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コロコロアーレーで仲が良い
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毎日毎日、働く→風呂→寝る→働くを繰り返していた。
休日出勤は当たり前。
サービス残業当たり前。
気づいたら死んでいた。 35歳の春だった。
これと言って後悔はなかった。
家族も働けって言っていた。
死ぬほど働けば、きっと幸せになるって言ってた。
幸せと言うのはよくわからないけど、希望されたように死ぬほど働いて死んだんだから、きっと幸せだったんだろう。
目が覚めたら、目の前にシャンデリアのようなものが飾ってあった。
よく見てもやっぱりシャンデリアにしか見えない。
困った。
なんで、シャンデリアが目の前にあるんだろう?
しばらく呆然としていたら、知らない男女が話しかけてきた。
言葉がわからない。 ・・・とりあえず、返事位しよう。
「あぅ。」
驚いた。
超驚いた。
あれ? 私から出たよな?声。
目の前の男女がきゃっきゃと喜んだ。
よくわからないが、とりあえず、手を振ってみた。
目の前に小さくて丸い手が揺れる。
どうやら、生まれ変わったらしい。
目の前のシャンデリアといい、男女といい、とても豪華そうだ。
かなりの資産家に生まれたようだ。
目の前の男女は恐らく、私の父母なのだろう。
私は、普通に真面目に赤ちゃん時代を過ごす決心をして、愛想振りまくことにした。
*****
我が家に娘が生まれた。
私と同じ金色の髪。
妻に似た青い瞳。
天使のような容姿。
長男が生まれた時も思ったが、可愛すぎないか?うちの子。
5歳になった長男は最近反抗期なのか、構おうとすると嫌がって逃げる。
妻にはべったりのようなのに。 。
そんな時期に、生まれた娘。
もう、目に入れても痛くないくらい可愛い。
滅茶苦茶かわいがった。
妻も滅茶苦茶かわいがった。
結果、長男がすねた。
かといって、こちらから構おうとしたら、更にすねる。
困った。
でも、拗ねていてもうちの子、可愛い。
******
妹が生まれた。
父親はしつこいので、どうでもいいが、母親が構ってくれなくなって、ツラい。
いつもなら、昼一緒にお茶を飲んだり、散歩したりしてくれるのに、妹に夢中で、構ってくれない。
わかっている。
私はお兄ちゃんだ。 我慢しなきゃいけない。
でも、俺より立場が低い妹が、兄を優先させるのは当然じゃないか!? と妹を憎々しく思っていた。
無邪気な笑顔さえ、猫かぶっているだけだろうと捻くれて見てしまう。
わかっている。 くだらない嫉妬だ。
だが、我慢できずにずっと妹が憎くてたまらないと思っていた。
*****
3歳になりました!
母国語、しゃべれるようになりました!
日本語、今はほとんどしゃべれません。
きっと、生まれ変わったら、あちらの記憶なんてどんどん忘れていくんだろうな!きっと。
なんというか、なんとなくだが、今とても幸せだ。
走っても、転んでも、誰かがそっと見守ってくれている。
凄い幸せだ! 唯一不満なのが、兄だ。
兄はいつも私にいたずらしたり虐めてくる。
母の気を引きたいのはわかるが、逆効果なのにとため息が出る。
ついに、兄は私の大事にしている侍女を殴った。 ブチ切れた。
私を殴るのは良い。
私の持ち物を壊したり、取り上げるのも別に構わない。
でも、八つ当たりのためだけに何もしていない侍女に手を挙げるのは頂けない。
キレた私は、兄の侍従に相談し、長い絹布を手に入れ、お昼寝中の兄の部屋に突入した。
スヤァと眠っている兄はまるで天使のように可愛い。
起きているときの兄はいつもプンスン怒っていて可愛くないけど、黙っていたら、超可愛い。
ちょっとだけ、決心が鈍る。
けど、殴られた侍女の顔が思い出されて、私はお仕置きを実行することにした。
兄の侍従と協力して兄を絹布で簀巻きにする。
しばらく、兄の寝顔を見学。 中々起きないので、スケッチする。
30分ほど経って、ようやく目を覚ました兄。
手も足も出ない状況にパニックを起こしている。
そんな兄を確認したのち、兄の侍従とアイコンタクト。
互いに、相槌を打ち、 「そーれー!」 と言って、二人で同時に絹布を引っ張った。
兄が「わーーー!!!」と言いながら、柔らかな絨毯の上を転がる。
一体何が起こっているのか、理解できず、はてなマークを連発している兄。
とても可愛い。
兄の侍従に言って、私も簀巻きになる。
今度は兄と侍従で絹布を引っ張る番だ。
兄は混乱しながらも、侍従に指示を受けながら、絹布を引っ張る。
ものすごい速さで回転して、柔らかな絨毯の上を転がった。
滅茶苦茶楽しい!!! 混乱し続けている兄をもう一度簀巻きにせんが為、兄に絹布の端を少し持ってもらう。
ちょっと万歳に近い形で、今度はグルグル巻きにする。
侍従と一緒に引っ張る。 今度は立ったままグルグルと回転する。
俗にいう、アーレーである。
なんだか、よくわからないけど、兄は混乱しながらも回転した。
次は私の番だ。絹布の端を持ち、兄と侍従にグルグル巻きにしてもらう。
混乱しながらもまた、侍従と二人で絹布を引っ張った。
超グルグル回転。
多少軸足を整えないと倒れて、またコロコロになるが、それもまた面白かった。
グルグル、コロコロをして、気持ちが悪くなるくらい回転したところで、お仕置き終了。
フンスンとちょっと鼻息荒く、
「わたくしのジェフェリーナを殴ったこと反省しましたか!」
と言うと
「・・・え?これって、お仕置きだったの?」
とキョトンとした兄。
暫し沈黙して、
「うん。謝ってくる。ジュリアもごめん。」
と兄のクリスが謝った。
こうして、私と兄は仲直りしたのだった。
******
その後、父母に内緒でよくコロコロアーレーしていたのだが、母の侍女に発見。
母にお叱りを受けた。
「絹布は、とても高価なものなのです!そんなものを玩具にしてはいけません。」
と怒られた。
なので、兄と私は相談して、厨房の廃棄麻袋を縫い合わせ、コロコロアーレーをしていたのだが、それも発見された。
「麻袋だって作っている人がいるんです。他人が作ったものを玩具にしてはいけません!」
と言われたので、私と兄は父母に内緒で冒険者になった。
そして、私が5歳になった時、兄が蜘蛛をテイムすることに成功した。
初めのクモはセシルと名付けて、セシルの糸と冒険者として稼いだお金で機織り機を購入し、セシル布(スパイダーシルク)を作って、コロコロアーレーをした。
その頃には、母はもう、半分諦めており、ケガしないように注意することと父にばれないようにすることを約束させられた。
******
時は流れ、私が7歳。兄が12歳。
父にバレた。
兄に婚約者をと、帰ってきた時だった。
兄と私と侍従と蜘蛛たちでセシル布で遊んでいた兄部屋に父乱入!
大量の蜘蛛達に固まる父。
「ぎゃーーーーー!!!!」
と叫んで泡食って、倒れた。
母には既に了承済みだった蜘蛛達。
母は蜘蛛が嫌いじゃなかったので、むしろ仲良くなっていた。
それに、はじめのテイムから既に2年も経っていた。
すっかり蜘蛛が一般的には魔獣扱いだったことを忘れていた。
現在の私のテイム数、108匹。
兄のテイム数、801匹。
現在、遊んでいる蜘蛛は進化して、ヘルスパイダーと呼ばれる蜘蛛の最終体系になった10匹。
冒険者が討伐するんだったら、1匹ならAクラス。
10匹だとSSSクラスの冒険者が複数必要とされているヘルスパイダー。
日常になっていたので、父以外の人間は、同僚みたいになって、一緒に仕事したり、食事したりしていたから、すっかり忘れていた。
まぁ、父はうちにいない時間が多かったので、知らないのも仕方が無いんだけど。。
倒れた父を見て、アラアラまあまあ、と母と侍従が回収。
その後、パニックを起こす父に、家にいなかったことを黒い笑顔の母に父は責められ、事なきを得た。
蜘蛛は引き続き、友達のままで良いそうだ!
兄と一緒に喜んでいたんだけど、遊びに使っていたセシル布で父がまた固まった。
スパイダーシルクと呼ばれる超高級品である。
当たり前だが、ものすごく珍しい。
蜘蛛をテイムする人はかなり少ないし、スパイダーシルクを作れるレベルになる蜘蛛を育成するのにもテイムするにも時間とお金がかかる。
公爵家であるうちではペットとして、仲良く暮らしているが、普通はあり得ない。
大抵は、食事が間に合わなくて、失敗するんだそうだ。
ちなみにうちの蜘蛛達は、肉も野菜も食べる雑食性なんだけど、私と兄が作った料理が一番好きなようだ。
正確には蜘蛛の食事は何でもいい。
そこに含まれる魔力を食べるんだそうだ。
貴族は一般人より魔力が高い。
貴族が直接料理を作り、餌をあげれば、成功するんだろうけど、基本的にそんなことする貴族は今まで居なかったんだそうな。
そのため、魔力を多く含んだ餌を集めるのに資金が回らなくなって、大抵は失敗するんだそうだ。
でも、多分原因そこじゃないと思うけどね。買いたたかれてるんだよね。
きっと。
まぁ、そんなわけで、うちの領でスパイダーシルク、はじめました。
休日出勤は当たり前。
サービス残業当たり前。
気づいたら死んでいた。 35歳の春だった。
これと言って後悔はなかった。
家族も働けって言っていた。
死ぬほど働けば、きっと幸せになるって言ってた。
幸せと言うのはよくわからないけど、希望されたように死ぬほど働いて死んだんだから、きっと幸せだったんだろう。
目が覚めたら、目の前にシャンデリアのようなものが飾ってあった。
よく見てもやっぱりシャンデリアにしか見えない。
困った。
なんで、シャンデリアが目の前にあるんだろう?
しばらく呆然としていたら、知らない男女が話しかけてきた。
言葉がわからない。 ・・・とりあえず、返事位しよう。
「あぅ。」
驚いた。
超驚いた。
あれ? 私から出たよな?声。
目の前の男女がきゃっきゃと喜んだ。
よくわからないが、とりあえず、手を振ってみた。
目の前に小さくて丸い手が揺れる。
どうやら、生まれ変わったらしい。
目の前のシャンデリアといい、男女といい、とても豪華そうだ。
かなりの資産家に生まれたようだ。
目の前の男女は恐らく、私の父母なのだろう。
私は、普通に真面目に赤ちゃん時代を過ごす決心をして、愛想振りまくことにした。
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私と同じ金色の髪。
妻に似た青い瞳。
天使のような容姿。
長男が生まれた時も思ったが、可愛すぎないか?うちの子。
5歳になった長男は最近反抗期なのか、構おうとすると嫌がって逃げる。
妻にはべったりのようなのに。 。
そんな時期に、生まれた娘。
もう、目に入れても痛くないくらい可愛い。
滅茶苦茶かわいがった。
妻も滅茶苦茶かわいがった。
結果、長男がすねた。
かといって、こちらから構おうとしたら、更にすねる。
困った。
でも、拗ねていてもうちの子、可愛い。
******
妹が生まれた。
父親はしつこいので、どうでもいいが、母親が構ってくれなくなって、ツラい。
いつもなら、昼一緒にお茶を飲んだり、散歩したりしてくれるのに、妹に夢中で、構ってくれない。
わかっている。
私はお兄ちゃんだ。 我慢しなきゃいけない。
でも、俺より立場が低い妹が、兄を優先させるのは当然じゃないか!? と妹を憎々しく思っていた。
無邪気な笑顔さえ、猫かぶっているだけだろうと捻くれて見てしまう。
わかっている。 くだらない嫉妬だ。
だが、我慢できずにずっと妹が憎くてたまらないと思っていた。
*****
3歳になりました!
母国語、しゃべれるようになりました!
日本語、今はほとんどしゃべれません。
きっと、生まれ変わったら、あちらの記憶なんてどんどん忘れていくんだろうな!きっと。
なんというか、なんとなくだが、今とても幸せだ。
走っても、転んでも、誰かがそっと見守ってくれている。
凄い幸せだ! 唯一不満なのが、兄だ。
兄はいつも私にいたずらしたり虐めてくる。
母の気を引きたいのはわかるが、逆効果なのにとため息が出る。
ついに、兄は私の大事にしている侍女を殴った。 ブチ切れた。
私を殴るのは良い。
私の持ち物を壊したり、取り上げるのも別に構わない。
でも、八つ当たりのためだけに何もしていない侍女に手を挙げるのは頂けない。
キレた私は、兄の侍従に相談し、長い絹布を手に入れ、お昼寝中の兄の部屋に突入した。
スヤァと眠っている兄はまるで天使のように可愛い。
起きているときの兄はいつもプンスン怒っていて可愛くないけど、黙っていたら、超可愛い。
ちょっとだけ、決心が鈍る。
けど、殴られた侍女の顔が思い出されて、私はお仕置きを実行することにした。
兄の侍従と協力して兄を絹布で簀巻きにする。
しばらく、兄の寝顔を見学。 中々起きないので、スケッチする。
30分ほど経って、ようやく目を覚ました兄。
手も足も出ない状況にパニックを起こしている。
そんな兄を確認したのち、兄の侍従とアイコンタクト。
互いに、相槌を打ち、 「そーれー!」 と言って、二人で同時に絹布を引っ張った。
兄が「わーーー!!!」と言いながら、柔らかな絨毯の上を転がる。
一体何が起こっているのか、理解できず、はてなマークを連発している兄。
とても可愛い。
兄の侍従に言って、私も簀巻きになる。
今度は兄と侍従で絹布を引っ張る番だ。
兄は混乱しながらも、侍従に指示を受けながら、絹布を引っ張る。
ものすごい速さで回転して、柔らかな絨毯の上を転がった。
滅茶苦茶楽しい!!! 混乱し続けている兄をもう一度簀巻きにせんが為、兄に絹布の端を少し持ってもらう。
ちょっと万歳に近い形で、今度はグルグル巻きにする。
侍従と一緒に引っ張る。 今度は立ったままグルグルと回転する。
俗にいう、アーレーである。
なんだか、よくわからないけど、兄は混乱しながらも回転した。
次は私の番だ。絹布の端を持ち、兄と侍従にグルグル巻きにしてもらう。
混乱しながらもまた、侍従と二人で絹布を引っ張った。
超グルグル回転。
多少軸足を整えないと倒れて、またコロコロになるが、それもまた面白かった。
グルグル、コロコロをして、気持ちが悪くなるくらい回転したところで、お仕置き終了。
フンスンとちょっと鼻息荒く、
「わたくしのジェフェリーナを殴ったこと反省しましたか!」
と言うと
「・・・え?これって、お仕置きだったの?」
とキョトンとした兄。
暫し沈黙して、
「うん。謝ってくる。ジュリアもごめん。」
と兄のクリスが謝った。
こうして、私と兄は仲直りしたのだった。
******
その後、父母に内緒でよくコロコロアーレーしていたのだが、母の侍女に発見。
母にお叱りを受けた。
「絹布は、とても高価なものなのです!そんなものを玩具にしてはいけません。」
と怒られた。
なので、兄と私は相談して、厨房の廃棄麻袋を縫い合わせ、コロコロアーレーをしていたのだが、それも発見された。
「麻袋だって作っている人がいるんです。他人が作ったものを玩具にしてはいけません!」
と言われたので、私と兄は父母に内緒で冒険者になった。
そして、私が5歳になった時、兄が蜘蛛をテイムすることに成功した。
初めのクモはセシルと名付けて、セシルの糸と冒険者として稼いだお金で機織り機を購入し、セシル布(スパイダーシルク)を作って、コロコロアーレーをした。
その頃には、母はもう、半分諦めており、ケガしないように注意することと父にばれないようにすることを約束させられた。
******
時は流れ、私が7歳。兄が12歳。
父にバレた。
兄に婚約者をと、帰ってきた時だった。
兄と私と侍従と蜘蛛たちでセシル布で遊んでいた兄部屋に父乱入!
大量の蜘蛛達に固まる父。
「ぎゃーーーーー!!!!」
と叫んで泡食って、倒れた。
母には既に了承済みだった蜘蛛達。
母は蜘蛛が嫌いじゃなかったので、むしろ仲良くなっていた。
それに、はじめのテイムから既に2年も経っていた。
すっかり蜘蛛が一般的には魔獣扱いだったことを忘れていた。
現在の私のテイム数、108匹。
兄のテイム数、801匹。
現在、遊んでいる蜘蛛は進化して、ヘルスパイダーと呼ばれる蜘蛛の最終体系になった10匹。
冒険者が討伐するんだったら、1匹ならAクラス。
10匹だとSSSクラスの冒険者が複数必要とされているヘルスパイダー。
日常になっていたので、父以外の人間は、同僚みたいになって、一緒に仕事したり、食事したりしていたから、すっかり忘れていた。
まぁ、父はうちにいない時間が多かったので、知らないのも仕方が無いんだけど。。
倒れた父を見て、アラアラまあまあ、と母と侍従が回収。
その後、パニックを起こす父に、家にいなかったことを黒い笑顔の母に父は責められ、事なきを得た。
蜘蛛は引き続き、友達のままで良いそうだ!
兄と一緒に喜んでいたんだけど、遊びに使っていたセシル布で父がまた固まった。
スパイダーシルクと呼ばれる超高級品である。
当たり前だが、ものすごく珍しい。
蜘蛛をテイムする人はかなり少ないし、スパイダーシルクを作れるレベルになる蜘蛛を育成するのにもテイムするにも時間とお金がかかる。
公爵家であるうちではペットとして、仲良く暮らしているが、普通はあり得ない。
大抵は、食事が間に合わなくて、失敗するんだそうだ。
ちなみにうちの蜘蛛達は、肉も野菜も食べる雑食性なんだけど、私と兄が作った料理が一番好きなようだ。
正確には蜘蛛の食事は何でもいい。
そこに含まれる魔力を食べるんだそうだ。
貴族は一般人より魔力が高い。
貴族が直接料理を作り、餌をあげれば、成功するんだろうけど、基本的にそんなことする貴族は今まで居なかったんだそうな。
そのため、魔力を多く含んだ餌を集めるのに資金が回らなくなって、大抵は失敗するんだそうだ。
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