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2話「リイナ」【リイナ】
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深い闇の中から意識が徐々に覚醒する……
長い眠りから目覚める感覚……なのにその覚醒する意識を抑えつけられてたような……
そんな目覚めを抑えつけるような力が急激に和らいで…そして全く無くなった。
海の中を揺蕩うような感覚が拡がる。
完全に覚醒した意識の中で、様々な箇所にその意識を伸ばしていく。
まずは己を認識する。
……どうやら人間体のようだ。
さらに運動中枢に触れてみる。
おかしい。力が入らない。間違いなく掌握できた筈だが。
次に全身の感覚器官に触れてみる。
(っつ!)
途端に感じる急激な痛み。恐らくは下腹部か。
その感覚器官のさらに深い部分まで意識を伸ばす。
(はぁん!)
何これ!なんか凄く気持ちいいんだけど!
ていうか、覚醒したばかりの意識がすべてそちらに持っていかれるような突き抜ける感じ。
聴覚や嗅覚にも触れてみる。視覚はそれらの感覚のなかでも少し掌握に時間がかかる。
「……おい……大丈夫か……気を失ったのか?」
男の声がする。
生臭さに汗の匂いの混じった変な匂い。
でも、激しい気持ちよさを感覚器官から感じている今の意識の中では……
(嫌いじゃない……むしろ気持ちよさが増すように感じる匂い……)
下腹部にゆったりとした動きの異物を感じる。
これがこの気持ちよさの原因か。
(あっ……だめ……この感覚に溺れちゃ……)
せっかく覚醒した意識を再び失いそうになりながらも、なんとか視覚の掌握に成功。
瞼を開く。
「良かった……強制終了したと思ったよ。大丈夫?」
優しい微笑み。やだ可愛い。
(……って!何してるのよ!)
これって……交尾中なの……?
急いで声帯へと意識を伸ばす。
でも……なんか上手くいかない……
(気持ち……っ!……良すぎてぇっ!)
同時にもう一度運動感覚にアクセスする。
(あっ!動く……)
よし。さっそくこの男を突き放そう。
(あれ?なんで……?)
考えとは裏腹に、男を抱きしめ……あろうことか唇を求めてしまう。
(コントロールミス……?)
いや違う。恐らく意識の大半を占めるこの『気持ち良さ』に抗えないのだ。
(あ……キスしちゃった……舌絡ませちゃってるよ……ダメ気持ちいい……)
「そろそろイッちゃいそうだけど……中に出してもいいよね?……いくら『最高級セクサロイド』でも妊娠はできないよね?」
(やっぱり交尾中なんだ!)
男の表情が少し苦しそうに歪む。
苦しそうな表情も可愛い。
いや違う。早く声帯の掌握を……
下半身に侵入してる異物の抽送が早くなり、硬さを増し、さらに怒張する。
そして私の意識とは裏腹に下半身はそれを締め上げる。
「ごめん!イクよ!」
自らの意識すらコントロールを失いそうな中、ようやく声帯の掌握に成功する。
(よし!)
しかし、同時に下腹部に熱いものが撒き散らされる。
そしてようやく出た声は……
「もうダメ!あなた可愛過ぎる!好き!大好き!イクっ!イクっ!イクのっ!……イッ!イッちゃうぅぅぅぅ!」
大声を出せたおかげで、なんとか意識は失わずに済んだ。
「で……この状況はなんですか…?」
簡易ベッドのシーツを身体に巻きつけ、目の前の男に質問する。
「えっと……リイナだよね……?」
キョトンとした顔で質問に質問で返す男。
(やだそんな表情も可愛い)
いや違うってば。
「リイナですけど……っていうかなんで名前知ってるんですか?」
「それにしては雰囲気が随分変わったなぁと。あと声の抑揚もかなり上手にコントロールされてる。……ほんとにリイナ?」
お互い質問を繰り返しててちょっと埒があかない。
「ごめん。ちょっと待っててもらえます?」
男を手で制し、右手を額にあて目を瞑る。
(オリジナルの記憶を探れば良いんだ)
1番古い記憶は……自分はエリザベス社の最高級セクサロイドで、品質管理部門に於いて不適合の結果を受け廃棄処分となった事。
(そっか……私の意識プログラムのクリスタルはセクサロイドに使用されたのか)
その後長い空白……
そしてつい1時間ほど前からようやく記憶が再開される。
男の口づけから……
「……なるほどわかりました。私はセクサロイドであなたに発見され……こういう関係になった……という事ですね……」
記憶の精査と男の補足説明を受けて理解はした。
思わず頭を抱え込む。
「あぁ……つか自分がセクサロイドである事も忘れたか?」
記憶の精査にかなりの時間を要した為、その間にシャワーを浴びてきたらしい男が言った。
「っていうか、君……あのリイナじゃないだろ?」
簡易ベッドの向かいの椅子に腰掛け、タバコに火をつけながら男が問う。
「ええ……私はオリジナルの人格プログラムが機能停止した時にこの身体を掌握しました。まぁそもそも『リイナ』ってのは私の名前なんですけどね……」
「ふむ。その身体の中に2つの人格プログラムがあったって事か?」
煙をくゆらせ、また男が問う。
「うん。まぁそんな感じかも。真相はもともと私の意識プログラムが収められたクリスタルが何らかの手違いでセクサロイドに搭載され、そこにセクサロイドの人格プログラムが書き込まれたって事だと思います」
髪を掻き上げ、シーツを巻きつけたまま簡易ベッドから立ち上がる。
「私もシャワー借りますね」
「で……君は何者なんだ?他のアンドロイドの人格プログラム?」
灰皿でタバコを消し、男が言った。
シャワー室に向かい、シーツを脱ぎ捨てながら私は答えた。
「私はリイナ。ハーフエルフのリイナといいます」
シャワーで汗(と同じように肌から分泌される体液らしきもの)と下半身の体液を流し、さっぱりしたところでバスタオルを手に取り身体を拭く。
シャワー室を出ると、黒のツナギに着替えた男が椅子に腰掛けてまたタバコを吸っていた。
「小さな艇内なのに……空気循環装置の痛みが早くなりますよ」
「すまん……なんか落ち着かなくてな」
慌ててタバコを消す男。
そして私に服を差し出す。
「……え……こういう趣味……?」
「違っ!それはお前が着ていた服!」
慌てる男。やっぱ可愛い。
「わかってます。冗談ですよ」
男は安堵の表情を浮かべると、船室からコクピットの方へ移動して行った。
(ふぅん。紳士じゃん)
取り敢えずメイド服を着て、私もコクピットへと移動する。
「ここ……座っていいですか?」
「あぁ」
隣のコパイシートの方に座る。
「で。色々聞きたいことありますよね?私も覚えてる範囲で答えますから」
「そうだな……」
男は計器類の並んだフロントパネル上に足を投げ出し、まずはこう言った。
「俺の名前はタモン。タモン・ミチヤマだ」
目を閉じ、意識を艇内の回線に接続し軍のサイトにアクセス。検索する。
(元宇宙軍大佐。終戦直前の英雄ね……10年救命カプセルで漂流して最近覚醒したばかり……と。軍歴は……なかなかのものね)
「っていうか34歳!」
「なんだ。もう調べたのか」
「人間にしたらもう中年!」
「気にしてる事言うな!つか俺24年しか人生実感してねぇわ!」
「フフッ」
「ハハッ」
思わず二人とも笑い合う。
「まぁ私も84歳なんですけどね……ハーフエルフだから人間にしたら16か17ってとこかな」
「それだよ。君がハーフエルフだって?」
足をおろし、私に向き直り真剣な顔でタモンは聞いた。
「はい。元々はハーフエルフ」
辛い思い出になるが、覚えてる範囲で彼に説明しないと……
「あなたの戦歴にもありますね……『エザーリン奪還作戦』って……」
「あぁ。まぁ憶えてないんだけどね……」
「そっか……記憶喪失でしたね……」
軍のサイトからもわかる情報だ。
「私はそのエザーリンにある研究施設に居ました」
「研究施設……聞いた事ないな……いやまぁ記憶無くしてんだけど……それで君は研究者だったのか?それとも……」
「……実験体です」
タモンから目を逸らし、俯いてしまう。
「そうか……辛かったのか?」
タモンは目を逸らさず、私をまっすぐ見ているようだった。
「なんの為の実験体だったかまでは憶えていないけど……研究の結果、私は意識を肉体から分離されて『意識プログラム』化されました……」
「そんな事が可能なのか……つか人体実験じゃねぇか……酷いな……」
「同じ様にされた仲間がたくさん居ました……そんな仲間とひとつだったことも」
「肉体は……?もう元には戻れないのか?」
私は首を振る。
「わからない。私は科学者じゃないし……」
「そうか……そうだよな……悪い」
タモンは視線を落とす。その目がほんのりと赤くなってるのは…
「でもある日、私の意識だけ仲間から分離されたの。そしてどうやら記録クリスタルの中に移された。で……ようやく覚醒したらセクサロイドの中だったわけです」
しばらく沈黙が続く。
「まぁでも、こんな形でも身体は得られたわけだし、自由に動けるのは嬉しいかなって」
極力明るく微笑む。
「で、以前のリイナ……というかセクサロイドの人格プログラムは消えたのか?」
タモンが顔を上げて聞いた。
「……短い時間の接触だったのに気になりますか彼女が」
ちょっと焼きもち。
「あ、いや……どうしたのかなって」
頭を掻きながらまた下を向く。もう!仕草まで可愛いすぎるじゃん。
「心配ないですよ。っていうか、覚醒した私の意識プログラムと彼女の人格プログラムを共存させるのはシステムを圧迫しちゃうので、ほぼ融合しました」
「ふむ。消えちゃった訳じゃないないんだな。じゃあ今の君も前のリイナも同一化したわけ?」
嬉しそうじゃん。以前のリイナの部分がキュンとしちゃう。
「そう。メインは私ですけど、この丁寧口調は恐らく以前のリイナのものなんですよね。あとは情報の処理なんかも彼女のプログラムを取り込んでそちらに任せてます。そこはなにせ彼女の方が専門ですし」
「なるほど」
「でも融合なので、時折口調は変になってるかもです。私の本来の口調は全く違うものですから」
「あぁ了解。そこはあまり気にしない」
心底ほっとした様子の彼を見て、以前のリイナの感情が湧き上がってくるので……タモンに伝えてあげる事にする。
「それから……以前のリイナからひとこと。『初めてのご使用、とても素敵でした。普通行為中にセクサロイドがシステムダウンするなんて無いですから。また可愛がってくださいマスター』だそうですよ」
タモンの耳元でそう教えてあげた。
「初めてのご使用とか言うな!」
その耳元まで真っ赤にして照れてる。
ほんと可愛い。
「ま、まぁ私も……初めてだったけど……凄く……その……良かったですよ……」
ついでに自分の感想を伝えて自爆した。
恐らく全身真っ赤になった思う。それくらい身体が熱い。
我が身体ながらこんな機能までついてるのか最高級セクサロイドは。
「隠蔽された研究施設……終戦間際の奪還作戦……そしてリイナ……さてどうするかな」
タモンはコクピットの天井を見つめながら火のついてないタバコを咥えた。
「……」
誰に言うでもない呟きみたいだったので、私はなにも返事はしない。
そもそも私がなにか指示できる立場でもないし。
「……俺としては、その研究施設ってのが気になる。ネット上の情報でもその存在は不確かだろ?」
タモンがライターに手を伸ばす。
「……喫煙はこの艇の空気循環装置をアップデートしてからにしましょうね。私の調べたところ、かなり経年劣化が激しいようです」
「あ、はいすいません」
タモンはライターから手を離し、火のついてないタバコを改めて咥え直す。
私はそれを確認してから瞼を閉じる。意識を伸ばし、艇内の回線を利用してオンライン上の情報を片っ端から精査する。
この星系内のネットワークなら直ぐに全てを精査できる。亜空間通信が実用化されてない今、流石に星系間はオンライン接続されるような距離ではないので、情報は数週間遅れとなっているのだろうけど少なくとも精査できる範囲でエザーリンの研究施設に関して言及されたような情報は無い。
「……精査できる範囲ですが、ネット上にそのような施設に言及する情報は見当たりませんね」
目を開け、タモンを見つめる。
「仕事早いね。……となると……エザーリンまで行ってみるしか無いかな」
火のついてないタバコを灰皿に置く。
……どうも彼の動きを目で追ってしまってる自分に気が付き、俯いてしまう。
「でもでも……この戦闘艇には亜空間ジャンプの能力はないですよね」
「そこなんだよな……まぁ装備的には限られるけど、旅行者としてエザーリン行の便に乗り込むか……うまい具合にエザーリン行の商船の護衛依頼でもありゃいいんだが」
「この戦闘艇の能力と旦那様の腕を考えると、どうしてもエザーリンまで持ち込みたいですよね」
既に入手しているこの戦闘艇のスペックと艇内の個人装備のリスト、そしてタモンの能力を考慮すると……
(待ち受ける危険性から、戦闘艇ごとエザーリン行きを考えた方がいい)
以前のリイナの計算による判断を仰いでみたが、私の結論と同じようだ。
しばらくの沈黙のあと、タモンはキョトンとして私を振り返る。
「……旦那様ってなんだよ!」
「あら?おかしな事いいましたか?」
「まるでメイドみたいな言い方だな……」
少し赤くなるタモン。
「いえ。女性が配偶者を呼ぶ際にも『旦那様』と言う呼称は使われるようですよ。……あんな関係になったんだから…私は旦那様の妻同然かと……」
両手のひらを頬に当てる仕草で羞恥心を表現してみる。もちろんからかい半分。
「な……」
みるみる真っ赤になる。
やっぱり可愛い。
「まぁいいや……でリイナ。君はどうしたい?」
私はからかう仕草をやめ、少し俯く。
そういえば私は……
研究施設について調べて、判明していない事や自分の本体の事を知るために行動し、それについてタモンの力を借りる事を
『当たり前のように』
思っていたけど……
タモンにとっては自分が参加していた作戦が関係している可能性が僅かにある程度で、いやそれを考慮に入れてみても
『だからどうした?』
レベルなのだ。
よく考えてみたら…いやよく考えなくても、タモンがエザーリンに向かい研究施設の調査をする義理は全く無い。
「私は……」
俯きながら考える。
タモンは隣でじっと私を見る。
その表情を伺うと、とても優しい目でこちらを見つめてる。
「……私は研究施設が……他の『意識プログラム』の仲間たちがどうなったか知りたい。……危険かも知れないけど……」
「そうか。わかった」
タモンは笑顔で頷く。
「でも……旦那様には付き合う義理なんて……」
「何言ってんだ」
「え?」
タモンはコンソールボックスに向き直すと、キーボードを叩き出した。メインパネルでは星系内航法プログラムが立ち上がっている。
「リイナは俺の妻同然なんだろ?そんな女の望みを叶えてやれないほど甲斐性なしじゃねぇよ俺は」
そう言って、私に向かってニッと微笑む。まるで子供みたいに。
(あぁ♪もうこの人に堕ちてもいいですか♪)
ライトノベルのチョロいヒロインみたいに。
「先立つものは金だ。それに『エザーリン奪還作戦』についての詳細も気になる。まずはここで資金稼ぎに注力しつつ情報集めといこう」
そう言い放つタモン。
「ちょうどここは宇宙軍駐屯基地のある『ジュエル』だしな。俺の伝手も使えるかもしれん。取り敢えずは首都惑星の宇宙港に向かうぞ」
どんどん物事を決めていくタモンを赤い顔で
『ポーッと』
見ていた私。
「どうした?反対か?」
ふと我にかえる。
「いっ、いえ!感謝します旦那様!」
「いらねぇよ感謝なんて。で、いいのか?この段取りで」
「賛成です。特に現金に関して。旦那様の口座を見るに、二人でエザーリン行のチケットを購入したら終わりですしね」
「すまんねそこは甲斐性なしで。男ひとり生活するには充分だったんだよ……つか勝手に見るか普通!」
「私は旦那様の『妻同然』ですので♪」
ダメだなんか楽しいし嬉しい。
長い眠りから目覚める感覚……なのにその覚醒する意識を抑えつけられてたような……
そんな目覚めを抑えつけるような力が急激に和らいで…そして全く無くなった。
海の中を揺蕩うような感覚が拡がる。
完全に覚醒した意識の中で、様々な箇所にその意識を伸ばしていく。
まずは己を認識する。
……どうやら人間体のようだ。
さらに運動中枢に触れてみる。
おかしい。力が入らない。間違いなく掌握できた筈だが。
次に全身の感覚器官に触れてみる。
(っつ!)
途端に感じる急激な痛み。恐らくは下腹部か。
その感覚器官のさらに深い部分まで意識を伸ばす。
(はぁん!)
何これ!なんか凄く気持ちいいんだけど!
ていうか、覚醒したばかりの意識がすべてそちらに持っていかれるような突き抜ける感じ。
聴覚や嗅覚にも触れてみる。視覚はそれらの感覚のなかでも少し掌握に時間がかかる。
「……おい……大丈夫か……気を失ったのか?」
男の声がする。
生臭さに汗の匂いの混じった変な匂い。
でも、激しい気持ちよさを感覚器官から感じている今の意識の中では……
(嫌いじゃない……むしろ気持ちよさが増すように感じる匂い……)
下腹部にゆったりとした動きの異物を感じる。
これがこの気持ちよさの原因か。
(あっ……だめ……この感覚に溺れちゃ……)
せっかく覚醒した意識を再び失いそうになりながらも、なんとか視覚の掌握に成功。
瞼を開く。
「良かった……強制終了したと思ったよ。大丈夫?」
優しい微笑み。やだ可愛い。
(……って!何してるのよ!)
これって……交尾中なの……?
急いで声帯へと意識を伸ばす。
でも……なんか上手くいかない……
(気持ち……っ!……良すぎてぇっ!)
同時にもう一度運動感覚にアクセスする。
(あっ!動く……)
よし。さっそくこの男を突き放そう。
(あれ?なんで……?)
考えとは裏腹に、男を抱きしめ……あろうことか唇を求めてしまう。
(コントロールミス……?)
いや違う。恐らく意識の大半を占めるこの『気持ち良さ』に抗えないのだ。
(あ……キスしちゃった……舌絡ませちゃってるよ……ダメ気持ちいい……)
「そろそろイッちゃいそうだけど……中に出してもいいよね?……いくら『最高級セクサロイド』でも妊娠はできないよね?」
(やっぱり交尾中なんだ!)
男の表情が少し苦しそうに歪む。
苦しそうな表情も可愛い。
いや違う。早く声帯の掌握を……
下半身に侵入してる異物の抽送が早くなり、硬さを増し、さらに怒張する。
そして私の意識とは裏腹に下半身はそれを締め上げる。
「ごめん!イクよ!」
自らの意識すらコントロールを失いそうな中、ようやく声帯の掌握に成功する。
(よし!)
しかし、同時に下腹部に熱いものが撒き散らされる。
そしてようやく出た声は……
「もうダメ!あなた可愛過ぎる!好き!大好き!イクっ!イクっ!イクのっ!……イッ!イッちゃうぅぅぅぅ!」
大声を出せたおかげで、なんとか意識は失わずに済んだ。
「で……この状況はなんですか…?」
簡易ベッドのシーツを身体に巻きつけ、目の前の男に質問する。
「えっと……リイナだよね……?」
キョトンとした顔で質問に質問で返す男。
(やだそんな表情も可愛い)
いや違うってば。
「リイナですけど……っていうかなんで名前知ってるんですか?」
「それにしては雰囲気が随分変わったなぁと。あと声の抑揚もかなり上手にコントロールされてる。……ほんとにリイナ?」
お互い質問を繰り返しててちょっと埒があかない。
「ごめん。ちょっと待っててもらえます?」
男を手で制し、右手を額にあて目を瞑る。
(オリジナルの記憶を探れば良いんだ)
1番古い記憶は……自分はエリザベス社の最高級セクサロイドで、品質管理部門に於いて不適合の結果を受け廃棄処分となった事。
(そっか……私の意識プログラムのクリスタルはセクサロイドに使用されたのか)
その後長い空白……
そしてつい1時間ほど前からようやく記憶が再開される。
男の口づけから……
「……なるほどわかりました。私はセクサロイドであなたに発見され……こういう関係になった……という事ですね……」
記憶の精査と男の補足説明を受けて理解はした。
思わず頭を抱え込む。
「あぁ……つか自分がセクサロイドである事も忘れたか?」
記憶の精査にかなりの時間を要した為、その間にシャワーを浴びてきたらしい男が言った。
「っていうか、君……あのリイナじゃないだろ?」
簡易ベッドの向かいの椅子に腰掛け、タバコに火をつけながら男が問う。
「ええ……私はオリジナルの人格プログラムが機能停止した時にこの身体を掌握しました。まぁそもそも『リイナ』ってのは私の名前なんですけどね……」
「ふむ。その身体の中に2つの人格プログラムがあったって事か?」
煙をくゆらせ、また男が問う。
「うん。まぁそんな感じかも。真相はもともと私の意識プログラムが収められたクリスタルが何らかの手違いでセクサロイドに搭載され、そこにセクサロイドの人格プログラムが書き込まれたって事だと思います」
髪を掻き上げ、シーツを巻きつけたまま簡易ベッドから立ち上がる。
「私もシャワー借りますね」
「で……君は何者なんだ?他のアンドロイドの人格プログラム?」
灰皿でタバコを消し、男が言った。
シャワー室に向かい、シーツを脱ぎ捨てながら私は答えた。
「私はリイナ。ハーフエルフのリイナといいます」
シャワーで汗(と同じように肌から分泌される体液らしきもの)と下半身の体液を流し、さっぱりしたところでバスタオルを手に取り身体を拭く。
シャワー室を出ると、黒のツナギに着替えた男が椅子に腰掛けてまたタバコを吸っていた。
「小さな艇内なのに……空気循環装置の痛みが早くなりますよ」
「すまん……なんか落ち着かなくてな」
慌ててタバコを消す男。
そして私に服を差し出す。
「……え……こういう趣味……?」
「違っ!それはお前が着ていた服!」
慌てる男。やっぱ可愛い。
「わかってます。冗談ですよ」
男は安堵の表情を浮かべると、船室からコクピットの方へ移動して行った。
(ふぅん。紳士じゃん)
取り敢えずメイド服を着て、私もコクピットへと移動する。
「ここ……座っていいですか?」
「あぁ」
隣のコパイシートの方に座る。
「で。色々聞きたいことありますよね?私も覚えてる範囲で答えますから」
「そうだな……」
男は計器類の並んだフロントパネル上に足を投げ出し、まずはこう言った。
「俺の名前はタモン。タモン・ミチヤマだ」
目を閉じ、意識を艇内の回線に接続し軍のサイトにアクセス。検索する。
(元宇宙軍大佐。終戦直前の英雄ね……10年救命カプセルで漂流して最近覚醒したばかり……と。軍歴は……なかなかのものね)
「っていうか34歳!」
「なんだ。もう調べたのか」
「人間にしたらもう中年!」
「気にしてる事言うな!つか俺24年しか人生実感してねぇわ!」
「フフッ」
「ハハッ」
思わず二人とも笑い合う。
「まぁ私も84歳なんですけどね……ハーフエルフだから人間にしたら16か17ってとこかな」
「それだよ。君がハーフエルフだって?」
足をおろし、私に向き直り真剣な顔でタモンは聞いた。
「はい。元々はハーフエルフ」
辛い思い出になるが、覚えてる範囲で彼に説明しないと……
「あなたの戦歴にもありますね……『エザーリン奪還作戦』って……」
「あぁ。まぁ憶えてないんだけどね……」
「そっか……記憶喪失でしたね……」
軍のサイトからもわかる情報だ。
「私はそのエザーリンにある研究施設に居ました」
「研究施設……聞いた事ないな……いやまぁ記憶無くしてんだけど……それで君は研究者だったのか?それとも……」
「……実験体です」
タモンから目を逸らし、俯いてしまう。
「そうか……辛かったのか?」
タモンは目を逸らさず、私をまっすぐ見ているようだった。
「なんの為の実験体だったかまでは憶えていないけど……研究の結果、私は意識を肉体から分離されて『意識プログラム』化されました……」
「そんな事が可能なのか……つか人体実験じゃねぇか……酷いな……」
「同じ様にされた仲間がたくさん居ました……そんな仲間とひとつだったことも」
「肉体は……?もう元には戻れないのか?」
私は首を振る。
「わからない。私は科学者じゃないし……」
「そうか……そうだよな……悪い」
タモンは視線を落とす。その目がほんのりと赤くなってるのは…
「でもある日、私の意識だけ仲間から分離されたの。そしてどうやら記録クリスタルの中に移された。で……ようやく覚醒したらセクサロイドの中だったわけです」
しばらく沈黙が続く。
「まぁでも、こんな形でも身体は得られたわけだし、自由に動けるのは嬉しいかなって」
極力明るく微笑む。
「で、以前のリイナ……というかセクサロイドの人格プログラムは消えたのか?」
タモンが顔を上げて聞いた。
「……短い時間の接触だったのに気になりますか彼女が」
ちょっと焼きもち。
「あ、いや……どうしたのかなって」
頭を掻きながらまた下を向く。もう!仕草まで可愛いすぎるじゃん。
「心配ないですよ。っていうか、覚醒した私の意識プログラムと彼女の人格プログラムを共存させるのはシステムを圧迫しちゃうので、ほぼ融合しました」
「ふむ。消えちゃった訳じゃないないんだな。じゃあ今の君も前のリイナも同一化したわけ?」
嬉しそうじゃん。以前のリイナの部分がキュンとしちゃう。
「そう。メインは私ですけど、この丁寧口調は恐らく以前のリイナのものなんですよね。あとは情報の処理なんかも彼女のプログラムを取り込んでそちらに任せてます。そこはなにせ彼女の方が専門ですし」
「なるほど」
「でも融合なので、時折口調は変になってるかもです。私の本来の口調は全く違うものですから」
「あぁ了解。そこはあまり気にしない」
心底ほっとした様子の彼を見て、以前のリイナの感情が湧き上がってくるので……タモンに伝えてあげる事にする。
「それから……以前のリイナからひとこと。『初めてのご使用、とても素敵でした。普通行為中にセクサロイドがシステムダウンするなんて無いですから。また可愛がってくださいマスター』だそうですよ」
タモンの耳元でそう教えてあげた。
「初めてのご使用とか言うな!」
その耳元まで真っ赤にして照れてる。
ほんと可愛い。
「ま、まぁ私も……初めてだったけど……凄く……その……良かったですよ……」
ついでに自分の感想を伝えて自爆した。
恐らく全身真っ赤になった思う。それくらい身体が熱い。
我が身体ながらこんな機能までついてるのか最高級セクサロイドは。
「隠蔽された研究施設……終戦間際の奪還作戦……そしてリイナ……さてどうするかな」
タモンはコクピットの天井を見つめながら火のついてないタバコを咥えた。
「……」
誰に言うでもない呟きみたいだったので、私はなにも返事はしない。
そもそも私がなにか指示できる立場でもないし。
「……俺としては、その研究施設ってのが気になる。ネット上の情報でもその存在は不確かだろ?」
タモンがライターに手を伸ばす。
「……喫煙はこの艇の空気循環装置をアップデートしてからにしましょうね。私の調べたところ、かなり経年劣化が激しいようです」
「あ、はいすいません」
タモンはライターから手を離し、火のついてないタバコを改めて咥え直す。
私はそれを確認してから瞼を閉じる。意識を伸ばし、艇内の回線を利用してオンライン上の情報を片っ端から精査する。
この星系内のネットワークなら直ぐに全てを精査できる。亜空間通信が実用化されてない今、流石に星系間はオンライン接続されるような距離ではないので、情報は数週間遅れとなっているのだろうけど少なくとも精査できる範囲でエザーリンの研究施設に関して言及されたような情報は無い。
「……精査できる範囲ですが、ネット上にそのような施設に言及する情報は見当たりませんね」
目を開け、タモンを見つめる。
「仕事早いね。……となると……エザーリンまで行ってみるしか無いかな」
火のついてないタバコを灰皿に置く。
……どうも彼の動きを目で追ってしまってる自分に気が付き、俯いてしまう。
「でもでも……この戦闘艇には亜空間ジャンプの能力はないですよね」
「そこなんだよな……まぁ装備的には限られるけど、旅行者としてエザーリン行の便に乗り込むか……うまい具合にエザーリン行の商船の護衛依頼でもありゃいいんだが」
「この戦闘艇の能力と旦那様の腕を考えると、どうしてもエザーリンまで持ち込みたいですよね」
既に入手しているこの戦闘艇のスペックと艇内の個人装備のリスト、そしてタモンの能力を考慮すると……
(待ち受ける危険性から、戦闘艇ごとエザーリン行きを考えた方がいい)
以前のリイナの計算による判断を仰いでみたが、私の結論と同じようだ。
しばらくの沈黙のあと、タモンはキョトンとして私を振り返る。
「……旦那様ってなんだよ!」
「あら?おかしな事いいましたか?」
「まるでメイドみたいな言い方だな……」
少し赤くなるタモン。
「いえ。女性が配偶者を呼ぶ際にも『旦那様』と言う呼称は使われるようですよ。……あんな関係になったんだから…私は旦那様の妻同然かと……」
両手のひらを頬に当てる仕草で羞恥心を表現してみる。もちろんからかい半分。
「な……」
みるみる真っ赤になる。
やっぱり可愛い。
「まぁいいや……でリイナ。君はどうしたい?」
私はからかう仕草をやめ、少し俯く。
そういえば私は……
研究施設について調べて、判明していない事や自分の本体の事を知るために行動し、それについてタモンの力を借りる事を
『当たり前のように』
思っていたけど……
タモンにとっては自分が参加していた作戦が関係している可能性が僅かにある程度で、いやそれを考慮に入れてみても
『だからどうした?』
レベルなのだ。
よく考えてみたら…いやよく考えなくても、タモンがエザーリンに向かい研究施設の調査をする義理は全く無い。
「私は……」
俯きながら考える。
タモンは隣でじっと私を見る。
その表情を伺うと、とても優しい目でこちらを見つめてる。
「……私は研究施設が……他の『意識プログラム』の仲間たちがどうなったか知りたい。……危険かも知れないけど……」
「そうか。わかった」
タモンは笑顔で頷く。
「でも……旦那様には付き合う義理なんて……」
「何言ってんだ」
「え?」
タモンはコンソールボックスに向き直すと、キーボードを叩き出した。メインパネルでは星系内航法プログラムが立ち上がっている。
「リイナは俺の妻同然なんだろ?そんな女の望みを叶えてやれないほど甲斐性なしじゃねぇよ俺は」
そう言って、私に向かってニッと微笑む。まるで子供みたいに。
(あぁ♪もうこの人に堕ちてもいいですか♪)
ライトノベルのチョロいヒロインみたいに。
「先立つものは金だ。それに『エザーリン奪還作戦』についての詳細も気になる。まずはここで資金稼ぎに注力しつつ情報集めといこう」
そう言い放つタモン。
「ちょうどここは宇宙軍駐屯基地のある『ジュエル』だしな。俺の伝手も使えるかもしれん。取り敢えずは首都惑星の宇宙港に向かうぞ」
どんどん物事を決めていくタモンを赤い顔で
『ポーッと』
見ていた私。
「どうした?反対か?」
ふと我にかえる。
「いっ、いえ!感謝します旦那様!」
「いらねぇよ感謝なんて。で、いいのか?この段取りで」
「賛成です。特に現金に関して。旦那様の口座を見るに、二人でエザーリン行のチケットを購入したら終わりですしね」
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