18 / 54
第三章 ここは彼方の理想郷
その5 これは! 順調な!
しおりを挟む
次の日、俺は1日をかけて木綿糸で編み物をしていた。
作るのは当然ブラジャーである。
そう、それは高1の夏、俺は理想のEカップに出会った。
俺はまだ若かった。
でかい方がいいと、思う所があったのだ。
彼女のために俺は手編みのブラジャーを作った。
最高級の絹糸を使い、レース編みを散りばめたそれは、まさに芸術ともいえるものだった。
それをプレゼントした時、彼女の目は、ヒトの手がなければ生きていけない蚕のような怯えた目になった。
俺は振られた。
それだけではない、学園の中で、彼女の取り巻き立ちに接近禁止令を言い渡された。
法的拘束力はない、だがそれでも、 彼女に近づくことを辞めざるを得なかったのだ。
その時のスキルが今ここで役立とうとは!
「神様、それは何ですの?」
俺は制作現場をモモ―や女官に見学させていた。
布を織る技術はあっても、植物でザルを作る技術はあっても、こいつらには、編み物の技術はない。
それも、美しいレース編みをする技術など、あろうはずがない。
「これは、ブラジャーという物だ。おっぱいを守る下着だ」
「下着?」
「服の下に着る服だ。これがあると、おっぱいはやさしく守られ、さらに美しくなる」
編みあがったのは夜半過ぎになった。
Aカップ用とは言えども、手編みは時間が掛かる。
レース編みを交えて、美しさを強調すればなおさらだ。
「さあ、モモ―、これを着けるがよい」
そう言って俺は木綿のブラジャーを差し出す。
彼女は恥ずかし気もなく、おっぱいを晒し、そのブラジャーを身に着けた。
うーん、次があったら恥じらいを教えておくべきか。
「すごい、体が動きやすい! 動いても胸が痛くない! 流石です、神様!」
喜んでくれてよかった。
だが、木綿糸の弾力が通用するのは Aカップ、せいぜいBカップまでだ。
俺の理想のおっぱいには、必要不可欠な素材がある。
ゴムだ。
幸い、俺が持ってきた鉢植えはインドゴムの木だ。
挿し木をすれば増やすことができるが、この乾燥した地帯では生育にリスクがある。
できればこの世界での天然物に出会いたい。
地域的には南の山脈の先か、北の大河の支流の先が熱帯になっていると思われるので、そこに生育しているかが知りたい。
よし、捕虜に聞いてみよう。
◇◇◇◇◇
「さて、トーとか言ったな。俺の質問に答えてもらおうか」
「おれ、なにもしらない、しゃべらない」
ほう、少し骨のありそうだな。
まあ、拷問とかは俺の性分に合わないので、懐柔してみるか。
「ほら弁当だ」
俺は昨日手に入れた竹の葉でくるんだ生肉を差し出す。
「ふん」
トーは ぶっきらぼうにそれを受け取る。
「うまいか?」
「こんなとこじゃなければな」
「そうか、これはお代わりだ」
今度はインドゴムの木の葉に肉を盛って俺は差し出す。
「ふん」
再び、トーはぶっきらぼうにそれを受け取り食べる。
「ちなみに、その葉には毒があって、それに盛られた物を食べると腹を壊す。漏らしたくくなければ、俺の質問に答えるんだ」
トーは一瞬、葉っぱをじーっと見ると笑った。
「ぐふふ、かみ、ばか。このはっぱ、しるをのまなければ、へいき」
確かにゴムの樹液を飲まなければ腹は壊さない。
いや、俺たち人類と同じくトカゲ人が腹を壊すかは不明だが。
だが、こいつがゴムの木の葉を知っているって事は、北の地にゴムの木の生息域があるって事だ。
北には竹もあるし、何とか交易したいな。
しかし、こいつらの目的や欲しい物がわからん事には交渉のしようがない。
さて、どうしたものか。
「神様、ちょろーの使者が参りました」
ヤーが俺に声を掛ける。
「わかった、すぐに向かう」
◇◇◇◇◇
使者は珍しく布の服を着たトカゲ人だった。
「おう、よ、 なかまをかえしてほしい」
トカゲ人の要求は単純だ、捕虜の返還だ。
一昨日の戦いで、捕虜にしたトカゲ人は82匹だ。
「王ではない、神だ。だが、捕虜の返還はかまわんよ。それに見合う物と交換すれば」
俺は寛大な態度で言う。
「ほりょ? ほりょ? ほりょりょ?」
うわっ、やっぱりこいつら、語彙と言語レベル低すぎ。
モモ―たちも決して高いとは言えないけど、こいつらそれ以下だ。
「いや、つかまえた、ちょろーを返すのは良いぞ。その代わり欲しい物がある」
「なに、かな?」
相手が一瞬身構えたのが分かる。
「ちょろーの所のがるーのしもべ全部と、この葉っぱとこの葉っぱの木、根っこごとと、これからは、なわばり守る。これで、ちょろーは全部返す」
見せた葉っぱは竹とゴムの木だ。
相手の顔が軟化する。
なんだ、そんな事かといった具合に。
「いい、へいき、だいじょーぶ。すぐ、もってくる」
やったー! おもった以上に上手く交渉成立したぞ。
竹とゴムの木の生育は水が多い森でやれば何とかなるだろう。
増やせればスポーツブラへのミッションは、ほぼ達成だ。
あとは硫黄だ。
モモ―から聞いていた、すごい石の家に硫黄さえあれば、ゴムが作れる!
作るのは当然ブラジャーである。
そう、それは高1の夏、俺は理想のEカップに出会った。
俺はまだ若かった。
でかい方がいいと、思う所があったのだ。
彼女のために俺は手編みのブラジャーを作った。
最高級の絹糸を使い、レース編みを散りばめたそれは、まさに芸術ともいえるものだった。
それをプレゼントした時、彼女の目は、ヒトの手がなければ生きていけない蚕のような怯えた目になった。
俺は振られた。
それだけではない、学園の中で、彼女の取り巻き立ちに接近禁止令を言い渡された。
法的拘束力はない、だがそれでも、 彼女に近づくことを辞めざるを得なかったのだ。
その時のスキルが今ここで役立とうとは!
「神様、それは何ですの?」
俺は制作現場をモモ―や女官に見学させていた。
布を織る技術はあっても、植物でザルを作る技術はあっても、こいつらには、編み物の技術はない。
それも、美しいレース編みをする技術など、あろうはずがない。
「これは、ブラジャーという物だ。おっぱいを守る下着だ」
「下着?」
「服の下に着る服だ。これがあると、おっぱいはやさしく守られ、さらに美しくなる」
編みあがったのは夜半過ぎになった。
Aカップ用とは言えども、手編みは時間が掛かる。
レース編みを交えて、美しさを強調すればなおさらだ。
「さあ、モモ―、これを着けるがよい」
そう言って俺は木綿のブラジャーを差し出す。
彼女は恥ずかし気もなく、おっぱいを晒し、そのブラジャーを身に着けた。
うーん、次があったら恥じらいを教えておくべきか。
「すごい、体が動きやすい! 動いても胸が痛くない! 流石です、神様!」
喜んでくれてよかった。
だが、木綿糸の弾力が通用するのは Aカップ、せいぜいBカップまでだ。
俺の理想のおっぱいには、必要不可欠な素材がある。
ゴムだ。
幸い、俺が持ってきた鉢植えはインドゴムの木だ。
挿し木をすれば増やすことができるが、この乾燥した地帯では生育にリスクがある。
できればこの世界での天然物に出会いたい。
地域的には南の山脈の先か、北の大河の支流の先が熱帯になっていると思われるので、そこに生育しているかが知りたい。
よし、捕虜に聞いてみよう。
◇◇◇◇◇
「さて、トーとか言ったな。俺の質問に答えてもらおうか」
「おれ、なにもしらない、しゃべらない」
ほう、少し骨のありそうだな。
まあ、拷問とかは俺の性分に合わないので、懐柔してみるか。
「ほら弁当だ」
俺は昨日手に入れた竹の葉でくるんだ生肉を差し出す。
「ふん」
トーは ぶっきらぼうにそれを受け取る。
「うまいか?」
「こんなとこじゃなければな」
「そうか、これはお代わりだ」
今度はインドゴムの木の葉に肉を盛って俺は差し出す。
「ふん」
再び、トーはぶっきらぼうにそれを受け取り食べる。
「ちなみに、その葉には毒があって、それに盛られた物を食べると腹を壊す。漏らしたくくなければ、俺の質問に答えるんだ」
トーは一瞬、葉っぱをじーっと見ると笑った。
「ぐふふ、かみ、ばか。このはっぱ、しるをのまなければ、へいき」
確かにゴムの樹液を飲まなければ腹は壊さない。
いや、俺たち人類と同じくトカゲ人が腹を壊すかは不明だが。
だが、こいつがゴムの木の葉を知っているって事は、北の地にゴムの木の生息域があるって事だ。
北には竹もあるし、何とか交易したいな。
しかし、こいつらの目的や欲しい物がわからん事には交渉のしようがない。
さて、どうしたものか。
「神様、ちょろーの使者が参りました」
ヤーが俺に声を掛ける。
「わかった、すぐに向かう」
◇◇◇◇◇
使者は珍しく布の服を着たトカゲ人だった。
「おう、よ、 なかまをかえしてほしい」
トカゲ人の要求は単純だ、捕虜の返還だ。
一昨日の戦いで、捕虜にしたトカゲ人は82匹だ。
「王ではない、神だ。だが、捕虜の返還はかまわんよ。それに見合う物と交換すれば」
俺は寛大な態度で言う。
「ほりょ? ほりょ? ほりょりょ?」
うわっ、やっぱりこいつら、語彙と言語レベル低すぎ。
モモ―たちも決して高いとは言えないけど、こいつらそれ以下だ。
「いや、つかまえた、ちょろーを返すのは良いぞ。その代わり欲しい物がある」
「なに、かな?」
相手が一瞬身構えたのが分かる。
「ちょろーの所のがるーのしもべ全部と、この葉っぱとこの葉っぱの木、根っこごとと、これからは、なわばり守る。これで、ちょろーは全部返す」
見せた葉っぱは竹とゴムの木だ。
相手の顔が軟化する。
なんだ、そんな事かといった具合に。
「いい、へいき、だいじょーぶ。すぐ、もってくる」
やったー! おもった以上に上手く交渉成立したぞ。
竹とゴムの木の生育は水が多い森でやれば何とかなるだろう。
増やせればスポーツブラへのミッションは、ほぼ達成だ。
あとは硫黄だ。
モモ―から聞いていた、すごい石の家に硫黄さえあれば、ゴムが作れる!
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる