悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました

toyjoy11

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おまけ

転生者が居なかった時のゲーム本編※途中で力尽き適当です。ごめんなさい。

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今日は学園の日。
エルキ男爵家の一人娘に生まれて12年。お父様もお母さまも私に優しい。
学園も通わせてくれる。
正直、学園の入学費用は高い。男爵家の家は左程裕福ではないのに、頑張ってくれって言ってくれた。
頑張ろうと思い、学園へと続く道を馬車に乗りながら考えていた。
男爵家の領から学園のある王都に行くまで1か月半かかる。
エルキ男爵家はあまり歴史が深くないこととお金があんまり無いことが重なり、王都に屋敷を持っていない。
だから、入学したら、学園寮に入る予定だ。
でも、そこまでの道のりは、お金も無いので乗合馬車。
都合によって、時間が変わる。
一応、余裕をもって、2か月前に出発したが、度重なるアクシデントで入学式ギリギリに到着することになった。
2か月も続く長旅のせいで、私はかなり疲れていた。
そのせいもあって、入学式当日遅刻ギリギリになってしまう。
「あ!!!私ったら!!」
そんなことを言いながら、急いで入学式の会場に向かう。
途中で、回廊の段差に躓いて盛大にこけてしまった。
そこを偶然、王都の教会に飾ってある王族の姿絵で見たことがある人物が手を差し伸べてくれた。
「大丈夫かい?」
と私を心配してくれた。
私は恐らく、この国の第一王子であろう方をボーっと見惚れてしまうが、すぐに正気に戻り、手を取って、起き上がった。
「早く行かないと遅刻しちゃうよ。」
そう言われて、私は慌てて、
「す、すみません!!ありがとうございました!」
と叫ぶように言って、式場に向かった。

案内の人に急かされながら、ギリギリで入場できた。
既にほとんどの人が会場入りしており、整然と並んでいる。
比較的コソコソと私は動き、自分のクラスの場所に並んだ。
そしたら、隣の少女がこっそり話しかけてくる。
「ねぇ、貴女、入学テストで3位だった子でしょ?」
と。
「え?あ、うん。」
私があっけにとられたようにそう答えると彼女は
「私、ガーメネ・クロケット。よろしくね!」
と言われた。
「えっと、私、ヒロイン・エルキ。よろしくね!」
と私が答えたところで
「静粛に!」
と先生から注意が!
思わず、背をしゃんとして黙る。
そして、ガーメネちゃんと目をあわせて、小さく笑いあった。

成績優秀者クラスに配属された私は、かなり場違い感があった。
貴族のしかも高位のご令嬢や子息たちが一杯いる。
いや、9割がそうだ。残りの1割は私とガーメネちゃん。そして、いかにも騎士科っぽいナメダ子爵子息君くらい。私は出来るだけ目立たない様に教室の隅の机に向かったのだが、ガーメネちゃんに止められた。
「席順が決まってるのよ。あなたは、あそこ。」
と言われて、指をさされる。
どう考えても第二王子と第一王子の婚約者の後ろの席である。恐ろしくて近づきたくない。
第一王子の婚約者はリース・マグノイア公爵令嬢。この国で王家の血を正当に継いでいるのにお姫様じゃない女性。
12歳ながらも、何故だか溢れる色気と気品。そして、やや我儘そうな雰囲気を持つ女性であった。

怯えながらも、私はガーメネちゃんの言った席に座ると案の定侯爵令嬢や伯爵令嬢から非難の嵐。
私は黙って耐えていた。
そしたら、いつの間にやら第一王子様がさっそうと
「同級生を虐めてはいけないよ。」
と言って、何故だか現れる。
第一王子様は2つ上の先輩の筈なのにどうしてここにいるんだろうかと思わなくは無いが、それよりも第一王子自ら庇われた私はなお一層立場が悪くなってしまった。そんな私を
「あらあら、身分違いのお嬢さんを虐めるなんて、貴方がやっていいことではありませんよ?ロイス殿下。」
「!!!そ、それは、す、すまない。」
真っ赤な顔で体を震わせながら、ロイス第一王子は固まる。しかし、殿下は止まらない。
私をエスコートするようにして、リース嬢とかなり離れた席に・・・ガーメネちゃんの席の隣に案内して、座らせてくれた。
そして、リース嬢に挨拶をして、さっそうと去っていった。
「なにあれ?」
とガーメネちゃんが眉を寄せて言う。
「わ、わかんないけど、助かったよ。この席になっていいんだよね?」
と私が安堵するかのように言うとガーメネちゃんが満面の笑みで
「よろしくね!」
と言った。


それからも第一王子殿下はやたらめったら、現れ、その度リース嬢に窘められるを繰り返していた。
その度、私の立場はクラス内でかなり悪くなる。
そんな中、孤立していた私を救ってくれたのは、ナメダ子爵子息とガーメネちゃんだった。
ガーメネちゃんは結構金持ちな男爵子女。噂では金で爵位を買ったと言われているご令嬢の家。
ナメダ子爵子息は、かなりの旧家で、常に騎士団に子息を入れていると言われる根っからの騎士家系の人だった。
ナメダ子爵子息は、男爵家の私にかなり優しくしてくれた。
どうやら、成績が優秀でこのクラスに入ったはいいが、成績の重点は体育関連であり、学力の方には自信が持てないから、私に勉強を教えて欲しいって言うのが下心なんだと言うような内容を隠しもせずに言った彼にちょっと好感を覚えた。
私とナメダ君とガーメネちゃんは3人でよく図書室に通い、勉強するようになった。
途中で、ガーメネちゃんが抜けて、二人っきりになったけど、それでも二人で必死に勉強をした。そしたら、同じクラスの宰相の家の子息が勉強を手伝ってくれるようになった。
「なんか、お前たちは勘違いして、間違った勉強をしそうだから、俺が監視する。」
と言って、勉強を教えてくれたのだけど、かなり、厳しい。でも、一日の終わりに確認テストしてちゃんとできたら、私にもナメダ君にも飴玉をくれる。
砂糖菓子は産まれて初めて食べたので、かなり感動した。
宰相子息と仲良くなった次の日、そんな内容をガーメネちゃんに伝えたら、何故だか悔しそうに体をがくがく揺らされてしまった。

ナメダ君が実技なら俺に任せろと言ったので、今度は練習場に行った。
そしたら、魔法練習場と剣技実習場とで分かれていた。他にも武器によって場所が区切られていた。
なんとなく、魔法練習場に行かないかと言う話になった。
ちなみに、私もナメダ君も魔法はあまり得意ではない。あと、ガーメネちゃんは家の用事でどこかに行ってしまった。
興味本位ではあるが、練習場を除くと1つ上とわかる腕章の少年が物凄い勢いで氷の塊を的に当てていた。
思わず、私とナメダ君は
「おおお!!すごい!」
「おおお!かっけー!!」
と比較的大声で叫んでしまった。
そしたら、照れたように緑髪の少年がこっちを見て
「・・・お世辞はいらない。」
と言う。
「お世辞って、嘘っていうやつだろ?嘘じゃないよ?何言ってるの先輩。」
「そうだよね。お世辞って言うのは嘘って意味だから、本当に感動したんだもん。嘘じゃないから、お世辞じゃないもんね。」
「「変な先輩。」」
と私たちが言うと虚を突かれたような顔をした少年はとてもうれしそうに大笑いをした。
少年は魔法省のお偉いさんところの子息だったらしい。
「へー、先輩って良いところのおぼっちゃまなんだー。」
「でも、先輩自身もすごいよねー。」
「そうだよねー。」
そんな感じで、私たちは緑髪の少年の先輩と仲良くなった。

次の日そのことをガーメネちゃんに伝えたら、殺気のこもったような目線を一瞬寄こしたので、ビビった。
その頃だろうか?
ガーメネちゃんが、貴女を虐めようとしているわよとリース嬢をこっそり指して言うようになったのは。

私はそれからナメダ君と一緒に学園中のあちこちで勉強がてら見学し、そしてその度、いろんな人と知り合うようになった。
皆好意的で、今までクラスに居場所がないって思っていたのに、とっても幸せだった。
でも、騎士団長子息と知り合いになったあたりでかなり変わった。
移動教室から帰ったら、教科書がびりびりに破かれていた。
下駄箱の靴が水びしょになっていた。
そして、そのたびにガーメネちゃんやロイス第一王子が
「可哀想に。」
と言うのだ。
察しの悪い私でもわかる。リース公爵令嬢が私を虐めているんだと。

いつのなら放課後は練習場や図書室に行くんだけど、その時は色々辛くなって、ナメダ君と王都の秘密の場所って言われているところに探検しに行くことにした。
初めは二人っきりで行っていたんだけど、なんでか宰相子息と魔法少年な先輩と騎士団長子息がついて来てしまった。
5人で向かった先は、かなり古びた洞窟。
怯えながら、各々武器を携えて中に入る。
すると次から次へと魔物が襲ってくるではないか。
見たことのない魔物に私たちは困惑するものの一匹一匹確実に倒して、中に進んでいった。

最奥に赤い宝石が置かれていた。
ナメダ君がほとんど無意識にその宝石に触れようとして、宰相子息が止めようとしたが、彼はすんごく疲弊していたため動けず、騎士団長子息は宰相子息を介護する方に回ったせいで、誰も彼を止めることができない・・・そう、私以外は。
私はナメダ君にタックルする形でナメダ君が宝石に触るのを阻止した。
そう、ナメダ君が触るのを阻止しただけだった。
私が躓いて、バウンドして、宝石に頭突きをしたせいで、宝石は台座から離れた。
その途端、洞窟が音を立てて崩れ始めた。
私たちは必死に逃げた。
騎士団長子息は宰相子息と魔法先輩を小脇に抱えながら逃亡。
私はナメダ君に抱えられながら逃走。
その手には赤い宝石がしっかりと握られていた。

それから色々あった。
主に宝石に私の血がついたせいででっかいゴーレムが起動しちゃったりとか王様たちに大目玉食らったけど、聖女認定されたとか。
あんまり目まぐるしくて、あんまり記憶がない。

いつの間にやら、ただの男爵令嬢だったのに、聖女になったせいで公爵より偉いみたいな雰囲気が漂っていた。
それにちょっと恐怖を覚えつつ、私は聖人認定されたナメダ君と偉い人ごっこをした。

そのあたりからロイス殿下が良く突っかかってきた。
初めは迷惑でしかなかったけど、ゴーレム・・・カルマゴスに会わせたら滅茶苦茶褒められて、つい調子に乗って色々してたら、仲良くなってしまった。
それから、リース嬢のあたりがかなり強くなった。

紆余曲折ありながら、実はちょっと殺されそうにもなったけど、カルマゴスやロイス殿下のおかげで助かった。
最終的には王族の権威と言うやつなんだろうか?

事件のせいでリース嬢の立場がどんどん悪くなっていく。
私たちは特に凄いことはしていないから、自業自得なんだと思うんだけど。

そして、待ちに待った卒業式の日。
リース嬢達一派が、反乱を起こした。
私たちはリース嬢を討伐すべく、正義の旗をあげた。

私たちは、みんなでこの国を救うんだと6人で手に手を取って、剣を掲げた。陛下と正妃様がそれを応援するように寄り添いながら、こちらを見ていた。


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