付き合ってください!!フェアリーちゃん!!

ゆんぴ

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王子様とフェアリー

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集会での彼のことは、保健室で寝込んでいた設定になっているため、私はただ純粋に知らんぷりを決め込んでいた。 


そわそわしている周りの女子の妙な視線が少し痛い。




これだから嫌なんだ。 


また余計な噂を流されるのかとどうにもならない余計な心配がぐるぐると頭を回る


高校生なんだから、きっとがきんちょ中学生よりももっとタチの悪い噂なんだろうな







そんな心配をよそに担任は長々と今後の高校生活について話している。  


 

ふと廊下側の席に目を向けると、誰かと目があった。
 




あ、えっと、誰だったけ。 


綺麗な長めの茶髪がサラリと揺れ、少し離れた席の私からでもわかる程長い睫毛が目下に影を落としている。

指先まで色が白く、どこか中性的な気もするが、確かに美少年というに相応しい。 



王子様、って呼ばれてる人だ。 
王子だったかな。 




じっと見つめてしまっていたからだろうか。

ニコ、とうっすら目を細めてこちらに視線を送るものだから思わず会釈してしまった。 




アレは美形と言われる属の人間なんだろうな。 

見た目は中身の一番外側、とはよく言ったもので、見た目がいいと中身までもいいものだと思い込んでしまいそうだ。 



 


いや、それとも私のように見た目だけであれこれ噂をされる側の人間かもしれないか。







「………というわけだ、 
    飯田、三島   総務委員を頼めるか。」 




「え」 

まずい、聞いていなかった。 


「僕は大丈夫です。 
   三島さんはどうですか?」 

中性的な美少年がキラキラの笑顔で私の顔色を伺う。

君が飯田くんか。




「えっと…………」 

思わず言葉に詰まった。 


「部活のことなら、大丈夫ですよ。 
僕も部活はありますからなるべく支障は出ないようにしたいですし。 

三島さんは吹奏楽部ですよね?  」 


待て待て話が読めない。

というか私から見て飯田くんの後ろの女子の目線が怖い。 






「私は…………




「三島さんがダメなら私がやりますよぉー?」 



あっ、助かった。
 


何人かの女子も遠慮がちに続けて、私も………と呟く。 

下心丸見え甚だしいが、こうもなると逞しい。
いや、ありがたい。 



「じゃあお願いしよ……


「僕は三島さんに是非やってもらいたいんだけど…………ダメかな…?」 




(((((ブッコロース))))) 


空気が読めないのかこの王子様は。 





「私も三島さんがいいと思いまーす」

と聞き慣れた真麻の声が続ける。 



おのれ真麻覚えておけよ。 
 



「私やっぱり部活が…………


「よし!なら三島と飯田! 
よろしく頼むぞー!」 


担任が私の言葉を遮るように喋った。 


「よろしくね。三島さん。」 




キラキラーと効果音のつきそうな笑顔の飯田くんをよそに、私は目線を下に落とした。





(終わった…………)
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