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テスト勉強編
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唯の家に着いた時、唯がパジャマ姿に着替えていた。
「おかえり。一旦リビングに荷物置いとき。あとでいろいろ説明するから。」
「分かった。」言われた通りに、リビングに段ボールを置いた。
「ほな、あたしが先にお風呂入ったから、宏太もお風呂入っといで。」
「うい。」
宏太はそう返事をして、段ボールからパジャマとパンツを取り出した。
「ほな案内するな。ついてきて~。」
「はーい。」
宏太が唯に付いて行く。
「そのドアから入ったら、右の棚にバスタオル置いてあるから使い。」
「分かった。ありがとう。」
「いいえ、どういたしまして。」
そのままドアを閉めて、服を脱いだ。
流石お金持ち、お風呂はすりガラスではなく普通のガラスだ。
お風呂のドアを押すと、人一人がまるまる入るぐらいのサイズのお風呂があった。
「すげぇ...」宏太の口からは感動の思いが漏れ出ていた。
そのまま、シャワーを浴びて、頭や体を洗った。
季節外れの寒さによって冷やされた体が温められる。
自分の事を息子とも思っていない親の事はあまり頭には無いのだが、兄の事が頭から離れない。
わざわざ兄から受け取った20万円の事がずっと気になっている。
きっと、あのクソ両親には隠し続けてきた夢があるんだろう。
そりゃあそうだ。あんな親の元に産まれてきたのなら、夢なんて隠して当然だ。
だが、あの優しい兄に会えないと考えると、自然と涙がこぼれてきそうになる。
小学生の頃は、普段から両親が居ないときは兄が一緒に遊んでくれた。
中学生の頃は、勉強をつきっきりで教えてくれた時もあった。
家庭でのポジティブな記憶となると、兄の事しか思いだせない。
と、ずっと考え事をしていた。
だが、宏太はあまりお風呂が得意な体質ではない。
なので、気づかない間にのぼせる手前ぐらいまでになっていた。
が、ハッとなんとか気づくことが出来たので、直前で上がることが出来た。
ぽかぽかに温まった体から湯気を出して、脱衣所に出た。
そのまま、おいてあったバスタオルで体をふいて、パジャマを着た。
パジャマ姿で、リビングへと向かった。
すると、唯がご飯を作っていてくれた。
「お、上がってきた。あたしが料理作っといたから、一緒に食べよや。」
「ありがと。」
どうやら、ハンバーグを作っていてくれたらしい。
皿には、ハンバーグとちょっとしたサラダが乗っていて、お茶碗にご飯が入っている。
「おいしそう。」
宏太が夜ご飯を食べるのは何日ぶり、いや何か月ぶりかわからない。
最後に食べたのはおそらく兄の誕生日だろう。
「ほな、手合わせて、いただきま~す。」
「いただきます。」
早速サラダを口に運んだ。
久々に食べる夜ご飯はやはり普通のご飯の数倍ぐらいおいしい。
心身ともに疲弊した体に手作りのご飯が体にしみる。
感謝とか感動とか疲労とかいろんな感情が混ざり合って、自然と涙がこぼれてきた。
「え?泣いてんの?どうしたん?いきなり。」
「いや、ごめんなにもない。」
「そんな泣いてくれると、作った側として嬉しいな。」
唯はニコニコしながら、ご飯を食べている。
「てかさ、人と夜ご飯食べるの久々かもしらん。」
「まじで?なんで?」
「うちのオトン結構忙しくて、なかなか家に帰られへんねん。
せやから、あたしが生活できるように、わざわざ家作ってくれたってわけ。やから、実家は別にあんねん。」
「そうなんだ。家2個建てれるとかお父さんお金持ちなんだね。」
「まあ、社長やからなぁ。でも、やっぱお金あるのはいいけど、頻繁に会ってくれる父親にも憧れはあんねんなぁ。」
「そうなんだ。」
「でも、クソみたいな両親の宏太の前で言うのはあんまりよろしくないな。」
「別に良いよ。あんまり気にしてないから。」
「そうなんや。なら、よかった。」
こういうご飯中の他愛もない会話が、宏太には新鮮さがあったのだ。
「というか、久々に人と話しながらご飯食べたわ。やっぱ人と一緒に食べると楽しいなぁ。」
「そうだね。俺も夜ご飯食べたの自体久々だから、楽しい。」
「えぇ...。ご飯すら食べさせてくれへんの?」
「まあ、夜ご飯だけだし...。」
「やとしてもやろ。やっぱ頭おかしいなあんたの親。」
「そうなんだよなあ。」
こうしている間に宏太の胃袋は満腹に迫っていた。
しばらく夜ご飯を食べていなかったので、夜ご飯を食べない食生活に体が慣れているのだ。
「そういや、宏太とこんなに話すん初めてやな。」
「確かにそうだね。俺があんまり話さないしね。」
「そうそう、もっと積極的に話してくれたらええのに。」
「無理だから困ってんだよ。」
「じゃあ、あたしでリハビリしぃや。」
「分かった。」
そんなこんな会話している間に、二人共ご飯を食べきっていた。
「ほな、もう食べ終わろか。手を合わせて、ごちそうさまでした。」
「ごちそうさまでした。」
「じゃあ、お皿あらうから、お皿あたしのとこ持ってきてな。」
「あ、いいよ。俺洗うよ。」
「え、ええの?」
「もちろん、作ってもらったし。」
「ほな、お言葉に甘えよっかな。」
ということで、宏太は二人分のお皿を洗った。
「おかえり。一旦リビングに荷物置いとき。あとでいろいろ説明するから。」
「分かった。」言われた通りに、リビングに段ボールを置いた。
「ほな、あたしが先にお風呂入ったから、宏太もお風呂入っといで。」
「うい。」
宏太はそう返事をして、段ボールからパジャマとパンツを取り出した。
「ほな案内するな。ついてきて~。」
「はーい。」
宏太が唯に付いて行く。
「そのドアから入ったら、右の棚にバスタオル置いてあるから使い。」
「分かった。ありがとう。」
「いいえ、どういたしまして。」
そのままドアを閉めて、服を脱いだ。
流石お金持ち、お風呂はすりガラスではなく普通のガラスだ。
お風呂のドアを押すと、人一人がまるまる入るぐらいのサイズのお風呂があった。
「すげぇ...」宏太の口からは感動の思いが漏れ出ていた。
そのまま、シャワーを浴びて、頭や体を洗った。
季節外れの寒さによって冷やされた体が温められる。
自分の事を息子とも思っていない親の事はあまり頭には無いのだが、兄の事が頭から離れない。
わざわざ兄から受け取った20万円の事がずっと気になっている。
きっと、あのクソ両親には隠し続けてきた夢があるんだろう。
そりゃあそうだ。あんな親の元に産まれてきたのなら、夢なんて隠して当然だ。
だが、あの優しい兄に会えないと考えると、自然と涙がこぼれてきそうになる。
小学生の頃は、普段から両親が居ないときは兄が一緒に遊んでくれた。
中学生の頃は、勉強をつきっきりで教えてくれた時もあった。
家庭でのポジティブな記憶となると、兄の事しか思いだせない。
と、ずっと考え事をしていた。
だが、宏太はあまりお風呂が得意な体質ではない。
なので、気づかない間にのぼせる手前ぐらいまでになっていた。
が、ハッとなんとか気づくことが出来たので、直前で上がることが出来た。
ぽかぽかに温まった体から湯気を出して、脱衣所に出た。
そのまま、おいてあったバスタオルで体をふいて、パジャマを着た。
パジャマ姿で、リビングへと向かった。
すると、唯がご飯を作っていてくれた。
「お、上がってきた。あたしが料理作っといたから、一緒に食べよや。」
「ありがと。」
どうやら、ハンバーグを作っていてくれたらしい。
皿には、ハンバーグとちょっとしたサラダが乗っていて、お茶碗にご飯が入っている。
「おいしそう。」
宏太が夜ご飯を食べるのは何日ぶり、いや何か月ぶりかわからない。
最後に食べたのはおそらく兄の誕生日だろう。
「ほな、手合わせて、いただきま~す。」
「いただきます。」
早速サラダを口に運んだ。
久々に食べる夜ご飯はやはり普通のご飯の数倍ぐらいおいしい。
心身ともに疲弊した体に手作りのご飯が体にしみる。
感謝とか感動とか疲労とかいろんな感情が混ざり合って、自然と涙がこぼれてきた。
「え?泣いてんの?どうしたん?いきなり。」
「いや、ごめんなにもない。」
「そんな泣いてくれると、作った側として嬉しいな。」
唯はニコニコしながら、ご飯を食べている。
「てかさ、人と夜ご飯食べるの久々かもしらん。」
「まじで?なんで?」
「うちのオトン結構忙しくて、なかなか家に帰られへんねん。
せやから、あたしが生活できるように、わざわざ家作ってくれたってわけ。やから、実家は別にあんねん。」
「そうなんだ。家2個建てれるとかお父さんお金持ちなんだね。」
「まあ、社長やからなぁ。でも、やっぱお金あるのはいいけど、頻繁に会ってくれる父親にも憧れはあんねんなぁ。」
「そうなんだ。」
「でも、クソみたいな両親の宏太の前で言うのはあんまりよろしくないな。」
「別に良いよ。あんまり気にしてないから。」
「そうなんや。なら、よかった。」
こういうご飯中の他愛もない会話が、宏太には新鮮さがあったのだ。
「というか、久々に人と話しながらご飯食べたわ。やっぱ人と一緒に食べると楽しいなぁ。」
「そうだね。俺も夜ご飯食べたの自体久々だから、楽しい。」
「えぇ...。ご飯すら食べさせてくれへんの?」
「まあ、夜ご飯だけだし...。」
「やとしてもやろ。やっぱ頭おかしいなあんたの親。」
「そうなんだよなあ。」
こうしている間に宏太の胃袋は満腹に迫っていた。
しばらく夜ご飯を食べていなかったので、夜ご飯を食べない食生活に体が慣れているのだ。
「そういや、宏太とこんなに話すん初めてやな。」
「確かにそうだね。俺があんまり話さないしね。」
「そうそう、もっと積極的に話してくれたらええのに。」
「無理だから困ってんだよ。」
「じゃあ、あたしでリハビリしぃや。」
「分かった。」
そんなこんな会話している間に、二人共ご飯を食べきっていた。
「ほな、もう食べ終わろか。手を合わせて、ごちそうさまでした。」
「ごちそうさまでした。」
「じゃあ、お皿あらうから、お皿あたしのとこ持ってきてな。」
「あ、いいよ。俺洗うよ。」
「え、ええの?」
「もちろん、作ってもらったし。」
「ほな、お言葉に甘えよっかな。」
ということで、宏太は二人分のお皿を洗った。
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