帝国の華~こんな僕で良いのでしょうか?

ジミー

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「うわ~!すごい!こんなにも違うなんて・・・!緑が濃くてなんていい空気なんでしょう!」
僕は初めて国を出て心細かったのも忘れ馬車の中から外を見ます。
馬車の外には帝国の女性兵士が馬に騎乗していましたが、僕を見ながらクスクス笑っていたのも分かりませんでした。


僕はガンゼル国の第20皇子のカロン。
父王の末子で、母が元侍女と身分が低い事で役に立たない皇子として王宮の離宮に飼い殺しにされていました。
父王とは会った事もなく、これからも会う事も無いだろうと諦観していました。
でも昨日急に王宮に呼び出され、レテルリア帝国の女王陛下に婿入りするように言われました。
「レテルリアの女狐め!このままで済むと思うな!」
父王の最後の言葉は意味が分からず戸惑っていると、父王は僕の事など見もせずに玉座から降りて謁見の間から出て行きました。
僕はどうすれば良いのか分からずおろおろしていると、宰相のベサイガが話し掛けてきました。
「カロン皇子、身の回りの物をまとめて明日の朝一で帝国に出発しますので、足を引っ張る事はしないで下さい。良いですね。」
「・・・はい。」
宰相が促し僕は離宮に戻りました。
離宮には母上が待っていて、不安そうにしていました。
「・・・カロン、陛下のお話は何だったの・・・?」
「母上、僕はレテルリア帝国に婿入りするそうです・・・。」
「・・・レテルリア帝国!そんなに遠くに行ってしまうの・・・!私達は離れ離れになってしまうのね・・・!カロン、ごめんなさい。私に身分があればこんな事にはならなかったのに・・・!」
取り乱す母上は床に崩れ落ちる。
「母上!」
僕は母上をソファーに座らせた。
「母上、きっとお迎えに上がります。それまでお元気で。どうか悲観なさらず、生きてまたお会いしましょう・・・!」
母上は僕に抱きつきおいおいと泣き出しました。
それにつられ僕も涙を流した。




「はあ・・・。」
レテルリア帝国の女王、マルガリーテ・レテルリアはため息を吐く。
「全く。この私に若い男を宛かって来るとはな。ガンゼル国の王は私をとんだ男好きだと思っている様だのう。」
宰相のタナソーリアはクスクス笑う。
「仕方ありません。女王陛下はまだお若いし、ガンゼル国の皇子の種の王女様がお産まれになれば、それだけこのレテルリア帝国の内政に介入できると考えたのでしょう。」
「ふん!あの男の思う通りにはさせんぞ!ガンゼル国は我がレテルリア帝国には劣るが、軍事力もそこそこ強く、男尊女卑をしてきた国だ。そんな国の皇子がどんな男かとくと見てやろうぞ!気に入らなければ即冷宮送りにするぞよ!」
タナソーリアは頭を下げる。
「はい。なまじガンゼル国の血が入るのは慎重にならなければなりませんので、お気に召さなければすぐに冷宮にご案内致しましょう。」
私とタナソーリアはニヤリと嗤いあう。
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