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おまけ
エスコートに至る経緯(リース嬢の母上)※閲覧注意ネタバレを含む
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※閲覧注意※
この話は、本編のネタバレの内容を過分に含み、ネタバレを読まないと理解出来ない内容となっております。
ネタバレを読んで無い方はブラウザバック推奨です。
また、読み飛ばしても、大丈夫な内容となってます。
リース嬢は出てきません。
----------------
もうすぐ娘のリースが卒業式を迎えることになった。それに当たって、卒業式のプログラムや警備状態の確認をしに学園に行った。
・・・と言うのが建前である。
教師の仕事も殿下の仕事も両立していると最近は評判の高いロイスちゃんの確認をしに来たのが本音である。
初めて会った時のおバカ具合をどこにやったのやらと思って、学校に来てみれば、意外な人物と遭遇することになった。胡散臭いと私は感じるが誰の目にも普通の青年にしか見えない様に擬態した青年に私は見覚え・・・いや、感覚的に該当する人物が浮かぶ。
見た目には全く会ったことのない青年。しかし、彼は精霊と妖精の国の上皇陛下だったものに違いないと思った。
「あら、お久しぶりですね。リチャード上皇陛下。」
とわざとらしく言ってみるとにこやかに
「これは、メディア皇女。お久しぶりですね。しかし、私は、引退した身。一般の隠居爺ですよ。今はリチャードと呼び捨ててください。」
と10代後半の容姿で爽やかに笑う。
本当にこの男はつくづく、ムカつく男だと思う。しかし、位ははるかかなたに高いのだ。この忌々しい男は。
「あらあら、恐れ多い。しかし、命令とあらば、リチャード様と呼ばせていただきますわ。」
と返すと
「その位ならかまわない。よろしく頼むよ。メディア嬢。」
と本当に爽やかな笑顔で言う。この顔、違うのに、全然カッコ良くないのに・・・悔しい。
彼はかつて、私を助けてくれた恩人ではある。他国の人間と婚約関係にあったのだが、浮気された挙句に無実の罪を着せられて、衆人の前で婚約破棄を叩きつけられたのだ。それをフォローしたのが彼である。
おかげで、体面は傷ついたが、これと言った処罰は私側には無かった。その後、自国に戻って、現在の夫との仲を取り持ったのも彼。しかし、本当、何から何まで先回りしてくるのだ。このリチャードと言う男は。
衆人の前の婚約破棄、あれは確実に知っていながら止めなかったと思っている。だって、その婚約関係にあった国は、リチャードの国との関係があまり良くなかったのだ。今は無いその国は、人間至上主義の国だったから滅ぼすためにもやらかすのを知っていて、放っていたと思うのだ。
彼の教育は徹底しているのか、譲った王の席にいるものも、現在上皇の席にいるものも物凄く憎たらしいくらい優秀な統治者だ。彼は憎たらしいほど、優秀で、優しく、人望があり、そして・・・。いや、考えるのは止めよう。
「もう、私は結婚して18歳の子供がいるんですよ?嬢ではありません。」
とムッとしながら言うと
「そうだったそうだった。メディア嬢。」
と一番初めはちゃんと皇女って言ったくせに、私が喜ぶと分かって嬢をつける。本当に酷い男だ。
「リチャード様、ロイスちゃん、教育しましたね?」
と本題にいきなり入った。
「おやおや、性急な。」
と困った顔をわざと作るリチャード。
「しましたよ。あまりに出来が悪い生徒で困りますがね。まぁ、一般的な陛下くらいにはなれるでしょう。」
と言っていることは鬼畜なのに爽やかな笑顔で言う。
「余計なことを。」
と言うと
「でも、あれは熱いですよ?あれは裏切らないでしょう。浮気なんか考えることさえ無い。むしろ、安牌だと思いますよ?」
と返してくる。
「そうなの?」
「ええ。」
といとも簡単に結論を教えてくれる。
困ったことに彼の言うことは私が調べて考えるより適切なことばかりだったので、その言葉に納得するしかない。
「やっぱり陛下は教育できない生き物?」
と聞くと
「そうですね。無理ですね。落第点です。辺境伯に下二人を特訓に出したのだけは評価します。辺境伯は、良い子ですから。」
既に齢60を過ぎた辺境伯を良い子扱いに少しため息が出る。
「切り捨てる時期に関しても早すぎだし、あれではいくら子供が居ても、難しいでしょう。その点、ロイスは、私が矯正しましたし、問題少ないでしょう?」
とニコニコと言う。出来が悪いと言っておきながら、確かにうわさに聞くロイスちゃんの評価は陛下を軽く超える高評価だ。特に研究都市との関係性が非常に絶妙だし、いつの間にか陛下より後ろ盾が集まり始めていると聞く。
「そうですわね。ストーカー行為以外はちゃんと隠れることが出来ておりますし、優秀と聞いてますわ。」
「そう、それ、それだけはどうしても矯正できなくて、本当、なんなの?あれ。」
と珍しく困った顔をしている。この顔を見るのは久しぶりだ。
「リース嬢は確かに可愛いんだが、盲目的になるほどか?あそこまで。」
「初恋と言うものはそういうものですよ。」
と返すと、つくづく理解できないと言った顔をする。
妖精族である彼は、妻どころか婚約者もいない。
妖精族の子供の作り方は特殊だ。
自らの魔力で種を生み出す。植える。育てる。育った大樹の空(うろ)に子が生まれる。
と言った具合だ。
その為、結婚の必要はない。長寿種だし、魔力が高いから、死んでもすぐに生まれることが可能だ。自分の作った大樹さえあれば。
だからだろうか?人間の恋愛感情の機微に非常に疎いところがあるのだ。
そんな風に討論していたら、結構な時間が経っていたらしい。ロイス殿下が部下に指示を終えたらしく、ゆっくりと階段を下りてくるのが見て取れた。
「時間オーバーですね。メディア嬢、では、今度は大人しい護衛兵ですよ?わたくし。」
と口元に人差し指をさして笑う。
本当に本当にこの男は!と思いながら、
「では、失礼しますわ。」
と言って、当初の目的のロイスちゃんを無視して、階段を昇って校長のもとへ向かった。私に気付いた殿下は道を譲り、臣下の礼を取る。
本当・・・前とはまるで違うと言う確認は取れた。前は、私が上と言うことさえ知らなかったようだし、成長したのはしたんだろう。
さあ、建前どおり、校長に卒業式の確認に行こう。
この話は、本編のネタバレの内容を過分に含み、ネタバレを読まないと理解出来ない内容となっております。
ネタバレを読んで無い方はブラウザバック推奨です。
また、読み飛ばしても、大丈夫な内容となってます。
リース嬢は出てきません。
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もうすぐ娘のリースが卒業式を迎えることになった。それに当たって、卒業式のプログラムや警備状態の確認をしに学園に行った。
・・・と言うのが建前である。
教師の仕事も殿下の仕事も両立していると最近は評判の高いロイスちゃんの確認をしに来たのが本音である。
初めて会った時のおバカ具合をどこにやったのやらと思って、学校に来てみれば、意外な人物と遭遇することになった。胡散臭いと私は感じるが誰の目にも普通の青年にしか見えない様に擬態した青年に私は見覚え・・・いや、感覚的に該当する人物が浮かぶ。
見た目には全く会ったことのない青年。しかし、彼は精霊と妖精の国の上皇陛下だったものに違いないと思った。
「あら、お久しぶりですね。リチャード上皇陛下。」
とわざとらしく言ってみるとにこやかに
「これは、メディア皇女。お久しぶりですね。しかし、私は、引退した身。一般の隠居爺ですよ。今はリチャードと呼び捨ててください。」
と10代後半の容姿で爽やかに笑う。
本当にこの男はつくづく、ムカつく男だと思う。しかし、位ははるかかなたに高いのだ。この忌々しい男は。
「あらあら、恐れ多い。しかし、命令とあらば、リチャード様と呼ばせていただきますわ。」
と返すと
「その位ならかまわない。よろしく頼むよ。メディア嬢。」
と本当に爽やかな笑顔で言う。この顔、違うのに、全然カッコ良くないのに・・・悔しい。
彼はかつて、私を助けてくれた恩人ではある。他国の人間と婚約関係にあったのだが、浮気された挙句に無実の罪を着せられて、衆人の前で婚約破棄を叩きつけられたのだ。それをフォローしたのが彼である。
おかげで、体面は傷ついたが、これと言った処罰は私側には無かった。その後、自国に戻って、現在の夫との仲を取り持ったのも彼。しかし、本当、何から何まで先回りしてくるのだ。このリチャードと言う男は。
衆人の前の婚約破棄、あれは確実に知っていながら止めなかったと思っている。だって、その婚約関係にあった国は、リチャードの国との関係があまり良くなかったのだ。今は無いその国は、人間至上主義の国だったから滅ぼすためにもやらかすのを知っていて、放っていたと思うのだ。
彼の教育は徹底しているのか、譲った王の席にいるものも、現在上皇の席にいるものも物凄く憎たらしいくらい優秀な統治者だ。彼は憎たらしいほど、優秀で、優しく、人望があり、そして・・・。いや、考えるのは止めよう。
「もう、私は結婚して18歳の子供がいるんですよ?嬢ではありません。」
とムッとしながら言うと
「そうだったそうだった。メディア嬢。」
と一番初めはちゃんと皇女って言ったくせに、私が喜ぶと分かって嬢をつける。本当に酷い男だ。
「リチャード様、ロイスちゃん、教育しましたね?」
と本題にいきなり入った。
「おやおや、性急な。」
と困った顔をわざと作るリチャード。
「しましたよ。あまりに出来が悪い生徒で困りますがね。まぁ、一般的な陛下くらいにはなれるでしょう。」
と言っていることは鬼畜なのに爽やかな笑顔で言う。
「余計なことを。」
と言うと
「でも、あれは熱いですよ?あれは裏切らないでしょう。浮気なんか考えることさえ無い。むしろ、安牌だと思いますよ?」
と返してくる。
「そうなの?」
「ええ。」
といとも簡単に結論を教えてくれる。
困ったことに彼の言うことは私が調べて考えるより適切なことばかりだったので、その言葉に納得するしかない。
「やっぱり陛下は教育できない生き物?」
と聞くと
「そうですね。無理ですね。落第点です。辺境伯に下二人を特訓に出したのだけは評価します。辺境伯は、良い子ですから。」
既に齢60を過ぎた辺境伯を良い子扱いに少しため息が出る。
「切り捨てる時期に関しても早すぎだし、あれではいくら子供が居ても、難しいでしょう。その点、ロイスは、私が矯正しましたし、問題少ないでしょう?」
とニコニコと言う。出来が悪いと言っておきながら、確かにうわさに聞くロイスちゃんの評価は陛下を軽く超える高評価だ。特に研究都市との関係性が非常に絶妙だし、いつの間にか陛下より後ろ盾が集まり始めていると聞く。
「そうですわね。ストーカー行為以外はちゃんと隠れることが出来ておりますし、優秀と聞いてますわ。」
「そう、それ、それだけはどうしても矯正できなくて、本当、なんなの?あれ。」
と珍しく困った顔をしている。この顔を見るのは久しぶりだ。
「リース嬢は確かに可愛いんだが、盲目的になるほどか?あそこまで。」
「初恋と言うものはそういうものですよ。」
と返すと、つくづく理解できないと言った顔をする。
妖精族である彼は、妻どころか婚約者もいない。
妖精族の子供の作り方は特殊だ。
自らの魔力で種を生み出す。植える。育てる。育った大樹の空(うろ)に子が生まれる。
と言った具合だ。
その為、結婚の必要はない。長寿種だし、魔力が高いから、死んでもすぐに生まれることが可能だ。自分の作った大樹さえあれば。
だからだろうか?人間の恋愛感情の機微に非常に疎いところがあるのだ。
そんな風に討論していたら、結構な時間が経っていたらしい。ロイス殿下が部下に指示を終えたらしく、ゆっくりと階段を下りてくるのが見て取れた。
「時間オーバーですね。メディア嬢、では、今度は大人しい護衛兵ですよ?わたくし。」
と口元に人差し指をさして笑う。
本当に本当にこの男は!と思いながら、
「では、失礼しますわ。」
と言って、当初の目的のロイスちゃんを無視して、階段を昇って校長のもとへ向かった。私に気付いた殿下は道を譲り、臣下の礼を取る。
本当・・・前とはまるで違うと言う確認は取れた。前は、私が上と言うことさえ知らなかったようだし、成長したのはしたんだろう。
さあ、建前どおり、校長に卒業式の確認に行こう。
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