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第一章・始まりは…
12・Let's 修羅場ランバ♪
しおりを挟む~お詫び~
視点変換が多く内容が分かりづらいのではないかと考え、昨日6/22更新の11話を分割し11話と12話へと変更いたしました。
しおりを挟んでいらした方には深くお詫び申し上げます🙇♀️
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。.
木陰でふたりのやり取りを覗き見ていたミナールは慌ててしまった。
まさかヴィクトァールが『願いの泉』の前で、リュシフェルに『パートナー』の申し込みを行うなどとは考えていなかったからだ。
これでは正式な婚約申し込みと同じ扱いではないか!
以前、ヴィクトァールが『パートナー』として望んでいると話していた『御令嬢』とはミナールではなくリュシフェルだと告げているのも同然だ!!
ちょっと待って!これは由々しき大問題である!是非ともヴィクトァールを問い質さなければならない…
身を潜めていた木陰からその身を滑らせたミナールは、女神像の前にいるヴィクトァールとリュシフェルの所まで歩み出していく。
怒りに身を任せるように令嬢の嗜みなど忘れたかの如く踏み締める足音を響かせながら…
ーーガサッ!
突然、木陰から聞こえてきた物音に気付いたふたりは視線をそちらへと向ける。
視線の先に居たのは、怒りに榛色の瞳を光らせ足取りも荒く近付いてくるミナールだった。
「ヴィクトァール様!貴方様のお相手はこの私であることをお忘れですのっ⁈
私を蔑ろにするのもいい加減になさってくださらない?我慢も限界に来ますわ!」
そう言うが早いか、ミナールはヴィクトァールの手を取ろうと横から手を伸ばしてくる。
跪いているヴィクトァールはあからさまに顔を顰め、ミナールの手からその身を躱す。
「コームプシェ男爵令嬢!やめてくれないか!」
「どうしてですの?こんな茶番など早くお止めになって!!私の気持ちはヴィクトァール様のものですのに…酷い!
それにリュシフェル様を『パートナー』に選ぶなど、いくら私でも許せないこともございますわよ?」
ミナールの言葉に、思わずヴィクトァールは絶句してしまった。
話が通じなさ過ぎて二の句を告げることもできない。
あまりにも酷いミナールとヴィクトァールの様子をリュシフェルは見ていられなくなってしまった。
半ば無意識のうちに目の前へと差し出されていたヴィクトァールの手を取るとリュシフェルは、
「ヴィクトァール様、お引き受けいたしますわ」
「ありがとう…リュシフェル嬢!」
ヴィクトァールはリュシフェルのアメジストの瞳を甘く見詰めながら、自らの想いを込めるようにその華奢な手をきつくきつく握り締めた。
「コームプシェ男爵令嬢!私は君のことなど好いてはいない!
これで理解してくれたか?私がこの心を捧げる相手はリュシフェル嬢ただひとりなのだ」
「な、何を仰っいますの?ヴィクトァール様は私の気を引く為にリュシフェル様を利用なさっているだけ、ですわよね?」
「…まだ分からないのか?私の想いは以前よりリュシフェル嬢にのみ向かい捧げられていることを」
俯き青褪めるミナールはギュッと唇を噛み締めた。
そしておもむろに顔を上げると、キッとリュシフェルを睨み据える。
「リュシフェル様はどうなんですの?ヴィクトァール様のことを深く思っていらっしゃいますの?」
燃え盛る炎のように力の込められた榛色の瞳でリュシフェルを見据えるミナールの姿を目にしたヴィクトァールはリュシフェルへ懇願の目配せを送る。
リュシフェルはヴィクトァールが発した意図を素早く察すると、ミナールへ最後通牒を突き付ける時がやって来たことを知る。
「ええ!私はヴィクトァール様のことを深くお慕いしておりますわ…!」
「リュシフェル嬢、私も君のことを誰よりも深く愛している!」
二人のやりとりを目の当たりにしたミナールはカッとなり益々頭に血を昇らせ、込み上げてくる怒りと羞恥にワナワナと身を震わせている。
「許せませんわ…」
獲物を狙う肉食獣のようにリュシフェルを睨み据えるミナールの顔は凶悪だ。
怒りに震え睨むミナールを牽制しながらリュシフェルを守るようにヴィクトァールはミナールへと力強い威圧を掛ける。
あわや、一触即発という雰囲気が漂う。
そんな険悪な雰囲気漂う場へ足音もなく静かに現れたのはオリフェウスだった。
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