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第1章
第1話 日常
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帝国歴891年、人類の半分が滅亡したと言われる大きな戦争が起きた。
原因は帝国一の魔法士による魔力暴走。
この魔力暴走により大半の命が失われた。
だが、その裏にある魔法士と剣士の恋愛物語。
この話は有名で誰もが知っている。
『威張りあってた2人の英雄が本当は恋人同士で恋人のために命を賭した』
という未来永劫語り続けられる話である。
だが、この話はメインではない。
これは、新しく生を得た剣士と魔法士の話である。
剣士ギルベルトは九条旭として、現代日本を生きていた。
彼の人生は平凡…とは言えないが幸せな毎日を送っていた。
「行ってきまーす」
高校への通学路。最寄り駅にて、
「はよ」
「おはよ」
旭と挨拶したのは幼なじみであり親友の桐生蒼。
「近寄るなー。こいつめー」
この妖精、前世帝国最強魔法士のロス。現在は旭を守る妖精として過ごしている。
旭から目が赤くて綺麗という理由で暁と呼ばれている。
暁は旭だけにしか見えない。…だが、唯一一人、蒼も見えている。だが、蒼はその真実を絶対に伝えないだろう。
「暁、うるさい」
「なんだと」
「旭にしか見えないっていう妖精?」
「あー、そう」
不貞腐れる暁。
「なんで、俺しか見えないんだろうな」
「旭の守護神だったりして」
「おっ!たまには良いこというな!!」
「守護神?こいつが?」
電車に揺られながら話す2人。
「失礼だぞー。旭!!」
公共の場で旭は暁と話さない。
昔は話していたが、気味悪がられたりして父親に迷惑がかかる。そんな思いから外では話さなくなった。
だが、蒼は見えているのもあり、否定せず友達になろうと歩み寄ってくれたため、気にせず話している。
電車が到着し、学校へ向かう。
2人とも同じクラス。運が良いのか悪いのか小学1年生の頃からずっと同じクラスなのだ。席は前後ろ。前が旭で後ろが蒼。
「そういえば今日は数Aの小テストだけどちゃんと勉強した?」
「え、テスト?」
「先週言ってたじゃん」
「あー。寝てた」
「はぁ」
ここで、暁が一言
「今回も僕が答えを教えてやるぞ」
教えると言っても、クラスの優等生佐藤の答えを盗み見するのだが。
頷く旭。
ツッコミたくなる感情を押さえる蒼。
しかし、これは蒼としても最高なのだ。
席は前後。暁のことは旭と蒼しか見えていない。つまり、バレずにカンニングし放題ということになる。
キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴った。朝礼の時間だ。
出席確認を行い、先生が一言。
「えー。今日は佐藤が体調不良で欠席だ」
旭が固まった。暁も一緒に固まった。
後ろから様子を見る蒼。笑いそうになるのを必死に堪える。
蒼はカンニングする気満々ではあったが、勉強は出来るため、問題はない。
朝礼が終わり、旭は振り返り蒼に相談する。
「どうしよう…」
「授業中寝てたのが悪いんだろ」
しょんぼりとした後、暁が旭にコソコソと耳打ちしている。
そして、授業が始まった。
1時間目、数A。
「今日は先週伝えた通り小テストをします」
「えー」「来週にしようよ」
など。ブーイングの嵐だったが開催された。
そして、テストが始まり視線を感じた蒼。先程のコソコソ話は蒼の答えをカンニングするというものだったらしい。
そこで蒼は悪い方に頭が働いた。
まず、適当に答えを書き、暁が旭に伝える。補習は免れるくらいの点数は教える。
その後、ちゃんと自分のテストを受ける。
そして、テストは終わり授業も終えた。
「終わったー」
「終わったって。まだ1限だけだろ」
「このテストさえクリア出来ればもう大丈夫だ。ふっふっふ。お前の答えを写させてもらった」
「お前なー」
だが、1枚上手の蒼。後日、テスト返却の際。
「10点。九条君は赤点スレスレ。それに比べて50点満点。さすがね桐生君」
「…え?」
残念だったなと不気味な笑みを浮かべる蒼に悔しそうな旭なのであった。
原因は帝国一の魔法士による魔力暴走。
この魔力暴走により大半の命が失われた。
だが、その裏にある魔法士と剣士の恋愛物語。
この話は有名で誰もが知っている。
『威張りあってた2人の英雄が本当は恋人同士で恋人のために命を賭した』
という未来永劫語り続けられる話である。
だが、この話はメインではない。
これは、新しく生を得た剣士と魔法士の話である。
剣士ギルベルトは九条旭として、現代日本を生きていた。
彼の人生は平凡…とは言えないが幸せな毎日を送っていた。
「行ってきまーす」
高校への通学路。最寄り駅にて、
「はよ」
「おはよ」
旭と挨拶したのは幼なじみであり親友の桐生蒼。
「近寄るなー。こいつめー」
この妖精、前世帝国最強魔法士のロス。現在は旭を守る妖精として過ごしている。
旭から目が赤くて綺麗という理由で暁と呼ばれている。
暁は旭だけにしか見えない。…だが、唯一一人、蒼も見えている。だが、蒼はその真実を絶対に伝えないだろう。
「暁、うるさい」
「なんだと」
「旭にしか見えないっていう妖精?」
「あー、そう」
不貞腐れる暁。
「なんで、俺しか見えないんだろうな」
「旭の守護神だったりして」
「おっ!たまには良いこというな!!」
「守護神?こいつが?」
電車に揺られながら話す2人。
「失礼だぞー。旭!!」
公共の場で旭は暁と話さない。
昔は話していたが、気味悪がられたりして父親に迷惑がかかる。そんな思いから外では話さなくなった。
だが、蒼は見えているのもあり、否定せず友達になろうと歩み寄ってくれたため、気にせず話している。
電車が到着し、学校へ向かう。
2人とも同じクラス。運が良いのか悪いのか小学1年生の頃からずっと同じクラスなのだ。席は前後ろ。前が旭で後ろが蒼。
「そういえば今日は数Aの小テストだけどちゃんと勉強した?」
「え、テスト?」
「先週言ってたじゃん」
「あー。寝てた」
「はぁ」
ここで、暁が一言
「今回も僕が答えを教えてやるぞ」
教えると言っても、クラスの優等生佐藤の答えを盗み見するのだが。
頷く旭。
ツッコミたくなる感情を押さえる蒼。
しかし、これは蒼としても最高なのだ。
席は前後。暁のことは旭と蒼しか見えていない。つまり、バレずにカンニングし放題ということになる。
キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴った。朝礼の時間だ。
出席確認を行い、先生が一言。
「えー。今日は佐藤が体調不良で欠席だ」
旭が固まった。暁も一緒に固まった。
後ろから様子を見る蒼。笑いそうになるのを必死に堪える。
蒼はカンニングする気満々ではあったが、勉強は出来るため、問題はない。
朝礼が終わり、旭は振り返り蒼に相談する。
「どうしよう…」
「授業中寝てたのが悪いんだろ」
しょんぼりとした後、暁が旭にコソコソと耳打ちしている。
そして、授業が始まった。
1時間目、数A。
「今日は先週伝えた通り小テストをします」
「えー」「来週にしようよ」
など。ブーイングの嵐だったが開催された。
そして、テストが始まり視線を感じた蒼。先程のコソコソ話は蒼の答えをカンニングするというものだったらしい。
そこで蒼は悪い方に頭が働いた。
まず、適当に答えを書き、暁が旭に伝える。補習は免れるくらいの点数は教える。
その後、ちゃんと自分のテストを受ける。
そして、テストは終わり授業も終えた。
「終わったー」
「終わったって。まだ1限だけだろ」
「このテストさえクリア出来ればもう大丈夫だ。ふっふっふ。お前の答えを写させてもらった」
「お前なー」
だが、1枚上手の蒼。後日、テスト返却の際。
「10点。九条君は赤点スレスレ。それに比べて50点満点。さすがね桐生君」
「…え?」
残念だったなと不気味な笑みを浮かべる蒼に悔しそうな旭なのであった。
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