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第7章 氷河期と社会的不安(経済)と社会的不安(災害)
その4 どげかせん
しおりを挟むさて、前回までの話じゃが、新氷河期は誕生したものの、政府の比較的早い政策のおかげで2010年をピークに新氷河期は解消され始め、比較的短期間で終わったのじゃ。
今回は不良債権問題に予算が取られる事もなかったしね。
そうじゃ、政府は景気と雇用対策を第一に考えればよかったのじゃ。
でも割を食った世代もちゃんといるんです。
前後が良い分、かわいそうね。
一方、そのころの氷河期世代向けの雇用対策はじゃな
雇用対策は?
『正社員なんて贅沢はいいません! せめて、非正規での雇用を続けさせて下さい!』政策。
別名『命乞い政策』じゃ!!(※作者命名)
なにそれ!? 今までと方針が全然違うじゃない!?
正社員化の話はどこに行ったの!?
なにが起きたの!?
最初はな、正社員化を狙っておったのじゃ。
2008年10月に政府は『若年者等正規雇用化特別奨励金』を新設した。
フリーターを雇うと中小企業100万円、大企業50万円の助成が受けられる制度じゃ。
要件も25~40歳未満で、過去1年間に雇用保険に入っていなかった者になっておる。
金額も上がってる! 要件も緩和されている!
じゃがな……
2008年で俺は36歳
俺は32歳
もう若者じゃない!!
そうじゃ、ずるずると引き延ばされたせいで、氷河期世代は若者から中年になっておったのじゃ。
しかも、上の助成金って新氷河期も対象に入るよね。
そうじゃ、既卒で数年経てば対象年齢に入るし、大学院を出ていればより早く対象者になる。
そして25歳未満でも『内定取り消し者』なら対象に加わったのじゃ。
こんな優遇を受ける立場にはなりたくなかったが……受けられるなら活用する!!
時期からしてリーマンショック(2008年9月)前から政府が計画しておったのは間違いない。
リーマンショックが起きなければ、新卒者は普通に楽々就職したはずなので、作者たち氷河期対策になっただろうに……
どうせ雇うなら若い方が良い!
という事になってしまい、氷河期対策には成らずじまいだったのね。
うむ、しかも『過去1年間に雇用保険に入っていなかった者』となっているので、非正規からのランクアップに使えないのも痛かったの。
就職できなかった新卒者やフリータ向けだったのね。
そうじゃ、この時、非正規だった氷河期の立場は非常に弱かった。
リーマンショック後に、派遣の雇い止め問題や工場の生産減による期間工の削減もあり、非正規ですら雇用の維持が困難じゃったのじゃ。
じゃから、この頃の氷河期への雇用対策の目玉は!
目玉は!?
『派遣労働者雇用安定化特別奨励金』じゃ!
・派遣労働者雇用安定化特別奨励金(2009年2月6日~2013年3月31日まで)
これはをざっくり説明すると『前の契約終了から連続』『6か月以上の期間の定めのある労働契約を結ぶ』と、ひとりあたり、大企業25万円、中小企業50万円の助成金が受けられる。
派遣を継続して6ヶ月以上雇うだけで助成金がもらえるという、今までに無い対策じゃー!
お慈悲を! あと半年! 半年だけでいいから! 非正規で構わないから! 政府も助成金出すって言ってるから!!
リーマンショックの直後から、いきなり命乞いで始まっているじゃない!
博士の言った通りだわ!
うむ、既存の別の政策でもじゃな、例えば『雇用調整助成金』でも要件に労働者(派遣労働者含む)と記載しておる。
今までになかった書き方じゃ。
『派遣もちゃんと対象者ですよ』と強調したかったのじゃろう。
それだけ、派遣労働者の立場が弱かったのね……
この頃の氷河期の雇用は薄氷の上にあったのは間違いない。
こんな状況で氷河期世代の正規雇用化なんて夢のまた夢ね。
正社員はリストラを恐れ震えるばかり、非正規は命乞いをして生き永らえるのみ。
正規化雇用の助成対象の座は若者(新氷河期)に奪われてしまった。
こっちも生きるのに必死なんだよ!
新氷河期を批判するわけにはいかないのじゃ。
彼らもまた被害者なのじゃ。
じゃが、このリーマンショックの時、氷河期は現状維持できれば御の字じゃったのじゃ。
そして、この頃に団塊は定年を迎え始める。
2009年で60歳だクマ―! 定年を迎え、65歳までは非正規で延長雇用だクマ―!
この節目で団塊はギリギリ逃げ切ったのじゃよ。
元々、60歳以降は非正規になる立場だったので、さほど影響はない。
こうして、リーマンショックにより新氷河期が生まれ、氷河期の待遇改善も夢と散った。
リーマンショックの影響が沈静化し始めた2011年頃には氷河期世代は30代後半に入り始めるのじゃ。
ちょうど2011年で35歳!
もう、正規雇用化や転職に限界の年齢になっちゃったのね……
そうじゃな、アラサーやアラフォーという単語が出て来た時期もちょうどこの頃じゃった。
ああ、だから……アラフォーと呼ばれ始める現実に……
※参考資料:厚生労働省 報道発表資料および『事業主の方のための雇用関係助成金』『厚生労働白書』
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