【SS】ファンタジー編

秋霧ゆう

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②僕は最強

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※僕がずっと喋ります。僕目線です。
 苦手な人は苦手だと思います。


 僕はイケメンで最強だ。

 自意識過剰という者も居るけど、それは僕に対しての『憧れ』という者だろう。

 僕は最強だから、200年ぶりに復活したと言われる魔王討伐のパーティメンバーに選ばれるだろう。

「そう!僕は最強だから」

 案の定、僕もパーティメンバーに選ばれた。
 僕はきっと勇者だろう。

 メンバーは僕に比べて全く美しくない。
どうしてこんな人達ばかり選ばれたんだろう。
 …あ!そうか。僕の引き立て役に選ばれたのか!それじゃ、頑張るが良い。

 冒険に出て3日。
 僕は違和感を感じていた。

 このパーティは僕勇者が1人、魔法使い1人、ヒーラー1人、そしてモブが2人の5人編成になる。

 初めての戦闘。汚らしいゴブリン戦で僕とモブAが怪我をした。ヒーラーは何故か、モブAを優先して怪我を治していた。

 …何故だ?
 僕が勇者なのに。

 何故、モブAを優先させる?
 あのヒーラーはあのモブが好みなのか?
 ブス専といったところか!

 はぁ。あのヒーラーにはがっかりだ。
せっかく、僕のお嫁さんのしてやろうと思っていたのに。

 それから1週間後、僕はもっとおかしいことに気がついた。

 何故か、僕とモブBだけが雑用をしていた。

 モブAはテントの中でヒーラーと魔法使いとイチャついている。

 何故だ?

 そんな時モブBが呟いた。

「勇者様は気楽なもんだ。なぁ、

 は?ちょっと待て。僕が、雑用?
 勇者ではなかったのか?

「お前も災難だよな。この前のゴブリン戦も囮に使われて」

 囮?
 あれは囮だったのか?

 僕はBに一言。

「勇者パーティ、抜けないか?」

 はぁ?という顔をしていたが、Bは話に乗ってきた。

 それから数ヶ月後、僕とBは勇者よりも先に魔王城へと辿り着いた。

 僕らは魔王様へ従属を願い出た。
 奴らを見返すために。


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(ちょこっと)アフターストーリー。

数年後。ある日の出来事。

「なぁ、ずっと前から気になってたんだけど、何でお前俺の事Bで呼ぶの?」
「…まぁ、良いではないか」

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