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第3章 夢よもういちど
3-26.回廊の攻防 クリストファー・グッドマン
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クリストファー・グッドマンは正義の人である。
少なくとも、正しくあろうとする気概を持った人物である。
許せなかった。
誰も死なせないという甘い言葉で勧誘した相手を。
何の罪も野心もない少年を殺そうとしたことを。
何よりも、そんな相手に一時的にも従属した自分を。
「やれやれです。貴方はもっと賢いと思っていました。娘さんを生き返らせたくはないのですか?」
レイニィの問いかけに一瞬グッドマンは声を詰まらせる。
”娘を生き返らせる”
その言葉は何よりも彼に効く。
だが、もはやその言葉は彼を盲目にさせるほどの効果はなかった。
「残りの”祝福”は8くらいだろう。そのほとんどをエゴルトは手に入れている。もう十分のはずだ」
グッドマンは世界各国に散らばっていた”祝福者”が集まってきているのは知っていた。
さらに日本中でニュースになっている福岡ドームでの件を考慮すると残りの予想は付く。
彼の計算は正しく残りの”祝福”の数を言い当てていた。
「そうです。ですが湊藤堂のがまだ。これでは安心できません。ひとつでも残っている限り」
「そんなことはない。例えば”祝福”で『湊藤堂の”祝福”を消してくれ』と願えばいい。それでも6残る。『ルール撤廃』と『死んだ人間を生き返らせる』のに2個、4個残れば十分だろう。もうエゴルトの勝ちは決定しているはずだ。なのにそれをしない。つまり、私の娘を生き返らせる気はないということだ。私でも考え付くことをエゴルトが考えていないはずがない」
「あら、思ったより頭は回るようですね」
グッドマンを言葉の通じるゴリラ程度にしか思っていなかったレイニィは彼の想像に少し感心する。
「君もそれに気づいているはずなのに、なぜだ。なぜ、そこまでエゴルトに心酔する。君の美貌と才覚なら、真っ当な道を選べたはずだ。いや、今でも選べる」
「あなた、人を殺したことがありまして? 特に女子供を」
「ない。したいとも、しようとも思わない」
キッパリと切り捨てるようにグッドマンは言い放つ。
「でしょうね。わたくしはあります。ですが、最初はためらいがありました」
恥じらうようにレイニィは吐息混じりの声を出す。
「でもですね。そんな時、彼が助けて下さったのです。隣から現れて、こうパンッと」
指をピストルの形にしてレイニィは虚空を撃つ。
「そして言ったのです『君が出来ないのなら僕がしよう。なんでも相談してくれ、僕は君の上司だからね』と。感動的でした。今までの雇用主は汚れ仕事をわたくしに押し付けて、自分の手は汚さない人だけでしたから。一緒に罪を背負ってくださったのはエゴルト様だけです。あの方はわたくしに一緒に地獄にいって下さると行動で示してくれたのです。わたくしは誓いました。どこまでも一緒にいると」
鉄の女、氷の美女、キラーレディ、そんな名で呼ばれた女性がこの時だけは乙女のような表情を浮かべた。
だが、それをグッドマンは「ハハハッ」と大声で笑い飛ばす。
「なにがおかしいのです!?」
「おかしいさ。エゴルトがそう言ったのは、きっと君が考えているような理由じゃない。わかってきたぞ、私にもエゴルトという男がどんな男か」
「だったら、どういう考えで言ったのです」
「アイツの心はまだティーンエージャーなのさ。カッコ付けたかったんだよ、君のような美女の前で。”僕は君がためらうようなことでも軽く出来ちゃうんだぜ”ってな具合にな。よくいるタイプだ。男にはみんなあるのさ、悪ぶりたくなるそういう時期が」
日本風に言えば中二病、そんな若かりしころの気持ちをグッドマンは思い出す。
自分も後に妻となる女性の前で無駄に空き缶を潰したものだと。
だが大半は悪ぶるだけ、実際に悪事をなすのは極一部だとも彼は知っていた。
「バカにしないで下さい! あの方はあなたのような一般人とは違うのです!」
「いや同じさ。男だからな。そしてきっとリンゴも男だ。いや、彼はちょっと違うな。彼は本当の実力を隠してる素振りを見せたがるタイプだ。”能ある鷹だから爪を隠してまーす”をやりたいタイプだな。ああいうのもよくいる」
実はいっぱいっぱいなのに余裕のある態度を崩さない。
強がり屋のタイプだとグッドマンは分析する。
そして確信した。
リンゴならきっと正しい道を貫いてくれると。
なぜなら、彼はそれが自分を一番カッコよく魅せる方法だと思っているだろうから。
「やはりバカだったようですね。そこをどきなさい。バカにかまっている暇はありませんから」
「やだね、オジサンもいっちょやったる気分になっちまったからよ」
吐き捨てるようなレイニィの言葉を遮るようにグッドマンは立ちふさがる。
若さは時に伝染する。
グッドマンは久々に高揚感を覚えていた。
先に動いたのはレイニィ。
先ほどの凛悟の時とは逆にグッドマンの横をすり抜けようとする。
だが、グッドマンの広い腕がそれを阻む。
レイニィはその動きを予想していたように伸びた手を、その小指を握り身体を反転させ背負うように捻る。
日本の古武術にある”指取り”。
極まれば指をへし折れる、それを避けようと腕を引けばすり抜ける空間が生まれる。
どちらに転ぼうとレイニィにとっては都合がいい。
ピキッ
転んだのは前者の方向。
彼女の計算の通り。
ただ誤算だったのは、グッドマンは”折られてもいい”と覚悟を決めていたことだった。
彼はあえて指を折らせ、その代わりに背中を向けたレイニィの首にもうひとつの腕を回す。
折られた指のある二の腕を巧みに使い、グッドマンはチョークスリーパーの体勢に入る。
ここが総合格闘技のリングであれば脱出不能の体勢。
数秒後には彼女の意識は落ち、レフリーがストップをかける状態。
だがここはリングではない。
レフリーもいない。
そして彼は彼女が完全に落ちるまで手を緩める気もなかった。
油断はなかった。
想定外のこともなかった。
こと戦闘力においては男性と女性では差があり過ぎる。
それは歴然とした事実であり、それを知っていたからこそ、グッドマンは彼女が万年筆を取り出してもそれをチラリと見るだけで腕を緩めることはなかった。
たとえ、それがナイフでも同じだっただろう。
銃でないのなら彼女が落ちるまで耐えられる。
そう思っての判断だった。
ズンッ
万年筆の先が大腿部に突き刺さり彼に激痛をもたらすが腕の力は緩まない。
だが……。
バチッ
続いて襲った衝撃には耐えられなかった。
筋肉が硬直し、意志とは反して腕が緩む。
力を失った脚は体重を支えることは出来ず、グッドマンは肩から床に倒れ込む。
昨晩、シンガポールで受けた銃創が開き、肩と太股から流れ出る血が赤い絨毯を赤黒く染める。
「そ、それは……」
「万年筆を模した改造スタンガンでございます。こういう武器を使わなければ、わたしくは男の人には敵わないか弱い女性ですので」
何がか弱いだ、強かにもほどがある。
ままならぬ身体を押して立ちあがろうとするグッドマンの視界に銀色の絶望が映る。
彼が唯一警戒していた銃。
これほど女性に似合う銃はないといわれるポケットピストル、通称デリンジャー。
最初に彼女がこれを構えれば、グッドマンはそれを警戒し、容易く撃たれることはなかっただろう。
「隠してたな……、それを……」
「物事には順序がございます。強い武器を最初から見せるのは2流。あなたのように筋肉を見せびらかすのは3流ですわね。お勉強になりましたか? おバカさん」
パン、パンと胸に2発、冷静に弾を打ち込む。
そこから鮮血があふれ出るのを確認して、レイニィは螺旋階段を昇り始めた。
「ま、まて……」
奇跡でも何でもいい、私に力を与えてくれ。
娘を、キャロルを救うために私はここで止まるわけにはいかないんだ。
薄れゆく意識の中、グッドマンは手を伸ばすが、視界は霞みレイニィの姿は見えない。
コツコツコツと遠ざかる足音を聞きながら、彼は伸ばした手を見ていた。
手だけを、ずっと見ていた。
少なくとも、正しくあろうとする気概を持った人物である。
許せなかった。
誰も死なせないという甘い言葉で勧誘した相手を。
何の罪も野心もない少年を殺そうとしたことを。
何よりも、そんな相手に一時的にも従属した自分を。
「やれやれです。貴方はもっと賢いと思っていました。娘さんを生き返らせたくはないのですか?」
レイニィの問いかけに一瞬グッドマンは声を詰まらせる。
”娘を生き返らせる”
その言葉は何よりも彼に効く。
だが、もはやその言葉は彼を盲目にさせるほどの効果はなかった。
「残りの”祝福”は8くらいだろう。そのほとんどをエゴルトは手に入れている。もう十分のはずだ」
グッドマンは世界各国に散らばっていた”祝福者”が集まってきているのは知っていた。
さらに日本中でニュースになっている福岡ドームでの件を考慮すると残りの予想は付く。
彼の計算は正しく残りの”祝福”の数を言い当てていた。
「そうです。ですが湊藤堂のがまだ。これでは安心できません。ひとつでも残っている限り」
「そんなことはない。例えば”祝福”で『湊藤堂の”祝福”を消してくれ』と願えばいい。それでも6残る。『ルール撤廃』と『死んだ人間を生き返らせる』のに2個、4個残れば十分だろう。もうエゴルトの勝ちは決定しているはずだ。なのにそれをしない。つまり、私の娘を生き返らせる気はないということだ。私でも考え付くことをエゴルトが考えていないはずがない」
「あら、思ったより頭は回るようですね」
グッドマンを言葉の通じるゴリラ程度にしか思っていなかったレイニィは彼の想像に少し感心する。
「君もそれに気づいているはずなのに、なぜだ。なぜ、そこまでエゴルトに心酔する。君の美貌と才覚なら、真っ当な道を選べたはずだ。いや、今でも選べる」
「あなた、人を殺したことがありまして? 特に女子供を」
「ない。したいとも、しようとも思わない」
キッパリと切り捨てるようにグッドマンは言い放つ。
「でしょうね。わたくしはあります。ですが、最初はためらいがありました」
恥じらうようにレイニィは吐息混じりの声を出す。
「でもですね。そんな時、彼が助けて下さったのです。隣から現れて、こうパンッと」
指をピストルの形にしてレイニィは虚空を撃つ。
「そして言ったのです『君が出来ないのなら僕がしよう。なんでも相談してくれ、僕は君の上司だからね』と。感動的でした。今までの雇用主は汚れ仕事をわたくしに押し付けて、自分の手は汚さない人だけでしたから。一緒に罪を背負ってくださったのはエゴルト様だけです。あの方はわたくしに一緒に地獄にいって下さると行動で示してくれたのです。わたくしは誓いました。どこまでも一緒にいると」
鉄の女、氷の美女、キラーレディ、そんな名で呼ばれた女性がこの時だけは乙女のような表情を浮かべた。
だが、それをグッドマンは「ハハハッ」と大声で笑い飛ばす。
「なにがおかしいのです!?」
「おかしいさ。エゴルトがそう言ったのは、きっと君が考えているような理由じゃない。わかってきたぞ、私にもエゴルトという男がどんな男か」
「だったら、どういう考えで言ったのです」
「アイツの心はまだティーンエージャーなのさ。カッコ付けたかったんだよ、君のような美女の前で。”僕は君がためらうようなことでも軽く出来ちゃうんだぜ”ってな具合にな。よくいるタイプだ。男にはみんなあるのさ、悪ぶりたくなるそういう時期が」
日本風に言えば中二病、そんな若かりしころの気持ちをグッドマンは思い出す。
自分も後に妻となる女性の前で無駄に空き缶を潰したものだと。
だが大半は悪ぶるだけ、実際に悪事をなすのは極一部だとも彼は知っていた。
「バカにしないで下さい! あの方はあなたのような一般人とは違うのです!」
「いや同じさ。男だからな。そしてきっとリンゴも男だ。いや、彼はちょっと違うな。彼は本当の実力を隠してる素振りを見せたがるタイプだ。”能ある鷹だから爪を隠してまーす”をやりたいタイプだな。ああいうのもよくいる」
実はいっぱいっぱいなのに余裕のある態度を崩さない。
強がり屋のタイプだとグッドマンは分析する。
そして確信した。
リンゴならきっと正しい道を貫いてくれると。
なぜなら、彼はそれが自分を一番カッコよく魅せる方法だと思っているだろうから。
「やはりバカだったようですね。そこをどきなさい。バカにかまっている暇はありませんから」
「やだね、オジサンもいっちょやったる気分になっちまったからよ」
吐き捨てるようなレイニィの言葉を遮るようにグッドマンは立ちふさがる。
若さは時に伝染する。
グッドマンは久々に高揚感を覚えていた。
先に動いたのはレイニィ。
先ほどの凛悟の時とは逆にグッドマンの横をすり抜けようとする。
だが、グッドマンの広い腕がそれを阻む。
レイニィはその動きを予想していたように伸びた手を、その小指を握り身体を反転させ背負うように捻る。
日本の古武術にある”指取り”。
極まれば指をへし折れる、それを避けようと腕を引けばすり抜ける空間が生まれる。
どちらに転ぼうとレイニィにとっては都合がいい。
ピキッ
転んだのは前者の方向。
彼女の計算の通り。
ただ誤算だったのは、グッドマンは”折られてもいい”と覚悟を決めていたことだった。
彼はあえて指を折らせ、その代わりに背中を向けたレイニィの首にもうひとつの腕を回す。
折られた指のある二の腕を巧みに使い、グッドマンはチョークスリーパーの体勢に入る。
ここが総合格闘技のリングであれば脱出不能の体勢。
数秒後には彼女の意識は落ち、レフリーがストップをかける状態。
だがここはリングではない。
レフリーもいない。
そして彼は彼女が完全に落ちるまで手を緩める気もなかった。
油断はなかった。
想定外のこともなかった。
こと戦闘力においては男性と女性では差があり過ぎる。
それは歴然とした事実であり、それを知っていたからこそ、グッドマンは彼女が万年筆を取り出してもそれをチラリと見るだけで腕を緩めることはなかった。
たとえ、それがナイフでも同じだっただろう。
銃でないのなら彼女が落ちるまで耐えられる。
そう思っての判断だった。
ズンッ
万年筆の先が大腿部に突き刺さり彼に激痛をもたらすが腕の力は緩まない。
だが……。
バチッ
続いて襲った衝撃には耐えられなかった。
筋肉が硬直し、意志とは反して腕が緩む。
力を失った脚は体重を支えることは出来ず、グッドマンは肩から床に倒れ込む。
昨晩、シンガポールで受けた銃創が開き、肩と太股から流れ出る血が赤い絨毯を赤黒く染める。
「そ、それは……」
「万年筆を模した改造スタンガンでございます。こういう武器を使わなければ、わたしくは男の人には敵わないか弱い女性ですので」
何がか弱いだ、強かにもほどがある。
ままならぬ身体を押して立ちあがろうとするグッドマンの視界に銀色の絶望が映る。
彼が唯一警戒していた銃。
これほど女性に似合う銃はないといわれるポケットピストル、通称デリンジャー。
最初に彼女がこれを構えれば、グッドマンはそれを警戒し、容易く撃たれることはなかっただろう。
「隠してたな……、それを……」
「物事には順序がございます。強い武器を最初から見せるのは2流。あなたのように筋肉を見せびらかすのは3流ですわね。お勉強になりましたか? おバカさん」
パン、パンと胸に2発、冷静に弾を打ち込む。
そこから鮮血があふれ出るのを確認して、レイニィは螺旋階段を昇り始めた。
「ま、まて……」
奇跡でも何でもいい、私に力を与えてくれ。
娘を、キャロルを救うために私はここで止まるわけにはいかないんだ。
薄れゆく意識の中、グッドマンは手を伸ばすが、視界は霞みレイニィの姿は見えない。
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