9 / 22
第一章・始まりは…
09・勘違いの腹いせは…何故か、筋違い (6/24加筆)
しおりを挟む~6/24加筆いたしました♪~
リュシフェルとミナールとヴィクトァールの関係について加筆しましたので、以前よりも分かりやすく、現在進行中のお話へと繋がり易くなったと思っております。
お時間がある時にご覧になっていただけたら大変嬉しいです😊
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。.
学院生憧れの存在である先輩ヴィクトァールと親しく会話するようになったリュシフェルはヴィクトァールと交わした約束に次第と頭を悩ませるようになっていた。
ミナールがヴィクトァールのことを諦めるまでと期限を付けて交わした約束だったが、一向にミナールはヴィクトァールのことを諦める気配がないのだ。
ミナールがヴィクトァールのことを諦めず付き纏う回数が増えるにつれ、必然リュシフェルがヴィクトァールから誘われる機会も増えていく。
その度にヴィクトァールとの約束通りミナールの前では恋人同士として振る舞うリュシフェルをミナールは目の敵にして突っかかって来るようになった。
最初は、ヴィクトァールに恋人が居ればミナールとて直ぐに諦めるものと考えいたからこそ了承した約束である。
まさか、こんなことになってしまうなど予想もしていなかった。
思えば、ヴィクトァールは約束の前に話していたではないか!『もしかしたら君にも迷惑がかかるかもしれないから断ってもらっても全く構わない』と。
先日も疲れた様子のリュシフェルを気遣い、恋人の振りを中止しようかとまでヴィクトァールは申し出てくれたのだ。
安易に引き受けてしまった責任は自分にある。今更、恋人の振りを止める訳にもいかずリュシフェルの悩みは尽きるない。
ミナールの件は頭が痛いばかりだが、良いことなのだろうかヴィクトァールとリュシフェルが接する機会もミナールの根性並みに増えていく。
大人びたヴィクトァールのさりげない心遣いに触れる度にリュシフェルが抱くヴィクトァールへの好感は高まっていった。
恋に対して未熟なリュシフェルは次第にヴィクトァールのことを思えばふわふわと夢見心地になるように変わっていく。
しかも学院卒業後は王都から遠く離れた領地ロックフォースに戻るヴィクトァールとは滅多なことでは会えなくなってしまう。
卒業まで残り数ヶ月ということさえもリュシフェルの心を揺さぶっていく。
それに…
少しはオリフェウスの方から気に掛けてくれても…という気持ちがリュシフェルの心に引っかかりを残していた。
親しく接する(恋人の振りまでしている)先輩は皆が憧れる存在なのだ。
ほんの僅かでいい、嫉妬を見せてくれてもいいではないか、と。
そんな揺れるリュシフェルに気が付いたヴィクトァールはリュシフェルへの攻勢を深めていく。
付き纏うミナールが煩わしさを増していることも手伝い、ヴィクトァールとリュシフェルが恋人同士として振る舞う機会は着実に増えていった。
次第に学院内の様々な場所でも恋人として振る舞う場面が繰り広げられていく。
その為、学院内でもリュシフェルとヴィクトァールは恋人同士であるとの認識を持つ者まで現れるようになってしまった。
だが、流石と言っていいのかミナールもなかなかの者である。
「ヴィクトァール様ったら酷いわ…」
「何のことだろうか、コームプシェ男爵令嬢?」
「いくら私の気を惹きたいからと言ってもリュシフェル様のことを利用するなんて!
…そうまでして私の気を惹きたいのですか?」
「……はっ⁈ …ゴホンゴホン!…失敬、失礼した」
ミナールの返答の凄まじさにヴィクトァールは思わず声を上げてしまい取り乱すところだった。
「君には悪いが、私はリュシフェル嬢を利用などしていない。それどころか、彼女のことを真剣に思っているのだ。
君こそ、いい加減その馬鹿げた空想から目を覚ましてくれないか?」
「ま、酷い!いくら私に嫉妬させようとしての言葉だとしても許せませんわ!」
四阿での話し合いの通りリュシフェルとは恋人同士としてミナールの前で振る舞っているはずなのに、返ってきた言葉はこれである。
ヴィクトァールは頭が痛むのを通り越して眩暈までしてくるようだった。
いい加減ミナールを本格的に何とかしなければならないとヴィクトァールも真剣に危機感を募らせ始めていた。
ミナールが理解するかどうかは不明だが、自分にはミナールへの気持ちはないことをきちんと分からせなければならない。
その上で、リュシフェルをうまく取り込む為には何が必要であるかを考える。
もうすぐ卒業だ、愛しいリュシフェルにも簡単には会えなくなってしまう。
そうか…「卒業」だ!
卒業パーティーでのダンスパートナーは必須。だからこそ、この誘いは使える。
ヴィクトァールの冴え渡る頭脳は閃いた。
まず、ミナールが卒業パーティーでのパートナーにまで勝手に立候補してきて困惑していることをリュシフェルへ告げるのだ。
その後、卒業パーティーでのダンスパートナーをリュシフェルへ正式な形で申し込んでしまえばいい。
ミナールの迷惑行為を知るリュシフェルのことだ、簡単にはこの誘いを断らないだろうとヴィクトァールは踏んだのである。
「ミナールにはあと、ひと働きしてもらわねば…」
大変な自信家であり、男爵家への融資話の件で逆恨みをしているリュシフェルに対して対抗意識を燃やすミナールは、よりによってリュシフェルを恋人扱いするヴィクトァールに対して甚く腹を立てていた。
苛立ちの収まらないミナールはリュシフェルを卒業パーティへ誘おうとしているオリフェウスに目を付ける。
一向にリュシフェルと付き合う気配の見えないオリフェウスに対して、ヴィクトァールとリュシフェルの仲を大袈裟に伝えれば、もしかしたら焦ったオリフェウスはリュシフェルに告白するかもしれない。
そうなれば、ヴィクトァールだってリュシフェルを恋人として利用できなくなる。
偽の恋人リュシフェルさえ居なくなればヴィクトァールも観念して気持ちに素直になりミナールの元へと来ざるを得ないだろう、と考えたのだ。
勿論、男爵家への融資話が無効にならないようリュシフェルとオリフェウスの仲を取り持つようなヘマな真似など鼻からするつもりはないが。
「ふふふ…覚悟なさいよ!オリフェウス様を利用して、私とヴィクトァール様の邪魔をするリュシフェル様へ目にものを見せてあげるんだから…!」
傍迷惑なミナールは筋違いの腹いせを哀れリュシフェルとオリフェウスへと向けたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫「お前は価値がない女だ。太った姿を見るだけで吐き気がする」若い彼女と再婚するから妻に出て行け!
佐藤 美奈
恋愛
華やかな舞踏会から帰宅した公爵夫人ジェシカは、幼馴染の夫ハリーから突然の宣告を受ける。
「お前は価値のない女だ。太った姿を見るだけで不快だ!」
冷酷な言葉は、長年連れ添った夫の口から発せられたとは思えないほど鋭く、ジェシカの胸に突き刺さる。
さらにハリーは、若い恋人ローラとの再婚を一方的に告げ、ジェシカに屋敷から出ていくよう迫る。
優しかった夫の変貌に、ジェシカは言葉を失い、ただ立ち尽くす。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】私たち白い結婚だったので、離婚してください
楠結衣
恋愛
田舎の薬屋に生まれたエリサは、薬草が大好き。薬草を摘みに出掛けると、怪我をした一匹の子犬を助ける。子犬だと思っていたら、領主の息子の狼獣人ヒューゴだった。
ヒューゴとエリサは、一緒に薬草採取に出掛ける日々を送る。そんなある日、魔王復活の知らせが世界を駆け抜け、神託によりヒューゴが勇者に選ばれることに。
ヒューゴが出立の日、エリサは自身の恋心に気づいてヒューゴに告白したところ二人は即結婚することに……!
「エリサを泣かせるなんて、絶対許さない」
「エリサ、愛してる!」
ちょっぴり鈍感で薬草を愛するヒロインが、一途で愛が重たい変態風味な勇者に溺愛されるお話です。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
2/26 番外編を投稿しました。
読んでいただけると嬉しいです。
思っていたよりずっとたくさん読んでいただいていてとても嬉しいです。
とてもとてもありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる