皇國の防戦記

第四章 亡霊少女

５９ 学生兵時代

「隊長は、学生時代どんなんだったの？」




「抜け作ですか？今みたいに」




「色々言いたいけど、まず人と会話する時は寝っ転がってケツ向けるの辞めんか？アイラ、色気の欠片もねえぞ」




「良いから早く作って？」




「ハイザー達が朝、作ってただろ・・・」




「足りない、あれじゃ」




何故か、エプロンを着けて二人の間食を用意している“戦闘龍”グレン




他の配下には見せられない姿である。




「前に言わんかったか？俺は士官学校五席卒業だ」




「基準が分からない」




「あ～、お前低学歴だからな」




「その低学歴に一方的に斬られといてよく言う」




「学歴は大事ですけど、別に戦場で楯になって敵の刃を受け止めてくれるわけじゃないですからね。

程々で良いんですよ、あんなモンは」




「お前三席じゃねえか！！よく言うわ！」




「いや～割と適度に励んでいたら、いつの間にやら・・・」




「嫌みな野郎だよ」




「でっ？どんなだったの？」




「・・・・・・今と変わらんな？」




「良いように周りに使われてたんですね？」




「自覚在るなら手伝え！」




「隊長が最下位だったんですから、頑張って下さい」




先程開催されたボードゲーム大会において、最下位だったグレン。




食事提供はその罰ゲームらしい。




「低学歴に負けた気分はどんな気持ち？」




「最悪だよ！死ね！！二人揃って崖から飛び降りろ！！」




「やだ～生きる～」




「しぶとく、狡く、意地汚く生き残りま～す」




「くっそ、俺の周りこんな奴らばっかだ」




本当に、人には見せられない姿である。