最後に望むのは君の心だけ

こみあ

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第五章 道 - My way -

28 騎士の蜜夜★

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「なあ、カラム。結婚は受けるけど、どうするんだ?」
「ああ?」

 私の問いかけにカラムがやっと顔をあげて私を見た。錯覚ではなく目元が少し赤い。多分それは私への欲情だけではなく、先ほど聞いた嗚咽に関係があるのだろう。だから私はそれを見なかったことにして、質問を続けた。

「私は騎士団ここを離れる気はないぞ。家族への仕送りもあるし、このまま団長までは進むつもりだ」

 まあ、まだ数年は少なくともかかるだろうが、それは叶えたいと思っている。そう考えてカラムにそう言ったのだが。カラムは少し考えてから、「その話、後でもいいか」と言いながら私の耳を嬲り始める。

「目の前にラスの身体があるのにそんな事考えられない」

 耳元で熱い吐息交じりにカラムにそう言われれば、私ももうそれに逆らうことはできなかった。
 先ほどカラムにもらった指輪はカラムが俯いている間に付けてしまった。今、こうして一緒にいる時にこそ付けていたい。そう思ったからだ。
 カラムは一瞬目の端でそれを捕らえ、うっとりと顔を緩ませてからまた私にキスを再開する。
 私の両手を再度頭の上でベッドに抑えつけ、耳から肩口までカラムの熱を持った唇が好き勝手に這いまわる。するとゾクゾクとする快感が身体を駆け巡り、どうしようもなく身体が火照り出す。与えられる快感をどうにか逃がそうと、抑えつけられている手を起点に私の身体が勝手に波打ち始める。快感が身体を支配し、カラムの与えてくれる甘い唇の感触がどこまでも私を高めてくれる。

 そのままカラムが裸の身体を私の身体に重ねると、二人の肌と肌の間に熱が生まれる。ジクジクとするその熱を少しでも受け取ろうと、私は自分から身体を揺らしてすり付けずにはいられない。カラムはそんな私を見降ろしながら身体を波打たせ、私の胸の頂点を自分の裸の胸ですり上げていく。

「はぁ、あぁっ、ア……」

 カラムの熱い肌にすり上げられると、胸の頂点から痺れるような快感が走る。それは甘く切なく、ジクジクと私の中の欲望を駆り立てる。カラムの動きに合わせて私の中に沸々と熱い欲望が湧き、私はその衝動に抗うことなく声を上げた。
 そんな私を見降ろすカラムの顔が欲情に歪んで、猛る獣のように私の喉元を咥え、歯を立てる。カラムの硬い歯が私の肌に沈み、でも痛みを与える直前で止まる。
 急所を抑えられ緊張が走り、身体が強張る。ほんの僅かでも動けばその歯が私に突き刺さる、そんな刹那な恐怖でカラムが私を支配しようとする。
 だけどその支配は決して私に屈辱を与えない。これは私が許さなければ与えられない支配だ。お互いがお互いを信頼し、愛おしむことが出来て初めて生まれる合意の上の支配。それを肌で感じたその瞬間、私は自ら脱力し、カラムの支配を受け入れた。
 それに気づいたのだろう、カラムは満足したように歯を引いて、まるで敬意を表すかのように私の首に沢山のキスを降らす。

「ラス……脱がせていいか」

 掠れる声でそう尋ねるカラムに私が小さく頷きかえすと、カラムは私の手を解放してまたも私の上で膝立ちになり、騎士服に包まれた私の下半身を優しく撫でまわした。カラムの愛撫はとても優しく、欲望とともにカラムの深い情愛を伝えてくる。
 すると今までどうしても開けなかった私の足が、カラムを求めて自然とカラムの太ももにまとわりついていく。それを見たカラムが一瞬目を見張り、問うように首をかしげ苦しそうに私を見下ろした。
 私は答える代わりに絡めた足でカラムの身体を引き寄せる。カラムは私を見降ろしながらゴクリと息を飲み、そしてすぐに私の下半身をがっしりと掴んでゆっくりと自分の腰を押し付け、えぐるようにすり上げていく。
 それは、とても強い刺激だった。
 カラムの硬くなった下半身が騎士服越しにそこをすり上げると、それまで知らなかった快感が頭のてっぺんまで駆け抜ける。

「ああっ、ラス。あっ、あっ……」
「アアァッ、アア……」

 カラムまで声をあげ、私の名を呼びながら淫靡な動きで腰を振り付け、私を見降ろし、耐えるように脚を強く抱え込む。カラムに腰をすり付けられるたびに私の口から聞いた事もない声がほとばしりだす。
 しばらくその甘美な行為を繰り返したカラムが、グゥッと強く腰を押しつけてから、深いため息とともに私の足を開放してくれる。そのまま一旦ベッドの横におりて乱暴に自分の服を全て脱ぎ捨て、私の下半身を覆う騎士服を下着ごと一気にひきずり下ろした。

 裸に剝かれ、身体を覆うものもなくシーツの上に横たえられた私は、まるで自分が贄にでもなったような奇妙な気分にさせられる。いたたまれずに身体をよじる私を、だけどカラムは無言でジッと見つめ続ける。するとカラムに見つめられた場所がまるで触れられたかのように熱を持ち、彼の視線の動きにそって肌がチリチリと焼かれるように熱くなる。
 その欲望の滾る視線で私の全身を舐めまわしたカラムは、ふぅっと小さく息を吐き、まるで神聖な儀式の始まりのように私の腹に静かなキスを降らせはじめた。

 カラムの大きな手に捧げるように腰を抱えられ、唇が私の肌に静かに触れると、その度に私の内側が甘く疼いて熱がさざ波のように広がっていく。
 その熱に浮かされて私が悶え身体を波立たせると、カラムが嬉しそうに私を見降ろして私の足元で膝立ちになった。そのまま愛おしそうに私の足を何度も撫で、それを持ち上げて左右に広げて抱え込む。
 カラムが唇を薄く噛み締め、ジッと私を見つめながら、さっき同様私の足の間に自分の下半身をピタリと押しあてる。私たちの間にはもう遮るものは何もなく、カラムの硬い楔が私の足の間に直接その熱を伝えてくる。
 ただ押し当てられた、それだけで、そしてその熱だけで、腰が溶けるような快感が私の背中を走り抜けていく。

「んぁぁァァ……」

 初めて知る快感に言いようもなく不安になり、そこから逃れようと腰を揺する私をカラムの腕がしっかりと抑えつける。見ればカラムもまた苦しそうに顔を歪ませて、ジッと私を見下ろしながらユルユルと腰を揺らしはじめた。カラムの腰の動きに合わせて熱いくさびのような男性器が私の秘所を押し開き、その内側を何度もすり上げていく……
 すでに潤いを持っていた私の秘所がカラムの楔に絡みつき、お互いの粘膜が水音をたてながらお互いを刺激する。
 その度に私の足の間の敏感な部分がすりあげられ、ハッキリとした淫悦な刺激がすりあげられた部分から染み込んでくる。ズキンズキンと疼くような快感と、一瞬の背中が反りあがるような激しい快感が交互に襲ってくる。

「ん…あ、アァッ」
「フッ……ハッ、……クッ」

 何度もすり上げられ、切なさが潤いになってその内側のもっと奥からあふれ出し、カラムを濡らして誘い始める。快感に追い詰められあられもない声がボロボロと口からこぼれ、そして自分でも信じられない程素直に、カラムにもっと愛されたいと思う。

「ラス、……いいか?」

 汗を滲ませ、目を細めてカラムが喘ぐように私に問いながら、自分のそそり立つ楔の先端で私の疼く中心をえぐりだした。私の中心を押し込めようとするその肉の感触に勝手に腰が震え、私の身体が物欲しそうに前後に揺れる。自分の中にある強い欲望がカラムのそれを求めるのが分かった。

「カラム、カラムが欲しい」
「ァッ、クソ、お前は!」

 盛大に喘いだカラムが悪態とともに大きく腰をグラインドさせて、気を散らすようにもう一度軽くそこをすり上げていく。そこでウゥーと低く唸りながら息を吐きだして、私を見つめながら、カラムがゆっくりと硬い楔を私の中心に沈め始めた。

「ンァッ!」

 肉の塊が身体に押し込まれる違和感と、同時に感じたことのない下半身の膨張感に襲われて私の口から思わず呻き声が上がる。決して痛いとか辛いわけではなく、ひどく苦しくそしてほんのりと甘い。ズッズッと少しずつ中に侵入してくるカラムのその憤りが、私の狭い内側を押し開いていく。

「ラス……痛くないか?」

 幸い最後まで痛みはなかった。ただ、それまで感じたことのない場所に感じたことのない強い感触が与えられ、戸惑いと苦しさは隠せなかった。
 だからカラムにそう問われ、私はただ「痛くない」とこぼすのが精いっぱいだった。
 それでも私の様子から察してくれたのだろう、カラムはしばらくそのまま動かずに、気遣うように私の腰や腹を大切そうに撫でまわす。カラムの手が尻の肉を掴み、腰を撫で上げ、腹をさすると、次々と快感が生まれて中の苦しさがだんだんと薄れていく。

 そのうちカラムの両手がしっかりと私の腰骨を掴み、今、中に沈められたカラムの楔を私の奥にすりつけはじめる。
 もうそれ以上奥には来れるはずがない。そう感じるのにその動作がまるでその奥まで何かを送り込むようで、実際にカラムの楔の先端より奥がジンジンと痺れひどくざわめく。

「カラム、それ……」
「ああ、ラス……いい……」

 視線をあげると、額に汗を滲ますカラムが恍惚とした表情で私を見降ろしている。その眼を見つめているとその奥のざわめきがそのまま燃え上がる様な快感へと変換されていく。
 せり上げる快感の波に私がうっとりとカラムを見返すと、カラムがグッと口を結び、ズンズンと腰を前後に揺らし始めた。

「アアッ、ンアァァッ、アァァッ……」

 カラムに腰を揺らされるたびに、私の口から歓喜の声があふれ出す。
 心の奥のそのまた奥からあふれ出る熱い感情と、カラムの身体から直接注ぎ込まれる快感の波がぶつかり合って、私の中で光になって弾けていく。
 弾け続けるそのスパークはどんどんと輝きを増していき、私の頭を占領して思考を白く焼き尽くす。
 極限で下腹の中心辺りが脈打つように戦慄きだし、全身が勝手にガクガクと痙攣し始めても、私はもうただただその全てを受け入れるしかない。
 最後にカラムの楔が奥を一際きつく穿ち、ビクビクと震えながら私の中にはじけ飛ぶような悦楽を撒き散らして、そして私を真っ白な絶頂の海へと流し切った。



「ラス、大丈夫か?」

 どこまでが夢でどこから現実だったんだろうか。あまりに激しい感情と刺激に極限まで追い立てられたその末に、私はどこかで意識を薄れさせていたようだった。
 気が付くと私はすっぽりとカラムの腕の中に収められ、ベッドの上に横たわっていた。私を包む肌の匂いに心がなごむ。
 ああ、これはカラムの匂いだったのか。確かに、汗の匂いも決して悪くない。

「カラム」

 名を呼んだが、他に言葉が見つからない。でも、それでよかったのだろう、カラムがそのまま私を包み込むように抱きしめる。

「ラス」

 カラムもただ私の名を呼んでくれる。それが凄く嬉しかった。カラムの引き締まった胸に頬を寄せて、私はただただ幸福に包まれて目を閉じた。
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