愛しの君へ

秋霧ゆう

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第2章

桐生朱音

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 私はIQ200の天才少女!
 みんなって今まで生きてきたなかで1番最初の記憶って何かな?
 ほとんどの人は3歳、4歳、5歳とか?
 私の最初の記憶は2歳の頃。
 見たこと、聞いたこと、何でも記憶して絶対に忘れないんだ。
 えへへ、凄いでしょ!!
 でも、秘密。だって、これを言ったらお母さんもお父さんも「神童だー何だー」って言うでしょ?
 私の家族はその、問題児が多いというか、まず1番上の翠お兄ちゃんは中学まで荒れてたし、警察のお世話になってて毎日お母さんもお父さんも忙しそうだった。次に蒼お兄ちゃん。翠お兄ちゃんが落ち着いたと思ったら蒼お兄ちゃんがお友達?を殴ったみたいで停学処分。それでお母さんもお父さんも学校行って、お友達のご両親に謝ってて、これ以上心配かけられないかなって。
 心配っていうと少し違うかもだけど。
 私は持ち上げられるより、今みんなといるこの時間が好き。
 
 それはそうと、みんな、「前世」って信じる?
 実は本題はここ。

 蒼お兄ちゃんには、前世があるらしい。
 私が2歳の頃、お兄ちゃんが3歳の頃のこと。
 お兄ちゃんがお母さんとお父さんにこんなこと聞いた。

「何で生きてるの?」

 お母さんもお父さんもビックリしてて、「な、何を言ってるの?」の質問に対して、

「だって、父さんも母さんも妹も反逆罪で国に殺されたじゃん」

 って言ってた。その後、お母さん達は、きっとそういう絵本を読んで気持ちが感情移入しちゃったんだねって言って、騎士とか魔法使いの絵本をいっぱい蒼お兄ちゃんにあげてた。
 でも、なんか気になっちゃって蒼お兄ちゃんに聞いた。そしたら、声を荒らげてほんとうにあった話なんだって、みんなが死んだあと、1人戦場で戦い続けて、最後は敵の魔法で死んだんだって。
 その話を聞いて思い出した。
 私、前世の記憶がある。その前世では、6歳の頃国の反逆罪で殺された。そう。蒼お兄ちゃん、いや、イレールにぃにの妹だった。

 これを伝えたら、お兄ちゃんどう思うのかな?喜んでくれるかな?泣いちゃうかな?それとも、あの時の記憶を気持ちを思い出して怒るかな…。

 多分私は、このことを永遠にお兄ちゃんには伝えられないと思う。
 1人で頑張り続けたお兄ちゃんに掛ける言葉が見つからないんだ。

 あ、ちなみに翠お兄ちゃんは前世の記憶持ってなさそう。お母さんもお父さんも。
 これは、私とお兄ちゃんの2人だけの秘密。
 私はまたお兄ちゃんの元へ生まれてことて最っ高に幸せなんだ!!
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