶっきらぼうにそれを受け取り食べる。
「ちなみに、その葉には毒があって、それに盛られた物を食べると腹を壊す。漏らしたくくなければ、俺の質問に答えるんだ」
トーは一瞬、葉っぱをじーっと見ると笑った。
「ぐふふ、かみ、ばか。このはっぱ、しるをのまなければ、へいき」
確かにゴムの樹液を飲まなければ腹は壊さない。
いや、俺たち人類と同じくトカゲ人が腹を壊すかは不明だが。
だが、こいつがゴムの木の葉を知っているって事は、北の地にゴムの木の生息域があるって事だ。
北には竹もあるし、何とか交易したいな。
しかし、こいつらの目的や欲しい物がわからん事には交渉のしようがない。
さて、どうしたものか。
「神様、ちょろーの使者が参りました」
ヤーが俺に声を掛ける。
「わかった、すぐに向かう」
◇◇◇◇◇
使者は珍しく布の服を着たトカゲ人だった。
「おう、よ、 なかまをかえしてほしい」
トカゲ人の要求は単純だ、捕虜の返還だ。
一昨日の戦いで、捕虜にしたトカゲ人は82匹だ。
「王ではない、神だ。だが、捕虜の返還はかまわんよ。それに見合う物と交換すれば」
俺は寛大な態度で言う。
「ほりょ? ほりょ? ほりょりょ?」
うわっ、やっぱりこいつら、語彙と言語レベル低すぎ。
モモ―たちも決して高いとは言えないけど、こいつらそれ以下だ。
「いや、つかまえた、ちょろーを返すのは良いぞ。その代わり欲しい物がある」
「なに、かな?」
相手が一瞬身構えたのが分かる。
「ちょろーの所のがるーのしもべ全部と、この葉っぱとこの葉っぱの木、根っこごとと、これからは、なわばり守る。これで、ちょろーは全部返す」
見せた葉っぱは竹とゴムの木だ。
相手の顔が軟化する。
なんだ、そんな事かといった具合に。
「いい、へいき、だいじょーぶ。すぐ、もってくる」
やったー! おもった以上に上手く交渉成立したぞ。
竹とゴムの木の生育は水が多い森でやれば何とかなるだろう。
増やせればスポーツブラへのミッションは、ほぼ達成だ。
あとは硫黄だ。
モモ―から聞いていた、すごい石の家に硫黄さえあれば、ゴムが作れる!
作るのは当然ブラジャーである。
そう、それは高1の夏、俺は理想のEカップに出会った。
俺はまだ若かった。
でかい方がいいと、思う所があったのだ。
彼女のために俺は手編みのブラジャーを作った。
最高級の絹糸を使い、レース編みを散りばめたそれは、まさに芸術ともいえるものだった。
それをプレゼントした時、彼女の目は、ヒトの手がなければ生きていけない蚕のような怯えた目になった。
俺は振られた。
それだけではない、学園の中で、彼女の取り巻き立ちに接近禁止令を言い渡された。
法的拘束力はない、だがそれでも、 彼女に近づくことを辞めざるを得なかったのだ。
その時のスキルが今ここで役立とうとは!
「神様、それは何ですの?」
俺は制作現場をモモ―や女官に見学させていた。
布を織る技術はあっても、植物でザルを作る技術はあっても、こいつらには、編み物の技術はない。
それも、美しいレース編みをする技術など、あろうはずがない。
「これは、ブラジャーという物だ。おっぱいを守る下着だ」
「下着?」
「服の下に着る服だ。これがあると、おっぱいはやさしく守られ、さらに美しくなる」
編みあがったのは夜半過ぎになった。
Aカップ用とは言えども、手編みは時間が掛かる。
レース編みを交えて、美しさを強調すればなおさらだ。
「さあ、モモ―、これを着けるがよい」
そう言って俺は木綿のブラジャーを差し出す。
彼女は恥ずかし気もなく、おっぱいを晒し、そのブラジャーを身に着けた。
うーん、次があったら恥じらいを教えておくべきか。
「すごい、体が動きやすい! 動いても胸が痛くない! 流石です、神様!」
喜んでくれてよかった。
だが、木綿糸の弾力が通用するのは Aカップ、せいぜいBカップまでだ。
俺の理想のおっぱいには、必要不可欠な素材がある。
ゴムだ。
幸い、俺が持ってきた鉢植えはインドゴムの木だ。
挿し木をすれば増やすことができるが、この乾燥した地帯では生育にリスクがある。
できればこの世界での天然物に出会いたい。
地域的には南の山脈の先か、北の大河の支流の先が熱帯になっていると思われるので、そこに生育しているかが知りたい。
よし、捕虜に聞いてみよう。
◇◇◇◇◇
「さて、トーとか言ったな。俺の質問に答えてもらおうか」
「おれ、なにもしらない、しゃべらない」
ほう、少し骨のありそうだな。
まあ、拷問とかは俺の性分に合わないので、懐柔してみるか。
「ほら弁当だ」
俺は昨日手に入れた竹の葉でくるんだ生肉を差し出す。
「ふん」
トーは ぶっきらぼうにそれを受け取る。
「うまいか?」
「こんなとこじゃなければな」
「そうか、これはお代わりだ」
今度はインドゴムの木の葉に肉を盛って俺は差し出す。
「ふん」
再び、トーはぶっきらぼうにそれを受け取り食べる。
「ちなみに、その葉には毒があって、それに盛られた物を食べると腹を壊す。漏らしたくくなければ、俺の質問に答えるんだ」
トーは一瞬、葉っぱをじーっと見ると笑った。
「ぐふふ、かみ、ばか。このはっぱ、しるをのまなければ、へいき」
確かにゴムの樹液を飲まなければ腹は壊さない。
いや、俺たち人類と同じくトカゲ人が腹を壊すかは不明だが。
だが、こいつがゴムの木の葉を知っているって事は、北の地にゴムの木の生息域があるって事だ。
北には竹もあるし、何とか交易したいな。
しかし、こいつらの目的や欲しい物がわからん事には交渉のしようがない。
さて、どうしたものか。
「神様、ちょろーの使者が参りました」
ヤーが俺に声を掛ける。
「わかった、すぐに向かう」
◇◇◇◇◇
使者は珍しく布の服を着たトカゲ人だった。
「おう、よ、 なかまをかえしてほしい」
トカゲ人の要求は単純だ、捕虜の返還だ。
一昨日の戦いで、捕虜にしたトカゲ人は82匹だ。
「王ではない、神だ。だが、捕虜の返還はかまわんよ。それに見合う物と交換すれば」
俺は寛大な態度で言う。
「ほりょ? ほりょ? ほりょりょ?」
うわっ、やっぱりこいつら、語彙と言語レベル低すぎ。
モモ―たちも決して高いとは言えないけど、こいつらそれ以下だ。
「いや、つかまえた、ちょろーを返すのは良いぞ。その代わり欲しい物がある」
「なに、かな?」
相手が一瞬身構えたのが分かる。
「ちょろーの所のがるーのしもべ全部と、この葉っぱとこの葉っぱの木、根っこごとと、これからは、なわばり守る。これで、ちょろーは全部返す」
見せた葉っぱは竹とゴムの木だ。
相手の顔が軟化する。
なんだ、そんな事かといった具合に。
「いい、へいき、だいじょーぶ。すぐ、もってくる」
やったー! おもった以上に上手く交渉成立したぞ。
竹とゴムの木の生育は水が多い森でやれば何とかなるだろう。
増やせればスポーツブラへのミッションは、ほぼ達成だ。
あとは硫黄だ。
モモ―から聞いていた、すごい石の家に硫黄さえあれば、ゴムが作れる!
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