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王子婚約者(仮)付き侍女の備忘録
私の名前は、リゾレット。
本日より、備忘録を付ける事にしました。
と言うのも、このような事態の記録がこれまでにない為、後世に残す目的でも必要と感じたからです。
私は、最近めでたく婚約をしたこの国の王子の婚約者様の侍女をしております。
この国の王子であるアリオスは、腹違いの兄であり、何でも相談できる同志の様な関係にあります。
我が母は、田舎者の野生児でありましたが、何故か国王に見初められ、本人曰く『嫌々ながら』側室となった変わり者です。
本来であれば目の敵にされるであろう王妃様にまで気に入られているという、城内七不思議の一つに数えられているとかいないとか・・・まぁ、それはさておき、母のおかげで、アリオスとの仲も良好。
そして、アリオスに引けをとらないくらいの魔力もある為、自分的には良い位置に納まっていると思います。
側室の子とはいえ、王族に籍をおく身の私。
本来であれば、和平の証なる名目で他国と政略結婚をさせられたり、どこぞの有力貴族へと嫁がされたりするのですが、野生児の母に育てられた私は王室の常識が肌に合わずそんな事はまっぴらごめんとばかりにアリオスと共に騎士団に入り浸り、今では鉄壁の防御の片翼を担うまでになりました。
それに私の他にも腹違いの妹が2人もいるので、そこら辺はおまかせしております。
そんな私が何故、侍女をしているのかと言いますと、数か月前に起きた戦争まで遡ります。
バカな北側の国が攻めてきたためにアリオスと共に出陣し応戦していた最中、突然、彼女が落ちてきたのです。
男ばかりの戦場に。しかも、素っ裸で。
彼女は異世界からの落ち人で、アリオスの魔力を一瞬で回復させることができる『運命の人』でした。
歴史書を読めばその様な落ち人がこれまでにも何度か現れた事はあるようですが、詳しい記録はございません。
しかも、当国限定で他国には現れたことが無いようなのです。単に記録が残っていないだけで、実は他国にも表れていたのかもしれません。
余りにも不確かな情報ですので、私は正直、作り話だと思っていたので現実に彼女を見た時には・・・何て言ったらいいのでしょう・・・
彼女の言葉をかりれば・・・『キタ――――!!(´▽`)』ってな感じでしょうか。
彼女の名前は・・・我々の世界では韻の所為なのか呼びずらく、サーラ様と呼ばせていただいております。
世界が違えば常識もまた違う。彼女は正に我が道を行く・・・如く、この世界の常識をことごとく蹴散らし道を作りながら歩んでいる感じです。あの方の通った後には草木も生えない・・・などと言う者もおりますが・・・私的には、実に爽快で面白い。
我が兄君はと言うと、サーラ様に一目惚れ。
女性には不自由などしておらず、くるもの拒まず去るもの追わず・・・の、女性関係に関しては最低な男だったのですが、彼女の降臨に伴い、サーラ様の一挙一動に一喜一憂。あら、面白い!
初めは護衛の為に、臨時で私が付いていたのですが、あまりの面白さに正式に侍女にしていただきました。
侍女になってからというもの、色んな発見があり毎日が楽しくて仕方がないのです。
アリオスが、実はとても残念なヘタレだったとか。イラつくほど純情だったとか。実に、面白い!
そう、面白くて面白くて仕方がないのですよっ!ふふふ・・・・
おっと、失礼。脱線してしまいましたね。
話を戻しましょう。
サーラ様の容姿は我々とは違い、正直かなり目立ちます。
髪の色は黒。瞳の色も濃い茶色で、肌の色は象牙色。
これだけ見れば我が国でも珍しくはないのですが、その顔立ちが違うのです。
この世界の人間はどちらかと言えば彫が深く、はっきりした顔立をしております。
それに対しサーラ様のお顔立ちは、正直凹凸が乏しいのですが、それが反対に可愛らしく、柔らかく、可憐に見えるのです。
彼女は『私の世界では、十人並の容姿だよ』と言っておりますが、あれで十人並とは・・・・恐ろしいほど、羨ましい世界です。
ですが、彼女にしてみればこちらの世界の人間は美形揃いで、『無性に腹が立つ!』と言っておりました。
お互いがお互いを羨ましがっていているようで、面白いものです。
但し、サーラ様には本当の事は話してはいないので、自分が残念な顔立ちの所為でフードで顔を隠せざるおえないと思っているようです。
その存在自体がとても貴重なので、王族の居住区以外では例え城内でもフードで顔を隠しております。
強大な魔力を持つアリオスの力の源でもある彼女の存在は、すでに他国に知れ渡っている事でしょう。
拉致監禁暗殺の類を防ぐためにも、あまり容姿を晒さないようにしていたのです。
そんな我々の心配もよそに、彼女は六大精霊の王と勝手に契約をしておりました。驚きです。
ちなみに、彼女は魔法は使えません。彼女の世界では魔法が存在しないと言っておりましたし。
何で魔法を使えない彼女が精霊と、しかも各精霊の王様と契約できたのかは、今だ謎です。
ですが私の個人的な見解を言わせていただければ、当然といえば当然なのかもしれません。
各国の王様は精霊と契約し、加護を受けております。
それは、自国を護り平和を成しなさいと言う契約。
北側の国の様に、自国の村を壊滅させるような事をする国には、既に加護は存在しませんし、精霊そのものも人間とのかかわりを断ってしまいます。
本来の契約の意味も忘れ去られた現代。いつの世も小競り合いはあります。
ですが、サーラ様が降臨され、絶対的魔力を持つアリオスの『運命の人』であれば、どんなに魔法師を動員しても、どんなに優れた兵器を作り攻めようと敵わないのです。
そして、各精霊の王が守護についたとわかれば、誰もわが国に、ましてやサーラ様にも手を出そうとは思わないでしょう。
全ての人達が望んでいた平和が訪れるのです。
皮肉な事ではありますが、この世界の人間ではない彼女一人の存在が、この世界の平和を成り立たせているのです。
よって、精霊たちとの契約『平和』を履行するために精霊の王達は彼女を守るのです。
サーラ様にとっては、いい迷惑としか言いようがありません。
なので、六大精霊の王達がサーラ様を守っている現在、我々の庇護は必要なのですが、彼女といると面白いことが沢山あります。
ものは言いよう。口から出まかせ。何とか城に留まらせていたのですが、やはり彼女は面白い!
自分から問題を持ってくる・・・いいえ、引き寄せているようです。
この度、いきなり五人の子持ちとなりました。
いえ、私ではなく、サーラ様がです。
そして、契約という形は取っていますが、めでたくアリオスとの婚約も調いました。
甘さなど何一つない、婚約です。
ですが、当のアリオスは有頂天もいいところで、見ていて腹立たしくなってくるのですが、これまでサーラ様に冷たくあしらわれていた事を思えば、まぁ、致し方ないのかもしれません。
サーラ様曰く『仮の婚約者よ』と、かなり不満そうに仰っていましたが・・・・先日、皆の前で婚約式を取り行ってしまいましたので、後戻りできない事を彼女は自覚しておりません。
おまけに、サーラ様のお顔と子供達をお披露目され、その子供達が今は亡き村の生き残りだという事でかなり話題になっているのです。
しかも、アリオスの『運命の人』であり六大精霊の王と契約している事も、全て公表。
他国への牽制も含まれておりますので、いずれは結婚しなくてはいけないと思われますわ。
今は、子供達の学校の入学手続きで忙しくしているサーラ様。
『仮』とはいえ未来の国王の婚約者様なのですから、少しずつご公務やお勉強も増えてきて、かなり文句を仰っているようですが子供達の手前、真面目にこなしているようです。
初めは子供を引き取りたいなどと、何を言っているんだ?と思っていたのですが、その子供達のおかげでサーラ様に対する教育も順調。
終わりよければ全て良し、ですわ。
日記の様に毎日記録するのは面倒なので、何か面白い事が起きた時に記録する事としましょう。
何時かわからない未来に、同じように『運命の人』が現れた時の参考となる様に。
いえ、恐らく、参考にはならないとは思いますが、『運命の人』が存在したのだという事実だけでも、伝える事が出来たらと思います。
例え常識から逸脱していようとも、これまでのご先祖様が躊躇い記録を最小限にしていたとしても、私は事実を全て記録しますわ。
それが『運命の人』なのですから。
私の名前は、リゾレット。
本日より、備忘録を付ける事にしました。
と言うのも、このような事態の記録がこれまでにない為、後世に残す目的でも必要と感じたからです。
私は、最近めでたく婚約をしたこの国の王子の婚約者様の侍女をしております。
この国の王子であるアリオスは、腹違いの兄であり、何でも相談できる同志の様な関係にあります。
我が母は、田舎者の野生児でありましたが、何故か国王に見初められ、本人曰く『嫌々ながら』側室となった変わり者です。
本来であれば目の敵にされるであろう王妃様にまで気に入られているという、城内七不思議の一つに数えられているとかいないとか・・・まぁ、それはさておき、母のおかげで、アリオスとの仲も良好。
そして、アリオスに引けをとらないくらいの魔力もある為、自分的には良い位置に納まっていると思います。
側室の子とはいえ、王族に籍をおく身の私。
本来であれば、和平の証なる名目で他国と政略結婚をさせられたり、どこぞの有力貴族へと嫁がされたりするのですが、野生児の母に育てられた私は王室の常識が肌に合わずそんな事はまっぴらごめんとばかりにアリオスと共に騎士団に入り浸り、今では鉄壁の防御の片翼を担うまでになりました。
それに私の他にも腹違いの妹が2人もいるので、そこら辺はおまかせしております。
そんな私が何故、侍女をしているのかと言いますと、数か月前に起きた戦争まで遡ります。
バカな北側の国が攻めてきたためにアリオスと共に出陣し応戦していた最中、突然、彼女が落ちてきたのです。
男ばかりの戦場に。しかも、素っ裸で。
彼女は異世界からの落ち人で、アリオスの魔力を一瞬で回復させることができる『運命の人』でした。
歴史書を読めばその様な落ち人がこれまでにも何度か現れた事はあるようですが、詳しい記録はございません。
しかも、当国限定で他国には現れたことが無いようなのです。単に記録が残っていないだけで、実は他国にも表れていたのかもしれません。
余りにも不確かな情報ですので、私は正直、作り話だと思っていたので現実に彼女を見た時には・・・何て言ったらいいのでしょう・・・
彼女の言葉をかりれば・・・『キタ――――!!(´▽`)』ってな感じでしょうか。
彼女の名前は・・・我々の世界では韻の所為なのか呼びずらく、サーラ様と呼ばせていただいております。
世界が違えば常識もまた違う。彼女は正に我が道を行く・・・如く、この世界の常識をことごとく蹴散らし道を作りながら歩んでいる感じです。あの方の通った後には草木も生えない・・・などと言う者もおりますが・・・私的には、実に爽快で面白い。
我が兄君はと言うと、サーラ様に一目惚れ。
女性には不自由などしておらず、くるもの拒まず去るもの追わず・・・の、女性関係に関しては最低な男だったのですが、彼女の降臨に伴い、サーラ様の一挙一動に一喜一憂。あら、面白い!
初めは護衛の為に、臨時で私が付いていたのですが、あまりの面白さに正式に侍女にしていただきました。
侍女になってからというもの、色んな発見があり毎日が楽しくて仕方がないのです。
アリオスが、実はとても残念なヘタレだったとか。イラつくほど純情だったとか。実に、面白い!
そう、面白くて面白くて仕方がないのですよっ!ふふふ・・・・
おっと、失礼。脱線してしまいましたね。
話を戻しましょう。
サーラ様の容姿は我々とは違い、正直かなり目立ちます。
髪の色は黒。瞳の色も濃い茶色で、肌の色は象牙色。
これだけ見れば我が国でも珍しくはないのですが、その顔立ちが違うのです。
この世界の人間はどちらかと言えば彫が深く、はっきりした顔立をしております。
それに対しサーラ様のお顔立ちは、正直凹凸が乏しいのですが、それが反対に可愛らしく、柔らかく、可憐に見えるのです。
彼女は『私の世界では、十人並の容姿だよ』と言っておりますが、あれで十人並とは・・・・恐ろしいほど、羨ましい世界です。
ですが、彼女にしてみればこちらの世界の人間は美形揃いで、『無性に腹が立つ!』と言っておりました。
お互いがお互いを羨ましがっていているようで、面白いものです。
但し、サーラ様には本当の事は話してはいないので、自分が残念な顔立ちの所為でフードで顔を隠せざるおえないと思っているようです。
その存在自体がとても貴重なので、王族の居住区以外では例え城内でもフードで顔を隠しております。
強大な魔力を持つアリオスの力の源でもある彼女の存在は、すでに他国に知れ渡っている事でしょう。
拉致監禁暗殺の類を防ぐためにも、あまり容姿を晒さないようにしていたのです。
そんな我々の心配もよそに、彼女は六大精霊の王と勝手に契約をしておりました。驚きです。
ちなみに、彼女は魔法は使えません。彼女の世界では魔法が存在しないと言っておりましたし。
何で魔法を使えない彼女が精霊と、しかも各精霊の王様と契約できたのかは、今だ謎です。
ですが私の個人的な見解を言わせていただければ、当然といえば当然なのかもしれません。
各国の王様は精霊と契約し、加護を受けております。
それは、自国を護り平和を成しなさいと言う契約。
北側の国の様に、自国の村を壊滅させるような事をする国には、既に加護は存在しませんし、精霊そのものも人間とのかかわりを断ってしまいます。
本来の契約の意味も忘れ去られた現代。いつの世も小競り合いはあります。
ですが、サーラ様が降臨され、絶対的魔力を持つアリオスの『運命の人』であれば、どんなに魔法師を動員しても、どんなに優れた兵器を作り攻めようと敵わないのです。
そして、各精霊の王が守護についたとわかれば、誰もわが国に、ましてやサーラ様にも手を出そうとは思わないでしょう。
全ての人達が望んでいた平和が訪れるのです。
皮肉な事ではありますが、この世界の人間ではない彼女一人の存在が、この世界の平和を成り立たせているのです。
よって、精霊たちとの契約『平和』を履行するために精霊の王達は彼女を守るのです。
サーラ様にとっては、いい迷惑としか言いようがありません。
なので、六大精霊の王達がサーラ様を守っている現在、我々の庇護は必要なのですが、彼女といると面白いことが沢山あります。
ものは言いよう。口から出まかせ。何とか城に留まらせていたのですが、やはり彼女は面白い!
自分から問題を持ってくる・・・いいえ、引き寄せているようです。
この度、いきなり五人の子持ちとなりました。
いえ、私ではなく、サーラ様がです。
そして、契約という形は取っていますが、めでたくアリオスとの婚約も調いました。
甘さなど何一つない、婚約です。
ですが、当のアリオスは有頂天もいいところで、見ていて腹立たしくなってくるのですが、これまでサーラ様に冷たくあしらわれていた事を思えば、まぁ、致し方ないのかもしれません。
サーラ様曰く『仮の婚約者よ』と、かなり不満そうに仰っていましたが・・・・先日、皆の前で婚約式を取り行ってしまいましたので、後戻りできない事を彼女は自覚しておりません。
おまけに、サーラ様のお顔と子供達をお披露目され、その子供達が今は亡き村の生き残りだという事でかなり話題になっているのです。
しかも、アリオスの『運命の人』であり六大精霊の王と契約している事も、全て公表。
他国への牽制も含まれておりますので、いずれは結婚しなくてはいけないと思われますわ。
今は、子供達の学校の入学手続きで忙しくしているサーラ様。
『仮』とはいえ未来の国王の婚約者様なのですから、少しずつご公務やお勉強も増えてきて、かなり文句を仰っているようですが子供達の手前、真面目にこなしているようです。
初めは子供を引き取りたいなどと、何を言っているんだ?と思っていたのですが、その子供達のおかげでサーラ様に対する教育も順調。
終わりよければ全て良し、ですわ。
日記の様に毎日記録するのは面倒なので、何か面白い事が起きた時に記録する事としましょう。
何時かわからない未来に、同じように『運命の人』が現れた時の参考となる様に。
いえ、恐らく、参考にはならないとは思いますが、『運命の人』が存在したのだという事実だけでも、伝える事が出来たらと思います。
例え常識から逸脱していようとも、これまでのご先祖様が躊躇い記録を最小限にしていたとしても、私は事実を全て記録しますわ。
それが『運命の人』なのですから。
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