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Ⅴ 魔女、鳴く
ii 塔に響く声(上) ★
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「絶対に抱かないつもりだったのに……」
深いキスの余韻に惚けるアズレイアの様子を見下ろして、苦しげに喘いだカルロスが悔しげに呟く。
視線に載せられたカルロスの劣情が、アズレイアを脳天まで痺れさせ、ただ見つめられているだけで身体が中心から火照ってくる。
その熱を逃がそうとアズレイアが身をよじると、カルロスが呼応するかのようにアズレイアを強く抱きしめた。
触れあう肌の全てが熱い。
首筋に感じるカルロスの吐息が敏感になったアズレイアの肌を震わせ、媚びるような甘い吐息が勝手にこぼれた。
「ク、ゥン……ッ」
それを聞いたカルロスが、抑えきれずアズレイアの腰を強く引き、自分の下半身に押し付ける。
起立したカルロスのそれが、アズレイアの子宮を肌の上からさすり、それまでとは全く違う、即物的な快感をアズレイアに与えてくれた。
それに呼応するように腕の淫紋が強く光り、子宮からたっぷりと蜜が溢れ出す。
「アァ……」
全身を震わせ、アズレイアが艷やかな喘ぎ声をあげた。
「卑怯なやつだ」
ただ誘われただけなら止められたかも知れない。
今の今まで、まだ引き換えせるとどこかで思っていた。
だが今アズレイアがあげたひと鳴きは、あっさりとカルロスの最後の砦を崩し、培ってきた理性は全て尽きた。
アズレイアの小さな身体をヒョイとすくい上げたカルロスが、投げるように軽々とベッドにおろし、自分のシャツのボタンを外していく。
服の隙間からのぞく美しい筋肉の隆起に、アズレイアが思わず吐息をこぼす。
と、カルロスが嬉しそうにアズレイアの目前に迫り、ベッドに腰掛けたアズレイアに見せつけるようにそれを脱ぎ捨てた。
「覚悟しろよ、最初は多分優しくしてやれない」
「いいわ、大丈夫」
身体を許す覚悟はとっくに出来ている。
全てを許し、与える覚悟のアズレイアには、カルロスが紡ぐどんな言葉ももはや障害にはなりえない。
アズレイアも、その場でローブを脱ぎ去っていく。先程の一件のあと、下着はつける余裕がなかった。
どこかでこうなることは、分かっていた気がする。
カルロスがアズレイアの一糸まとわぬ姿に息を呑む。
その反応がアズレイアに喜びと、ほんの少しの自信を与えた。
だがアズレイアだってカルロスの体に興味がないわけではない。
目前に迫るカルロスの分厚い胸板と隆起を繰り返す腹筋に、アズレイアが引き寄せられるように唇を這わせた。
「ああ……」
アズレイアの柔らかな唇と、薄くあとを引く濡れた唇の残像に、カルロスの唇から低く太い喘ぎが漏れ出し、彼の全身を劣情が熱を持って駆け抜けていく。
触れられて、一瞬で理解した。
たとえアズレイアが拒否していたとしても、もう止めることなど出来るはずがなかった。
「ハ、ハハっ」
己の意思や覚悟の脆弱さに、カルロスが思わず自虐的な笑いをこぼす。
だが、やられてばかりは性に合わない。
カルロスはその体格差に物言わせてアズレイアをベッドに押し倒し、そのまま貪るようにアズレイアの胸にかぶりついた。
「ぁあ、アン……!」
途端、アズレイアの唇から淫靡な嬌声がこぼれ始める。
アズレイアが息を荒げ、快感を逃がそうとカルロスの下で身をよじる。
それをカルロスが己の躯体で何度もベッドに縫いつけた。
カルロスの重い肢体に阻まれて、思うように身体をよじれないアズレイア。
救いを求めるようにカルロスの首に腕を回し、胸を嬲り続けるカルロスの頭を抱え込んで声をあげてしまう。
自分のものとは思えない熱にうかされた女の声が、高い塔の壁に反響してまた自分に戻ってくる。
恥ずかしいはずのそれが、今はただただ自分を追い詰め、快楽の高みへと押し上げて……。
カルロスの執拗な愛撫が、アズレイアの胸を彼の大きな手の形に何度も歪める。
彼の濡れた唇と少しザラついた舌が、アズレイアの乳首を転がしては潰し、そして吸い上げる。
たまに当たる八重歯の感触さえも、甘く愛おしい。
止むことのない甘い痺れが全身を駆け巡り、アズレイアの腰が意思を無視して勝手に揺れはじめる。
彼女の人より少しばかり働きすぎる思考の全てを、『カルロス』と『快楽』が埋め尽くしていく。
「ムリ、もう…‥!」
見悶えが絶えなくなり、やがて、アズレイアが一度目の極みに到達する。
「アズレイア……綺麗だ……」
そんなアズレイアを見下ろして、カルロスがため息のように呟いた。
今達したばかりで惚けきったアズレイアの脳みそが、未だかつて誰にも言われたことのない言葉の意味を理解できずに空まわる。
震えの治まりつつあるアズレイアの身体を、カルロスの大きな手が愛おしそうにさすっていく。
「ほんとうに綺麗だ……」
自分を見下ろすカルロスが、あまりにも自然に繰り返すので、おかしくなって笑ってしまった。
「あなた、よっぽど女性に恵まれなかったのね」
何度も言うが、アズレイアは美人ではない。
これは本人がそう思うだけではなく、誰にも美しいとか、綺麗などと言われたことがないのがいい証拠だ。
レイモンドでさえ、アズレイアを抱いても決してそんな言葉は口にしなかった……。
ぐったりとしつつも、そんな自虐の言葉を吐くアズレイアをカルロスが見下ろす。
そして達したばかりのアズレイアの胸から腰、腹の稜線を手でなぞり、うっとりと見つめながらカルロスが静かに口を開いた。
「お前は分かっていない。周りに恵まれなかったのは、間違いなくお前のほうだ」
ただ優しく撫でていたカルロスの指が、意志を持ってアズレイアの敏感な部分をくすぐりだす。
「絶世の美女だとは俺も言わない。だけど、お前は美しいよ」
悲し気な瞳のカルロスが、そう言ってアズレイアの手の甲に優しいキスを落とす。
それはまるで紳士が淑女にする親愛と敬意の籠もったキスのようで、自分に見合う気がせず、アズレイアはどう返していいのか分からなかった。
「お前にこんな深い傷を残したあいつを、俺はもう許せない……」
「え?」
突然、カルロスの口から吐き出された独り言を聞いて、アズレイアが自分の耳を疑う。
どうにも理解できず、思わず聞き返したアズレイアに、ただ謎めいた眼差しを向けるカルロス。
だがすぐにアズレイアの白い腹部に顔を伏せると、そのまま両手でアズレイアの腰骨をつかみ、中央の小さな窪みの周りに舌を這わせた。
熱を帯びたカルロスの舌が与える甘美な感触が、またもアズレイアの思考力を奪っていく。
まるで本当にそこに火をつけられたかのように、 アズレイアの下腹部の奥から痺れるような強い疼きが広がって、またも身悶えが止まらなくなる。
「情けない……俺にはまだ君に全てを話す勇気がないんだ。……だから頼む。この話は……君の淫紋が消えてからさせてくれ……」
疼きを散らそうと必死に腰を揺らすアズレイアを見上げ、もう自分の言葉を聞き取れないであろう彼女に、懺悔するようにかすれ声で囁くカルロス。
そしてアズレイアの気がそれぬうちに、優しいキスを落としながら腹からもっと下、アズレイアの濡れそぼった太腿の間へと顔を埋めていく。
「え、い、いぁアァ……ッ」
カルロスの舌がアズレイアの最も敏感な花芯をひと舐めすると、アズレイアが艶やかな嬌声を塔に響かせた。
余りにも強烈な快感に、アズレイアの目尻に涙が溜まる。
続けざまに襲い来る直接的なその刺激は、淫紋に感性を増幅された今のアズレイアには、余りにも過酷過ぎた。
「イク、もっ、イィッッッッ!!!」
頭を左右に振りつつ、またもアズレイアが頂点に登りつめていく──。
達したばかりのアズレイアの膣に、カルロスの指が滑り込む。
挿入されたカルロスの指は中を押し拡げ、以前のような強い刺激を与えることなく、どこまでもアズレイアの中を優しくほぐし続ける。
なのに達してもなお、カルロスは花芯に与える刺激を止めてくれない。
同時に与えられる情報量の多さに、アズレイアはまたも脳裏を真っ白に焼きつかせた。
深いキスの余韻に惚けるアズレイアの様子を見下ろして、苦しげに喘いだカルロスが悔しげに呟く。
視線に載せられたカルロスの劣情が、アズレイアを脳天まで痺れさせ、ただ見つめられているだけで身体が中心から火照ってくる。
その熱を逃がそうとアズレイアが身をよじると、カルロスが呼応するかのようにアズレイアを強く抱きしめた。
触れあう肌の全てが熱い。
首筋に感じるカルロスの吐息が敏感になったアズレイアの肌を震わせ、媚びるような甘い吐息が勝手にこぼれた。
「ク、ゥン……ッ」
それを聞いたカルロスが、抑えきれずアズレイアの腰を強く引き、自分の下半身に押し付ける。
起立したカルロスのそれが、アズレイアの子宮を肌の上からさすり、それまでとは全く違う、即物的な快感をアズレイアに与えてくれた。
それに呼応するように腕の淫紋が強く光り、子宮からたっぷりと蜜が溢れ出す。
「アァ……」
全身を震わせ、アズレイアが艷やかな喘ぎ声をあげた。
「卑怯なやつだ」
ただ誘われただけなら止められたかも知れない。
今の今まで、まだ引き換えせるとどこかで思っていた。
だが今アズレイアがあげたひと鳴きは、あっさりとカルロスの最後の砦を崩し、培ってきた理性は全て尽きた。
アズレイアの小さな身体をヒョイとすくい上げたカルロスが、投げるように軽々とベッドにおろし、自分のシャツのボタンを外していく。
服の隙間からのぞく美しい筋肉の隆起に、アズレイアが思わず吐息をこぼす。
と、カルロスが嬉しそうにアズレイアの目前に迫り、ベッドに腰掛けたアズレイアに見せつけるようにそれを脱ぎ捨てた。
「覚悟しろよ、最初は多分優しくしてやれない」
「いいわ、大丈夫」
身体を許す覚悟はとっくに出来ている。
全てを許し、与える覚悟のアズレイアには、カルロスが紡ぐどんな言葉ももはや障害にはなりえない。
アズレイアも、その場でローブを脱ぎ去っていく。先程の一件のあと、下着はつける余裕がなかった。
どこかでこうなることは、分かっていた気がする。
カルロスがアズレイアの一糸まとわぬ姿に息を呑む。
その反応がアズレイアに喜びと、ほんの少しの自信を与えた。
だがアズレイアだってカルロスの体に興味がないわけではない。
目前に迫るカルロスの分厚い胸板と隆起を繰り返す腹筋に、アズレイアが引き寄せられるように唇を這わせた。
「ああ……」
アズレイアの柔らかな唇と、薄くあとを引く濡れた唇の残像に、カルロスの唇から低く太い喘ぎが漏れ出し、彼の全身を劣情が熱を持って駆け抜けていく。
触れられて、一瞬で理解した。
たとえアズレイアが拒否していたとしても、もう止めることなど出来るはずがなかった。
「ハ、ハハっ」
己の意思や覚悟の脆弱さに、カルロスが思わず自虐的な笑いをこぼす。
だが、やられてばかりは性に合わない。
カルロスはその体格差に物言わせてアズレイアをベッドに押し倒し、そのまま貪るようにアズレイアの胸にかぶりついた。
「ぁあ、アン……!」
途端、アズレイアの唇から淫靡な嬌声がこぼれ始める。
アズレイアが息を荒げ、快感を逃がそうとカルロスの下で身をよじる。
それをカルロスが己の躯体で何度もベッドに縫いつけた。
カルロスの重い肢体に阻まれて、思うように身体をよじれないアズレイア。
救いを求めるようにカルロスの首に腕を回し、胸を嬲り続けるカルロスの頭を抱え込んで声をあげてしまう。
自分のものとは思えない熱にうかされた女の声が、高い塔の壁に反響してまた自分に戻ってくる。
恥ずかしいはずのそれが、今はただただ自分を追い詰め、快楽の高みへと押し上げて……。
カルロスの執拗な愛撫が、アズレイアの胸を彼の大きな手の形に何度も歪める。
彼の濡れた唇と少しザラついた舌が、アズレイアの乳首を転がしては潰し、そして吸い上げる。
たまに当たる八重歯の感触さえも、甘く愛おしい。
止むことのない甘い痺れが全身を駆け巡り、アズレイアの腰が意思を無視して勝手に揺れはじめる。
彼女の人より少しばかり働きすぎる思考の全てを、『カルロス』と『快楽』が埋め尽くしていく。
「ムリ、もう…‥!」
見悶えが絶えなくなり、やがて、アズレイアが一度目の極みに到達する。
「アズレイア……綺麗だ……」
そんなアズレイアを見下ろして、カルロスがため息のように呟いた。
今達したばかりで惚けきったアズレイアの脳みそが、未だかつて誰にも言われたことのない言葉の意味を理解できずに空まわる。
震えの治まりつつあるアズレイアの身体を、カルロスの大きな手が愛おしそうにさすっていく。
「ほんとうに綺麗だ……」
自分を見下ろすカルロスが、あまりにも自然に繰り返すので、おかしくなって笑ってしまった。
「あなた、よっぽど女性に恵まれなかったのね」
何度も言うが、アズレイアは美人ではない。
これは本人がそう思うだけではなく、誰にも美しいとか、綺麗などと言われたことがないのがいい証拠だ。
レイモンドでさえ、アズレイアを抱いても決してそんな言葉は口にしなかった……。
ぐったりとしつつも、そんな自虐の言葉を吐くアズレイアをカルロスが見下ろす。
そして達したばかりのアズレイアの胸から腰、腹の稜線を手でなぞり、うっとりと見つめながらカルロスが静かに口を開いた。
「お前は分かっていない。周りに恵まれなかったのは、間違いなくお前のほうだ」
ただ優しく撫でていたカルロスの指が、意志を持ってアズレイアの敏感な部分をくすぐりだす。
「絶世の美女だとは俺も言わない。だけど、お前は美しいよ」
悲し気な瞳のカルロスが、そう言ってアズレイアの手の甲に優しいキスを落とす。
それはまるで紳士が淑女にする親愛と敬意の籠もったキスのようで、自分に見合う気がせず、アズレイアはどう返していいのか分からなかった。
「お前にこんな深い傷を残したあいつを、俺はもう許せない……」
「え?」
突然、カルロスの口から吐き出された独り言を聞いて、アズレイアが自分の耳を疑う。
どうにも理解できず、思わず聞き返したアズレイアに、ただ謎めいた眼差しを向けるカルロス。
だがすぐにアズレイアの白い腹部に顔を伏せると、そのまま両手でアズレイアの腰骨をつかみ、中央の小さな窪みの周りに舌を這わせた。
熱を帯びたカルロスの舌が与える甘美な感触が、またもアズレイアの思考力を奪っていく。
まるで本当にそこに火をつけられたかのように、 アズレイアの下腹部の奥から痺れるような強い疼きが広がって、またも身悶えが止まらなくなる。
「情けない……俺にはまだ君に全てを話す勇気がないんだ。……だから頼む。この話は……君の淫紋が消えてからさせてくれ……」
疼きを散らそうと必死に腰を揺らすアズレイアを見上げ、もう自分の言葉を聞き取れないであろう彼女に、懺悔するようにかすれ声で囁くカルロス。
そしてアズレイアの気がそれぬうちに、優しいキスを落としながら腹からもっと下、アズレイアの濡れそぼった太腿の間へと顔を埋めていく。
「え、い、いぁアァ……ッ」
カルロスの舌がアズレイアの最も敏感な花芯をひと舐めすると、アズレイアが艶やかな嬌声を塔に響かせた。
余りにも強烈な快感に、アズレイアの目尻に涙が溜まる。
続けざまに襲い来る直接的なその刺激は、淫紋に感性を増幅された今のアズレイアには、余りにも過酷過ぎた。
「イク、もっ、イィッッッッ!!!」
頭を左右に振りつつ、またもアズレイアが頂点に登りつめていく──。
達したばかりのアズレイアの膣に、カルロスの指が滑り込む。
挿入されたカルロスの指は中を押し拡げ、以前のような強い刺激を与えることなく、どこまでもアズレイアの中を優しくほぐし続ける。
なのに達してもなお、カルロスは花芯に与える刺激を止めてくれない。
同時に与えられる情報量の多さに、アズレイアはまたも脳裏を真っ白に焼きつかせた。
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