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第7章 変動
11 凱旋
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鼻面をなんか生温かい物に撫で上げられる感触にゾッとして飛び起きた。
目覚めて最初に見えたのはバッカスの馬鹿でかい口の中だった。
俺の頭、半分入ってないか?
「お、気づいたか?」
「おま、まさか今俺の顔舐めてなかったか?」
俺の顔から慌てて顔を離したバッカスが気まずそうに顔を背ける。
げっと思って見下ろせば……そこには見慣れた猫の体があった。
しかもバッカスの唾で体中デロデロ。
俺は不機嫌にバッカスを睨みつけた。
「言ったよなぁ、俺は男に舐められる趣味はねぇって」
「そう言うな、こいつ、気絶したお前を一人でずっと看病してたんだぞ」
「まあ、傍目から見ると美味しそうな子猫にヨダレ垂らしてる狼にも見えましたが」
突然の声に振り返ればキールとアルディすぐ近くの地面にしゃがみこんでこちらを見ていた。
見た所全身に泥が飛び散っている事を除けば二人共無事だったようだ。
「そっちはどうだったんだ」
俺がデロデロの身体を地面に擦りつけながら立ち上がるとキールが片手を上げてこっちに何か放り投げた。
「2体とも片付けたぞ。首を落とした途端コア残して崩れ落ちた。それがあいつらの中から取れたコアだ」
「おっと」
受け取ろうとして手が無いのを思い出す。代わりにバッカスが器用に2つとも受け取った。
「沼トロールのコアなんて初めてお目にかかるぜ。よく仕留めたな」
バッカスが物珍しそうに覗き込んでるそれは、あの醜悪な生き物とは似ても似つかないきれいなエメラルド色の石だった。ツルリとしてまるっきり傷がない。
「ああ、どうも今一つ納得いかない終わりだった。通常沼トロールは生命力が強くてもっと手こずるはずなんだが。ま、今回の功労者はお前たちだ。それはお前らが一つづつ持っとけ」
「そんなもん今俺持てねぇし。キール代わりに持っててくれ」
俺がそう言ってバッカスが俺の代わりにコアをキールに投げ返す。
「ハビアとアントニーはどうした?」
「先に森に戻るそうだ。ホセの様子を見に行くとさ」
俺の質問に横からバッカスが答える。
それにしても。さっきっからいくら地面にこすりつけてもこのデロデロ落ちないんだが。今コアを覗き込んだ時バッカスの身体にくっついたら結構取れた。
仕方ないのでバッカスの足に擦り寄る。
「お、おいネロ、俺こそそう言う趣味は無いぞ」
「違う! お前のせいでデロデロなんだ。その足で拭かせろ」
「や、止めろくすぐったい!」
俺たちのやり取りをキールとアルディが真っ赤になって笑いながら見物してる。
笑ってろ、そのうちお前らにも擦り付けてやる。
一通りこっちの毛皮がきれいになった所で今度こそ自分の身体をチェックする。
……確かにあんだけ色々あった切り傷擦り傷全部ひっくるめて無くなってる。
「ありがとよ」
「おう」
聞こえるか聞こえないかの声で言ったのに、自分の傷を舐めていたバッカスが嬉しそうにこっちを振り向いて元気よく答えた。
「それでネロ、お前の固有魔法はどうなったんだ? なんか雷鳴が聞こえてたが」
やっと笑いやめたキールの質問にあの惨状を思い出し、俺は遠い目で答える。
「ああ、なんか天変地異系統みたいだぞ。すごい音とともに地割れが起きた」
「何処に?」
「ここに」
「……何処だって?」
「だからここだよ。この下。500人程の兵士がいたんだが殆どが落ちてった。ほら」
俺は近場に転がってた上半身を地面に埋め込ませた兵士の死体を指差した。
「ほんの数人残ってた奴らもあんたらが着く前に森に逃げてった」
バッカスが補足する。
「……ネロ、お前本当に緊急時以外固有魔法禁止な」
キールの呆れかえった声に俺も猫の肩をすくませて答えた。
「やっぱそうだよな。俺もかなりビビった。バッカスの奴は固まって落ちそうになるし」
「あ、あれは仕方ねぇだろ。カミナリの音やなんだよ!」
「へ? お、お前まさかそれで凍りついてたのか!?」
バッカスが不貞腐れてそっぽを向く。
それを聞いた俺は苦笑いしながらバッカスに忠告した。
「じゃあバッカス。間違ってもあゆみに体重の事は言うなよ。あいつ、マジで手から雷落とすぞ」
「あ、それはもうやられた。背中に乗せてる時に落とされてひでえ目にあった」
手遅れだったか。俺はなんか申し訳なくてなんか頭が下がる。
「女性に体重の話をしたらそりゃ怒りますよ。まあ本当にカミナリ落とせる女性は少ないでしょうが」
クスクス笑いながらアルディが言えばキールも一緒になって笑いだした。
落とされた俺達はとてもじゃ無いが笑えなかった。
「おいネロ、お前のその猫化だけどさー」
南門を目指してトボトボ歩き出した俺達はそのまま門を抜けてはたと気付く。
やべぇ、バッカス連れてきちまった。
俺に話しかけてるバッカスを他所に3人で顔を見合わす。南門の奴らと近くの農村の奴等は俺達の戦いを遠目に見ていたようで諸手を上げて歓迎してくれた。それですっかり忘れていたのだ。
「おい、どうするんだよ」
「いいんじゃねぇか? もうさっきの戦いもすぐ噂で広がるだろうし」
「だけど遺族は多分そう簡単にはいかないだろう」
「まあな。それでもいつかは通る道だ。今のうちに通ちまおう」
「お前それは統治者としてどうなんだよ」
呆れる俺の肩をキールがバンと叩いて「まあ何とかなるさ」っと言って歩き出す。
俺はため息を付いてその後を付いていった。
「なあ、聞いてんのかネロ?」
俺たちが3人で別の話を始めたのを少し不機嫌に見てたバッカスがしつこく俺に話しかけてきた。
「お前それもしかして魔力を使い切ると猫に戻るんじゃねぇのか?」
「……そうかもな」
バッカスの言う事は正しい気がする。前回も畑の麦を育てるのにどうも俺が魔力を使ったらしい。そして今回は天変地異だ。
「確かにさっきの地割れで魔力はカラッカラになってたからな」
「やっぱりな。じゃあ、魔力が戻ればまた人化するんだな?」
「…………」
そうかもしれない。考えてみればこの前も寝てる間に勝手に人型に戻ってた。
じゃあ今回も放っておけば人化するのか?
「そうであって欲しい」
俺の呟く様な答えに「大丈夫だろ」っとバッカスが鼻を鳴らして答えた。
「ああ、ネロ。そう言えばお前らが街を離れたすきにテリースがあの馬車で来た2人組の身体を調べてたぞ。テリース曰く、どちらの死体もあり得ない程血が残ってなかったそうだ」
後ろを歩くキールが思い出した様に話し出した。俺もそれを聞いて同様に気になっていたことを思い出す。
「ああそういや、あの従者みたいな奴を殴った時すげえ変な手ごたえだった。しかもさっき倒したあの兵士達の中にも何人か同じくらい中身がカラッカラの奴がいたぞ」
答えながらふと目線を上げた俺はそこでふと立ち止まった。
「なあ、バッカス、俺どれくらい気絶してたんだ?」
俺に釣られて立ち止まったバッカスに聞くとバッカスがキールを見ながら答える。
「あー、結構な時間かかってたよな。こいつら合流して門の所の兵士に事情説明出来たくらいだから」
俺たちの後ろでやはり立ち止まったキールを振り返り、頷き返すキールに顔が引きつるのを抑えながらかすれる声で尋ねた。
「……なあキール、これナンシーに行くどころじゃ無くないか?」
「ああ? 何がだ?」
「あれだよあれあれ」
暢気な返事を返すキール達にはまだよく見えないのかもしれない。だが俺の目にはしっかり見えていた。
俺はキール達に南門のある丘から真っ直ぐ下っていく道の先に見えだした街の中心を指差した。
そこには……城門に居たはずの兵士達が街の中央を走る道の真ん中で横一列にズラリと並び、その後ろには街や農村から集まった人々が見渡す限りどこまでも道を埋め尽くしていた。
俺の予想は正しかった。その日は俺もキールも仕事にならなかった。
街の連中がひっきりなしに治療院に押しかけてきてはお礼だからといって俺達を誘い出そうとする。どこへってそりゃそれぞれの宴会場だ。
とてもじゃ無いが付き合いきれなくて断ってるのに最後は南門横の農村が豚を潰して丸焼きにしたから来いと言ってきかない。結局俺達は抱えられるようにして農村に連れ込まれた。
バッカスの事もどうなる事かと思えばもう誰も文句をつける奴はいなかった。それどころか夕食のときに聞かされた俺達の武勇伝にギョッとさせられる。
「豊作の神のネロ様が森の主の大狼に乗ってさっそうと現れ、街を襲おうとしていた兵士共を千切っては投げ千切っては投げ、そして最後は稲妻を手にされたネロ様の身体が金色に光ったかと思えば世界が揺れて地が裂けて敵の兵士など虫コロのように地面に飲み込まれて……」
お、おい。何処の神話だよそれ。
時間が経てばたつほど祭りの様な騒ぎは盛り上がり、それにつられて俺たちの話もどんどん尾ひれを増していく。
居たたまれなくなった俺は猫の姿なのをいい事に目立たない様にそっとその場を抜け出した。
「バッカス悪いが今夜お前んトコに泊まってもいいか?」
「ああ?」
騒ぎの中心からは少し離れた所で農村の親父たちからせしめた干し肉をかじってたバッカスの所まで逃げ出して来た俺は声を潜めて話し掛けた。
「このままだと治療院に戻ってもどうせまた引きずり出される」
「構わないけどいいのかよ、あゆみは」
「あいつは今ちょっと部屋から出られないんだ。放っておいた方がいい」
「なら行くか」
俺達は周りにいた酔っ払いどもの目をかいくぐって静かに闇に紛れて逃げ出した。
目覚めて最初に見えたのはバッカスの馬鹿でかい口の中だった。
俺の頭、半分入ってないか?
「お、気づいたか?」
「おま、まさか今俺の顔舐めてなかったか?」
俺の顔から慌てて顔を離したバッカスが気まずそうに顔を背ける。
げっと思って見下ろせば……そこには見慣れた猫の体があった。
しかもバッカスの唾で体中デロデロ。
俺は不機嫌にバッカスを睨みつけた。
「言ったよなぁ、俺は男に舐められる趣味はねぇって」
「そう言うな、こいつ、気絶したお前を一人でずっと看病してたんだぞ」
「まあ、傍目から見ると美味しそうな子猫にヨダレ垂らしてる狼にも見えましたが」
突然の声に振り返ればキールとアルディすぐ近くの地面にしゃがみこんでこちらを見ていた。
見た所全身に泥が飛び散っている事を除けば二人共無事だったようだ。
「そっちはどうだったんだ」
俺がデロデロの身体を地面に擦りつけながら立ち上がるとキールが片手を上げてこっちに何か放り投げた。
「2体とも片付けたぞ。首を落とした途端コア残して崩れ落ちた。それがあいつらの中から取れたコアだ」
「おっと」
受け取ろうとして手が無いのを思い出す。代わりにバッカスが器用に2つとも受け取った。
「沼トロールのコアなんて初めてお目にかかるぜ。よく仕留めたな」
バッカスが物珍しそうに覗き込んでるそれは、あの醜悪な生き物とは似ても似つかないきれいなエメラルド色の石だった。ツルリとしてまるっきり傷がない。
「ああ、どうも今一つ納得いかない終わりだった。通常沼トロールは生命力が強くてもっと手こずるはずなんだが。ま、今回の功労者はお前たちだ。それはお前らが一つづつ持っとけ」
「そんなもん今俺持てねぇし。キール代わりに持っててくれ」
俺がそう言ってバッカスが俺の代わりにコアをキールに投げ返す。
「ハビアとアントニーはどうした?」
「先に森に戻るそうだ。ホセの様子を見に行くとさ」
俺の質問に横からバッカスが答える。
それにしても。さっきっからいくら地面にこすりつけてもこのデロデロ落ちないんだが。今コアを覗き込んだ時バッカスの身体にくっついたら結構取れた。
仕方ないのでバッカスの足に擦り寄る。
「お、おいネロ、俺こそそう言う趣味は無いぞ」
「違う! お前のせいでデロデロなんだ。その足で拭かせろ」
「や、止めろくすぐったい!」
俺たちのやり取りをキールとアルディが真っ赤になって笑いながら見物してる。
笑ってろ、そのうちお前らにも擦り付けてやる。
一通りこっちの毛皮がきれいになった所で今度こそ自分の身体をチェックする。
……確かにあんだけ色々あった切り傷擦り傷全部ひっくるめて無くなってる。
「ありがとよ」
「おう」
聞こえるか聞こえないかの声で言ったのに、自分の傷を舐めていたバッカスが嬉しそうにこっちを振り向いて元気よく答えた。
「それでネロ、お前の固有魔法はどうなったんだ? なんか雷鳴が聞こえてたが」
やっと笑いやめたキールの質問にあの惨状を思い出し、俺は遠い目で答える。
「ああ、なんか天変地異系統みたいだぞ。すごい音とともに地割れが起きた」
「何処に?」
「ここに」
「……何処だって?」
「だからここだよ。この下。500人程の兵士がいたんだが殆どが落ちてった。ほら」
俺は近場に転がってた上半身を地面に埋め込ませた兵士の死体を指差した。
「ほんの数人残ってた奴らもあんたらが着く前に森に逃げてった」
バッカスが補足する。
「……ネロ、お前本当に緊急時以外固有魔法禁止な」
キールの呆れかえった声に俺も猫の肩をすくませて答えた。
「やっぱそうだよな。俺もかなりビビった。バッカスの奴は固まって落ちそうになるし」
「あ、あれは仕方ねぇだろ。カミナリの音やなんだよ!」
「へ? お、お前まさかそれで凍りついてたのか!?」
バッカスが不貞腐れてそっぽを向く。
それを聞いた俺は苦笑いしながらバッカスに忠告した。
「じゃあバッカス。間違ってもあゆみに体重の事は言うなよ。あいつ、マジで手から雷落とすぞ」
「あ、それはもうやられた。背中に乗せてる時に落とされてひでえ目にあった」
手遅れだったか。俺はなんか申し訳なくてなんか頭が下がる。
「女性に体重の話をしたらそりゃ怒りますよ。まあ本当にカミナリ落とせる女性は少ないでしょうが」
クスクス笑いながらアルディが言えばキールも一緒になって笑いだした。
落とされた俺達はとてもじゃ無いが笑えなかった。
「おいネロ、お前のその猫化だけどさー」
南門を目指してトボトボ歩き出した俺達はそのまま門を抜けてはたと気付く。
やべぇ、バッカス連れてきちまった。
俺に話しかけてるバッカスを他所に3人で顔を見合わす。南門の奴らと近くの農村の奴等は俺達の戦いを遠目に見ていたようで諸手を上げて歓迎してくれた。それですっかり忘れていたのだ。
「おい、どうするんだよ」
「いいんじゃねぇか? もうさっきの戦いもすぐ噂で広がるだろうし」
「だけど遺族は多分そう簡単にはいかないだろう」
「まあな。それでもいつかは通る道だ。今のうちに通ちまおう」
「お前それは統治者としてどうなんだよ」
呆れる俺の肩をキールがバンと叩いて「まあ何とかなるさ」っと言って歩き出す。
俺はため息を付いてその後を付いていった。
「なあ、聞いてんのかネロ?」
俺たちが3人で別の話を始めたのを少し不機嫌に見てたバッカスがしつこく俺に話しかけてきた。
「お前それもしかして魔力を使い切ると猫に戻るんじゃねぇのか?」
「……そうかもな」
バッカスの言う事は正しい気がする。前回も畑の麦を育てるのにどうも俺が魔力を使ったらしい。そして今回は天変地異だ。
「確かにさっきの地割れで魔力はカラッカラになってたからな」
「やっぱりな。じゃあ、魔力が戻ればまた人化するんだな?」
「…………」
そうかもしれない。考えてみればこの前も寝てる間に勝手に人型に戻ってた。
じゃあ今回も放っておけば人化するのか?
「そうであって欲しい」
俺の呟く様な答えに「大丈夫だろ」っとバッカスが鼻を鳴らして答えた。
「ああ、ネロ。そう言えばお前らが街を離れたすきにテリースがあの馬車で来た2人組の身体を調べてたぞ。テリース曰く、どちらの死体もあり得ない程血が残ってなかったそうだ」
後ろを歩くキールが思い出した様に話し出した。俺もそれを聞いて同様に気になっていたことを思い出す。
「ああそういや、あの従者みたいな奴を殴った時すげえ変な手ごたえだった。しかもさっき倒したあの兵士達の中にも何人か同じくらい中身がカラッカラの奴がいたぞ」
答えながらふと目線を上げた俺はそこでふと立ち止まった。
「なあ、バッカス、俺どれくらい気絶してたんだ?」
俺に釣られて立ち止まったバッカスに聞くとバッカスがキールを見ながら答える。
「あー、結構な時間かかってたよな。こいつら合流して門の所の兵士に事情説明出来たくらいだから」
俺たちの後ろでやはり立ち止まったキールを振り返り、頷き返すキールに顔が引きつるのを抑えながらかすれる声で尋ねた。
「……なあキール、これナンシーに行くどころじゃ無くないか?」
「ああ? 何がだ?」
「あれだよあれあれ」
暢気な返事を返すキール達にはまだよく見えないのかもしれない。だが俺の目にはしっかり見えていた。
俺はキール達に南門のある丘から真っ直ぐ下っていく道の先に見えだした街の中心を指差した。
そこには……城門に居たはずの兵士達が街の中央を走る道の真ん中で横一列にズラリと並び、その後ろには街や農村から集まった人々が見渡す限りどこまでも道を埋め尽くしていた。
俺の予想は正しかった。その日は俺もキールも仕事にならなかった。
街の連中がひっきりなしに治療院に押しかけてきてはお礼だからといって俺達を誘い出そうとする。どこへってそりゃそれぞれの宴会場だ。
とてもじゃ無いが付き合いきれなくて断ってるのに最後は南門横の農村が豚を潰して丸焼きにしたから来いと言ってきかない。結局俺達は抱えられるようにして農村に連れ込まれた。
バッカスの事もどうなる事かと思えばもう誰も文句をつける奴はいなかった。それどころか夕食のときに聞かされた俺達の武勇伝にギョッとさせられる。
「豊作の神のネロ様が森の主の大狼に乗ってさっそうと現れ、街を襲おうとしていた兵士共を千切っては投げ千切っては投げ、そして最後は稲妻を手にされたネロ様の身体が金色に光ったかと思えば世界が揺れて地が裂けて敵の兵士など虫コロのように地面に飲み込まれて……」
お、おい。何処の神話だよそれ。
時間が経てばたつほど祭りの様な騒ぎは盛り上がり、それにつられて俺たちの話もどんどん尾ひれを増していく。
居たたまれなくなった俺は猫の姿なのをいい事に目立たない様にそっとその場を抜け出した。
「バッカス悪いが今夜お前んトコに泊まってもいいか?」
「ああ?」
騒ぎの中心からは少し離れた所で農村の親父たちからせしめた干し肉をかじってたバッカスの所まで逃げ出して来た俺は声を潜めて話し掛けた。
「このままだと治療院に戻ってもどうせまた引きずり出される」
「構わないけどいいのかよ、あゆみは」
「あいつは今ちょっと部屋から出られないんだ。放っておいた方がいい」
「なら行くか」
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