ゆめも

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女嫌いの悪役令嬢

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~とある伯爵令嬢side~

私は結構大事に大事に育てられてきました。

伯爵家の次女として生まれ、長女が優秀だったから私は好きなものを食べ、好きなことをすることを許されたのです。

でも、唯一認められなかったのが、次期王妃へのお友達になることの拒否でした。

次期王妃と言っても、同い年の少女。そして、同い年と言っても、人間と思えない程綺麗な女の子です。こんな子が次期王妃って言うのもわかんないけど、何より人間に思えない生き物にどう接すればいいのかがさっぱりなのです。

だって、陶器の人形にしゃべりかける趣味は私にはないのです。温かみのあるぬいぐるみならまだしも陶器としか思えないんです。ぬいぐるみ以下です。

おかげで、5歳で100キロあった体重が平均の40キロになるほどです。他に指名された友人役の令嬢たちも似たり寄ったりです。誰も人間と思えない彼女テレシア・ヘルゼバーグ公爵令嬢と普通に接すると言うことが出来ません。あまりの様子に命令をしたはずの現王妃様やその他王族たちも罪悪感を覚えるレベルだったらしいです。でも、私にはその時には結構精神的にヤバくなっていたので、その辺の記憶は曖昧になってます。

分かることは、気付いたら、王都は無くなっていたし、いつの間にか私は15歳になっていたことくらいでしょうか?その間、私は学園に行っていたらしいんですが、全く覚えていません。魔王とか邪神が復活したとか訳の分からないことになってますし、もう、混乱している間に家族丸ごと平民になってたし、もう、何が何だかです。

現在、私は元魔王国だったところで家族とレストランをしています。

優秀な姉が支配人。両親は食料買い出し班。私がコックです。小さい頃に食事をバカ食いしていたのと料理の様子をしょっちゅう見ていたおかげでどうにか料理が出来、意外にも才能もあったらしいので、結構、平民落ちしたのに平和に暮らしてます。

貴族としての記憶が抜け落ちているのも原因のうちのひとつかもしれません。

件のテレシア・ヘルゼバーグ公爵令嬢は、気付けば行方不明になっていました。そりゃ、戦争中だったので、結構みんな行方不明です。私たちも行方不明扱いになってますしね。

別に圧制していたとかでは無かったのですが、あの国の貴族はちゃんとあの事件に対応しようとせずに逃げ出したと言うことがあり、基本的にあの国の貴族=敵扱いらしいです。

でも、知らない間に発生していた聖女とかいう女の子が頑張っているらしく、そう知られたとしてもまぁ、多少どうにかなる模様。

・・・それと貴族としての私がおかしくなっていたのは領民ともに周知の事実だったらしく、情状酌量余地もあったらしいです。いやぁ・・・私記憶が無い間、何をしていたんでしょうか?思い出せないことを救いに感じます。



ちなみに王族たちも行方不明です。

唯一分かっている王族は第二王子だけ。ライオネル殿下とかいう名前だったような・・・あまり覚えていません。彼は現在、聖女と魔王と一緒に邪神退治を頑張っているらしいです。



ふぁいとー。



上の連中は何やら忙しいらしいのですが、現在、戦争も落ち着き、後は邪神さえどうにかすれば無問題みたいな感じになってます。食料の調達も普通にできるようになってますし、国の境目がどこになるかでもめているらしいですが、今のところ元魔王国のこの街にまでは影響は全然ないです。なんでか。



あぁ、それよりも来月辺りに新メニュー試したいなぁ・・・お姉ちゃんにOK貰えるように頑張らなきゃ!



****

~筆頭執事ロジャー・エインside~

まず、師匠、あれ、魔王だった。

しかも、本人は『転生者』とか言う。意味わからん。

取り合えず、師匠はこれから起こることを色々教えてくれた。テレシアが学園に入ったら、ヒロインを虐めるとか生物学の教師が魔物になるとか魔王が復活して、戦争始めるとか。

ってか、魔王、お前じゃないのって思ったけど、突っ込まなかった。

全く理解不能。

まず、テレシアは虐めとかしない絶対。だって、人間に興味が無い。認識さえしているか怪しいくらいだ。

そのせいで、王妃様が用意した貴族令嬢たちが次々に人形に話しかけなきゃ王族に殺されると叫ぶ謎の病気にかかるほどだ。一番分かりやすい令嬢はどっかの伯爵令嬢だった気がする。豚?と見間違いそうなご令嬢が普通の令嬢の外見に1年も経たずに変化したのだ。他の令嬢も似たり寄ったりだ。ぬいぐるみに向かって話しかけることで許してくださいと懇願するようになったり、部屋の隅でがくがくと震え、許してと叫んだりとか。

まるでホラー扱いだ。

王族は一体彼女たちにどういう風に強要したんだろうか?こっちからは友人不要の旨を何度も王族側にしたためていたんだが、こっちの要求は基本却下だったし仕方が無い。



テレシアは基本優秀な子だ。

義務をさっさと済ませては、庭いじりや料理をやっていた。



そして、12歳になった。

学園に入学。

師匠が言うには、第二王子はテレシアのエスコートを中断して、ヒロインに会いに行くとか何とか言ってた気がする。

まぁ、どうでもいい。

予言通り、確かにそうなったけど、まぁ、よくあることなので、無視。

師匠が言うにはこっからヒロインが虐められるとかなんとか・・・ヒロインっていうの、アレだよな。不可思議な髪色のピンク頭令嬢。どっかの男爵の令嬢らしいけど、破廉恥にも色んな男にしな垂れかかってる気がする。

気持ち悪いなぁ。



ちなみに、俺んとこにも来たけど、

「吐き気がするほど気持ち悪いからどっか行って。」

と言ったら、

「なによ!攻略キャラのくせに。」

と訳の分かんないことを言って、どっか行った。一体何だったんだろうか?



そして、やっぱり、案の定、予想していた通り、テレシアは誰も虐めることは無かった。というか、誰とも話してない。無言と言うわけでは無い。マニュアル通りの対応はするけど、これは会話ではない。暖簾に腕押ししているようなもんだ。暖簾を触ると揺れる。それだけ。

自然現象に近い話を行うだけ。

そこに感情は無い。

だと思った。

でも、何でか虐めの噂は蔓延していた。

まぁ、ちょっと調べればわかった。ピンク頭令嬢が根源だった。



テレシアは全く興味を持っていない。嘘を広められているけど、気にもしていない。

意外だったのは、第二王子のライオネル殿下の対応だった。諫めるでもなく終息させようとするでもなく、放置。どうやら、彼もまたピンク頭令嬢のことが分かっているようだった。でも、それでも彼女のことを好きらしい。

全く理解できないし、理解しようとは思えないけど、恋は盲目だとか母がなんかよく叫んでた気がするので、そんなもんだと考える。



そっから先は、師匠の説明と微妙にマッチングしてた。

生物学教師は魔物になった。ピンク頭が討伐した。魔王と邪神が復活した。ってか、魔王、師匠だったから、ずっと前に復活してんじゃんとか言う突っ込みとか邪神って何?とかいうのもあった。

ピンク頭が討伐の旅に出るってのは、その通りだったけど、学園が休校になるのは聞いていない。

まぁ、でも、無問題。

元々、平民になるために鍛冶スキルを鍛えていたんで、これ幸いと別邸に鍛冶部屋をつくることに熱中。テレシアは何でか蜂を育てることにしたらしい。多分、変装ルックが気に入った模様。

そっからは慌ただしいのなんのって、貴族どころか平民も王都から逃げ出す。暴徒は貴族屋敷に入り込み、盗みを働きまくり。まぁ、別邸は元々使用人部屋以下の物しか置いてなかったので、一時期は空き部屋に知らない人が居座ってたのはあったけど、食料が雑草としか思えないものだけだったから、みんな逃げてった。

別に食えなくは無いと思うんだけどな。菊芋と春菊とか小松菜とか豆とか、普通に野菜と思うんだけど、この王都の平民たちには雑草らしい。そこそこ手間いるんだけどね、これも。

育てやすいのは、まぁあるかな。虫が一杯来るから、それも食料にしてたりしていたせいで、本当誰も近づかなくなったけど。



戦火が悪化した際、一旦は別邸から離れたけど、基本的な生活スタイルは変えるつもりは無くて、のほほんとしてたら、王都自身は無くなり、別邸も俺の鍛冶部屋以外が無くなったりしたけど、畑も無事だったから戻ってきた。しばらくしたら、うちを中心に村が出来ていたけど、俺たちのせいじゃないと一応思いたい。

周囲の助言もあり、俺とテレシアが夫婦と言う形式になった。

テレシアはキョトンと珍しく表情に出ていた。

まぁ、俺自身もキョトンとしているんだけどね。

まぁ、形式が夫婦になったところで関係が変わることは無い。

やりたいことをやるだけ。

俺は鍛冶を思いのほか気に入っていたし、それで結構稼げるようにもなった。テレシアも養蜂家として結構名が売れてきている。それにいつの間にかテイマーになっていたしね。



戦争自身は落ち着いて、まぁ、国が無くなりゃそうなるよね。

そして、衝撃の展開。

師匠がヒロインに堕とされた。



師匠がヒロインと電撃結婚。

開いた口が塞がらない。

一体何がどうしたらそうなるの?って思った。この時ばかりは俺も驚いた。テレシアもほんのり驚いてた気がする。

しかも、邪神とやらを倒すとか言っている。

邪神が何かはよくわからないけど、少なくとも神様なら無理だと思ったんだけど、言っても無駄だと思って、何も言わなかった。



そして、悲報。

師匠が死んだ。

邪神と相打ちになったとかいうけど、本当だろうか?

よくわからないうちに、目まぐるしく色々起こったから、取り合えず、師匠が死んだ地域に向かって、手を合わせる位はしておいた。

「師匠、成仏してください。」



次の日、テレシアが倒れた。

何やら物凄くうなされている。

医者はこの村にいない。だから、必死に看病した。

テレシアは目を覚まさないのにずっと嘔吐を繰り返す。だから、必死にすすいだ。吐瀉物で窒息が一番怖い。

1週間ほど生死の境を行ったり来たりしたテレシア。

村の人も手伝ってくれた。

何気にテレシアも俺もこの村で医者の代わりみたいなことしてたし、みんなに慕われていたらしい。知らなかった。ちょっと戸惑う。



峠を越え、快復したテレシアは憑き物が取れたみたいに感情がある人になっていた。まぁ、それでも、他の人には分からない程度ではあるんだけど。

それからは俺自身もちょっと変わったし、色々あって、孤児院の子供たちを養子に迎えたこともあり、忙しいけど結構楽しく暮らせるようになった。昔と比べ物にならないくらい、俺もテレシアも感情を表してるつもりなんだけど、子供たちにもあんまり伝わらない。

まぁ、それでもいいかと今は思っている。

なんか、最近精霊っぽいのが近くをうろついているのは気のせいと思いたい。

まぁ、これからも家族みんなで平和にのんびりやっていこうと思う。



****

~魔王side~

前世、おれは引きこもりだった。

学校で虐めにあい、それ以来外に出るのは怖かった。

虐めの原因はいまいちわからない。

でも、強く思ったことはある。

「力が欲しい。チートしたい。」

だから、前世は俺Tsueeeee系小説や漫画が大好きだった。

Onlneゲームも積極的に課金して最強キャラを作りまくった。

意外にPCを通せば俺は社交的になれた。アバターもイケメンチョイスにしたし、本当、結構楽しく過ごせていた。

Onlineで知り合った中に、俺とちょっと似た雰囲気の人がいた。何と言うか社交的でない感じ満々の人って感じの奴。初心者オーラが出てたから、つい親切にしてしまった。そしたら、結構話が分かるやつで、すぐに友達になった。

ゲーム内でそいつと滅茶苦茶話し込んだ。そいつは、ミノーと言うキャラで、牛みたいなアバターの変な奴だったけど、人の話をちゃんと聞くし、いれてくる合いの手みたいなのも絶妙で結構、いらんことまで喋った気がする。



興味本位でやった乙女ゲームの内容さえもミノーは真面目に聞いてくれた。

多分、ミノーならリアルであっても、友達になれるんじゃないかと思えるくらい。

でも、夏のある日、突然ミノーがINしなくなった。

俺を捨てた?とかなんかわけわかんないことをつい考えてしまう。

でも、風の噂と言うか、とある裏掲示板サイトで、ミノーが殺されたって知った。

訳が分からなかった。

殺した相手はミノーの父親。ミノーは日ごろから虐待を受けていたんだそうだ。

・・・そんなことちっとも話してくれなかったじゃないかと思うけど、多分、あいつのことだから思い出したくなかったんだと思った。あいつ、そう言うやつだった。優しい奴だった。



かなり、落ち込んだ。

そんな時、俺は、何故かミノーの墓参りに行きたいと思ってしまった。

ずっと外に出ないで、引きこもっていたけど、ミノーの墓参りはしなきゃって思った。

そしたら、俺も父親に殺された。



なんか、よくわからないけど、引きこもりなら引きこもりのままで居なきゃいけなかったらしい。



・・・死ぬ間際に、そう聞こえた。



目を覚ますと赤ちゃんになってた。

しかも、ちょっと調べりゃ、ステータスが出てくるし、称号に魔王ってあるし、MP半端ないし、俺の時代キターーーー!!!って思った。

でも、何でかミノーのことがよぎった。なんか、よくわからないけど素直に喜べなかった。

更にしばらくして、この世界は前世やっていた乙女ゲームと酷似していることに気付いた。



俺は最終ボスの魔王でもあり、隠しキャラでもあることに気付いた。

隠しキャラになる為には他の攻略キャラをフルコンプしないといけないし、どう頑張っても2週目以降のことになるから、俺には関係ない。だから、ヒロインが来る前に処理しちまえって思った。



・・・3歳の時、ヒロインがいるであろう場所に行った。

ヒロイン、彼女は、ちょっと引くくらい可愛かった。



・・・俺には彼女は殺せないと思った。



多分、一目惚れしたんだと思う。多分、彼女は転生者だ。でも、そんなこと気にすることが出来ないくらい彼女が好きになっていた。

だから、ちょっと自暴自棄になった。

彼女は転生者だからある意味2週目。でも、きっと彼女は俺を殺しに来る。

だから、いろんなものに八つ当たりした。そうしていく中、俺はたくさん経験値が貯まり、ゲーム内の魔王を数段超すスーパー魔王になった。

隠密とか変装とか魔王らしくないスキルも手に入れた。

だから、彼女が俺を殺しに来るまで、遊ぼうと思った。

ゲームみたいに遊ぼうって思った。

いろんな国のいろんなところでいろんな奴に不和の種になる情報を植え付けまくった。本当の意味での厄災って人が起こすものって俺は思う。八つ当たりってわかっているけど、止められなかった。

そして、ずっと、避けていたけど、もういっかと思って、乙女ゲームの舞台となった国に行った。

王家は種を植え付ける必要もないくらい既に不和だらけだった。主に王様のせい。

あれは、クズだ。

何故か賢王とか言われているけど、絶対嘘。人を貶めて、自分の物にして悦に至ってる屑野郎。でも、意外に子供は真面に見える。クソの子はクソと言うわけでは無いらしい。中でもヒロインと恋仲になる予定の第二王子ライオネルは普通にいい奴だった。ちょっと正義感がうざいけど、基本善良だった。俺はステータスが見れるから、業が深い奴はステータスに赤文字で業レベルが表示される。逆に善行が多い奴には青文字で善行レベルなんかの項目が表示される。どちらも過度に行った場合しか表示はされない。だから、この国の王妃のステータスとかにはこれらの表示が無い。でも、この国の王は業レベルが285もある。ちなみに泥棒の常習がレベル10。山賊がレベル15くらいだ。どれだけ業が深いか窺い知れる。そして、第二王子ライオネルの表示は青。善行レベルが表示されている。レベルは25。これは大神官と同じくらいのレベル。結構、王族には珍しいくらいの奴だ。第一王子はどちらの表示も無いと言うのに。

そこまで行くと今度は悪役令嬢役の子が気になるじゃん。だから、会いに行った。

ゲームでも思ったけど、人間と思えない程綺麗な子だった。でも、なんでだろうか?ゲーム内で思ったみたいな不快な感情は全く持てない子だった。それになんとなくだけど、ミノーに似た雰囲気も見受けられる。でも、ミノーがここにいるわけはない。それにミノーは男だった。女に転生するはずが無いと思った。でも、なんかほっとけないと思ってしまう程度には彼女のことが気になった。

彼女をしばらく観察して思ったこと。それは、王様に性的な意味で目をつけられていること。第二王子ライオネルが阻止していること。彼女は心が欠如しかかっていること。

確信は無い。

でも、なんとなく、彼女は転生者な気がした。そして、ミノーじゃないかもしれないけど、ミノーとよく似た生き物な気がした。だから、つい、彼女の従者であり、攻略キャラの筈の男に手解きをしてしまった。

ゲーム内では無口な騎士と言われていたが、存外本人は顔が良くしゃべるやつだった。彼の家族は彼が無口で無表情とかいうけどあり得ん。めっちゃ物を言う顔している。気付いていないとしたら、そいつは自己中か、本人のことを真面目に見ない屑だと思う。

テレシア・・・悪役令嬢役の子も顔が物言うタイプの人間。やっぱ、ミノーなのか?リアルであったことが無いからやっぱり確信は出来ない。ゲームとは変わると思ったけど、俺は二人をゲームでの背景よりも早く本邸から別邸に移動させるように誘導した。

そしたら、テレシアは伸び伸びし始めた。そこで、テレシアはミノーの可能性が非常に高いと思った。確信は出来ないでも、そう思った。だから、ちょっと、更に手を加えてしまった。彼女を守る騎士であるロジャーを鍛えまくった。第二王子ライオネルがつけた監視者も鍛えた。結果、ちょっと忠義に厚い諜報部員と化した。まぁ、問題・・・無いと思おう。なんか、自分の首を絞めた気がするけど。

・・・だって、こいつら、いつか魔王である俺を殺しに来るし・・・。いや、考えない様にしよう。

ミノーによく似たお嬢さんを守る為には仕方が無い。

魔族である俺は既に100歳を超えているんだけど、姿かたちに老いは無い。だから、ゲーム背景では封印されていたらしいけど、それって何年前よ?って思っちゃった。まぁ、当然そうだよなー。とか思った。
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