【R-18・3話完結】ミステリアスな同級生女子は、お見舞いにフェラをする

ミズガメッシュ

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後編

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「ちょっと、聞いてるの圭太郎!」
「ん?あ、ああ…聞いているよ、若菜」
「なによ?入院していて気が滅入ったわけ?」

 あれから10分後、若菜がお見舞いに来た。こうやって話しているが、さっきまでのことがあり、上の空だ。
 神永さんは何であんなことを…
 何より、こうやって俺のことを心配してくれる若菜に対して、罪悪感が込み上げる。

「そうそう!病院の玄関でね!ばったり神永さんに会ったの!」

 「神永さん」という言葉に、心臓が飛び出しそうになった。俺は慌てて平静を保とうとする。

「そ、そうなんだ」
「なんかね、親戚の人のお見舞いに来ていたみたい」
「へ、へえ…」
「圭太郎がここに入院しているから、一緒にお見舞いに行かないって誘ったんだけど、断られちゃった」
「い、いつも通り、謎な人だな…」
「でもね!一緒に売店に行って、お見舞いの品を買ってくれたの!やっぱり優しいんだよ!はい、これ!」

 若菜は袋から、手のひらサイズのケースを取り出した。人気のチョコレートのお菓子だ。ケースには、メッセージカードがテープで貼り付けられている。

「これ、神永さんからね!ちゃんとメッセージも書いてくれたんだからね」
「い、意外だな」

 俺はケースを受け取ると、テープを剥がし、メッセージカードを読む。

「早く元気になって下さい」

 あまりにも味気ない一文に、ガクッと肩を落としてしまう。
 やっぱり、何を考えているか分からない。そう思い、お菓子のケースの方に目をやる。メッセージカードが貼り付けてあった箇所に、小さく文字が書かれていた。

「ごちそうさま」

 その一文を見た瞬間、身体がじんと熱くなった。



 あれから俺は回復も順調で無事に退院した。学校生活も何も変わったところはない。いつも通りに仲間とワイワイ過ごしたり、若菜とデートをしたり…
 神永さんも相変わらずだ。誰とも積極的に話すことはなく、何もかも謎に包まれたままだ。
 そう。入院前と変わらない、いつも通りの学校生活だ。
 ただ、神永さんを見るたびに、あの日の記憶が蘇る。どうしようもなく身体が熱くなってしまう。
 今も、そうだ…
 神永さんが俺の視線に気がついた。そして、あの日のように、ニヤリと笑った。
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