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20~最終回~。
しおりを挟む一月後、僕は産まれたばかりの王女様を抱いていました。
王女様は、僕の事が父親と分かっているのかのように、僕が抱いても泣きません。
王女様のお名前はカロリーヌ。
マルガリーテ様は、王女様のお名前に僕の名前を入れてくれたのです。
恐れ多くてお名前を呼ぶことはできませんが、カロリーヌ様の名を聞くと嬉しくなります。
「王女様、お元気にお育ち下さいね。」
「ぶあー。」
王女様が返事をしてくれます。
「ふふふ。カロンよ、私よりもカロリーヌの方が好きと見える。」
マルガリーテ様は笑って言います。
「・・・あ、あの・・・!」
僕は顔を赤くして何と返そうか悩み、王女様を乳母殿に渡してマルガリーテ様の元に行きます。
「・・・あの、王女様の事は好きです!でも・・・!マルガリーテ様の事は愛しています・・・!」
恥ずかしくて、目が潤みます。
「ふふふ。愛いのう。」
その時、アーサンが来てマルガリーテ様に耳打ちしました。
マルガリーテ様はにやりと笑います。
・・・?
「カロン、約束通りプレゼントをやろうぞ。」
「プレゼント・・・?」
何でしょうか・・・?
後ろから人の気配がして振り向くと、そこには母上が立っていました!
「・・・カロン・・・!」
「母上・・・!」
ああ・・・!
なんてことでしょう・・・!
僕は母上と抱き合い泣きます・・・!
「カロン、いい子じゃ。」
はっとして、僕と母上はマルガリーテ様に膝を付いてお礼をします!
「マルガリーテ様!ありがとうございます!このご恩をどの様にお返しすればいいのか・・・!」
「女王陛下、お初にお目に掛かります。カロンの母のリンでございます。カロンへのこのようなご恩情、勿体なく存じます。」
母上も泣いていました!
「二人とも、良いよ。立ちや。」
「「はい。」」
マルガリーテ様は、寛大な笑顔で僕達を見ていました。
「母御、これがカロンの子。カロリーヌじゃ。抱いて下され。」
母上は泣きながら頷き、王女様を抱き上げます。
「あー。」
王女様も何か感じるのか、母上に手を伸ばします。
「ああ・・・!この腕にカロンの子を抱けるなんて・・・!これだけで、もう死んでもいいです・・・!」
母上の涙にマルガリーテ様は笑います。
「母御。死んでは困る。これからも孫が沢山できる予定なのじゃから。母御は孫をもっと抱きたいと思わなんだか?」
「はい・・・!はい・・・!もっと抱きたいです!女王陛下、ありがとうございます・・・!」
こんな幸せがあるなんて、信じられません・・・!
ああ・・・!
マルガリーテ様・・・!
レテルリア帝国の女王、マルガリーテは第四王女カロリーヌを王太子とし、78歳迄現役で政務をこなしていたが、そのまま倒れ亡くなった。
その愛妾、カロンは嘆き半年もせずに亡くなった。
マルガリーテは78歳の生涯で、9人の王女、5人の王子を産んだ。
カロンは一番の寵愛を受けたが、他の夫にも横柄な態度もせず、優しい人間だった。
マルガリーテは、カロンを夫とした後は他に夫を娶らずカロンを寵愛し続けたのだった。
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