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休章 休息 - Quiet days -
番外編:(ラス視点)微睡みの中の訪問★
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揺蕩う意識のその中で、私は私を抱く優しい腕の存在に気づいた。身体に馴染むその感触に心が蕩けてくる。そのうち甘く切ない快感が身体のあちこちに広がって、ジクジクと中心が疼きだす。
「んんっ!」
突然口を塞がれ、生暖かい舌が口を蹂躙し始めて、私はやっと意識を覚醒させた。驚いて目を見開くと、目の前には間近に私を見つめるカラムの二つの瞳。すぐ目の前でジッと私を見ながら軽く目を伏せてはまた舌を伸ばす。私も堪らず目を閉じてその感触に浸った。
気が付けば既にカラムの手が私の服の中の乳房を揉みあげている。指先でその頂点を転がされるたび、先ほどと同じ甘く切ない快感がまた私の中に広がる。
カラムの大きな体の下、足はすでにカラムの足に抑えつけられ、もう一方の手に腰を掴まれて、身動きの取れない下半身にカラムが自身の硬くなった男性器を擦り付けていく。
身を捩り、説明を求めようとする私をカラムの身体が容赦なく抑えつける。それどころかカラムの舌が私の喉の奥まで侵入し、舌の付け根を擦り上げる。息のつまるような快感が私の中を駆け抜け、堪らず嗚咽の様なため息が鼻から漏れ出した。
苦しくて、でも気持ちよくて。
ギリギリで与えられる呼吸の合間でなんとか息を継いで、すぐにまた押し返してくるカラムの舌の応酬に答える。身動きも取れず、ただただ享受するだけの快感に私の頭が惚けていく。
「ラス、こんばんわ」
与えられ続けた快感にボーっとしているところにカラムの声が降ってきた。その声が私を揺り起こし、目をしばたいて焦点を合わせると目の前でカラムが嬉しそうにほほ笑んで私を見降ろしてる。
「カラム、これは何のつもりだ?」
やっとそう呟いた私にカラムが得意そうに答える。
「夜這い。ラス、俺を待っててくれたんだろ」
やけに得意そうにそう言って私を見下ろしてるカラムに言葉につまる。確かにこの前二人で娼館に行った日にそんなことが話題に上がってた。だけど確か私は認めてなかったはず。
「会いたかった……」
なのに、カラムがため息のようにそう言って私の額にキスをすると、もう事実などどっちでもよくなる。
「しよう」
うっそりと微笑みながらそう囁くカラムは、言葉とともにまたも自分の腰を擦り付けてくる。獣のようなその行為は淫らで、そして甘美だった。
「ラスは喋らなくていい。というかあまり声をあげないで。って言っても無理か?」
揶揄うようにそう言われ、私は少しムッとしてギュッと口を閉ざした。
「……あれ、もしかして声我慢する気? なら……」
途端、その瞳に危険な色を滲ませたカラムがその大きな手で私の眼を覆う。視界が遮られ、微かな不安がよぎったその瞬間、柔らかい感触が私の首を食んだ。
「っ……!」
思わず声が漏れかけて慌てて口を噤むと、カラムのクツクツと静かに笑う声が響いてきた。
「ラス、お前感じやすい癖に本当に我慢する気か?」
私の顔を覗き込みながら揶揄うだけからかって、またも私の首をカラムの舌の感触が這いあがっていく。ゾクゾクと快感が背中を駆けのぼり、声が漏れそうで辛い。
「あーあ。たったこれだけでもう凄く辛そうだな」
「んっ!」
ニヤニヤと私を見下ろすカラムが喋ってる最中、突然強い刺激が私の左の胸の頂点を襲った。カラムの指が私の乳首を摘まんでる。敏感なその先端を指の間で潰し、捻り、そしてやわやわと揉む。どの刺激も痛くないギリギリのラインで、嬉しそうに私の様子を見ながらカラムが私を追い込もうとする。
「ああ、良く我慢してるね。じゃあご褒美にこっちもしてやろう」
「な、んんっっ!」
そう言った途端、容赦ない刺激が反対の乳首にも襲い掛かってきた。カラムに両の乳首を刺激され、身体が勝手によじれだす。胸を持ち上げるように手で掬いしっかりとその大きな手に収めると、カラムの硬い指の付け根が私の乳首を挟みこむ。一瞬、カラムはジッと私の顔を覗き込んで、そしてそのまま胸を揉みしだきながら私の乳首をすり潰しはじめた。
「んん、あっ……アッ……」
「ほら、声もう出てるぞ」
そう言いつつカラムが少し苦し気に眉を寄せ、頭を下げて指の間の乳首に舌を伸ばす。揉むたびに指の間から押し出される敏感なその頂点をカラムの熱い舌がネロネロと舐めまわし始めた。
「やっ、めっ、だ……ッ!」
「暴れるなって、下に響くだろ」
もう我慢も聞かずに声が漏れ始めた私を見て、カラムが慌てて私の胸を解放し、代わりに私の身体を優しく抱きしめる。
「ラス、意地悪してゴメン。でも、欲しい……」
カラムの欲情を滲ませるテノールで『欲しい』と言われたその瞬間、ドクンと欲望が私の下腹部で脈打った。その激しさに声にならない喘ぎが私の口から洩れてしまう。そんな私の顔色を読み取ったカラムが少し困ったように小首を傾げた。
「ラスも欲しいんだよな。ちょっと待ってろ」
そう言ってカラムが私の上からおりてベッドから立ち上がる。突然カラムの体温が消え去って、もの悲しくなって暗闇でカラムの姿を探す。だけどすぐにカラムの手が伸びてきて私の口に何か柔らかいものをあてがった。
「これ。タオルだけどないよりましだろ。悪いけどラスやっぱり声我慢できねえみたいだし、咥えてくれるか?」
自分の声を殺す為、自分からタオルを口に含む。その行為自体がやけに淫靡に感じられて戸惑ってしまう。それでもカラムのいう事は正しい。正直もうこれ以上声を抑えられる自信はなかった。
おずおずと口を開いて、カラムがタオルを含ませてくれるのを待つ。カラムの長い指が私の口を探り、そしてタオルを詰め込み始めた。何をどうしたのか、一度入れられたタオルはもう簡単には吐き出せない。少し苦しくて口の中でタオルを舌で動かし、それに集中しすぎて目に涙が滲み出す。
「ラス、可愛い……」
そんな私の頬をカラムの大きな手が愛おしそうに何度も撫でおろす。
「ラス、暴れないでいられる? 自分で我慢できる? それとも……」
そう言って、今度はカラムが自分のベルトを私に見せた。
「これで抑えておいてあげようか?」
待て、それは何かおかしくないか? なんかマズい気がする。気がするけれど……
声一つ我慢できなかった私が、これからカラムに執拗に揺らされて、暴れないはずがないのも事実。私は意を決して、カラムを信用して任せることにした。
私が小さく頷くのを確認したカラムが、「ちょっと我慢して」と囁いて私を俯かせる。そのまま背中の真ん中で私の両手を組ませ、器用に自分のベルトでしっかりと拘束していく。確かにこれなら暴れようがない。動かせるのは足くらいのものだ。
「ラス……大好きだ……」
カラムがため息のようにそう言って、私の下半身を撫でまわし始める。私はてっきり上向かせてもらえると思ってたのに、カラムは私の腿を挟みこむように膝で押さえつけ、膝の辺りに腰を下ろして私の尻を揉み始めた。動けないとはいえ、手が動かせない分、どうしても腰が勝手に揺れて体がくねり出す。
「ラスの身体が欲しがってるよ」
ため息のようにそう言ってカラムが私の夜着を下着ごと引きずりおろす。私の下半身を露にさせたカラムは、私の尻を大きな手で包み込んで直に揉み始めた。広げ、持ち上げ、そして握られるたび、腰の後ろがジクジクと痺れてくる。またも熱が身体の中に籠って腰が勝手に揺れ始めてしまう。
するとそれに気を良くしたのか、カラムが片手を私の足の間に差し込んで、私の秘部を上下に軽くなぞり始めた。カラムの指が私の蜜を絡めとり、それを私の敏感な部分に擦り付けコロコロと撫でると、そこから甘く痺れるような刺激が身体を駆け上がる。
「ラスのここ、すっごくトロケてる。このままここでイきたい? それとも俺のモノ、ここに挿れて欲しい?」
答えられるわけもないのに、カラムが卑猥な言葉で問いかける。「いきたい?」と問うては敏感な場所を撫で上げ、「挿れて欲しい?」と問いながら指で蜜の零れる入り口をほじる。
「ふんーっ!んーんー!」
カラムの指が次々と強い快感をもたらし、思わず頭を振り声をあげようとするけどタオルのせいで出すに出せない。口の中で嬌声がくぐもって代わりにおかしな声が漏れだすと、カラムは嬉しそうにそれを繰り返す。
「ここ掻き回されるの、良くない? あ、でもここもすごく腫れ上がってる。こうやって、摘むと……ほら、お前の入り口ピクンピクンしてる」
指が増やされ中と外の両方を嬲られて、絶え間なく襲い来る快感に腰がガクガクと震えだした。
あと少し、もうちょっとで達してしまう、その瞬間にカラムがピタリと指を止めてしまった。
「やっぱりダメ。ちゃんと後でいかせてやるから今は我慢して」
そう言いつつ、私の中の指がゆっくりと動き出す。さっきとは違う物足りない快感に激しさを求めて腰が浮き上がる。
「足りない? じゃあラスが自分で動いてごらん……そう、もっと大きく腰を揺すって。俺の指に食いついて」
カラムはそう促すが、腕を縛られ足をカラムに抑え込まれて、私の動きはほとんど封じられてる。それでもカラムの緩急をつけた誘う様な指の動きに、我慢しきれず限られた動作で腰を振りつけた。
「もっと欲しそうに……ああ、ラス、お前最高にエロい」」
私が腰を振ればご褒美とばかりにカラムが中に入ってる指で気持ちいい場所を抉ってくれる。それが欲しくて、少しでも深く味わいたくて、私は羞恥なんて忘れて必死で腰を振ってしまった。
でもまたも絶頂を前にして突然指が引き抜かれ、不満が募って振り返ろうとするとカラムが私の上にのしかかり、耳に唇を寄せてきた。
「ごめんラス、でも俺も挿れたい……」
耳元で苦しそうにそう呟くなり、私の答えなど関係なしにカラムが自身の熱い憤りを私の尻の間に挿し込んだ。そのまま私の肩を掴み、ズッズッと肉をかき分けて私の入り口に迫ってくる。カラムの熱い吐息が私の背中に零れ、苦しそうな呻き声とともに徐々に私の中に自分自身を穿ちこんでいく。
最初は尻の肉に阻まれて中々進まなかったその動きも、徐々に私から漏れ出す湿り気が潤滑油になって楔が肉の間を滑りながら中を奥まで押し拡げていく。カラムの楔が私の中を擦り上げるたび、もその甘やかな圧迫感に眩暈がして、吐き出す吐息が全てタオルに吸い込まれていく……
「あぁ……ラス、挿った……」
最奥までビッチリと拡げきり、私の耳のすぐ後ろで喘ぐようにそう呟いたカラムが、そのまま先端でグッグッと私の奥を突き始める。
「ンッ、ハンッ、アッ、……ハッ!」
カラムが腰を揺らす度、カラムの男性器が私の中を引きずるようにして抽挿を繰り返す。カラムの腕が私の両の耳の横に置かれ、私の頭を抱え込むようにして喘ぎを繰り返しながら腰を振る。
「ああっ、ラス、お前のなかっ、最高だ」
耐え切れないというように呟かれるカラムの言葉が私の耳を犯す。身動きの限られた状態で与えらえる激しい快感に、どこにも逃げ場のない熱が意識をどこまでも押し上げていく。頭はカラムとその楔に与えらえる快感だけでいっぱいだ。
「ラス、もっと腰浮かせて、俺を欲しがって」
言われるがまま、カラムの腰を求めるように私の腰もうねり出す。カラムがそれに合わせて抽挿を早め、突き上げ、私の奥をガツガツと掘り下げる。
一番奥の辺りから深い快感が身体の芯でうねり始め、止めようもなく腰が揺れ、カラムの憤りを飲み込んでいく。
「ラス、きて。俺と一緒に、ほら、アッ、ハッ」
カラムの切羽詰まった声が私を追い詰め、追い込んでいく。クゥっと締め付けられるような快感と、狂おしい程の衝動と、そして私を押しつぶし抑え込むカラムの身体の振動に、私はそのまま高い高い頂点へと達していった。
「ラス、ごめん。ほんとにゴメンって、おい頼むから怒ってないでこっち向いてくれよ」
事後。カラムに拘束を解かれ口の中のタオルを吐き出した私は、布団をかぶって壁になった。
「ラス、可愛かったから。すげぇ可愛かったから。頼むから」
そんなこと言ったって、とてもじゃないがカラムの顔が見れない。
私は別に怒ってるわけじゃない。そうじゃなくて。
会いたかったのは事実だ。抱かれたかったのも確かだ。だけど、今夜のあれはあまりに恥ずかしすぎて死ねる。
カラムに頼まれると、どうもなんでも許しすぎてしまうきらいがある。本当に改めなければ。
「怒ってるのか? 怒ってるよな、やり過ぎた自覚はあるけど、だってお前可愛すぎて……」
ゴダゴダと後ろで謝罪を続けるカラムはそれでも布団ごと私を抱きしめてくる。私もあえてそれを振り払ったりはしない。
「ゴメンな、なあ、ラス、愛してる。ほんとに。だからこっち向いて」
そう言いつつもカラムは私の被ってる布団の中に身体を滑り込ませ、いつの間にか私を後ろから抱きこんでいる。全く、図々しい奴だ。
だけどカラムに身体を抱かれ、頭を撫でられながら甘い声で名前を呼ばれキスを受け続けると、だんだんと気持ちが緩んで落ち着いてしまう。それどころか一旦心が解れると、ただ、カラムに会えた喜びに心が弾んできてしまう。
結局の所、私はカラムに弱いのだった。
微睡みの中の訪問 (完)
「んんっ!」
突然口を塞がれ、生暖かい舌が口を蹂躙し始めて、私はやっと意識を覚醒させた。驚いて目を見開くと、目の前には間近に私を見つめるカラムの二つの瞳。すぐ目の前でジッと私を見ながら軽く目を伏せてはまた舌を伸ばす。私も堪らず目を閉じてその感触に浸った。
気が付けば既にカラムの手が私の服の中の乳房を揉みあげている。指先でその頂点を転がされるたび、先ほどと同じ甘く切ない快感がまた私の中に広がる。
カラムの大きな体の下、足はすでにカラムの足に抑えつけられ、もう一方の手に腰を掴まれて、身動きの取れない下半身にカラムが自身の硬くなった男性器を擦り付けていく。
身を捩り、説明を求めようとする私をカラムの身体が容赦なく抑えつける。それどころかカラムの舌が私の喉の奥まで侵入し、舌の付け根を擦り上げる。息のつまるような快感が私の中を駆け抜け、堪らず嗚咽の様なため息が鼻から漏れ出した。
苦しくて、でも気持ちよくて。
ギリギリで与えられる呼吸の合間でなんとか息を継いで、すぐにまた押し返してくるカラムの舌の応酬に答える。身動きも取れず、ただただ享受するだけの快感に私の頭が惚けていく。
「ラス、こんばんわ」
与えられ続けた快感にボーっとしているところにカラムの声が降ってきた。その声が私を揺り起こし、目をしばたいて焦点を合わせると目の前でカラムが嬉しそうにほほ笑んで私を見降ろしてる。
「カラム、これは何のつもりだ?」
やっとそう呟いた私にカラムが得意そうに答える。
「夜這い。ラス、俺を待っててくれたんだろ」
やけに得意そうにそう言って私を見下ろしてるカラムに言葉につまる。確かにこの前二人で娼館に行った日にそんなことが話題に上がってた。だけど確か私は認めてなかったはず。
「会いたかった……」
なのに、カラムがため息のようにそう言って私の額にキスをすると、もう事実などどっちでもよくなる。
「しよう」
うっそりと微笑みながらそう囁くカラムは、言葉とともにまたも自分の腰を擦り付けてくる。獣のようなその行為は淫らで、そして甘美だった。
「ラスは喋らなくていい。というかあまり声をあげないで。って言っても無理か?」
揶揄うようにそう言われ、私は少しムッとしてギュッと口を閉ざした。
「……あれ、もしかして声我慢する気? なら……」
途端、その瞳に危険な色を滲ませたカラムがその大きな手で私の眼を覆う。視界が遮られ、微かな不安がよぎったその瞬間、柔らかい感触が私の首を食んだ。
「っ……!」
思わず声が漏れかけて慌てて口を噤むと、カラムのクツクツと静かに笑う声が響いてきた。
「ラス、お前感じやすい癖に本当に我慢する気か?」
私の顔を覗き込みながら揶揄うだけからかって、またも私の首をカラムの舌の感触が這いあがっていく。ゾクゾクと快感が背中を駆けのぼり、声が漏れそうで辛い。
「あーあ。たったこれだけでもう凄く辛そうだな」
「んっ!」
ニヤニヤと私を見下ろすカラムが喋ってる最中、突然強い刺激が私の左の胸の頂点を襲った。カラムの指が私の乳首を摘まんでる。敏感なその先端を指の間で潰し、捻り、そしてやわやわと揉む。どの刺激も痛くないギリギリのラインで、嬉しそうに私の様子を見ながらカラムが私を追い込もうとする。
「ああ、良く我慢してるね。じゃあご褒美にこっちもしてやろう」
「な、んんっっ!」
そう言った途端、容赦ない刺激が反対の乳首にも襲い掛かってきた。カラムに両の乳首を刺激され、身体が勝手によじれだす。胸を持ち上げるように手で掬いしっかりとその大きな手に収めると、カラムの硬い指の付け根が私の乳首を挟みこむ。一瞬、カラムはジッと私の顔を覗き込んで、そしてそのまま胸を揉みしだきながら私の乳首をすり潰しはじめた。
「んん、あっ……アッ……」
「ほら、声もう出てるぞ」
そう言いつつカラムが少し苦し気に眉を寄せ、頭を下げて指の間の乳首に舌を伸ばす。揉むたびに指の間から押し出される敏感なその頂点をカラムの熱い舌がネロネロと舐めまわし始めた。
「やっ、めっ、だ……ッ!」
「暴れるなって、下に響くだろ」
もう我慢も聞かずに声が漏れ始めた私を見て、カラムが慌てて私の胸を解放し、代わりに私の身体を優しく抱きしめる。
「ラス、意地悪してゴメン。でも、欲しい……」
カラムの欲情を滲ませるテノールで『欲しい』と言われたその瞬間、ドクンと欲望が私の下腹部で脈打った。その激しさに声にならない喘ぎが私の口から洩れてしまう。そんな私の顔色を読み取ったカラムが少し困ったように小首を傾げた。
「ラスも欲しいんだよな。ちょっと待ってろ」
そう言ってカラムが私の上からおりてベッドから立ち上がる。突然カラムの体温が消え去って、もの悲しくなって暗闇でカラムの姿を探す。だけどすぐにカラムの手が伸びてきて私の口に何か柔らかいものをあてがった。
「これ。タオルだけどないよりましだろ。悪いけどラスやっぱり声我慢できねえみたいだし、咥えてくれるか?」
自分の声を殺す為、自分からタオルを口に含む。その行為自体がやけに淫靡に感じられて戸惑ってしまう。それでもカラムのいう事は正しい。正直もうこれ以上声を抑えられる自信はなかった。
おずおずと口を開いて、カラムがタオルを含ませてくれるのを待つ。カラムの長い指が私の口を探り、そしてタオルを詰め込み始めた。何をどうしたのか、一度入れられたタオルはもう簡単には吐き出せない。少し苦しくて口の中でタオルを舌で動かし、それに集中しすぎて目に涙が滲み出す。
「ラス、可愛い……」
そんな私の頬をカラムの大きな手が愛おしそうに何度も撫でおろす。
「ラス、暴れないでいられる? 自分で我慢できる? それとも……」
そう言って、今度はカラムが自分のベルトを私に見せた。
「これで抑えておいてあげようか?」
待て、それは何かおかしくないか? なんかマズい気がする。気がするけれど……
声一つ我慢できなかった私が、これからカラムに執拗に揺らされて、暴れないはずがないのも事実。私は意を決して、カラムを信用して任せることにした。
私が小さく頷くのを確認したカラムが、「ちょっと我慢して」と囁いて私を俯かせる。そのまま背中の真ん中で私の両手を組ませ、器用に自分のベルトでしっかりと拘束していく。確かにこれなら暴れようがない。動かせるのは足くらいのものだ。
「ラス……大好きだ……」
カラムがため息のようにそう言って、私の下半身を撫でまわし始める。私はてっきり上向かせてもらえると思ってたのに、カラムは私の腿を挟みこむように膝で押さえつけ、膝の辺りに腰を下ろして私の尻を揉み始めた。動けないとはいえ、手が動かせない分、どうしても腰が勝手に揺れて体がくねり出す。
「ラスの身体が欲しがってるよ」
ため息のようにそう言ってカラムが私の夜着を下着ごと引きずりおろす。私の下半身を露にさせたカラムは、私の尻を大きな手で包み込んで直に揉み始めた。広げ、持ち上げ、そして握られるたび、腰の後ろがジクジクと痺れてくる。またも熱が身体の中に籠って腰が勝手に揺れ始めてしまう。
するとそれに気を良くしたのか、カラムが片手を私の足の間に差し込んで、私の秘部を上下に軽くなぞり始めた。カラムの指が私の蜜を絡めとり、それを私の敏感な部分に擦り付けコロコロと撫でると、そこから甘く痺れるような刺激が身体を駆け上がる。
「ラスのここ、すっごくトロケてる。このままここでイきたい? それとも俺のモノ、ここに挿れて欲しい?」
答えられるわけもないのに、カラムが卑猥な言葉で問いかける。「いきたい?」と問うては敏感な場所を撫で上げ、「挿れて欲しい?」と問いながら指で蜜の零れる入り口をほじる。
「ふんーっ!んーんー!」
カラムの指が次々と強い快感をもたらし、思わず頭を振り声をあげようとするけどタオルのせいで出すに出せない。口の中で嬌声がくぐもって代わりにおかしな声が漏れだすと、カラムは嬉しそうにそれを繰り返す。
「ここ掻き回されるの、良くない? あ、でもここもすごく腫れ上がってる。こうやって、摘むと……ほら、お前の入り口ピクンピクンしてる」
指が増やされ中と外の両方を嬲られて、絶え間なく襲い来る快感に腰がガクガクと震えだした。
あと少し、もうちょっとで達してしまう、その瞬間にカラムがピタリと指を止めてしまった。
「やっぱりダメ。ちゃんと後でいかせてやるから今は我慢して」
そう言いつつ、私の中の指がゆっくりと動き出す。さっきとは違う物足りない快感に激しさを求めて腰が浮き上がる。
「足りない? じゃあラスが自分で動いてごらん……そう、もっと大きく腰を揺すって。俺の指に食いついて」
カラムはそう促すが、腕を縛られ足をカラムに抑え込まれて、私の動きはほとんど封じられてる。それでもカラムの緩急をつけた誘う様な指の動きに、我慢しきれず限られた動作で腰を振りつけた。
「もっと欲しそうに……ああ、ラス、お前最高にエロい」」
私が腰を振ればご褒美とばかりにカラムが中に入ってる指で気持ちいい場所を抉ってくれる。それが欲しくて、少しでも深く味わいたくて、私は羞恥なんて忘れて必死で腰を振ってしまった。
でもまたも絶頂を前にして突然指が引き抜かれ、不満が募って振り返ろうとするとカラムが私の上にのしかかり、耳に唇を寄せてきた。
「ごめんラス、でも俺も挿れたい……」
耳元で苦しそうにそう呟くなり、私の答えなど関係なしにカラムが自身の熱い憤りを私の尻の間に挿し込んだ。そのまま私の肩を掴み、ズッズッと肉をかき分けて私の入り口に迫ってくる。カラムの熱い吐息が私の背中に零れ、苦しそうな呻き声とともに徐々に私の中に自分自身を穿ちこんでいく。
最初は尻の肉に阻まれて中々進まなかったその動きも、徐々に私から漏れ出す湿り気が潤滑油になって楔が肉の間を滑りながら中を奥まで押し拡げていく。カラムの楔が私の中を擦り上げるたび、もその甘やかな圧迫感に眩暈がして、吐き出す吐息が全てタオルに吸い込まれていく……
「あぁ……ラス、挿った……」
最奥までビッチリと拡げきり、私の耳のすぐ後ろで喘ぐようにそう呟いたカラムが、そのまま先端でグッグッと私の奥を突き始める。
「ンッ、ハンッ、アッ、……ハッ!」
カラムが腰を揺らす度、カラムの男性器が私の中を引きずるようにして抽挿を繰り返す。カラムの腕が私の両の耳の横に置かれ、私の頭を抱え込むようにして喘ぎを繰り返しながら腰を振る。
「ああっ、ラス、お前のなかっ、最高だ」
耐え切れないというように呟かれるカラムの言葉が私の耳を犯す。身動きの限られた状態で与えらえる激しい快感に、どこにも逃げ場のない熱が意識をどこまでも押し上げていく。頭はカラムとその楔に与えらえる快感だけでいっぱいだ。
「ラス、もっと腰浮かせて、俺を欲しがって」
言われるがまま、カラムの腰を求めるように私の腰もうねり出す。カラムがそれに合わせて抽挿を早め、突き上げ、私の奥をガツガツと掘り下げる。
一番奥の辺りから深い快感が身体の芯でうねり始め、止めようもなく腰が揺れ、カラムの憤りを飲み込んでいく。
「ラス、きて。俺と一緒に、ほら、アッ、ハッ」
カラムの切羽詰まった声が私を追い詰め、追い込んでいく。クゥっと締め付けられるような快感と、狂おしい程の衝動と、そして私を押しつぶし抑え込むカラムの身体の振動に、私はそのまま高い高い頂点へと達していった。
「ラス、ごめん。ほんとにゴメンって、おい頼むから怒ってないでこっち向いてくれよ」
事後。カラムに拘束を解かれ口の中のタオルを吐き出した私は、布団をかぶって壁になった。
「ラス、可愛かったから。すげぇ可愛かったから。頼むから」
そんなこと言ったって、とてもじゃないがカラムの顔が見れない。
私は別に怒ってるわけじゃない。そうじゃなくて。
会いたかったのは事実だ。抱かれたかったのも確かだ。だけど、今夜のあれはあまりに恥ずかしすぎて死ねる。
カラムに頼まれると、どうもなんでも許しすぎてしまうきらいがある。本当に改めなければ。
「怒ってるのか? 怒ってるよな、やり過ぎた自覚はあるけど、だってお前可愛すぎて……」
ゴダゴダと後ろで謝罪を続けるカラムはそれでも布団ごと私を抱きしめてくる。私もあえてそれを振り払ったりはしない。
「ゴメンな、なあ、ラス、愛してる。ほんとに。だからこっち向いて」
そう言いつつもカラムは私の被ってる布団の中に身体を滑り込ませ、いつの間にか私を後ろから抱きこんでいる。全く、図々しい奴だ。
だけどカラムに身体を抱かれ、頭を撫でられながら甘い声で名前を呼ばれキスを受け続けると、だんだんと気持ちが緩んで落ち着いてしまう。それどころか一旦心が解れると、ただ、カラムに会えた喜びに心が弾んできてしまう。
結局の所、私はカラムに弱いのだった。
微睡みの中の訪問 (完)
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初恋も知らないチェルシーはいつか誰かと恋愛したい。それは相手はフレッドでなくても構わない。どうせ彼もチェルシーのことなんてなんとも思っていないのだから。
しかしある日、拾ったメモを見て彼の新しい一面を知りたくなってしまう。
***
なんちゃって西洋風です。実際の西洋の時代背景や生活様式とは異なることがあります。ご容赦ください。
ムーンさんでも同じものを投稿しています。
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ナイスなじれじれでした!
何度読んでもまた戻ってきちゃいます✨なんといっても主人公の2人が半端なく魅力的‼️男前なカラムのまっすぐで底抜けな深い深いラスへの愛と、生真面目鈍感純情不器用なラスのおぼえたてのカラムへのまっさらな愛が、可愛すぎる。尊すぎる。一生懸命大切にラスの気持ちが育つのを忍耐強くまつカラムの必死さは、可哀想で滑稽でもあるけど、とびきり美しい。ラスの少しずつカラムに心を開き愛を知り、魅力的に花開いていく様も微笑ましく尊い。さまざまな背景も丁寧に描かれ、大人スイートだけの快楽だけを目的とするような薄っぺらな作品とは、確実に別格、別ジャンルだといいたい。2人の愛のやり取りがもちろん濃厚スイートで、それもまた作品の魅力だけれど、丁寧な愛のやりとりが、読む者たちにも極上の幸せな世界をみせてくれる。大絶賛、です。最初のくだりは非常にインパクトあるエピソードですが、その後のじっくりと愛を育むふたりを、何度でも愛でたくなる名作✨
142様〜♪
ご感想ありがとうございますm(_ _)m
感想の素晴らしさに「これ拙作!?」となっております(^_^;)
しかもこんなにもお褒めくださっているのに一つもネタバレがない……凄い……。
(なんかこちらの感想のほうが語彙なさ過ぎてお恥ずかしい)
この二人、作者も悶つつ書かせて頂きました。
お楽しみ頂けたようで大変嬉しく思います。
どうぞこれからも宜しくお願いしますm(_ _)m