愛しの君へ

秋霧ゆう

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第1章

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 僕には大好きな人が居たんだ。
 
 これはね前世の話。
 前世は剣と魔法が存在する世界。
 僕は最強の魔法士であり魔法学園首席。彼は、最強を目指す剣士学園首席。
 いつも争っていたけど、僕らは親友で恋人だった。
 今日学園を卒業してそれぞれ別の道を歩むことになるけど、でも僕らは恋人であることには変わらないし、これからもそんな幸せな日常が続くと思っていた。

 帝国歴891年、帝国は王国と戦争が始まった。
 戦争にあたり、国にいる全ての魔法士と剣士が招集された。
 数日前まで、平和な日々だったのに急に血塗れの生活に変わった。
 毎日のように魔法を撃ち、剣を振り、沢山の人を殺し続けた。
 もちろん、僕達の仲間も大勢殺された。
 一緒に授業を受けて、一緒にふざけあった友人達が目の前で死んでいく世界を見た。
 目の前で体を貫かれ、頭が吹き飛ぶ光景を沢山見た。

 沢山、泣いて、吐いて、いっそ僕も死にたかった。

 でも、大切な人が居たから。
 彼を守るために僕は戦い続けた。
 感情を殺し、ただひたすら戦い続けた。

「大丈夫か?」
「…」

 彼の問いに答えられなかった。

「お前のことは絶対に俺が守るから」

 最後に交わした言葉だ。
 僕は敵軍に囲まれて、倒しても倒しても敵が現れる状況に限界を超えた。

「死ねー!!!!」

 ごめん…。

 そう思った時、彼が助けに来てくれた。僕は安堵してまった。戦場であるのにも関わらず、力が抜けてしまった。その隙を狙われた。

 グサッ。

 彼が目の前で刺された。
 僕の身代わりとなって死んだ。
 彼は笑顔で「ごめん」って言って死んだ。
 頭が、目の前が真っ白になった。
 その後、僕は魔力暴走を起こし、味方、敵、関係なく全てを一掃した。

「ごめん…。ごめんね」

 そして、僕は開発途中の“転生魔法”を使った。

 ちょっと失敗して、人間の姿にはなれなかったけど、君のそばに行くことは出来たよ。

 君が僕を思い出すまで、いや、思い出しても思い出さなくても僕はずっと君のそばに居る。

 大好きだよ。
 

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