超絶! 悶絶! 料理バトル!

相田 彩太

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第八章 延長戦

その2 たとえ味方が敵だとしても

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 そして、決戦の当日、俺たち42名は寿司徒二十七祖と向き合う。

 「なんて恐ろしい料気りょうきだ……腹にビンビン響くぜ」
 「ええ、調理力ちょうりちからがハイパーの域に達しているな」
 「調人ちょうじん強度が100万パワーはありそうだわ」

 意味不明のパワーワードを呟くものぐさ三銃士は無視するとして、相手の気合はスゴイ。
 ただ、立っている姿だけで、旨そうな寿司を作れそうな気配がする。
 相手は経験も実力も俺たちより上だ。
 
 「なでちゃん、帰ってこなかったね~、どうしたのかな~」

 間に合わなかったか……いや、責める事は出来ない。
 
 「それではぁ! これより『料理愛好倶楽部』と『魚鱗鮨』との延長戦を行います! 礼!」
 
 俺は寿師翁と向かい合う。

 「まったぁー!」

 イヤーン♪ イヤーン♪ パパレボピレボ♪

 このBGMは『孔雀の歌』!?

 「全方位学園、『料理愛好倶楽部』所属、百々目鬼どどめき!」
 「同じく座本ざもと
 「穴姉妹フリージア! 試合に参戦する。体験入学の手続きは済ませてきた。体験入部の書類も取り付けてあるわ!」

 セーラ服を身にまとったビッグバストブービーズがステージに踊り出た。

「なんだあれは! 組織に所属していない者の参戦はルール違反ではないのか!?」

 土御門が抗議する。  

 「彼女たちは、体験入学中で、一時的とはいえども、我が校の生徒よ!」

 現れたのは生徒会長と部長だ。

 「さらに、体験入部中で『料理愛好倶楽部』の一員でもあるわ! そしてまだまだいるわよ!」

 ヒハヒハうまうま♪ ヒーハーからから♪ からからうまうま♪ からうまふぁいやぁー!

 こ、この街角で聞いた事がある『からうま音頭』は……まさか!?

 「ワシらも体験入部してきたぞ!」
 「い、いまからは、ち、チームメイトですから」
 「覚悟しろ! ヒャッハー!」

 激辛辣火ファイヤーヒートの辣王様とダメージドチャイナさんとヒャッハーも現れた。
 いや、ダメージドセーラーか。
 わざわざダメージドにして来るなんて……なんて覚悟だ!
 
 「激辛辣火ファイヤーヒートも来た!」
 「激辛辣火ファイヤーヒートビッグバストブービーズが来てくれるなんて、鬼おっぱいに肉棒だぜ!」

 江戸川の友人が感激の声を上げる。
 
 「にゃは! ちょっとおくれちゃったにゃね!」
 「茶華さんが深酒するからです。わたしにはわかります」
 「でも、一番カッコイイ所を見せるのは、わたくしたちなんだから!」

 三好・クイーンズの茶華さんと真紅さんもセーラー服で駆けて来る。
 うざ子の三十路セーラーか……イメクラ度がどんどん増大していく。

 「待たせたやな!」
 「昨日の敵は今日の盟友!」
 「雄大なる3貴人、ただいま参上や!」

 最後に大量の食材を持って現れたのはタベルト・ツクルト・ミンナトの3人だ。

 やってくれた! 
 昨日、部長が会長を連れて出て行ったのは、この頼もしい好敵手ともを助っ人にする為だったのだ。

 布石は会長が持っていた。
 フリージア様がくれたヘルプデリバリーのカード、辣王ラオウさんからもらった名刺、タベルト・ツクルト・ミンナトとの賭け、そして、真紅さんと寿師翁との因縁、あの時の『寿師翁と再選し、勝利するためにはなんでもする覚悟』という台詞。
 全てが、この時にために部長が秘蔵していたのだ。
 先見の明ってレベルじゃない。

 「うむ! 『我が師の師なら師も同然!』という言葉もある。体験入部中ならば、部員も同然と言わざるを得んな」

 寿師翁が車田理論で懐の深さを示し、助っ人の参戦を認めた。
  
 「儂なら構わぬぞ。受けて立とう。では、試合を始めるようぞ!」

 嬉しそうに、そして楽しそうに、寿師翁は宣言する。
 
 「しかし、ボインちゃんにも限度というのがあるのではないか?」

 53インチのバストを収められる制服は購買部には売っていない。
 ギリギリ乳首が見えないラインで下乳丸出しの姿は、この大会を料理ではない別の大会にしてしまいそうだった。 
 ありがとうございます! ありがとうございます!
 俺と心の桃闇ピンクダークもノリノリだ!

 「卑猥だぞ!」

 土御門はそう叫ぶが、その場に居る全員がビッグバストブービーズから目を離せなかった。

◇◇◇◇◇

 かつての強敵ともを前にして、俺は深々と頭を下げる。

 「ありがとう! 俺の、俺たちのために集まってくれて!」
 「ヒャッハー! 勘違いするなよ! 俺たちは店の宣伝に来ただけでだぜ!」
 「うちらもそうやで、べっ、べつにご褒美を期待しれいるんじゃないんやからねっ!」
 「あたしは、撫子に恩を売れれば満足なのよ!」
 「アイドルは露出狂が命!」

 うん、半分本気で半分嘘なのが分かる。
 お店の宣伝も理由にあるが、本当はこの人たちはなんだ。
 俺も逆の立場だったら同じ事をする。
 人生において『花屋敷 陸! 義によって助太刀いたす!』なんて台詞をリアルに吐ける機会なんて、めったにないからな。
 フリージア様は全部本気だ。

 「さて、あの魚鱗鮨の寿司徒二十七祖を上回る寿司の策を教えてもらおうか」
 「1万人分を作るからには、そんなに凝った物は作れません。わたしにはわかります」
 「ああ、わかっている。コンセプトは手毬てまり寿司で行く。そして、それへの肉付けは各チームに任せる。作り方の基本は教えておいたので、彼らをアシスタントとして使ってくれ」

 彼らとは江戸川たち全方位学園の生徒だ。

 「出来上がるものは、うちらに任せるという意味であってるん?」
 「はぁはぁ、アタシは、もう、できあがっているわよ」

 ツクルトさんが問いかける。
 フリージア様が息を荒くする。

 「ああ、付け焼刃のチームワークや横の連携なんて無駄だ。自由にやった方がみんなの実力を発揮できる。だろ?」
 「うむ、ワシらもその方が料理しやすい」
 「あたしらは、自由な白鳥! 全てを脱ぎ去って自由に!」

 辣王様が俺の意見を肯定する。
 座本さんが、セーラー服のスカーフを外す。

 「ええ、対寿師翁用の必殺料理フェイバリットを見せる良い機会です。わたしには用意があります」
 「当方に枕迎撃の用意あり!」

 真紅さんが頼もしさを発揮し。
 百々目鬼さんが、へいカモン! とばかりに下腹部を叩く。
 
 「ねぇ、りっくん。あの人たち~、頭大丈夫かな~?」

 そろそろ俺も心配になってきました。
 
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