異世界人類を現代知識チートで導け!

相田 彩太

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最終章 ここから始まる理想郷

その19 俺と女神の最終決戦

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 「ふん、この騒動の首謀者はあいつね」
 「そうそう、アイツ! アイツ!」

 彼女の肩に載っている青い九官鳥らしいがさえずる。

 「おもてを上げなさい、そして立ってね」
 「はいっ!」

 逆らえない、俺は彼女に言われるがまま、頭を上げ、立ち上がった。

 「あなたが、石鹸やグリセリンをこの世界に広めたのね」
 「はいっ! そうです! 布の服やブラジャーも広めました!」

 冷や汗が流れる。
 俺を支える脚が震えている。

 「ブラジャー!? そんな昔から?」
 「アイツ、アイツ! 異世界人!」

 九官鳥がけたたましい声を上げる。

 「そう、どの世界から来たのかは知らないけど、余計な事をしてくれたわね。何のために?」
 「すばらしい、おっぱい! を世界に満たすためです!」

 心臓がバクバク鼓動を鳴らす。
 言っておくが、興奮しているわけではない、恐怖しているのだ。
 俺には上から目線で問い詰められて興奮する性癖はない。

 「そう、死ね」

 心臓の鼓動が止まった。
 視界が暗転する。
 平衡感覚が失われていくのが分かる。
 ヤバイ! やばい、やば……

 「神様!」

 バス―の声が聞こえる、聞こえなくなる。

 『だいじょうぶ! かみさま! へいき!』

 ん!? 今の声は……ルー!?
 耳からではない、何か、魂から聞いたような声が聞こえた。

 「さて、次は、そのけしからんおっぱい達を消すとしましょうね。その次は文明の進んだ世界を一度、退化させなくちゃね。猿に毛が生えた程度までね」
 「オッパイ! ホロベ! ホロベ!」
 「いやっ、こないでー、かみさまー!」
 「あら、ここは笑う所ね」

 やらせるか!
 やっと、ここまで育った! 進化した! 鍛え上げた! 
 その、おっぱいを滅ぼすなんてとんでもない!

 ドン!

 俺が胸を叩いた音だ。
 俺の心臓が再び鼓動を始め、音が、光が、脳に入ってくる。
 四肢に力を込め、俺は素早く立ち上がる。

 「まて、そいつらに手をだすな」
 「へぇ、頑丈なのね、お値段も高そうだわ、拾い物かもね。ねぇ、あなた、あたしの下僕げぼくにならない。それなら命は助けてあげてもいいかもね」
 「この世界とおっぱい! に危害を加えないと約束してくれるなら」
 「死ね」

 再び俺の心臓が縮みあがる。
 
 「ふん!」

 俺は、俺の心臓は気合を入れて、それに耐えた。

 「チュウイCaution! チュウイCaution! アイツ『即死耐性』と『神への叛逆はんぎゃく』!」
 
 九官鳥が叫ぶ。
 ん!? 『即死耐性』!? 『神への叛逆』!?

 「えっ!? なに!? めんどくさいわね、じゃあ神物理でいいや。女神閃光ゴッデスビーム!」

 彼女の正面が光ったかと思うと、その光が、塊が俺に向かってきた。
 その時、何かが俺の前に立ちふさがり、その光を受け止める。

 『やさしい、かみさまを、守ってみせます!』
 
 その声はヤー!
 あのトカゲ人の女王と幸せに暮らしたはずのヤーの声が聞こえ、その影が光の中に見えた。

 『ぐわー!』

 あー、ヤーの姿が光の中に消えていく。
 まあ、そうなるよね。

 「グエーッ!」

 そして、俺も光の塊に吹っ飛ばされ、岩壁に叩きつけ……られなかった。

 ポフン

 柔らかいがクッションとなり、俺のダメージを軽減した。
 いや、ではない!
 俺ほどのおっぱいマイスターともなれば、たとえ触れた事がなくとも、脳内妄想だけで、触れた場合の感触を再現する事が出来るのである!

 「これは! モモーのおっぱい!」
 『流石です! 神様! 『いつまでも、どこまでも』って言いましたよね』

 俺の背後から、モモ―の声が聞こえた気がした、いや、聞こえた。

 「あー、もう! なんなのね! 超強い神物理で滅びなさい! 女神烈光ゴッデスフォースビーム!」

 さっきの光を何倍にも大きくした塊が俺に放たれる。

 『かみさま! ここは! いつもの!』

 シリーに言われるまでもない。
 その光はさっき見た! 耐えた! なら勝てる!
 岩壁を背に女神の光の攻撃を受けた時、英雄ヒーローが取るべき行動は何であろうか!?
 地の利を生かした、岩壁三角跳びドロップキックだ!!

 「うぉおおおおお!」

 俺の雄叫びに乗ったドロップキックが光の塊を弾き返す!

 「ケイコクWarning! ケイコクWarning! アイツ『神通力』発動シタ!!」

 今度は『神通力』か。

 「えっ!? えっ!? なんで!? なんで、そんな最高級品がこの世界に来てるの!?」
 「さあな、女神の気まぐれか、神の悪戯いたずらかかな?」
 「それに、何よ! そいつら!」
 「そいつらとは、俺の周りに居ると思われる、かつての巫女たち。始まりの巫女『ルー』、平和の巫女『シリー』、勝利の巫女『モモ―』の事か?」

 二つ名は、今、俺が中二病を再発して付けた。
 わかる、姿は見えなくとも分かる。
 おっぱいの気配を俺はたがえたりしない!

 「死人は世界の大地にかえるはずよ!」
 「アレ『残留思念』」

 そうか、残留思念か。
 だったら、ヤーが消えても心をいためる必要はないな。
 ヤーは天寿を全うして、その生涯を終えたのだ。
 残留思念がどこから来たのかは、心当たりがある。
 俺のバッグに入っている、彼女たちの贈り物、ルーの木彫りの人形、シリーの青銅の人形、モモ―の綿の人形、そこから来たのだ。

 「ふん! 『神通力』を身に付けたからって、勝てると思わないでね! どんなダメージを受けたとしても、神は不滅なんだから! 『神殺し』でも持ってない限りね!」

 あー、こいつはポンコツ女神か。
 そんな事を言ったら、目覚めようとしてしまうだろうが。
 きっと俺はが出来る。

 「キケンDanger! キケンDanger! アイツ『神殺し』を発動しようとシテル!!」

 九官鳥が羽を羽ばたかせて、今までに無い声で危機を伝える。

 「えー!? なんで!? なんで!? それじゃまるで原典オリジナルじゃ……」

 そう言って彼女は頭に手を当てて考え込む。

 「ええと、つかぬ事をお伺いしますが。あなたの創造主は7日で世界を作ってしまうような”偉大なる父Oh! Great Father!”ですか?」
 「はいYes! 私の父なる神Oh! My God!です」

 なんだか、似非えせ英語の例文のようなやりとりをしてしまったぞ。

 「ひょっとして、あなたのおじいさんとおばあさんに、アダムさんとイブさんとかいらっしゃいませんか?」
 「あー、ずーと、ずーとっ、前のご先祖様がアダムとイブという説はあるな」
 「ぎやー! サーチ、サーチよ! 本物なら禁断の果実Forbidden fruitが魂に刻まれているはずだわ!」
 「セイカイCorrect! セイカイCorrect! アイツ知恵の実The fruit of the knowledgeアル!」 
 「いやぁぁぁー! だめぇー! たすけてぇー!」

 頭をブンブン振って、彼女は叫んだ。
 
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